JIS Z 4329:2004 放射性表面汚染サーベイメータ | ページ 3

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利な構造とする。
b) サーベイメータは,放射性物質による汚染の除去を容易にするために表面ができる限り滑らかで突起
物が少なく,かつ,堅ろうな構造とする。
c) 振動,衝撃,電磁誘導などの影響を受けにくい構造とする。
d) 指示回路系の入力側から試験信号を入力できる構造とする。
e) 計数値の積算ができる回路を付加してもよい。
f) 表面汚染密度を直接表示する回路を付加してもよい。
g) 必要に応じて,計数装置用出力端子,記録計用出力端子,警報信号出力端子などを備えてもよい。
h) 次の条件において,この規格を満足しなければならない。
1) こん(梱)包保管時の耐温度性 25 ℃から+50 ℃の環境に3か月間置いた状態。
2) こん包保管時の耐衝撃性 保管状態において,ピーク加速度300 m/s2,作用時間18 msの衝撃パル
ス(正弦半波パルス)による調和振動を3直交方向に加えた後の状態。

6.2 検出器

 検出器は,次による。
a) 検出部の入射窓の厚さと,入射窓と線源の表面又は被測定物の表面間の空気層厚さとの和を,α線に
対しては2 mg/cm2以下,β線に対しては5 mg/cm2以下にすることができる構造とする。
b) 入射窓の前面に保護格子などを設けてもよい。ただし,検出器の入射窓面積に対する格子の占める面
積の割合は45 %以下とする。

6.3 測定装置

 測定装置は,次による。
a) 指示値の表示は,アナログ式又はディジタル式とする。また,光又は音によって計数(率)の程度を
示す装置を付加してもよい。
b) 指示値の単位は,s-1又はmin-1で目盛るものとする。また,これらの他にBq,Bq/cm2などの単位を付
加してもよい。
c) 指示値がある判定基準を超えた場合には,表示又は音によって知らせる機能を付加してもよい。

6.4 電源

 電源は,次による。
a) 交流電源又は電池式とする。
b) 電源用電池の消耗度が容易にチェックできる機能をもたなければならない。
c) 一次電池は正しい極性で接続されるように,サーベイメータに明示しなければならない。
d) 二次電池の場合は,16時間以内に満充電にならなければならない。

7. 試験

7.1 試験条件

7.1.1  共通試験条件 7.2の各試験方法において,基準条件は,表10の第2欄による。特に指定のある場
合を除きこの規格における試験は,表10の第3欄に示す標準試験条件とする。

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表 10 共通試験条件
基準条件 標準試験条件
項目
(製造業者の指定がないとき) (製造業者の指定がないとき)
予熱時間 min 15 15
環境温度 ℃ 20 1822(2)
相対湿度 % 65 5575(2)
気圧 kPa 101.3 86 106(2)
電源電圧(1) 正規電源電圧 正規電源電圧±1 %
電源周波数(1) 正規電源周波数 正規電源周波数±2 %
電源波形(1) 正弦波 正弦波からのひずみ±5 %
γ線バックグラウンド
0.2以下 0.25以下

放射線入射角度 製造業者によって指定する方向 ±5°
外部電磁波 無視できるレベル 無視できるレベル
外部磁気誘導 無視できるレベル 地球磁界の2倍以下
サーベイメータを置く方向 製造業者が指定 照射方向に対し±2°
放射性物質による汚染 無視できるレベル 無視できるレベル
注(1) 商用電源を用いる場合に適用する。
(2) これらの値は,温暖な気候に適用可能である。より暑い,又は寒い気候時には,試験時の実際の値を明示し
なければならない。海抜の高いところでは,70 kPaまでとする。
7.1.2 線源 試験に用いる線源は,次による。
a) α線源は,241Amとする。
b) β線源は,36Cl又は204Tlとする。ただし,200 keV以下のβ線を対象とする測定器の場合は,14Cとす
る。

7.2 試験方法

7.2.1  試験の種類 試験の種類は,次による。
a) 形式試験 所定の仕様を満足していることを示すために設計段階で,一つ又は二つ以上の装置を用い
て行う試験。
b) 製造試験 装置が所定の規格を満足しているかを確認するために,製造工程又は製造後に個々の装置
に対して行う試験。
c) 受渡試験 装置が所定の条件下で仕様を満足していることを顧客に示すための契約上の試験。
備考 この規格に規定するすべての試験は,特に記載がない限り形式試験に関するものである。これ
らの試験の一部は,製造業者と使用者の合意のうえ受渡試験として用いてもよい。
7.2.2 試験方法一般 試験方法の一般条件は,次による。
a) すべての試験は,15分間の予熱時間が経過した後に実施するものとする。
b) 試験条件のうちのある項目の条件を変化させて試験する場合には,その項目以外の条件は,表10の標
準試験条件の範囲内にあるものとする。
c) ディジタル方式の場合の試験結果は,ディジタル誤差を除くものとする。
d) 計数率値が低い場合の測定では計数装置を用いて試験するものとし,この場合,サーベイメータの指
示値に影響を及ぼさないように留意して計数装置を用いる。
e) 試験における指示値の読取りには統計変動により十分な精度をもたない場合がある。この場合には,
読取り回数を増やし,平均値を用いる。このときの読取りの間隔は,少なくとも応答時間の3倍とす

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る。
7.2.3 相対基準誤差試験 α線又はβ線標準線源を用い,次の試験を行う。
a) 形式試験
1) 直線目盛の場合は,全指示範囲について各指示範囲の最大値の25 %,50 %及び75 %近辺の3ポ
イントについて相対基準誤差を求める。
2) 対数目盛及びディジタル式の場合は,各デカードの0.25,0.5及び0.75近辺の3ポイントについて
相対基準誤差を求める。
3) 線源による照射試験が困難な場合には,7.2.3 c) に示す電気試験を行ってもよいが,サーベイメータ
の最高感度レンジ及び最大レンジにおいては,線源を使用しなければならない。
なお,測定装置だけの試験は,7.2.3 c) に示す電気試験による。
b) 製造試験
1) 直線目盛の場合には,有効測定範囲の各レンジについて,最大目盛値の50 %75 %の1ポイント
について相対基準誤差を求める。
2) 対数目盛及びディジタル方式の場合には,有効測定範囲の各デカードの任意の1ポイントについて
相対基準誤差を求める。
3) 線源による照射試験が困難な場合には,7.2.3 c) に示す電気試験を行ってもよいが,有効測定範囲の
少なくとも一つのレンジにおいては,線源を使用しなければならない。
なお,測定装置だけの試験は,7.2.3 c) に示す電気試験による。
c) 電気試験 試験は,検出器からの出力信号に近似した波形の信号を用い,サーベイメータの検出器を
除く指示回路系入力端から信号を入力し,式 (1) より相対基準誤差E (%) を求める。
i Q
E 1 100 (1)
I q
ここに, E : 相対基準誤差
I : ある線源照射時の指示値
Q : Iと同じ指示値を指示する信号入力パルス数
q : Qとは異なる信号入力パルス数
i : qを入力したときの指示値
7.2.4 機器効率試験 機器効率試験は,7.1.2に記載する標準線源を用いて,検出器の入射窓面積より大
きい面積の標準線源を,特に指定のない限り検出器の表面から5 mmの位置に検出器の表面と平行になる
ように置き,自然計数率を差し引いた正味計数率を測定し,式 (2) によって機器効率 (εi) を算出する。
ただし,入射面積より大きい面積の標準線源が得られない場合は,標準線源を用いて入射窓の全面積につ
いて分割測定し,計算によって正味計数率を求めてもよい。
算出された機器効率から製造業者公称値を差し引いた値の製造業者公称値に対する百分率を求める。
N
i (2)
A
ここに, εi : 機器効率
N : 正味計数率(s-1)
φ : 線源の単位面積当たりのα粒子又はβ粒子表面放出率(s-1/cm2)
A : 検出器の入射窓面積(cm2)
7.2.5 検出限界試験 0.25 一 度のγ線場において,単位面積当たりの最小検出表面放出率を求める。
7.2.6 β線エネルギー特性試験 次のエネルギー範囲において,機器効率試験を実施する。
a) 200 keV以下のエネルギー範囲において1種類の線源

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b) 200500 keVの範囲において1種類の線源
c) 500 keV以上の範囲において1種類の線源
なお,線源は,JIS Z 4334に規定する校正用線源を用いる。推奨線源は,14C(156 keV),147Pm(225
keV),60Co(310 keV),36Cl(710 keV),204Tl(763 keV)及び90Sr/90Y(2 274 keV)とする。
7.2.7 検出器入射窓面の機器効率の均一性試験 試験は,直径25 mm以下の線源を用い,次による。
a) 長方形の検出面では,縦及び横をそれぞれ約25 mmごとに分割して,各エリアでの機器効率と平均値
を求める。
b) 円形の検出面では,中心から約25 mmごとに環状分割し,各エリアでの機器効率と平均値を求める。
25 mm以下の直径の場合は,中心部と他の場所において実施する。また,扇形に3分割して各エリ
アでの機器効率と平均値を求める。
c) 面積が625 cm2以上の大面積検出器の場合,可能な限り同じ面積で100 cm2以下に分割して各エリアで
の機器効率と平均値を求める。
7.2.8 自然計数率試験 自然計数率の測定は,0.2 一桎 下の環境において試験する。
a) α線を測定する状態で,30分以上の計数時間における積算の自然計数を測定し,その結果から自然計
数率(s-1)を求める。
b) β線を測定する状態で,10分以上の計数時間における積算の自然計数を測定し,その結果から自然計
数率(s-1)を求める。
7.2.9 他の放射線の影響に対する試験 他の放射線の影響に対する試験は,次による。
a) γ線の影響
1) α線測定用 γ線の影響試験は,次による。
1.1) サーベイメータの場合は,直線目盛の場合には最高感度レンジ,対数目盛の場合には最低デカー
ド,ディジタル表示の場合には2けた目の表示をするようにα線を照射し,このときの指示値を
基準値とする。次に,α線を照射した状態で137Cs γ線源を用いて10 mGy/h以上のγ線を照射し,
このときの指示値から基準値を差し引いた値の基準値に対する百分率を求める。
1.2) 検出器だけの場合は,約10 s-1の指示値となるようにα線源を照射し,この指示値を基準値とする。
次に,α線を照射した状態で137Cs γ線源を用いて10 mGy/h以上のγ線を照射し,このときの指
示値から基準値を差し引いた値の基準値に対する百分率を求める。
2) β線測定用及びα/β線測定用 137Cs γ線源を用いて10 一桎 上のγ線を照射し,そのときの指
示値から,10 一桟 数率を求める。このとき,測定器の表示がBq又はBq/cm2である場
合は,その単位における10 一桟 湘青 率を求める。
b) β線の影響 この試験は,α線用サーベイメータ及びα線用検出器のβ線の影響を評価するもので,
α/β線用には適用しない。
試験に用いるβ線源は,370 kBqを超えない強度の90Sr/90Y線源で,直径20 mm以下のサイズとす
る。また,α線源はできるだけ放射能強度が弱く,検出器の窓面積よりも十分に小さいものとする。
特に指定のない限り,α線源を検出面から5 mm以内の近接した位置で計数し,基準となる計数率
を得る。このとき,測定器が直線目盛の場合には最高感度レンジ,対数目盛の場合には最低デカード,
デジタル表示の場合は2けた目以下の表示をする状態で測定する。検出器及びα線源の配置を変えず
にβ線源を検出器窓の直近に置き,そのときの計数率を得る。基準とした計数率に対し,β線照射に
よって増加した計数率の百分率を求める。
c) α線の影響 この試験は,5 mg/cm2以下の窓厚をもつβ線用サーベイメータ及び検出器のα線に対す

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る感度を評価するもので,5 mg/cm2を超える窓厚のβ線用サーベイメータには適用しない。
α線源(241Amなど)を検出器表面から10 mm以内に置き照射する。このとき用いる線源の全等価
厚は,1.5 mg/cm2以下とする。線源からのα線表面放出率に対し,計数率の百分率を求める。ただし,
241Amの低エネルギーγ線の影響を受けるような機器においては,γ線の影響をあらかじめ評価し,
α線による計数率の増加を求める。
7.2.10 感光性試験 キセノン放電灯又は波長が300 nm以下の光を遮断した超高圧水銀灯を用い,検出器
の入射窓面における照度が2 000 lx以上になるように,光を照射したときの計数率を測定し,7.2.8の自然
計数率試験で求めた自然計数率を差し引いて光による計数率の増加を算出する。
7.2.11 指示値変動試験 次の計数率になるα線又はβ線を照射し,統計的に独立とみなせる時間間隔(応
答時間の3倍程度)で少なくとも20回指示値を読み取り変動係数を求める。
a) 直線目盛の場合は,最高感度指示範囲で最大目盛値の1/3
b) 対数目盛の場合は,最小デカードの0.3
c) ディジタル表示の場合は,最小ディジットの10倍
7.2.12 応答時間試験 サーベイメータ及び測定装置に,パルス信号発生装置を接続し,パルス信号を入力
する。この状態でパルス信号の発生率を急に変化させ,指示値がN0からN1になるとき,指示値がN0から
式 (3) で示される値 (N ) になるまでに要する時間を測定する。
N N0 0.9 (N1 N0 ) (3)
測定は,指示値を増加させる場合及び減少させる場合について行い,増加の場合にはN1/N0が,減少の
場合はN0/N1が10以上になる計数率で行う。試験は,検出器からの出力信号に近似した波形の信号を用
い,サーベイメータでは検出器を除く指示回路系入力端から信号を入力して行う。
7.2.13 温度特性試験 温度特性試験は,次による。
a) 温度安定度 装置を恒温槽内に設置し,20 ℃及び5.11の表1,表2及び表3に示す温度範囲内の最低
温度及び最高温度でそれぞれ4時間放置し,最後の30分間の値を記録する。20 ℃における値を基準
とし,それぞれの周囲温度(3)における値から基準値を差し引いた値の基準値に対する百分率を求める。
なお,温度変化は,1時間当たり10 ℃以下とする。また,測定項目は,次による。
注(3) 周囲温度の許容範囲は,いずれも±2 ℃とする。
1) サーベイメータ 自然計数率及び数え落としが十分無視できる計数率のα線又はβ線を照射して指
示値を読み取る。
2) 測定装置 測定装置にパルス信号発生装置を接続し,パルス信号を入力する。この状態で入力信号
による指示値,検出器への供給高圧及び入力感度の変化を測定する。
このとき,パルス信号発生器は恒温槽の外に設置し,入力感度はパルス信号発生器の通常指示値
が半分になるような波高値に調整して入力する。高圧は,400 V及び1 400 Vにおいて測定するか,
又は高圧設定範囲の最小及び最大値において測定するかのいずれかとする。
なお,半導体検出器専用の高圧の場合には上記試験を実施しなくてよい。
3) 検出器 自然計数率及び数え落としが十分無視できる計数率のα線又はβ線を照射して指示値を読
み取る。検出器に接続する測定装置は,恒温槽の外に設置する。
なお,高圧及び入力感度は,製造業者が指定するものとする。
b) 温度衝撃 装置を恒温槽内に設置し,20 ℃の温度で40分以上放置して指示値,高圧変化及び入力感
度変化を記録する。次に40 ℃(室内用は35 ℃)の温度に5分以内に変化させる。変化させた後5
分後の指示値,高圧変化及び入力感度変化を記録する。その後,15分ごとに値を記録し,2時間測定

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JIS Z 4329:2004の引用国際規格 ISO 一覧

  • IEC 60325:2002(MOD)

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