JIS Z 4346:2017 X・γ線用受動形環境モニタリング用線量計測装置 | ページ 2

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Z 4346 : 2017
外部電源なしに入射した放射線の情報を蓄積し,リーダで読み取ることで情報量に応じた信号量を発生
する物質。
3.10
リーダ(reader)
検出素子からの信号を読み取る装置。
3.11
ソフトウェア(software)
リーダを制御し,指示値の評価,保存及び表示に必要な機能を備えたもの。
3.12
有効測定範囲(effective measuring range)
線量計測装置がこの規格の規定する性能に適合する測定範囲。
3.13
デカード(decade)
対数目盛又はこれに準じる目盛の目盛範囲を表す単位。
注記 例えば,二つの目盛値の比の常用対数がNであるとき,この2目盛間の目盛範囲をNデカード
という。
3.14
基準方向(reference direction)
製造業者が定める線量計の基準の方向で,放射線入射角度を測るときなどに基準となる。
3.15
線量計の基準点(reference point of a dosemeter)
試験において基準とする線量計の構造上の点。
3.16
基準の向き(reference orientation)
放射線の入射方向に基準方向を合わせたときの線量計の向き。
3.17
影響量(influence quantity)
測定結果に変化を及ぼす影響の量。ただし,この規格が測定対象とする量ではない。
注記 例えば,長さの測定に用いるマイクロメータの温度。
3.18
有効測定範囲の下限の線量,Alow(lower limit of the effective measuring range)
有効測定範囲における最小の線量。
3.19
有効測定範囲の上限の線量,Aup(upper limit of the effective measuring range)
有効測定範囲における最大の線量。
3.20
変動係数,ν(coefficient of variation)
n個の指示値(Gj)の標準偏差の推定値(s)の,平均値(G)に対する百分率をいい,次の式によって
求められる。

――――― [JIS Z 4346 pdf 6] ―――――

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n
s 1 1 2
v 100 % GjG 100 %
G G n 1 j 1
3.21
最小定格範囲(mandatory range,minimum rated range)
この規格が線量計測装置に要求する最小限の定格範囲。
3.22
基準レスポンス,R0(reference response)
基準条件で測定したときの指示値(Gr,0)と線量の取決め真値(Cr,0)との比をいい,次の式によって求
められる。
Gr,0
R0
Cr,0
3.23
再生処理(initialization)
放射線照射の影響を取り除くために行う検出素子の初期化。
3.24
Fタイプの影響量(influence quantity of type F)
指示値に対する効果が,レスポンスの変化として現れるタイプの影響量。
注記1 例えば,放射線エネルギー及び入射角度。
注記2 Fは,係数(factor)を表す。
3.25
Sタイプの影響量(influence quantity of type S)
指示値に対する効果が,指示値の大小と無関係の偏差として現れるタイプの影響量。
注記1 例えば,電磁障害。
注記2 Sタイプの影響量に関する全ての要件は,偏差Dの値に対して与えられる。
注記3 Sは,総和(sum)を表す。
3.26
線量計測装置(dosimetry system)
指示値を示すための装置で,線量計,リーダ及び付随する関連機器から成る。

4 記号

  この規格で用いる記号及び意味は,表1による。

――――― [JIS Z 4346 pdf 7] ―――――

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表1−記号
記号 意味
A 線量(空気吸収線量及び空気カーマの総称)
α 放射線の入射角度
αmax 定格範囲内の放射線の入射角度の最大値
C 線量の取決め真値
Ci 第iグループの線量の取決め真値
CK 放射線の照射条件Kにおける線量の取決め真値
CL 放射線の照射条件Lにおける線量の取決め真値
CK+L 混合照射における放射線の照射条件K及びLにおける線量の取決め真値
Cnat 最大定格測定時間(tmax)保管したときの自然放射線による線量の取決め真値
Cr,0 基準条件での線量の取決め真値
D 偏差
G 指示値の平均値
Gi 第iグループの指示値の平均値
Gi 第iグループの指示値
G i 第iグループから自然放射線による線量を差し引いた指示値の平均値
GK+L 混合照射における放射線の照射条件K及びLにおける指示値
Gr,0 線量計にCr,0の線量を照射したときの指示値の平均値
K 放射線の照射条件K
L 放射線の照射条件L
r 相対レスポンス
rmax 相対レスポンスの許容最大値
rmax,K 混合照射における放射線の照射条件Kにおける相対レスポンスの許容最大値
rmax,L 混合照射における放射線の照射条件Lにおける相対レスポンスの許容最大値
rmax,w 混合照射における相対レスポンスの許容最大値
rmin 相対レスポンスの許容最小値
rmin,K 混合照射における放射線の照射条件Kにおける相対レスポンスの許容最小値
rmin,L 混合照射における放射線の照射条件Lにおける相対レスポンスの許容最小値
rmin,w 混合照射における相対レスポンスの許容最小値
s 標準偏差
si 第iグループの標準偏差
S 線量計の信号
Sg g個目の線量計の信号
tn−1 n回の指示値の読取りに対するスチューデントのt値
U 拡張不確かさ
Uc,com 線量の取決め真値の合成値の拡張不確かさ
Ucom 合成値の拡張不確かさ
Um 平均値の拡張不確かさ

5 構造

5.1 構造一般

  線量計測装置は,検出素子(以下,素子という。)を内蔵する線量計,リーダ及び付随する関連機器(ソ
フトウェアを含む。)で構成する。
なお,最大定格測定時間(tmax)は,3か月間以上とする。

5.2 線量計

  線量計の構造は,次による。

――――― [JIS Z 4346 pdf 8] ―――――

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a) 機械的衝撃に対して素子を保護できる構造とする。
b) 必要に応じてエネルギー補償用フィルタを備えてもよい。
c) 汚染しにくく,かつ,汚染を除去しやすい構造とする。
d) 製造業者の指定する以外の方法で容易に解体できない構造とする。
e) 湿気が容易に内部に入りにくい構造とする。

5.3 リーダ

  リーダの構造は,次による。
a) 読取機構及び指示値の表示機構から成る。
b) 長時間の連続使用に耐える構造とする。
c) 光電子増倍管の感度を調整するなどの機能として,試験用の素子又は光源を備えてもよい。
d) 測定レンジの変更は,自動とする。
e) 指示値のステップは,2 %以内とする。また,有効測定範囲の下限値を含むデカードでは,指示値の
ステップは,10 %以内としてもよい。例えば,測定下限値が0.01 mGyの場合,0.010 mGy0.099 mGy
の範囲では,指示値は,0.011 mGy,0.012 mGy,···と10 %ステップでよく,0.1 mGy以上の範囲では,
0.102 mGy,0.104 mGy,···と指示値は,2 %ステップ以内となる。
f) 線量計測装置は,各線量計に対する指示値を割り当てなければならない。

5.4 ソフトウェア

  ソフトウェアの機能は,次による。そのメニュー及び機能並びに次の,a)   g)に関わる情報は,全て文
書として明示する。
a) 機能を利用しているソフトウェア以外のソフトウェアの影響を受けにくくする。
b) ソフトウェアの変更を行ったときは,正常に動作することを確認する。
c) 識別情報をもたせるとともに,ソフトウェアの意図的な改ざん及び偶発的な変更に対する保護機能を
備える。
d) 指示値が消失するような異常な動作状況においては,指示値の消失を防ぐための警告を発しリーダの
動作を停止する。異常な動作状況において許容する指示値の損失は一つまでとする。
e) 権限を与えられた管理者以外は,指示値に影響を与えるパラメータの変更,追加及び削除をできなく
する。
f) 信号及び信号に影響を与える関連情報は,保存されなければならない。情報量が記録媒体の容量を超
える場合又は情報が削除される場合には,警告を発する。さらに,信号及び信号に影響を与える関連
情報を異なる装置に送信する場合,指示値を求めるために必要な情報を全て含めて送信する。
g) 誤ったキー入力を受け付けないなど,誤操作を防ぐための機能を備える。

6 共通試験

6.1 共通試験条件

  基準条件を製造業者が指定しないときは,表2の第2欄を基準条件とし,試験は,表2の第3欄に示す
標準試験条件で行う。

――――― [JIS Z 4346 pdf 9] ―――――

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表2−基準条件及び標準試験条件
項目 基準条件 標準試験条件
(製造業者が指定しないとき) (製造業者が指定しないとき)
基準線量 Cr,0 3 mGy 1 mGy10 mGy
137Cs 137Cs
基準γ線源
放射線の入射角度 基準方向 基準方向±2°
環境温度 20 ℃ 15 ℃25 ℃ a)
相対湿度 65 % 50 %75 % a)
気圧 101.3 kPa 86.0 kPa106.6 kPa a)
電源電圧 定格電源電圧 定格電源電圧±1 %
電源周波数 定格電源周波数 定格電源周波数±1 %
電源波形のひずみ 正弦波 全高調波ひずみが5 %未満の正弦

外部電磁場 無視できるレベル 影響の認められるレベル以下
外部磁気誘導 無視できるレベル 地球磁界の2倍以内
線量計の制御 正常状態にセット 正常状態にセット
バックグラウンド線量率 0.1 μGy/h以下 0.25 μGy/h未満
放射性物質による汚染 無視できるレベル 無視できるレベル
注a) 試験時点での実際の値を記録する。気圧については,海抜の高いところでは,70 kPaまで許容される。

6.2 基準放射線

  放射線による試験は,特に指定のない限り,次の放射線で行う。
JIS Z 4511又はISO 4037-1ISO 4037-4に規定するX・γ線。
試験に用いるX・γ線は,国家標準とのトレーサビリティが明確でなければならない。また,その不確
かさは,10 %以内が望ましい。

6.3 試験方法一般

  試験方法一般は,次による。
a) 線量計の位置 線量計の基準点を,基準線量が決定された点に置く。特に指定のない限り,線量計の
向きは基準の向きとする。
なお,線量計は自由空間中に設置する。
b) 試験に用いる線量計の数 試験に用いる線量計(又は照射)の数nは,特に指定のない限り,1個
25個で,附属書Aによって決定する。各試験に必要な線量計の数の一例を附属書Bに示す。
c) バックグラウンド線量 線量を評価するに当たり,追加の線量計を用い,自然放射線の影響だけは補
正してもよい。
d) 線量計のグループ分け 複数のグループに線量計を分けて試験を行う場合には,最大8組のグループ
に線量計をグループ分けする。各グループの試験条件は,7.2.27.13.2の各試験方法の細分箇条に規
定する。
e) タイプ及びSタイプの試験線量 製造業者は,7.57.13の試験では,線量計測装置の構造及び動作
原理を考慮して,Fタイプの影響量,Sタイプの影響量(以下,Fタイプ,Sタイプという。)かを判
定する。判定できない場合は,Fタイプ及びSタイプのいずれの性能も満足しなければならない。7.5
7.11の試験では,特に指定のない限り,影響量がFタイプの場合は,有効測定範囲の下限の線量(Alow)
の少なくとも10倍の線量を,影響量がSタイプの場合又は影響量がFタイプかSタイプかを判定で
きない場合は,有効測定範囲の下限の線量(Alow)の7倍の線量をそれぞれの線量計に照射する。

――――― [JIS Z 4346 pdf 10] ―――――

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