JIS Z 6017:2013 電子化文書の長期保存方法 | ページ 3

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附属書A
(規定)
長期保存ファイルの種類及び長期保存運用モデル
A.1 適用範囲
この附属書は,電子化文書を長期保存するための保存ファイルの種類及び長期保存の運用モデルについ
て規定する。
A.2 保存ファイルの種類及び形態
A.2.1 長期保存ファイルのモデル図
電子化文書,管理台帳など各種ファイルをまとめて長期保存していくモデルの例を,図A.1に示す。
光ディスク・チェンジャー
(保存ファイル)
電子化文書
電子化文書A(正)
試験標板
試験標板(正)
(保存前)
管理台帳
電子化文書B(正)
試験標板(正)
電子化文書C(正)
試験標板(正)
電子化文書C(正)
電子化文書A(副)
管理台帳(正)
試験標板(副)
電子化文書B(副)
電子化文書C(副)
試験標板(副)
電子化文書C(副)
試験標板(副)
管理台帳(副)
図A.1−電子化文書管理システム(例)
A.2.2 保存ファイルの詳細
保存ファイルの種類及び形態は,表A.1による。

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表A.1−保存ファイルの種類及び形態
番号 分類 必須/オプション データ形式 記録内容
1 電子化文書(正) 必須
画像(イメージ) 電子化文書本体
2 電子化文書(副) 必須
3 管理台帳(正) 必須 電子化文書の登録,移行,廃棄時
文字(テキスト)
4 管理台帳(副) 必須 の情報
5 試験標板 必須 画像(イメージ) スキャン時の試験標板
電子化文書を暗号化して保存し
6 復号鍵 オプション 符号(バイナリ)
た場合の復号鍵
A.3 長期保存規定の適用
A.3.1 文書管理責任者
事業者は,文書管理責任者を任命する。文書管理責任者は,文書利用者から独立した専任者であること
が望ましい。何らかの理由で文書管理責任者を任命できない場合は,事業者が文書管理責任者を兼務する。
文書管理責任者は,電子化文書の長期保存について責任を負う。
A.3.2 文書管理部門
文書管理部門は,長期間保存する文書を文書管理規定によって,管理・運用しなければならない。
A.3.3 外部委託
専任の文書管理部門を設けられない場合は,保存を含む文書管理業務を外部に委託することができる。
ただし,この場合でも,業務委託を行うものであって,組織における文書管理責任者の責任は,変わるこ
とはない。委託先の事業者は,文書管理及び保存についての専門知識をもち,保存記録媒体の出し入れの
管理と記録の保持とを行い,記録媒体を長期に保存するための安全性,温度,湿度,ほこりなどの管理事
業者を選択するものとする。
A.4 長期保存の運用モデル
電子化文書の長期保存を実施するに当たり,この規格の規定に基づき作成した運用モデルの例を,図A.2
に示す。

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利用部門 企業内での文書管理責任部署
媒体保管庫
(温度,湿度,防火及びセキュリティ対策)
1002
1002
登録
1003 1003
複写
別地保存(災害対策)
管理台帳として
a) タイトル b) 作成者 c) キーワード
d) 内容記述 e) 公開者f) 寄与者 1002
g) 日付 h) 記録形式 i) 資源識別子 証拠性が必要なもの
・電子署名及びタイムスタンプ 1003
j) 原情報資源 k) 関係 などを記載
・公証人役場での封印依頼など
図A.2−長期保存運用モデル(例)

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附属書B
(参考)
電子化文書長期保存のための光ディスク運用モデル
B.1 一般
この附属書は,光ディスクの技術的な知識,運用に関するモデルなど,電子化文書長期保存計画を推進
するための項目を記載する。
B.2 光ディスク保存に関する技術的な知識
B.2.1 代表的な記録媒体(CD,DVD及びBD)の種類及びその品質確認方法を,表B.1に示す。
表B.1−代表的な光ディスクの種類及び品質確認方法
光ディスク 追記・書換形区分 記録層数 容量 代表的な品質確認方法
CD CD-R 追記形 1層 650 MB/700 MB C1エラー測定a) )
CD-RW 書換形 1層 650 MB/700 MB
DVD DVD-R 追記形 1層/2層 4.7 GBytes/8.5 GBytesPIエラー測定b) )
DVD+R e) 追記形 1層/2層 4.7 GBytes/8.5 GBytes
DVD-RW 書換形 1層 4.7 GBytes
DVD+RW e) 書換形 1層 4.7 GBytes
DVD-RAM 書換形 BERエラー測定c) )
1層(両面) 4.7 GBytes(9.4 GBytes)
BD BD Recordable 追記形 1層/2層 25 GBytes/50 GBytes R-SER及びバーストエラ
disk ーの測定
BD Rewritable 書換形 1層/2層 25 GBytes/50 GBytes
disk
注a) 1秒当たりのエラー数。JIS X 6281による。
b) CCブロック8個当たりのエラー数。JIS X 6241による。
c) 10 KBytes当たりのエラー数。JIS X 0009による。
d) D,DVDの記録媒体を用いて電子化文書を長期保存する方法として,JIS Z 6016及びこの規格がある。ま
た,DVDディスクのためのデータ移行方法として,JIS X 6255がある。
e) これらの名称は俗称であり,国際標準のISO/IEC規格及びEcma International規格では,+Rフォーマット,
+RWフォーマットと記載されている。
B.2.2 記録媒体(CD,DVD及びBD)の構造模式図は,図B.1のとおりである。
カバー層(0.1 mm)
レーザ レーザ レーザ
基板(0.6 mm)
基板(1.2 mm)
接着層
記録層
記録層 反射層 記録層
反射層
接着層 反射層
保護層 基板(1.1 mm)
保護基板
a) D b) DVD c) BD
図B.1−記録媒体(CD,DVD及びBD)の構造模式図

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B.2.3 再生不具合の原因として,次のような事例がある。
a) 擦りきず,指紋,ほこりなどが考慮されていない取扱いによる。
b) 遮光(直射日光,長期間点灯の室内灯など)を考慮していない環境下での保存による。
c) オフィス環境を超える温度,湿度,急激な温度差による結露環境下での保存による。
d) 硫化ガスなど,酸又はアルカリ性ガスの発生源に近接した環境下での保存による。
B.3 光ディスクによる電子化文書保存の運用モデル図
B.3.1 光ディスクの選択について
光ディスクによる証拠性を重視する長期保存用途には,誤操作,意図的な上書き及び消去を防止するた
め,追記形ディスクの選択が望ましい。寿命推定試験が行われているディスクを用いると,保存計画が立
てやすくなる。
B.3.2 検査機及び基準ディスクについて
検査機は,基準ディスクなどで動作確認をしたものを使用するのが望ましい。
B.3.3 記録ドライブについて
記録ドライブは,使用するディスク用に記録特性が最適化された制御プログラムを搭載し,良好な記録
品質が確認された高品位なものを組み合わせて使用すると,各種基準に合致したディスクが効率的に作成
できる。記録ドライブと光ディスクとの組合せについては,記録ドライブ製造業者に確認する。
B.3.4 品質検査モデルの一例
品質検査モデルの一例を,図B.2に示す。
基準ディスク 検査機a)
電子化文書
関連情報
“品質の検査”
“記録”
光ディスクb) 記録ドライブc)
注a) 基準ディスクによる確認がなされているもの。
b) SO/IEC 10995,ISO/IEC 16963などによる寿命推定がなされていること,又は製造業者において,加速試験
による統計的な寿命推定を行ったものであることを確認する。
c) 使用する光ディスク用に記録特性が最適化された制御プログラムを搭載し,良好な記録品質が確認された高
品位なもの。
図B.2−品質検査モデルの一例

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