JIS Z 6017:2013 電子化文書の長期保存方法

JIS Z 6017:2013 規格概要

この規格 Z6017は、紙文書又はマイクロフィルム文書を電子化し,電子化文書を長期保存管理するための記録媒体のハード及びその利用システム,見読性の維持,媒体移行の手順,廃棄などについて規定。

JISZ6017 規格全文情報

規格番号
JIS Z6017 
規格名称
電子化文書の長期保存方法
規格名称英語訳
Document management -- Long-term preservation for electronic imaging documents
制定年月日
2006年12月20日
最新改正日
2018年10月22日
JIS 閲覧
‐ 
対応国際規格

ISO

国際規格分類

ICS

35.240.30
主務大臣
経済産業
JISハンドブック
‐ 
改訂:履歴
2006-12-20 制定日, 2011-10-20 確認日, 2013-09-20 改正日, 2018-10-22 確認
ページ
JIS Z 6017:2013 PDF [17]
                                                                                   Z 6017 : 2013

pdf 目 次

ページ

  •  1 適用範囲・・・・[1]
  •  2 引用規格・・・・[1]
  •  3 用語及び定義・・・・[2]
  •  4 長期保存文書の規定及び業務手順の文書化・・・・[3]
  •  4.1 電子化文書管理規定・・・・[3]
  •  4.2 事業者の文書保存責務・・・・[3]
  •  4.3 文書管理部門の責務・・・・[3]
  •  4.4 管理台帳作成及び保存・・・・[3]
  •  5 保存ファイルの種類・・・・[4]
  •  5.1 一般・・・・[4]
  •  5.2 保存ファイルの種類・・・・[4]
  •  5.3 電子署名及びタイムスタンプ・・・・[4]
  •  6 見読性の維持・・・・[4]
  •  6.1 一般・・・・[4]
  •  6.2 長期保存用途に使用する記録媒体及びドライブ装置・・・・[4]
  •  6.3 作成媒体・・・・[5]
  •  6.4 初期品質検査・・・・[5]
  •  6.5 記録後の定期品質検査・・・・[6]
  •  6.6 定期品質検査に関する付随事項・・・・[6]
  •  6.7 光ディスクの品質検査フロー・・・・[7]
  •  6.8 光ディスクの取扱いに関する注意・・・・[7]
  •  6.9 光ディスクの保存・・・・[8]
  •  7 電子化文書の廃棄・・・・[8]
  •  8 監査及び監査記録の保存・・・・[8]
  •  附属書A(規定)長期保存ファイルの種類及び長期保存運用モデル・・・・[9]
  •  附属書B(参考)電子化文書長期保存のための光ディスク運用モデル・・・・[12]
  •  附属書C(参考)ダブリンコアをベースとした管理台帳作成基準・・・・[14]

(pdf 一覧ページ番号 1)

――――― [JIS Z 6017 pdf 1] ―――――

Z 6017 : 2013

まえがき

  この規格は,工業標準化法第14条によって準用する第12条第1項の規定に基づき,社団法人日本画像
情報マネジメント協会(JIIMA)及び一般財団法人日本規格協会(JSA)から,工業標準原案を具して日本
工業規格を改正すべきとの申出があり,日本工業標準調査会の審議を経て,経済産業大臣が改正した日本
工業規格である。
これによって,JIS Z 6017:2006は改正され,この規格に置き換えられた。
この規格は,著作権法で保護対象となっている著作物である。
この規格の一部が,特許権,出願公開後の特許出願又は実用新案権に抵触する可能性があることに注意
を喚起する。経済産業大臣及び日本工業標準調査会は,このような特許権,出願公開後の特許出願及び実
用新案権に関わる確認について,責任はもたない。

(pdf 一覧ページ番号 2)

――――― [JIS Z 6017 pdf 2] ―――――

                                       日本工業規格(日本産業規格)                             JIS
Z 6017 : 2013

電子化文書の長期保存方法

Document management- Long-term preservation for electronic imaging documents

1 適用範囲

  この規格は,紙文書又はマイクロフィルム文書を電子化し,電子化文書を長期保存管理するための記録
媒体のハード及びその利用システム,見読性の維持,媒体移行の手順,廃棄などについて規定する。この
規格の電子化文書は,JIS Z 6016によって作成した文書とする。
なお,この規格における記録媒体は,長期間にわたる記録保存が可能で互換性に優れた光ディスクを対
象とする。

2 引用規格

  次に掲げる規格は,この規格に引用されることによって,この規格の規定の一部を構成する。これらの
引用規格は,その最新版(追補を含む。)を適用する。
JIS X 0836 ダブリンコアメタデータ基本記述要素集合
JIS X 6246 120 mm(4.7 GB/面)及び80 mm(1.46 GB/面)DVD−書換形ディスク(DVD-RAM)
JIS X 6248 80 mm(1.46 GB/面)及び120 mm(4.70 GB/面)DVDリレコーダブルディスク
(DVD-RW)
JIS X 6249 80 mm(1.46 GB/面)及び120 mm(4.70 GB/面)DVDレコーダブルディスク(DVD-R)
JIS X 6250 120 mm(4.7 GB/面)及び80 mm(1.46 GB/面)+RWフォーマット光ディスク(4倍
速まで)
JIS X 6251 120 mm(4.7 GB/面)及び80 mm(1.46 GB/面)+Rフォーマット光ディスク(16倍速
まで)
JIS X 6252 120 mm(8.54 Gbytes/面)及び80 mm(2.66 Gbytes/面)2層DVDレコーダブルディス
ク(DVD-R for DL)
JIS X 6282 情報交換用120 mm追記形光ディスク(CD-R)
JIS X 6283 情報交換用120 mmリライタブル光ディスク(CD-RW)
JIS Z 6016 紙文書及びマイクロフィルム文書の電子化プロセス
ISO/IEC 13170,Information technology−120 mm (8,54 Gbytes per side) nd 80 mm (2,66 Gbytes per side)
DVD re-recordable disk for dual layer (DVD-RW for DL)
ISO/IEC 25434,Information technology−Data interchange on 120 mm and 80 mm optical disk using +R DL
format−Capacity: 8,55 Gbytes and 2,66 Gbytes per side (recording speed up to 16X)
ISO/IEC 26925,Information technology−Data interchange on 120 mm and 80 mm optical disk using +RW
HS format−Capacity: 4,7 Gbytes and 1,46 Gbytes per side (recording speed 8X)

――――― [JIS Z 6017 pdf 3] ―――――

2
Z 6017 : 2013
ISO/IEC 29642,Information technology−Data interchange on 120 mm and 80 mm optical disk using +RW
DL format−Capacity: 8,55 Gbytes and 2,66 Gbytes per side (recording speed 2,4X)
ISO/IEC 30190,Information technology−Digitally recorded media for information interchange and storage−
120 mm Single Layer (25,0 Gbytes per disk) nd Dual Layer (50,0 Gbytes per disk) D Recordable disk
ISO/IEC 30191,Information technology−Digitally recorded media for Information interchange and storage−
120 mm Triple Layer (100,0 Gbytes per disk) nd Quadruple Layer (128,0 Gbytes per disk) D
Recordable disk
ISO/IEC 30192,Information technology−Digitally recorded media for information interchange and storage−
120 mm Single Layer (25,0 Gbytes per disk) nd Dual Layer (50,0 Gbytes per disk) D Rewritable disk
ISO/IEC 30193,Information technology−Digitally recorded media for Information interchange and storage−
120 mm Triple Layer (100,0 Gbytes per disk) D Rewritable disk

3 用語及び定義

  この規格で用いる主な用語及び定義は,次による。
3.1
長期保存(long-term preservation)
保存期間10年30年程度において,真正性及び見読性を保証できる状態で,電子化文書を保存するこ
と。
注記 所定の期間を超えて保存する場合は,媒体移行を行うことで長期間保存年限を延ばすことがで
きる。
3.2
媒体移行(migration of recording media)
電子化文書の原本性を保証しながら,別の記録媒体にファイル形式を変更することなく移し替えること。
3.3
ダブリンコア(Dublin Core metadata)
情報資源発見のためのメタデータ(索引,抄録など)記述の標準仕様。
注記 電子化文書の管理において,ダブリンコアに準拠したタイトル,作成者などの情報を記述する
ことで,文書の検索性を高めることができる。
3.4
ディジタルデータエラー(digital data error)
誤り訂正を適用する前の記録したデータに対する誤り。
3.5
電子保管庫(electronic storage system)
電子化文書及び文書の属性情報,管理台帳を保管する場所であり,サーバ,PCサーバ及びこれらに接続
される各種記録媒体で構成するシステム。
3.6
BD Recordable disk
青色レーザとNA0.85の対物レンズとを用いて記録再生を行う,追記形ディスク。

――――― [JIS Z 6017 pdf 4] ―――――

                                                                                              3
Z 6017 : 2013
3.7
BD Rewritable disk
青色レーザとNA0.85の対物レンズとを用いて記録再生を行う,書換形ディスク。
注記 BD Recordable disk及びBD Rewritable diskは,ブルーレイディスクアソシエーション登録商標
フォーマットの光ディスクを含む。

4 長期保存文書の規定及び業務手順の文書化

4.1 電子化文書管理規定

  電子化文書作成時に,文書ごとに保存期間を明確にする。特に,長期保存する文書は管理台帳を作成し,
定期的な媒体移行を行うことを文書管理規定に明記して運用を行う。

4.2 事業者の文書保存責務

  事業者の文書保存責務は,次による。
a) 事業者は,社会的及び法的な責務を負うため,電子化文書規定を定めて電子化文書を長期保存する。
b) 事業者は,文書保存業務を外部委託できる。ただし,外部委託は,作業委託であるので事業者の責務
は変わらない。

4.3 文書管理部門の責務

  文書管理部門の責務は,次による。
a) 文書管理部門は,電子化文書の使用者に文書管理規定を遵守させる。
b) 文書管理部門は,長期保存対象の電子化文書を文書管理規定によって,速やかに電子保管庫に登録し,
電子化文書をいつ,誰が電子保管庫に登録したかを管理台帳に記録する。
c) 管理台帳は,いつでも参照可能な状態で電子保管庫に保管する。
d) 電子保管庫に登録された電子化文書を修正する場合は,元の電子化文書はそのまま旧版として保存し,
修正した電子化文書に新たな版番号を付ける。また,削除する場合は,管理台帳に削除情報を記入す
る。

4.4 管理台帳作成及び保存

  文書ごとに,登録した文書の検索及びトレースが可能となるよう,管理台帳を附属書Cに示すダブリン
コアの各項目の基本要素を参考に作成し,管理台帳を電子保管庫に保存して運用管理する。この場合のフ
ァイル形式は,検索可能なテキスト(XML)形式などが望ましい。ダブリンコアの基本記述は,JIS X 0836
による。
管理台帳は長期的な運用が必要であり,定期的にバックアップを行い,電子化文書とともに光ディスク
に保存して長期保存する。
一般的な電子化文書単位での管理台帳項目の例を,次に示す。
a) タイトル(Title) : 電子化文書の文書名,バージョン
b) 作成者(Creator) : 電子化文書の作成者,所属
c) キーワード(Subject) : 検索キーワード
d) 内容記述(Description) : 次による。
1) 要約,目次
2) 電子化文書の媒体(DVD-R,BD Recordable diskなど)
3) 媒体の管理番号及び保管場所
4) 媒体の品質検査結果

――――― [JIS Z 6017 pdf 5] ―――――

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JIS Z 6017:2013の国際規格 ICS 分類一覧

JIS Z 6017:2013の関連規格と引用規格一覧