この規格ページの目次
8
Z 9080 : 2004
AAABB BBBAA AABAB BBABA
ABAAB BABBA BAAAB ABBBA
AABBA BBAAB ABABA BABAB
BAABA ABBAB ABBAA BAABB
BABAA ABABB BBAAA AABBB
5.2.5.5 結果の解析 6.2.5に示す。
5.2.6 A非A試験法(ISO 8588参照)
5.2.6.1 定義 試料 (A) の属性を評価者に理解させるために,同一の評価者又は複数の評価者に試料 (A)
及び試料(非A)をコード化して呈示し,Aか非Aかを判断させる試験方法 (JIS Z 8144参照)。
5.2.6.2 適用 この試験方法は,外観に違いのある試料又は刺激が長く持続する試料(例えば,あと味が
しつこく残る食品)を評価するために用いられる。この試験方法は厳密に似ている試料を幾つも用意でき
ない場合に特に有効である。
5.2.6.3 評価者 望ましい評価者数は,選ばれた評価者で20人以上,評価能力による選抜及び訓練を受
けていない評価者で30人以上である。
5.2.6.4 手順 一度に一つの試料を評価者に呈示する。評価者が基準となる試料”A”を認識できるように
なるまで,最初に数回基準となる試料“A”を評価者に呈示する。それから,“A”又は“非A”の試料を
ランダムに数回呈示し,評価者は“A”か“非A”かを回答する。試料を呈示する間隔はかなり(例えば,
25分)あけるとよい。1回の試験では,数個だけ試料を呈示する。
5.2.6.5 結果の解析 6.2.6に示す。
5.3 尺度及びカテゴリーを用いる試験方法
(7.4,7.5及び7.6を参照)5.3.1 試験のタイプ 次の試験方法は,差の順番若しくは大きさ,又は試料が該当するカテゴリー若しくは分類を評価するのに用いる。
a) 順位法(5.3.2参照)
b) 分類(5.3.3参照)
c) 格付け法(5.3.4参照)
d) 採点法(5.3.5参照)
e) 等級付け(5.3.6参照)
5.3.2 順位法(7.4参照)
5.3.2.1 定義 指定した官能特性について,強度又は程度の順序に試料を並べる方法 (JIS Z 8144)。
5.3.2.2 適用 順位法の適用範囲は広いが,識別効率はそれほど高くない。次のような使用を勧める。
a) 一層正確な評価を計画するために,スクリーニング試験として用いる。
b) 試料の選択のために用いる。
c) 受容度及びし(嗜)好の順位を決定するための消費者試験で用いる。
d) 評価者の訓練のために用いる。
この試験方法は迅速に実施でき,複雑な属性(例えば,質又はフレーバ)をもつ少数試料(6個程度)
の評価に有効であり,外観については多数試料(20個程度)の評価にも有効である。
5.3.2.3 評価者 望ましい評価者数は,専門家で2人以上,選ばれた評価者で5人以上,評価能力による
選抜及び訓練を受けていない評価者で10人以上(消費者試験のためには100人以上)である。
5.3.2.4 手順 試験前に,評価する属性及び基準について評価者が理解し,同意していることを確認して
おく必要がある。この試験方法では,各評価者はあらかじめ決めた順番で,コード化された試料を評価し,
仮の順位付けを行う。再び試料を評価して,この順位を確認し,調整する。
――――― [JIS Z 9080 pdf 11] ―――――
9
Z 9080 : 2004
5.3.2.5 結果の解析 6.3.2に示す。
5.3.3 分類
5.3.3.1 定義 あらかじめ用意されたカテゴリーに従って試料を仕分ける方法及び行為 (JIS Z 8144参
照)。
5.3.3.2 適用 製品の欠陥を評価するような状況で用いることを勧める。
5.3.3.3 評価者 望ましい評価者数は,専門家で3人以上,選ばれた評価者で3人以上である。
5.3.3.4 手順 用いる分類は,専門家又は選ばれた評価者によって明確に定義され,理解されているもの
がよい。各評価者は試料をすべて評価し,各試料をどれか一つのカテゴリーに割り付ける。
5.3.3.5 結果の解析 6.3.3に示す。
5.3.4 格付け法
5.3.4.1 定義 あらかじめ用意され,かつ,順位をもったカテゴリーに試料を分類する方法 (JIS Z 8144
参照)。
5.3.4.2 適用 次のような評価に用いることを勧める。
a) 一つ以上の属性の強度
b) し(嗜)好の程度
格付け法は属性の強度又はし(嗜)好の程度を評価するため,得られる情報は順位法よりも多い場合が
ある。
5.3.4.3 評価者 望ましい評価者数を,次に示す。
a) 属性の強度を決定するためには,専門家で1人以上,選ばれた評価者で5人以上,評価能力による選
抜及び訓練を受けていない評価者で20人以上。
b) し(嗜)好の程度を決定するためには,2試料の場合で評価者50人以上,3試料以上の場合で評価者
100人以上。
5.3.4.4 手順 用いる分類は明確に定義され,評価者によって理解されたものがよい。尺度には,ライン
スケール,記述的尺度又は両方を組み合わせた尺度がある。単極尺度又は両極尺度を用いる。
各評価者は試料を評価し,各試料を尺度上の点に割り付ける。カテゴリーに数字を割り付けた場合には,
これらの数字を得点と考えないほうがよい。
5.3.4.5 結果の解析 6.3.4に示す。
5.3.5 採点法
5.3.5.1 定義 あらかじめ用意された基準に従って試料に点数を付与する方法 (JIS Z 8144参照)。
5.3.5.2 適用 一つ以上の属性の強度を評価するための使用を勧める。
5.3.5.3 評価者 望ましい評価者数は,専門家で1人以上,選ばれた評価者で5人以上,評価能力による
選抜及び訓練を受けていない評価者で20人以上である。
5.3.5.4 手順 用いる尺度のタイプを明確に定義する。尺度は,間隔,比率[マグニチュード推定(ISO
11056参照)は,比率尺度の一種である。]又は両方を組み合わせたものに基づく。主な状況は二つある。
一つは,評価者は,各試料に尺度の値(例えば,ラインスケール上の位置,記述的尺度のカテゴリー)を
割り付ける。もう一つは,評価者は,試料を評価し,得点を割り付けるが,試験監督者が,事前に決めた
規則に従って得点を割り付ける。
5.3.5.5 結果の解析 6.3.5に示す。
5.3.6 等級付け(7.5及び7.6を参照)
――――― [JIS Z 9080 pdf 12] ―――――
10
Z 9080 : 2004
5.3.6.1 定義 選ばれた評価者又は専門家が,一つ以上の属性に基づき,試料を質に従って分類する試験
方法。
5.3.6.2 適用 この試験方法では,事前に属性を選択し,各属性の尺度を定義し,各属性を重み付けして,
等級付けを定義する必要がある。
5.3.6.3 評価者 評価者数は,用いる等級付けの手順による。
5.3.6.4 手順 7.5及び7.6に示す。
5.3.6.5 結果の解析 6.3.6に示す。
5.4 分析形試験法又は記述的試験法
5.4.1 試験方法のタイプ これらの試験方法は,一つ以上の官能特性について定性的,かつ,定量的に特
徴をとらえるために,一つ以上の試料に適用する。試験方法は,次のように分類する。
a) 簡単な記述的試験法(5.4.2参照)
b) 定量的記述的試験法(1) 及びプロファイル法(5.4.3参照)
これらの試験は希釈法と組み合わせることがある[4.5 c) 参照]。
注(1) 定量的記述的試験法とは,一般的にQDA (Quantitative Descriptive Analysis) 法と言われている試
験方法のことである。
5.4.2 簡単な記述的試験法
5.4.2.1 定義 試料の総合的な特徴に関連する個々の属性の定量的記述を得るための試験方法 (JIS Z
8144参照)。
5.4.2.2 適用 この試験方法は,次の目的に用いる。
a) 特定の1個又は数個の試料の属性の確認及び記述(ISO 11035参照)。
b) 得られた属性を評価する順番を確立する。
この試験方法は,あらかじめ確認してある差を記述するために用いることを勧める。評価者の訓練に有
効な試験方法である。
5.4.2.3 評価者 望ましい評価者数を,次に示す。
a) 属性の確認及び記述の場合は,専門家で5人以上である。
b) 属性を知覚する順番を確立する場合は,選ばれた評価者で5人以上である。
5.4.2.4 手順 この試験方法は一つ以上の試料に適用する。1回の試験で二つ以上の試料を呈示する場合
は,試料の呈示順による順序効果が発生することがある。この効果の重要性は,呈示順を変えて試験を繰
り返すことによって評価できる。
各評価者は自分の判断に基づいて試料を評価し,その結果を記録する。属性の照合表を評価者に与えて
もよい。官能評価結果について,パネルリーダのもとで検討を行ってもよい。
5.4.2.5 結果の解釈 各記述的用語の使用頻度に基づいて,その試料に適用できる記述的用語の一覧を作
成することが望ましい。多くの場合,評価結果について広く意見を求めることは有用である。記述的用語
の収集及び選択についてはISO 11035を参照する。
5.4.3 定量的記述的試験法及びプロファイル法(ISO 6564及びISO 11036を参照)
5.4.3.1 定義 簡単な記述的試験法によってあらかじめ作成した評価用語の一覧から選んだ用語を用い
て,試料の官能特性を再現性のある方法で評価する試験方法又は理論的方法。試料の総合的な印象に寄与
する属性を各々強度尺度で評価し,その結果を試料の官能プロファイルの決定に用いる。この手法は,に
おい,フレーバ,外観,テクスチャなどの単一の属性又は複数の属性の組合せの評価に用いることができ
る (JIS Z 8144参照)。
――――― [JIS Z 9080 pdf 13] ―――――
11
Z 9080 : 2004
5.4.3.2 適用 次の目的で用いることを勧める。
a) 新製品の開発
b) 試料間の差の性質の解明
c) 品質管理
d) 機器測定データとの相関分析のための官能評価データの提供
5.4.3.3 評価者 この手法について特に訓練された,選ばれた評価者又は専門家で5人以上からなるパネ
ルが必要である。場合によって,
− パネルリーダは訓練を指導する。
− パネルリーダは討論の進行を管理し,合意を導き出す。
− パネルリーダが不在でも,試験監督者は状況を管理する。
5.4.3.4 手順 試料の品質の範囲で予備試験を行い,重要な官能特性を確立する。予備試験の結果は,試
験で用いる記述的用語一覧を作成したり,試料を呈示する手順及び試験する手順を確立するのに用いる。
パネルは確立した試験方法について訓練し,特に評価用語の使用について訓練する。この段階で各評価用
語の見本を用いることは有効である。特にその属性が表す官能特性を示すものを見本に選ぶ。
試験では,評価者は評価用語一覧に従って試料を評価し,強度尺度上の属性について評点を付ける。通
常,評価後も持続する刺激(例えば,食品のあと味)を含め,各刺激を実際に感じる順番,並びに総合的
な印象(例えば,フレーバ全体の強弱及びバランスの良しあし)について記述する。
5.4.3.5 結果の解釈 データの扱いには2通りの基本的取組み方がある。一つは,評価者が評価を終了し
た直後に,パネルリーダが結果を表形式に整理し,評価の違いを解明するための検討を始める。必要なら
ば試料の再評価を行い,討論の結果,パネルはプロファイルに関してグループとしての結論を出す。もう
一方は,検討はしないか,又は少し検討しただけで,各評価者の付けた得点の平均をプロファイルとする。
結果を統計的に取り扱うのに簡単な方法はないが,試料間の差及び評価者間の差の意味及び有意性を調
査するために多変量解析を用いることができる。
6. 結果の解析
6.1 一般
この箇条は,官能評価結果の統計解析に用いる適切な方法を示す。個別の方法の詳細につい
ては,この規格の2.に記載した引用規格及び7.で理解することができる。斜体で示した統計用語について
は,附属書1に詳細説明がある。
6.2 識別試験法
6.2.1 一般 5.2で述べた識別試験法の目的は,2種類の試料A及びBに識別可能な差[又はし(嗜)好
差]があるかないかを決めることである。例えば,Aを好む人,Bを好む人又は奇数試料を正しく選んだ
人のような各々のカテゴリーに属する評価者数によって,試験結果は決まる。
6.2.2 2点試験法(7.2参照)
6.2.2.1 統計的解釈 この試験方法には二つの可能な形式がある。第一は二つのものの差の方向の検出及
び決定に関する試験方法,第二は二つのもののし(嗜)好の差に関する試験方法である。
この解析は,試験の各対がAA又はBBでなく,AB又はBAのような,A及びBの2種類の試料で構成
される場合にだけ適用する。
いずれの場合も,帰無仮説は“二つのものは[強度,し(嗜)好のどちらでも]区別できない”である。
統計用語では,試験に参加した各評価者にとって,A又はBが,他方より強い強度を示す(又は,より好
まれる)確率は等しい,すなわち,PA=PB=1/2,のように表現する。
――――― [JIS Z 9080 pdf 14] ―――――
12
Z 9080 : 2004
A若しくはBが他方より強い強度を示す,又は他方より好まれると判断した参加者数に基づく結果の解
釈は,帰無仮説に対する対立仮説によって決まる。試験実施前に決められる対立仮説によって,試験は両
側検定又は片側検定になる。
6.2.2.2 両側検定 両側検定は,二つのものの強度に差があるかどうか[(感覚)強度試験],し(嗜)好
に差があるかどうか[し(嗜)好試験]を単に知りたい場合に用いる。対立仮説は,PA≠PB(すなわち,
PA>PB又はPA<PB)と書く。
片方の試料を選んだ人数が,付表1の2列目(2点試験法)にある数以上ならば,5 %の有意水準で帰
無仮説は棄却される。
この場合は,二つのものに差があると結論することになる。そして,もしAのほうを選んだ人が多かっ
たならば,AはBよりも有意に強い強度である(又は,有意に好まれる)と結論する。
6.2.2.3 片側検定 片側検定は,例えば,Aというものがもう一方のものよりも強い強度がある[(感覚)
強度試験]か,又は好まれる[し(嗜)好試験]かを知りたい場合に用いる。対立仮説はPA>1/2である。
Aを選んだ人数が,付表1の4列目(1対2点試験法及び2点試験法)にある数以上ならば,5 %の有
意水準で帰無仮説を棄却する。この場合には,[(感覚)強度又はし(嗜)好で]AがBに勝っているこ
とが,パネルに有意に認識されたと結論する。
例題 30人の評価者を用いた試験で,20人はAが好き,10人はBが好きと回答した。試験前にA又
はBのいずれかが好まれるはずであると考える理由はなかった(すなわち,試験は両側検定で行
われた)。人数が多かったほうの人数(20人)を,付表1の1列目(評価者数)の30と同じ行に
ある2列目(2点試験法)の数 (21) と比較する。実験から得られた数は,付表1の数よりも小さ
かったので帰無仮説は5 %の有意水準で棄却されず,どちらかが好まれたと結論することはでき
ない。
一方,前もってAのほうが好まれると期待していた場合,試験は片側検定になる。Aを好んだ評価者の
人数を,付表1の1列目(評価者数)の30と同じ行にある4列目(1対2点試験法及び2点試験法)の数
(20) と比較する。試験で得た数が付表1の数と等しいため帰無仮説は5 %の有意水準で棄却され,Aのほ
うが有意に好まれたと結論する。
6.2.3 3点試験法(7.3参照) 帰無仮説は,“試料間の区別ができない”である。この場合,ある試料が
他の二つの試料と異なることを正答する確率Pは,P0=1/3に等しい。統計用語では,帰無仮説H0はP0=1/3
と表現する。
試験は片側検定である。試験監督者は二つの試料が区別できるか知りたい。そして,対立仮説P>1/3を
採用しようとして帰無仮説を棄却することになる。
正答数が付表1の3列目(3点試験法)の数以上ならば,正答数の割合は,5 %の有意水準でP0=1/3よ
りも有意に高いことを示す。
6.2.4 1対2点試験法(ISO 10399参照) 帰無仮説は“試料間の区別ができない”である。この場合,
試料が基準となる試料と同じであることを正答する確率は,P0=1/2に等しい。統計用語では,帰無仮説H0
はP0=1/2と表現する。
この試験は片側検定である。試験監督者は二つの試料が区別できるか知りたい。そして,正答数が5 %
の有意水準で有意を示す付表1の4列目(1対2点試験法及び2点試験法)の数以上ならば,対立仮説P>1/2
に対する帰無仮説を棄却する。
6.2.5 2対5点試験法 帰無仮説はP0=1/10である。この試験は片側検定で,対立仮説はP>1/10である。
――――― [JIS Z 9080 pdf 15] ―――――
次のページ PDF 16
JIS Z 9080:2004の引用国際規格 ISO 一覧
- ISO 4120:1983(MOD)
- ISO 4121:1987(MOD)
- ISO 5495:1983(MOD)
- ISO 6658:1985(MOD)
- ISO 8587:1988(MOD)
JIS Z 9080:2004の国際規格 ICS 分類一覧
JIS Z 9080:2004の関連規格と引用規格一覧
- 規格番号
- 規格名称
- JISZ8144:2004
- 官能評価分析―用語
- JISZ9015-0:1999
- 計数値検査に対する抜取検査手順―第0部:JIS Z 9015抜取検査システム序論
- JISZ9015-1:2006
- 計数値検査に対する抜取検査手順―第1部:ロットごとの検査に対するAQL指標型抜取検査方式
- JISZ9015-2:1999
- 計数値検査に対する抜取検査手順―第2部:孤立ロットの検査に対するLQ指標型抜取検査方式
- JISZ9015-3:2011
- 計数値検査に対する抜取検査手順―第3部:スキップロット抜取検査手順
- JISZ9041-1:1999
- データの統計的な解釈方法―第1部:データの統計的記述
- JISZ9041-2:1999
- データの統計的な解釈方法―第2部:平均と分散に関する検定方法と推定方法
- JISZ9041-3:1999
- データの統計的な解釈方法―第3部:割合に関する検定方法と推定方法
- JISZ9041-4:1999
- データの統計的な解釈方法―第4部:平均と分散に関する検定方法の検出力