JIS Z 9290-4:2016 雷保護―第4部:建築物等内の電気及び電子システム | ページ 13

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Z 9290-4 : 2016 (IEC 62305-4 : 2010)
部の配線は,保護対象から外れる。
b) ボンディング導体を並列に追加敷設することで,雷電流が分流し,配線を保護することがある。
c) 配線は,相互接続して閉鎖形金属ケーブルダクト内に配置することを推奨する。これによって,配線
及び機器を保護する。
分離した建築物等の接地極システム間の適切な相互接続を実施している場合であっても,相互接続した
金属ダクトによる配線の保護を推奨する。相互接続した建築物等間に多くのケーブルを配置している場合,
これらのケーブルに遮蔽又は外装を施し,片端をボンディングすることによって,ケーブルダクトの代わ
りに用いることができる。
B.14 既設建築物等内への新しい内部システムの統合
既設建築物等に新しい内部システムを追加する場合,既設設備は,採用することができる保護対策を制
限することがある。
図B.8に,既設設備(左側)を,新設の設備(右側)に相互接続する例を示す。既設設備の場合,採用
することができる保護対策には制限がある。
その一方,新設の設備の設計及び計画は,必要な保護対策の全てが採用可能である。

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Z 9290-4 : 2016 (IEC 62305-4 : 2010)
1 : 既設の主回路(TN-C,TT,IT) E : 電力線
2 : 新規の主回路(TN-S,TN-CS,TT,IT) S : 信号線(遮蔽又は非遮蔽)
3 : サージ防護デバイス(SPD) ET1,ET2 : 接地極システム
4 : クラスI標準絶縁 BN : ボンディング回路網
5 : クラスII二重絶縁(PEなし) PE : 保護接地導体
6 : 絶縁変圧器 FE : 機能接地導体 (ある場合)
7 : フォトカプラ又は光ファイバケーブル : 電力線(3線 : L,N,PE)
8 : 電力線と信号線との接近ルート : 電力線(2線 : L,N)

9 : 遮蔽ケーブルダクト : ボンディング点(PE,FE,BN)
注記 日本国内における一般的な配電システムはTTシステムである。したがって,PE,電力線(3線)
は存在しない。
図B.8−既設建築物等内のSPMの改良
B.15 使用可能な保護対策の概要
B.15.1 電力線
商用周波障害の原因になりやすい建築物等内の既設の電力線(図B.8の1参照)は,ほとんどがTN-C
システムである。このような障害は,分離用(絶縁用)インターフェースによって防止することができる。
新しい電力線(図B.8の2参照)を設置する場合には,TN-S形を強く推奨する。
注記 TN-Cシステム及びTN-Sシステムは海外に多い配電方式である。日本国内ではTTシステムが
一般的であり,上記の影響が少ない。

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Z 9290-4 : 2016 (IEC 62305-4 : 2010)
B.15.2 サージ防護デバイス
配線へ伝導する雷サージを制限するために,SPDを各LPZの引込口及び可能な場合は被保護機器近傍に
設置することが望ましい(図B.2及び図B.8の3参照)。
B.15.3 分離用(絶縁用)インターフェース
障害を防止するため,既設及び新規の機器間を分離用(絶縁用)インターフェースを用いることができ
る[例 クラスII絶縁機器(図B.8の5),絶縁変圧器(図B.8の6参照),光ファイバケーブル又はフォ
トカプラ(図B.8の7参照)]。
B.15.4 配線の経路及び遮蔽
大きなループの配線経路は,非常に高い電圧又は電流を誘導することがあるが,電力線と信号線(図B.8
の8参照)とを隣接して配線し,ループ面積を最小化することによって防止することができる。さらに,
遮蔽した信号線を用いることを推奨する。増築した建築物等には,追加の遮蔽,例えばボンディングした
金属製ケーブルダクト(図B.8の9参照)を同様に推奨する。これらの遮蔽の全ては,両端をボンディン
グすることが望ましい。
LPZ 1の空間遮蔽効果が少なければ少ないほど,かつ,配線ループの面積が大きければ大きいほど,配
線経路及び遮蔽による対策はより重要になる。
B.15.5 空間遮蔽
雷による磁界に対するLPZの空間遮蔽は,5 m以下のメッシュ幅を必要とする。
JIS Z 9290-3による標準的な外部LPS(受雷部,引下げ導線及び接地極システム)によって形成したLPZ
1は,5 mを超える特有のメッシュ幅をもつため,この遮蔽効果は期待できない。より高い遮蔽効果を必
要とする場合には,外部LPSを改良しなければならない(B.6参照)。
LPZ 1及びこれ以上のゾーンは,無線周波数の放射及びイミュニティの要求事項に適合していない内部
システムを保護するための空間遮蔽が必要な場合がある。
B.15.6 ボンディング
数MHzまでの周波数をもつ雷電流のための等電位ボンディングとしては,5 mのメッシュ幅をもつ低イ
ンピーダンスのボンディング回路網が必要となる。LPZへの全ての引込線・管類は,LPZの境界にできる
だけ近い箇所で,直接又は適切なSPDによってボンディングをすることが望ましい。
既設の建築物等内でこの条件を満たさない場合,他の適切な保護対策を実施することが望ましい。
B.16 建築物等内の電力線及び配線設備の改良
古い建築物等内の配電設備の多くは,TN-Cシステムである(図B.8の1参照)。PEN導体をもつ接地し
た信号線の接続から発生する50 Hz又は60 Hzの障害は,次の手段によって避けることができる。
注記1 TN-Cシステムは,欧州の一般的な配電システムであり,日本国内では上記の影響が小さい。
a) クラスII電気機器又は二重絶縁変圧器を用いた分離用(絶縁用)インターフェース。これは,少数の
電気機器だけの場合,対策となることがある(図B.8の5参照)。
b) 配電方式をTN-Sシステムに変更する(図B.8の2参照)。これは,特に電子機器の広範なシステムに
対して推奨する対策である。
注記2 TN-Sシステムは,欧州の一般的な配電システムであり,日本国内では上記の影響が小さい。
さらに,接地,ボンディング及び配線経路に対する要求事項を,満たしていることが望ましい。

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Z 9290-4 : 2016 (IEC 62305-4 : 2010)
附属書C
(参考)
協調のとれたSPDシステムの選定及び施工
C.1 一般
建築物等へ直接(損傷の発生源S1),建築物等の近傍(S2),建築物等の引込線へ直接(S3)及び建築物
等の引込線の近傍(S4)への落雷は,内部システムの故障又は誤動作の原因となる[JIS Z 9290-1の5.1
(建築物等への損傷)参照]。
この附属書は,協調のとれたSPDシステムの選定及び施工に関する情報を提供する。追加の情報は,過
電流及びSPDの故障時における保護について,JIS C 5381-12及びJIS C 60364-5-53に規定している。
JIS Z 9290規格群の適用範囲では,電子機器のイミュニティレベルを超える雷サージによる故障は,対
象としていない。雷サージによるイミュニティについては,JIS C 61000-4-5を参照する。
しかし,雷サージは,絶縁破壊,すなわち,過電圧が機器のコモンモードの絶縁レベルを超えることに
よって,しばしば電気及び電子システムの故障の原因となる。
機器の定格インパルス耐電圧UW(コモンモード耐電圧)が,その端子部で充電用導体と接地との間の
雷サージ電圧よりも高い場合,機器を保護することができる。そうでない場合,SPDを設置しなければな
らない。
このようなSPDは,有効な電圧防護レベルUP/F(公称放電電流In通過時の電圧防護レベルUPに接続導
体のインダクタンス成分による電圧降下を加えたもの)がUWよりも低い場合,機器を保護することがで
きる。SPDの設置点で発生する放電電流がSPDの指定のInを超えた場合,電圧防護レベルUPがより高く
なり,UP/Fが機器の耐電圧レベルUWを超えることがある。この場合,機器は保護できない。したがって,
SPDの公称放電電流Inは,設置点で想定することができる雷放電電流以上とすることが望ましい。
UP/F≦UWであるSPDが被保護機器を意図したように十分に保護しない確率は,このSPDの設置点での
放電電流がUPを決定した点での電流を超える確率に等しい。
様々な設置場所で想定する電流の評価は,JIS Z 9290-1の附属書E(各設置場所における雷サージ)に
記載がある。これはIEC 62305-2を用いて決定したLPLに基づいている。損傷の発生源S1の事象を考慮
する場合,電流分流の完全な解析が必要である。追加の情報を附属書Dに示す。
(機器のUWよりも)低い値のUPをもつSPDを選定することは,損傷の発生頻度が低下するだけでな
く,長い動作寿命をもたらすような,機器に対してストレスを低く抑えることにも留意することが望まし
い。
LPLの関数としての確率PSPDの値は,IEC 62305-2の表B.3(LPLに対応して設計したSPDシステムに
対する確率PSPDの値)に示す。
注記 よりよい保護特性をもつSPDに対するPSPDの値は,SPDの電圧−電流特性が入手することに
よって,決定することができる。
最終的に,有効に協調のとれたSPDシステムとするためには,電源回路及び信号回路の両方を保護する
SPDを適用することは非常に重要である。

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Z 9290-4 : 2016 (IEC 62305-4 : 2010)
C.2 SPDの選定
C.2.1 電圧防護レベルを考慮した選定
SPDの適切な電圧防護レベルの選定は,次による。
− 被保護機器のインパルス耐電圧UW
− SPDの接続導体の長さ
− SPDと機器との間の配線長及び経路
次の機器に対して,被保護機器のインパルス耐電圧UWを指定することが望ましい。
− JIS C 60664-1及びJIS C 5381-12に従って,電力線に接続する機器
− JIS C 5381-22,ITU-T Recommendation K.20,ITU-T Recommendation K.21及びITU-T
Recommendation K.45に従って,通信線に接続する機器
− 製造業者から入手した情報によるその他の線及び機器の端子
注記1 SPDの電圧防護レベルUPは,規定した公称放電電流Inにおける残留電圧に関係する。SPD
に流れる電流が大きい又は小さい場合に対し,SPD端子における電圧値は,それに応じて変
化する。
注記2 電圧防護レベルUPは,SPDと同一条件(過電圧及び過電流,波形及びエネルギー,電圧印
加する機器など)で試験をした機器のインパルス耐電圧に対比することが望ましい。この件
は検討中である。
注記3 機器はSPDを内蔵することがある。これらのSPDの特性は,協調に影響を及ぼすことがあ
る。
SPDが被保護機器に接続している場合,接続導体のインダクタンス成分による電圧降下ΔUをSPDの電
圧防護レベルUPに加える。リード線接続における電圧防護レベル及び配線電圧降下から得る,SPDの出
力部における電圧として定義する最終有効電圧防護レベルUP/F(図C.1参照)は,次の式のように仮定す
ることができる。
電圧制限形SPDの場合 : UP/F=UP+ΔU
電圧スイッチング形SPDの場合 : UP/F=UP又はΔUの最大値
注記4 一部の電圧スイッチング形SPDでは,アーク電圧が数百Vになる場合があり,アーク電圧
をΔUに加える必要がある。複合形SPDに対しては,より複雑な式が必要になる場合がある。
SPDを建築物等の引込口に設置する場合,長さ1 m当たりΔU=1 kVと仮定することが望ましい。接続
導体の長さが0.5 m以下の場合,UP/F=1.2×UPと仮定することができる。(V字接続において)SPDだけに
通電した場合,ΔUは無視することができる。
SPDの動作中,SPD端子間の電圧を,SPDの設置場所においてUP/Fに制限する。SPDと機器との間の配
線長が非常に長い場合,雷サージの伝搬は,振動現象を起こす場合がある。機器の端子部で開放回路の場
合,過電圧が2×UP/Fにまで上昇することがあり,UP/F≦UWの場合でも,機器の故障となることがある。
SPDに対する接続導体,接続形状及びヒューズの耐量レベルの情報は,JIS C 5381-12及びJIS C
60364-5-53に規定がある。
さらに,建築物等への直撃雷又は建築物等近傍の大地への落雷は,SPDと機器との間の回路ループ内に
過電圧UIを誘起し,この過電圧がUP/Fに加わることによってSPDの保護効果が低減する。誘導過電圧は,
ループの寸法(配線経路 : 回路の長さ,PEと活線導体との距離,電力線と通信線との間のループ面積)に
伴って増大し,磁界の強さ(空間遮蔽及び/又はラインの遮蔽)に伴って低減する。
注記5 誘導過電圧UIの計算は,A.4を適用する。

――――― [JIS Z 9290-4 pdf 65] ―――――

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JIS Z 9290-4:2016の引用国際規格 ISO 一覧

  • IEC 62305-4:2010(IDT)

JIS Z 9290-4:2016の国際規格 ICS 分類一覧

JIS Z 9290-4:2016の関連規格と引用規格一覧