JIS A 1429:2007 建築物の現場における給排水設備騒音の測定方法 | ページ 2

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3.7 残響時間 (reverberation time) 音源を停止した後,音圧レベルが60 dB減衰するのに要する時間
(s)。
3.8 標準化音圧レベル・規準化音圧レベル (standardized/normalized sound pressure level) 式(5)によっ
て残響時間0.5秒で標準化したオクターブバンド音圧レベルを標準化音圧レベル,式(6)によって等価吸音
面積10 m2で規準化したオクターブバンド音圧レベルを規準化音圧レベルと定義する。単位は,デシベル
(dB)。
T
LnT L 10 log 10 (5)
T0
ここに, LはLS max,LF max又はLeq を示す。
T : 測定した残響時間 (s)
T0= 0.5 s
A
Ln L 10 log10 (6)
A0
ここに, LはLS max,LF max又はLeq を示す。
A : 等価吸音面積 (m2)
.016 V
A
T
0.16 : s/mの単位をもつ値
V : 室容積 (m3)
T : 測定した残響時間 (s)
A0 : 基準の等価吸音面積 (m2) 0=10 m2
備考 基準の残響時間を0.5秒として標準化することは,次の式で示される値を基準の等価吸音面積
(m2)として式(6)で計算することに相当する。
A0=0.32 V
また,基準の等価吸音面積10 m2で規準化することは,次の式で示される基準の残響時間(s)
として式(5)で計算することに相当する。
.016 V
T0
A0

4. 測定器

 この規格による最大音圧レベルの測定では,オクターブバンドリアルタイム分析器の使用を
前提とする。分析器は,供試機器の指定された作動サイクル中に発生するA特性最大音圧レベル又はC特
性最大音圧レベルの測定と同時に,オクターブバンド音圧レベルの値が測定できなければならない。この
規格に従って使用される測定器が上述の必要条件を満たすことを確認することが重要である。建築音響の
分野で一般的に使用されているほとんどの測定器は,この機能をもっている。
備考1. マイクロホンとケーブルとを含む測定システムは,JIS C 1509-1に規定するものを用いる。
2. オクターブバンドの測定に関して,フィルタはJIS C 1514に規定するものを用いる。
3. 測定の始めと終わりに,JIS C 1515に規定する音響校正器を用いて,測定器の感度を確認す
る。

――――― [JIS A 1429 pdf 6] ―――――

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5. 試験方法

 給排水設備機器の音圧レベルは,供試機器の指定された作動サイクルの間に生じるA特性
音圧レベル又はC特性音圧レベルに対応した31.5 Hz/63 Hz8 000 Hzを中心周波数とするオクターブバン
ドで測定する。時間重み特性はS又はFを用いる。
給排水設備機器の発生音の評価は,A特性最大音圧レベル又はC特性最大音圧レベルで行う。代わりに,
又は補足的に,規定された積分平均時間におけるA特性等価音圧レベル又はC特性等価音圧レベルによる
こともできる。
オクターブバンド音圧レベルの測定結果は,暗騒音で補正する。さらに必要に応じて0.5秒の残響時間
で標準化するか,又は10 m2の等価吸音面積で規準化する。A特性音圧レベル又はC特性音圧レベルは,
オクターブバンド音圧レベルから算出する。
この規格によって測定される単一数値評価量は,3.6.13.6.9で定義されたオクターブバンドの値から計
算される。表1の記号は,測定結果を報告するときに用いる。
備考1. 強制法規などがある場合には,他の評価量を組み合わせてもよい。
2. A特性音圧レベル及びC特性音圧レベルは,通常,オクターブバンド音圧レベルの測定結果
から算出する。ただし,規準化音圧レベル又は標準化音圧レベルの算出を必要としない場合
には,周波数重み特性A及び周波数重み特性Cを通した値を直接測定してもよい。
表 1 各種の最大音圧レベル,等価音圧レベル (dB) を表す記号
A特性値(638 000 Hzの周波 C特性値(31.58 000 Hzの周
数帯域のオクターブバンド値 波数帯域のオクターブバンド
から計算する。) 値から計算する。)
最大音圧レベル, LASmax LCSmax
時間重み特性S LASmax, nT (1) LCSmax, nT (1)
LASmax, n (1) LCSmax, n (1)
最大音圧レベル, LAFmax LCFmax
時間重み特性F LAFmax, nT (1) LCFmax, nT (1)
LAFmax, n (1) LCFmax, n (1)
等価音圧レベル LAeq LCeq
LAeq, nT (1) LCeq, nT (1)
LAeq, n (1) LCeq, n (1)
注(1) 6.6参照
表1に示す記号による単一数値評価量は,同じ評価量の場合は比較することができるが,異なる評価量
間で比較することはできない。
法的な要求に応じて測定結果の比較をするときは,同じ評価量を比較していることを確認する。また,
明確に感知される音色的な特徴がある場合は,この旨を測定報告書に記載する。
窓及び扉は,測定中は閉めておく。さらに,測定担当者も測定中はなるべく測定室から退出する。

6. 測定手順

6.1 一般事項

 給排水設備からの発生音は,ここで規定する作動条件及び作動サイクルの条件下で測定
する。この測定は,強制法規などがある場合で,やむを得ない場合を除いて,この規定によって行う。

――――― [JIS A 1429 pdf 7] ―――――

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給排水設備からの発生音の測定では,6.26.8に従い,室内の空間的に均等に配置された35点の箇所
のマイクロホン位置において音圧レベルを測定する。
参考 原国際規格では,室内の隅角部の1か所と拡散音場とみなされる室内の2か所との計3か所の
マイクロホン位置において音圧レベルを測定する方法を規定しているが,我が国では,室内の
騒音を評価する場合,以前から空間的に均等に配置された35点の箇所において測定する方法
が広く用いられているため,この方法を規定した。原国際規格で規定しているマイクロホンの
設置位置による測定方法については,附属書1に参考として示す。

6.2 室内均等に分布する測定点の設置方法

a) 固定マイクロホンによる場合 室内で,壁,床,天井から0.7 m以上離れた空間内に,互いに0.7 m
以上離れた35点の測定点を空間的に均等に分布させる。
b) 移動マイクロホンによる場合 音源の発音性状が定常的な場合は,0.7 m以上の回転半径をもつマイ
クロホン移動装置を用いて,受音室内の天井,周壁,床面などから50 cm以上離れた空間内で,回転
面は床面に対して傾斜させ,かつ,各壁面に対しても10°以上の角度となるようにして,また,回転
周期が30 秒以上となるようにして,マイクロホンを移動させる方法を用いてもよい。ただし,1移動
周期の間の最大レベルと最小レベルとの差が10 dBを超えていないことを確認する。

6.3 音圧レベルの測定方法

a) 固定マイクロホンによる場合 最大音圧レベルの測定は,各測定点において,必要に応じて,A特性
最大音圧レベルLAmax,C特性最大音圧レベルLCmax,中心周波数638 000 Hzのオクターブバンドの
最大音圧レベルLmax,単発騒音暴露レベルLAEなどを測定する。また,等価音圧レベルの測定は,各
測定点において,必要に応じて,A特性等価音圧レベルLAeq,C特性等価音圧レベルLCeq,中心周波
数638 000 Hzのオクターブバンドの等価音圧レベルLeqなどを測定する。各測定点において,3回以
上の測定を行う。
b) 移動マイクロホンによる場合 必要に応じて,A特性等価音圧レベルLAeq,C特性等価音圧レベルLCeq,
及び中心周波数638 000 Hzのオクターブバンドの等価音圧レベルLeqを測定する。ただし,この方
法による場合は,必ず積分平均機能を備えた騒音計を用いて,その平均化時間はマイクロホン移動装
置の回転周期の整数倍とする。
なお,この方法は最大音圧レベルの測定には用いてはならない。

6.4 音圧レベルの室内平均値の算出方法

 固定マイクロホンによる場合は,3.2で定義されている算出方
法で,各測定点のA特性最大音圧レベルLAmax,C特性最大音圧レベルLCmax,中心周波数638 000 Hzの
オクターブバンドの最大音圧レベルLmax,単発騒音暴露レベルLAE,A特性等価音圧レベルLAeq,C特性等
価音圧レベルLCeq,中心周波数638 000 Hzのオクターブバンドの等価音圧レベルLeqなどの室内平均レ
ベルを算出する。室内平均値は小数点以下1けたに丸める。ただし,測定点の最大値と最小値との差が10
dBを超える場合は,平均値は算出せずに,最大値及び最小値を報告書に記載する。

6.5 暗騒音の補正

 暗騒音を8.に従い測定し,給排水設備騒音のオクターブバンド音圧レベルを補正す
る。

6.6 オクターブバンド音圧レベルの標準化又は規準化

 必要に応じ,暗騒音の補正されたオクターブバ
ンド音圧レベルは,部屋の吸音特性について標準化又は規準化を行う。残響時間は,7. に従い測定する。
次に3.8の式(5)を用いて標準化音圧レベルを,また,式(6)を用いて規準化音圧レベルの算出を行う。A特
性及びC特性の算出値は整数位に丸める。
また,必要に応じ,A特性等価音圧レベルLAeq,又はC特性等価音圧レベルLCeqの標準化又は規準化し

――――― [JIS A 1429 pdf 8] ―――――

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た値を求める場合は,それぞれ標準化又は規準化した638 000 Hzまでのオクターブバンドの値から計算
する値とする。もし,31.5 Hzのオクターブバンドの値がC特性音圧レベルに大きく寄与している場合に
は,この旨を報告書に記載する。
暗騒音のために,8 000 Hzオクターブバンドの残響時間測定において,問題が生じる場合がある。給排
水設備騒音の8 000 Hzのオクターブバンド音圧レベルがオクターブバンドスペクトルの中の最も高いバン
ドレベルより15 dB以上低いならば,8 000 Hzのオクターブバンドにおいては,標準化又は規準化は行わ
ない。
備考1. 標準化音圧レベル及び規準化音圧レベルは,附属書2に規定する基準音源を用いた等価吸音
面積レベルの測定結果から算出することもできる。
2. 標準化音圧レベル及び規準化音圧レベルは,小数点以下2けた目をJIS Z 8401によって丸め,
小数点以下1けたまで表す。

6.7 A特性及びC特性値の算出

 6.5又は6.6で得られる値から,3.3の定義に従い,638 000 Hzまでの
オクターブバンドの値からA特性値を算出する。また,3.4の定義に従い,31.58 000 Hzまでのオクター
ブバンドの値からC特性値を算出する。A特性,C特性の算出値は整数位に丸める。

6.8 部屋の中に存在する音源(追加の測定)

 部屋の中に音源がある場合−例えば,壁又は天井の換気
口など−それぞれの音源に対して追加の測定を行う。壁にある音源の場合は,測定点は音源正面から水平
距離1 m,床上から1.5 m高さの点とする。天井にある音源の場合は,測定点は音源直下で床上1.5 m高さ
の点とする。これらの追加の測定値は標準化又は規準化は行わない。また,室内均等に分布する測定点の
測定値の平均値とは別に報告する。

7. 残響時間又は等価吸音面積の測定

 残響時間は,ISO 3382に従い,638 000 Hzを中心周波数とする
オクターブバンド帯域で測定する。
備考 規準化,標準化のための部屋の残響時間又は等価吸音面積の測定は,附属書2に規定する方法
によってもよい。

8. 暗騒音の補正

 暗騒音の測定は,給排水設備騒音を対象とした音圧レベル測定の直前又は直後に,給
排水設備騒音の音圧レベル測定と同じ位置において行う。暗騒音は,約30秒間の等価音圧レベルとして,
オクターブバンドで測定する。各測定点における暗騒音のオクターブバンド音圧レベルを3.2で定義され
ている算出方法でエネルギー平均して,その値によって給排水設備騒音のオクターブバンド音圧レベルの
補正を行う。
この方法は,暗騒音が定常的とみなせる場合に限り有効である。暗騒音レベルが給排水設備騒音の音圧
レベルより10 dB又はそれ以上に小さければ,補正は行わない。
暗騒音レベルが給排水設備騒音の音圧レベルより410 dB小さい場合は,測定した音圧レベルは次の式
(7)式(9)を用いて補正する。
L L1 K (7)
1.0L
K 10
10 log10(1 ) (8)
L L1L2 (9)
ここに, L : 補正音圧レベル (dB)
L1 : 暗騒音を含んだ給排水設備騒音のオクターブバンド音圧レベ
ル測定値 (dB)

――――― [JIS A 1429 pdf 9] ―――――

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L2 : 暗騒音のオクターブバンド音圧レベル (dB)
K : オクターブバンド補正値 (dB)
4 dBの差は,2.2 dBの補正値に対応する。差が4 dB未満の場合は,補正値は2.2 dBを限度とし,報告
書に測定値が暗騒音の影響を受けていることを記載する。
測定限界値との比較によって,測定値を給排水設備騒音の音圧レベルの上限限界とみなすことができる。
暗騒音が設備のA特性及びC特性音圧レベルに影響を及ぼしているかいないかを報告書に記載する。
備考 暗騒音が時間とともに変動する場合で例えば,道路交通騒音の場合には,信頼性の高い補正は
できない。暗騒音の最大音圧レベルは,1か所のマイクロホン位置で1015分の測定時間で決
定できる。最大値が給排水設備騒音の音圧レベルより10 dB又はそれ以上小さければ結果は補
正せずに妥当とみなすことができる。
測定時間中の適切な時間幅を選び,時間波形を監視することも,測定対象とするすべてのオ
クターブバンド値の妥当性を調べることに有効である。

9. 測定精度

 表2に,再現性に関する標準偏差の推定値を示す。数値は,定常的な音源における最小測
定回数を基礎に推定されている。音源の音圧レベルの変動は,特に最大音圧レベル測定に関しては,測定
の不確かさを増大させる。
表 2 再現性に関する標準偏差
オクターブバンド中心周波数 再現性の標準偏差
(Hz) (dB)
31.5 1.5
63 1.5
125 1.5
250 1.5
500 1.2
1 0008 000 1.0
A特性 0.8(2)
C特性 1.1(2)
注(2) 1008 000 Hz帯域において比較的平たんなスペクトル特性をもつ定
常音で,設備機器音圧レベルと暗騒音レベルとの差が少なくとも10
dBの場合に成り立つ。

10. 測定報告

 報告書には,次の情報を含める。
a) 測定機関の名称及び住所
b) 測定の依頼機関又は依頼者の名称及び住所
c) 測定年月日
d) 測定はこの規格によったこと
e) 給排水設備騒音の音圧レベル測定を行った室の情報
f) 建物の構造に関する図面
g) 測定対象設備の正確な詳細
h) 附属書Bからの逸脱がある場合は,作動条件及び作動サイクル(例えば,サイクルの時間的長さ)に
関する詳細な情報

――――― [JIS A 1429 pdf 10] ―――――

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