JIS A 4302:2006 昇降機の検査標準 | ページ 3

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なお,上部リミットスイッチはドアゾーン内にて作動することとする。
k) 主索及び調速機ロープは,かご上において,かごを小刻みに昇降しながら検査し,かご上で検査でき
ない部分は,機械室及びピットにおいて検査し,次の1)9) の規定に適合していることとする。
1) 主索端部がバビット詰め止め金具の場合は,各よりが平均に開き,確実に折り曲げてあり,バビッ
トが十分に回っていることとする。また,各よりを折り曲げたことが明らかに見られるようになっ
ていることとする。
2) 主索端部がくさび(楔)式止め金具の場合は,止め金具に正しくソケッティングされていることとす
る。また,ウェッジの割ピン穴には,正しく割ピンが取付けられていることとする。
3) 主索端部が据え込み式止め金具の場合は,ダイスにより確実に圧縮締結され締結部の割ピンが正し
く取り付けられていることとする。
4) 主索端部がクランプ止めの場合は,ドラムに巻かれたロープ端部が適確にロープ押さえによって押
さえボルトで固定されていることとする。
5) 主索の引止め金具は,二重ナットを固く締め付け,かつ,割ピンが正しく取り付けられていること
とする。
6) すべての主索は,ほぼ均等な張力を受けていることとする。
7) 主索の疲労破壊及び摩損の状態は,次の規定に適合していることとする。
7.1) 疲労破壊の状態については,素線の破断が表5の規定に適合していることとする。
7.2) 摩損の状態については,摩耗部分の鋼索の直径は,摩耗していない部分の直径の90 %以上とす
る。
表 5 素線の破断数
素線の破断状態 基準
素線の破断が平均に分布している場合 1構成より(ストランド)の1よりピッチ内での破
断数4以下
1構成より(ストランド)の1よりピッチ内での破
破断素線の断面積が,元の素線の断面積の70 %以
下(4)となっているか,又は,さびが甚だしい場合
断数2以下
素線の破断総数が1よりピッチ内で6より鋼索では
素線の破断が1か所又は特定のよりに集中している
場合 12以下,8より鋼索では16以下
注(4) 破断素線の断面積が70 %以下かどうかは,図3のl1,l2の素線の摩耗長さを測定し,ワイヤロー
プ(l1)の場合は表6,異形線ロープ(l2)の場合は表7の数値以上であることで判定できる。
図 3 摩耗長さ
表 6 素線の摩耗長さ(ワイヤロープ)
単位 mm

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単位 mm
ロープの構成記号及び摩耗長さ(l1)
主索直径
8×S(19) 6×W(19) 8×Fi(25)
8 2.8 3.2 2.6
10 3.6 4.0 3.3
12 4.2 4.8 4.0
14 4.9 5.6 4.4
16 5.6 6.3 5.4
18 6.3 7.2 6.2
20 7.1 8.1 6.5
備考 ロープの構成記号は,JIS G 3525による。
表 7 素線の摩耗長さ(異形線ロープ)
単位 mm
ロープの構成記号及び摩耗長さ(l2)
主索直径
8×P・S(19) 8×P・Fi(25)
10 4.3 3.7
12 5.2 4.5
14 6.1 5.2
16 6.9 6.0
18 7.8 6.7
備考 ロープの構成記号は,JIS G 3546による。
8) ロープ心入りワイヤロープ(鋼心ロープ)で鋼心部分を設計強度に含む場合は,ロープ損傷検出器
(ロープテスタ)を併用し検査することとする。
9) 巻胴式エレベーターにあっては,主索が緩んだ場合において動力を自動的に切る装置が良好に作動
することとする。
l) つり合ロープ又はつり合チェーンがある場合は,その取付状態は適確であること。また,すべてのロ
ープはほぼ均等な張力を受けていることとする。
m) レール及びブラケットの取付状態は,地震その他の振動に対しても強固であり,著しいさび(錆),変
形又は甚だしい摩耗が認められないこととする。
n) はかり装置が,かご上に設けてある場合は,5.1.4 t) の規定による。
o) 乗り場の戸のロック及びスイッチの取付状態は強固であり,作動状態が確実であることとする。
p) 乗り場の戸のガイドシューの取付状態は強固であり,しきい溝に十分入っていることとする。
なお,しきい溝がない場合には,その取付状態が適切であること。また,ドアハンガーのおどり止
めの取付状態は適切であることとする。
q) 昇降路救出口がある場合は,救出口戸の開口部幅が75 cm以上,高さは1.2 m以上であり,防火区画
の基準に適合した防火設備とする。また,昇降路の内側及び外側のいずれからもかぎ(鍵)を使用し
なければ開けることができず自閉機能は良好であることとする。
r) 昇降路内には,平成17年国土交通省告示第570号に基づく昇降機の昇降路内に設けることができる配
管設備の構造方法を用いるもの又は国土交通大臣の認定を受けたもの以外の配管,配線などがないこ
ととする。
s) 各出入口のしきい下部は,乗り降りのときに,人又は物が挟まれる危険のない構造とする。

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t) 非常用エレベーターにあっては,かご上の各電気装置には水除けカバー,水抜き孔などが設けられて
いることとする。
u) 非常用エレベーターにあっては,電線管,ボックス類には水がたまらない構造とする。
v) かご及びつり合おもりのガイドシューは取付けが強固で,地震その他の振動によってレールから外れ
ない措置が施されており,つり合おもり片の固定状態も適切であることとする。
w) 昇降路内に不要なボルト,鉄線などの突出物がなく,鋼索又はテールコード機能に支障が生じるおそ
れがあり保護措置が講じられている場合は,その取付状態が適確であることとする。
x) かご枠材相互の締付状態は,良好であることとする。
y) 遮煙性をもつ乗り場の戸にあっては,気密材にき裂,破損などがないこととする。
5.1.4 ピットで行う検査
a) ピットに漏水がなく清潔であることとする。
b) 下部リミットスイッチ類の取付けは強固で,確実に作動する取付位置にあり,その作動状態が適確で
あることとする。
なお,下部リミットスイッチはドアゾーン内にて作動することとする。
c) ピットの深さが1.2 m未満の場合は,ピットで点検を行うとき,かごとピット床の間に1.2 m以上の
垂直距離を確保する安全スイッチを設け,作動は確実であることとする。
d) かごが最下階に水平に停止している場合の,かごと緩衝器の距離に緩衝器のストローク及び飛び上が
り代の2分の1を加えた値は,つり合おもりの頂部すき間より小さいこととする。
e) 緩衝材や緩衝器の取付けは強固で,その機能は良好に維持されていること。ばね緩衝器の場合は,著
しいさび(錆),腐食などの欠点がなく,油入緩衝器の場合は,更に油量が適切であることとする。
f) かごが最上階に水平に停止しているときのつり合おもりと緩衝器との距離及びかごが最下階に水平に
停止しているときのかごと緩衝器の距離は,表8の数値に適合していることとする。
なお,つり合おもりと緩衝器間の最大距離は,次の計算式から得られた数値以下とする。
1) 油入緩衝器の場合
V2
R=TC2 S C (cm)
1 068
2) 1) 以外の場合
V2
R=TC2 S C (cm)
720
備考 各記号は,5.1.3 a) 参照。
表 8 かご,つり合おもりと緩衝器の距離

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定格速度 最小距離 mm
m/min かご,つり合おもり側
・交流1段制御 ・交流帰還制御
・交流2段制御 ・直流制御
・可変電圧可変
周波数制御
ばね緩衝器 7.5以下 75 38
緩衝材 7.5を超え15以下 150 75
15 を超え30 以下 225 115
30 を超えるもの 300 150
油入緩衝器 すき間があること
g) 下部ファイナルリミットスイッチ(5)は,かごが緩衝器に達する以前に作動することとする。ただし,
緩衝器が自動復帰式油入型の場合は,そのストロークの1/2以内で下部ファイナルリミットスイッチ
が作動することを確認する。
注(5) ファイナルリミットスイッチとは,かごが端階を行き過ぎると作動し,かごの昇降を自動的に
制止させるリミットスイッチをいう。
h) 移動ケーブルの取付けは強固で,かご昇降時に損傷のおそれがないこととする。
i) 調速機ロープのテンション装置,その他のテンション装置は適確に機能していることとする。
j) 非常用エレベーターのピットには水に浮くものがないこととする。
k) 非常用エレベーターにあっては,最下階床面以下に設けられるスイッチ類は,消防運転(一次,二次
消防)の用に供しているときは,切り離されることとする。
l) ピットの深さ(6)の寸法は,表9の数値に適合していることとする。ただし,1)3) に規定する緩衝器
を設置することができる数値以上とすることができる。
注(6) ピットの深さは,最下階の床面からかごの水平投影面にある床面か地中ばりなどまでの最短距
離をいう。
表 9 定格速度とピット深さ
定格速度 ピットの深さ
m/min m
45以下 1.2以上
45を超え 60以下 1.5以上
60を超え 90以下 1.8以上
90を超え120以下 2.1以上
120を超え150以下 2.4以上
150を超え180以下 2.7以上
180を超え210以下 3.2以上
210を超え240以下 3.8以上
240を超える場合 4.0以上
1) かごの定格速度が30 m/min以下で,かごの降下する毎分の速度が定格速度に相当する速度の1.4倍
を超えないうちに,かごの降下を自動的に制止する装置を設けたエレベーターにあっては,適切な
緩衝材又は緩衝器とすることができる。
2) ばね緩衝器で,ストロークがかごの定格速度に応じ,次の表の数値以上とする。
表 10 ばね緩衝器のストローク

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定格速度 ストローク
m/min cm
30以下 3.8
30を超え45以下 6.6
45を超え60以下 10.0
3) 油入緩衝器で,ストロークがかごの定格速度に応じ,次の式で求める数値以上とする。
L=V 2/534 (cm)
ここに, L : ストローク(cm)
V : 定格速度(m/min)
m) つり合ロープ又はつり合チェーンがあるときは,その取付状態は適確であることとする。
n) つり合ロープ用綱車は,地震その他の振動によってつり合ロープが外れないように措置されているこ
こととする。また,タイダウン装置がある場合は,その機能は良好に維持されていることとする。
o) 非常止めがドラム操作式のものでは,その非常止めロープの巻取状態は正常であることとする。
p) 非常止め試験後,非常止め装置に損傷がないこと。また,正常に復帰していることとする。
q) 非常止めの連結機構がかご下部に設けられている場合,その取付けが良好であり,確実に作動するこ
ととする。
r) 移動ケーブルの取付部は強固で,かご昇降時に損傷のおそれがないこととする。
s) かご枠材相互の締付状態は,良好であることとする。
t) はかり装置(7)が,かご下に設けてある場合は,その作動状態は良好であることとする。
注(7) はかり装置の作動値は,定格積載量の105110 %を標準とする。
5.1.5 乗り場で行う検査
a) 乗り場の戸のスイッチ及び施錠の状態は,かごの戸を閉じ操作装置を運転状態にして各階乗り場の戸
を次第に全閉位置に近づけて,かごが起動する際の戸の出入口枠又は他の戸の最前縁との距離を測定
し,次のいずれかに適合することとする。
1) 上下開き戸及び中央開き戸の場合は,5 cm以内まで閉じたとき起動し,かつ,乗り場からは5 cm以
上開けられないこととする。
2) 1) 以外の戸の場合は,2 cm以内まで閉じたとき起動し,かつ,乗り場からは2 cm以上開けられな
いこととする。ただし,かご内でだけ運転可能な方式のエレベーターで,かごの戸と乗り場の戸が
同時に動力で開閉される場合は,次の2.1) 及び2.2) による。
2.1) 5 cm以内まで閉じたとき起動し,かつ,乗り場からは5 cm以上開けられないこととする。
2.2) 乗り場の戸に戸閉め装置を備え,かつ,閉じ終わろうとする戸を乗り場側から開こうとしても10
cm以上開かないものでは,10 cm以内まで閉じたとき起動することとする。
b) 乗り場の戸に変形がなく,戸の開閉が確実であることとする。
c) 非常解錠装置を設けてある乗り場においては,特殊な鍵を用いなければ戸のロックを解放できないこ
ととする。
d) 自動的に動力で戸が閉じる方式で,戸閉め安全装置を設けてある場合においては,その作動は良好で
あることとする。
e) 乗り場位置表示器がある場合の表示は,正確であることとする。
f) 自動式エレベーターで,乗り場呼ボタンを操作したとき,かごはその階に正確に到着することとする。
g) かご内と外部の所定の場所との非常連絡装置は,正常であることとする。

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