JIS A 4302:2006 昇降機の検査標準 | ページ 4

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h) 非常用エレベーターにあっては,避難階又はその直上階若しくはその直下階の乗降ロビーにかごを呼
び戻す装置が取り付けてあり,その作動が良好で,かつ,適確であることとする。
i) 非常用エレベーターにあっては,各階に非常用標識及び表示灯が設けられていることとする。
5.1.6 中央管理室で行う検査 非常用エレベーターにあっては,次のa) 及びb) の非常用に供する装置が
取り付けてあり,それらの作動が良好で適確であることとする。
a) 呼び戻しキースイッチを操作するとかごは,直ちに避難階に直行し待機する。
b) 非常運転灯は,非常運転に供されているときに点灯し,点灯時は赤色とする。

5.2 機械室なしエレベーター(ホームエレベーター含む)

5.2.1  かご室内で行う検査 かご室内で行う検査は5.1.2のa)   h) による。ただし,5.1.2 f) においてホー
ムエレベーターの場合,かご外への連絡装置の操作ができる程度の明るさを確保できるものでよい。
なお,ホームエレベーターとして検査する場合は,次の事項に適合していることを確認する。
a) 住戸内だけを昇降するもの。
b) 昇降行程は,10 m以下とする。
c) かごの床面積は,1.1 m2以下とする。
5.2.2 かご上で行う検査 次のa) h) 以外は,5.1.3のa) f),h) j),l),m),o) s) 及びv) y) による。
a) 主索及び調速機ロープは,かご上において,かごを小刻みに昇降しながら検査し,かご上で検査でき
ない部分は,ピットにおいて検査し,5.1.3 k) の1)9) の規定に適合していることとする。
b) 綱車及びそらせ車の取付けが良好であり,主体部にひび割れがないこととする。
c) かご上又は,主索端末部(2 : 1ローピングの場合)にはかり装置が設置されている場合は,その作動
状態は良好であることとする。
d) 駆動装置が昇降路に設置されている場合は,次の1)4) 以外は5.1.1 c) による。
1) 駆動装置を設ける場所には,換気上有効な開口部,換気設備又は空気調和設備を設けていることと
する。ただし,機器の発熱により電動機を設けた場所の温度が7 ℃以上上昇しないことが計算によ
って確かめられた場合においては,この限りでない。
2) かご又はつり合おもりが緩衝器に衝突した場合にあっても,かご及びつり合おもりが駆動装置に触
れないものとする。
3) 駆動装置から昇降路の壁又は囲いまでの水平距離は,50 cm以上とする。ただし,駆動装置の保守点
検を行う必要のない部分にあっては,この限りでない。
4) 駆動装置の点検などのために,かごを固定する装置が設けてある場合は,その機能が良好であるこ
ととする。
e) 受電盤・主開閉器,制御盤が昇降路に設置されている場合は,次の1)3) 以外は5.1.1 b) の2)5) に
よる。
1) 受電盤・主開閉器は,安全かつ容易に操作できることとする。
2) 非常の場合に,昇降路外からかごの移動などによりかご内の乗客を安全に救出できる装置が設けて
あり,その機能は良好であることとする。
3) 制御盤を点検する際,制御盤扉などをかごの投影面積内に引き出して行う場合は,かごを停止させ
る装置が設けてあり,その機能は良好であることとする。
f) 調速機が昇降路に設置されている場合は,5.1.1 e) による。
g) 調速機が昇降路に設置されている場合の非常止め装置の作動状態は5.1.1 f) による。
h) 巻胴式エレベーターにあっては,主索が緩んだ場合において動力を自動的に切る装置が良好に作動す

――――― [JIS A 4302 pdf 16] ―――――

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ることとする。
5.2.3 ピットで行う検査 次のa) d) 以外は,5.1.4のa) i) 及びl) t) に準じて検査を行うこととする。
ただし,ホームエレベーターなど,かごが最下階に水平に停止しているときのかごと緩衝器との最小間げ
きが別に認定されている場合は,その規定値としてもよい。
a) ピット内に駆動装置が設置されている場合は,次の1)3) 以外は5.2.2のb) 及びd) による。ただし,
2) 及び3) についてはホームエレベーターを除く。
1) かごの降下により作業者が挟まれないよう次の装置が設けてあり,その機能は良好であることとす
る。ただし,点検を行う者がかご又はつり合おもりと昇降路の底部に挟まれるおそれのない場合に
おいては,この限りでない。
1.1) ピットスイッチ(ピットに入るときに,エレベーターを停止させるスイッチ。自己保持型)
1.2) かご降下防止装置
2) ピットに浸水検知装置が設置されている場合は,その機能は良好であることとする。
3) 主索出入口部以外は,綱車と主索間に異物の混入を防止するカバーが強固に取り付けられているこ
ととする。
b) ピット周辺に受電盤・主開閉器,制御盤が設置されている場合は,安全かつ容易に操作,確認できる
こととする。これ以外は5.2.2 e) に準じて検査を行う。
c) 調速機がピット内に設置されている場合は,5.1.1 e) による。
d) 非常止め装置の作動状態は5.1.1 f) による。
5.2.4 乗り場で行う検査 次のa) 及びb) 以外は,5.1.5のa) g) による。
a) 負荷試験においては,5.1.1 d) による。
b) 制御盤を乗り場三方枠の一部に収納し,乗り場において制御盤の点検,修理を行うものについては,
制御盤の扉に施錠装置を設けてあることとする。

5.3 油圧エレベーター(直接式,間接式及びパンタグラフ式)

5.3.1  機械室で行う検査
a) 機械室の構造及び設備 次の1)5) 以外は,5.1.1 a) の3),4),6) による。
1) 油圧パワーユニット,油タンク,冷却装置及び制御盤は,柱及び壁から原則として50 cm離れてい
ることとする。ただし,保守管理に支障がない場合は,この限りでない。
2) 機械室は,耐火構造,準耐火構造又は防火構造の壁,天井で区画され,床は作動油が浸透しない構
造とする。
3) 機械室の戸は,自閉式錠付鋼製戸とする。
4) 機械室出入口近くに消火器又は消火砂が見やすい位置に設けられており,表示が正しくされている
こととする。
5) 機械室内に,火気厳禁の標識が掲示されていることとする。
b) 受電盤,制御盤,電気配管及び配線 検査は5.1.1 b) の1)5) による。
c) 油圧パワーユニット,圧力配管及び高圧ゴムホース
1) 油圧パワーユニットの取付けは確実で,地震その他の振動によって移動,転倒しない措置が施され
ていることとする。
2) 油圧パワーユニットの運転状態は,良好であることとする。
3) かごの上昇時に油圧が異常に増大した場合,作動圧力が常用圧力の150 %を超えないようにする安
全弁が設けられていることとする。

――――― [JIS A 4302 pdf 17] ―――――

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4) 油圧パワーユニットの逆止弁は,作動が確実であることとする。
5) 手動下降弁を全開したときの速度は,定格下降速度以下とする。
6) 作動油温度が5 ℃以下又は60 ℃以上となることが予測される場合は,これを抑制する装置が設けら
れており,冷却に水を使用する場合には,その管は,飲料水系統に直結していないこととする。
7) ポンプ用電動機の空転を防止する装置は,確実に作動することとする。
8) 圧力配管には圧力計が設けられていることとする。
なお,圧力計は圧力センサーの出力値を表示する装置としてもよい。
9) 圧力配管は,有効な腐食防止のための措置が講じられており,確実に支持されていて,継手の接続
は確実で油漏れがないこととする。
10) 圧力配管には,地震その他の振動及び衝撃を緩和する装置が設けられており,壁などを貫通する部
分にはスリーブなどが設けてあることとする。
11) 油圧ゴムホースの継手の接続は確実で油漏れがなく,その最小曲げ半径は,JIS B 8360又はJIS B
8364に準拠していることとする。
12) 圧力配管及び油圧ゴムホースは,可動部と接触していないこととする。
13) かごに救出口を設けていない場合は,常用の電源を使用せずに手動下降弁などによって,かごを階
床レベル又は救出可能な位置まで移動し,かご内の乗客を安全に救出できることとする。
d) 負荷試験
1) 次の二つの場合につき,それぞれ定格電圧及び定格周波数のもとで速度,電流及び作動圧力を測定
し,表11の規定に適合していることとする。
1.1) 定格積載量の100 %の負荷を載せた場合
1.2) 定格積載量の110 %の負荷を載せた場合
表 11 速度,電流及び作動圧力
項目 定格積載量の100 %の負荷を載せた場合 定格積載量の110 %の負荷を載せた場合
速度 上昇,下降の際速度が設計図書に記載された
上昇,下降の際速度が設計図書に記載された
速度の90 %以上105 %以下 速度の85 %以上110 %以下
電流 電動機の定格電流値の135 %以下 電動機の定格電流値の140 %以下
作動圧力 設計値の115 %以下 設計値の120 %以下
2) かごの定格積載量の1.25倍(乗用及び寝台用以外でフォークリフトなどがかご停止時に乗り込むエ
レベーターにあっては,1.5倍)の負荷を載せた場合においても,かごの位置が7.5 cm以上変動し
ないこと。又は床合せ補正装置によって,着床面を基準として7.5 cm以内の位置に補正できること
とする。
5.3.2 かご室内で行う検査 かご室内で行う検査は,5.1.2のa) h) による。
5.3.3 かご上で行う検査 次のa) h) 以外は,5.1.3のc) k),m) s),v) y) による。
a) 綱車又はスプロケットの取付けが良好であり,主体部にひび割れがないこととする。
b) 主索,鎖又は調速機ロープは,次の1) 及び2) 以外は,5.1.3 k) の1)6) 及び8) による。
1) ロープの摩損状態は,摩損の最も甚だしい部分で検査し,表5の規定に適合していることとする。
2) 鎖は端部を1本ごとに確実に緊結され,ほぼ均等な張力を受けていることとする。また,鎖の伸び
は基準長さに対して1.5 %未満とする。
c) かご上運転の場合,頂部安全距離1.2 m以上を確保し,それ以上のかごの上昇を自動的に制御するた

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めの装置が確実に作動することとする。
d) かごを最上階より微速で上昇させ,プランジャーが離脱防止装置で停止したとき,かご最上部の機器
との頂部すき間(8)は,次の値以上とする。
V2
間接式 5.2+ cm , 直接式2.5 cm
706
注(8) は,かごの上昇定格速度(m/min)
e) 間接式油圧エレベーターのジャッキには,プランジャー離脱防止装置が当たる前に作動する停止スイ
ッチが設けられ,取付け及び作動が確実であることとする。
f) 油圧シリンダは,確実に取り付けられていることとする。
g) シリンダパッキングからの油漏れは,適切に処理されていることとする。
h) かご及びプランジャーのガイドシューは取付けが強固で,地震その他の振動によってレールから外れ
ない措置が施されていることとする。
5.3.4 ピットで行う検査 次のa) d) 以外は5.1.4のa) c),e),g) i),l) 及びo) t) による。
a) かごが最下階に水平に停止しているときのかごと緩衝器との距離は,自動車運搬用を除き表12の規定
に適合していることとする。
表 12 かごと緩衝器との距離
下降定格速度m/min 最小距離 mm 最大距離 mm
30以下 70 600
30を超えるもの 150
b) 油圧シリンダは,確実に取り付けられていることとする。
c) ロープを用いる間接式油圧エレベーターにあっては,地震その他の振動などによって主索に緩みを生
じた場合,綱車の溝から主索が離脱しないこととする。
d) 調速機 調速機が設けられた場合は,5.1.1 e) に準じて検査を行う。ただし,表3の定格速度は,下降
定格速度(9)と読みかえるものとする。
注(9) 下降定格速度とは,設計図書に記載された速度で,定格積載量の100 %の負荷を載せて下降す
る場合の毎分の最高速度をいう。
e) 間接式油圧エレベーターの非常止め装置の作動状態 次の1) 又は2) によって検査を行う。
1) 工場試験その他によって事前にその安全性が認められたものについては,無負荷(作業関係者を除
く。)で可能な限り低い速度で,次の1.1) 及び1.2) の事項を検査する。
1.1) 次の1.1.1) によって行う。ただし,調速機を備えていない方式については1.1.2),スラックロープ
式については5.1.1 f) 1.1.3) によって行う。
1.1.1) かごの下降中,調速機のキャッチを作動させ,かごを停止させた後,更にかごを下降させるよう
に油圧パワーユニットを操作する。プランジャーが下降してもかごが下降しなくなることによっ
て非常止め装置が作動したことを確認する。
1.1.2) かごを固定した後プランジャーを下降させ,かごの主索又は鎖を緩めてから,かごの固定を解除
してもかごが下降しないことによって非常止め装置が作動したことを確認する。
1.2) 非常止め装置の作動後の検査は,5.1.1 f) 1.2) による。
2) 1) 以外のものについては,定格積載量の100 %の負荷を載せて高速で,次の2.1)2.3) の事項を検
査する。

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2.1) かごを下降運転にて徐々に増速し,調速機のキャッチを作動させ,かごをいったん停止させた後,
更にかごを下降させるように油圧パワーユニットを操作する。プランジャーが下降してもかごが
下降しなくなることによって,非常止め装置が作動したことを確認する。
2.2) 非常止め装置の作動後の検査は,5.1.1 f) 1.2) による。
2.3) 非常止め装置の作動の最初から完全停止までの距離は,5.1.1 f) 2.2) による。
5.3.5 乗り場で行う検査 乗り場で行う検査は,5.1.5のa) g) による。

5.4 エスカレーター(動く歩道を含む)

(10) 注(10) 動く歩道の検査項目は,エスカレーターの検査項目に準じて行うものとし,非該当項目には,
※印を記す。
5.4.1 機械室で行う検査 次のa) d) 以外は,5.1.1 b) の1)3),5) による。
a) 絶縁抵抗は,各回路ごとに,それぞれ表13の規定に適合することとする。ただし,絶縁抵抗は,開閉
器又は過電流遮断器で区切ることのできる電路ごとに検査ができる。
表 13 回路の絶縁抵抗
単位 MΩ
回路の用途 回路の使用電圧 絶縁抵抗値
電動機主回路 300 V以下のもの 0.2以上
300 Vを超えるもの 0.4以上
制御回路 150 V以下のもの 0.1以上
信号回路 150 Vを超え300 V以下のもの 0.2以上
照明回路
備考 エスカレーターの側面などを照明する瞬時起動熱陰極蛍光電灯
(いわゆるスリムラインランプと称されるもの)の回路の使用
電圧区分は,一次側(低圧側)の電圧とする。
b) 負荷試験は,無負荷で検査を行い,踏段速度は昇降口において設計図書に記載された速度の110 %以
下,電流は定格電流値の120 %以下とする。
c) 駆動装置及び制動機
1) 駆動装置の取付けは確実で,地震その他の振動によって移動,転倒しない措置が施されていること
とする。
2) 駆動装置の運転状態は良好で異常な発熱,振動や異音がないこととする。
3) 制動機の取付けは確実であることとする。
4) 駆動装置の制動機の作動は適切であり,その強さは無負荷状態で上昇している踏段の停止距離が次
の計算式で求められた数値以上で,かつ,こう(勾)配が15度を超えるもの又は踏段と踏段の段差
が4 mmを超えるものにあっては,60 cm以下とする。
S=V 2/9 000
ここに, S : 踏段停止距離(m)
V : 定格速度(m/min)
d) 駆動用鎖の切断停止装置の機能は良好であることとする。
5.4.2 上下乗り場及び踏段で行う検査
a) 踏段用鎖が異常に伸びた場合又は切断した際に作動する停止スイッチの取付けは強固で,作動は確実
であることとする。
b) 乗り場に近接して設けられた防火シャッターなどが閉まり始めると,エスカレーターの昇降が停止す

――――― [JIS A 4302 pdf 20] ―――――

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