JIS B 8210:2017 安全弁 | ページ 2

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に故障を生じてもこの規格の全ての規定を満足する安全弁。
3.4
補助荷重負荷式安全弁(supplementary loaded safety valve)
安全弁の入口圧力が設定圧力近くになるまで前漏れが起こらないように,追加的荷重を負荷して密閉力
を増す安全弁。
注記 外部の動力源を用いることもできるこの付加的な力(補助荷重)は,安全弁の入口圧力が設定
圧力に達すると,確実に解放される。補助荷重の大きさは,補助荷重が解放されない場合に,
最高許容圧力の1.1倍以下の圧力で,安全弁の吹出し量が公称吹出し量を満たすように設定す
る。
3.5
揚程式安全弁(curtain area restricted safety valve)
安全弁のリフトが弁座口の径の1/40以上1/4未満で,弁体が開いたときの流路面積の中で弁座流路面積
(カーテン面積)が最小となる安全弁。
3.6
全量式安全弁(full bore safety valve)
弁座流路面積が,のど部の面積より十分大きなものとなるようなリフトが得られる安全弁。
3.7
設定圧力(set pressure)
動作条件下にある安全弁が開き始める圧力として,あらかじめ設定されている圧力。
注記 所定の使用条件において,弁を開かせようとする圧力による力と弁体を弁座に押し付けておこ
うとする力とが釣り合ったときに弁入口に存在するゲージ圧力。
設計時に想定する数値で,それが許容範囲内にあることは,形式試験又は製品検査で検証す
る。
3.8
最高許容圧力[maximum allowable pressure (PS)]
圧力装置製造業者の規定する機器の最高設計圧力。
3.9
超過圧力(overpressure)
安全弁の設定圧力を超える圧力増加分。
注記 超過圧力は,通常は設定圧力の百分率で表す。
3.10
吹止り圧力(reseating pressure; closing pressure)
弁体が弁座と再接触するか,又はリフトがゼロとなるときの入口側の静的圧力。再着座圧力ともいう。
3.11
冷温補正試験圧力(試験台設定圧力)[cold differential test pressure (CDTP)]
試験台で安全弁の試験を行うときに,安全弁が開き始める圧力として設定される入口側の静的圧力。
注記 この試験圧力は,背圧及び/又は温度などの使用状態に対する補正を含む。
3.12
吹出し量決定圧力(relieving pressure; flow rating pressure)
安全弁の吹出し量を算出する場合の入口側の圧力で,設定圧力と超過圧力との和。

――――― [JIS B 8210 pdf 6] ―――――

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注記 公称吹出し量を算出する場合には,設定圧力と許容される超過圧力との和をとる。
3.13
吹出し量決定温度(relieving temperature)
安全弁の吹出し量を算出する場合の入口側の温度。
3.14
吹出し圧力(opening pressure; popping pressure)
安全弁が急速開作動(ポッピング)するときの入口側の圧力。ポッピング圧力ともいう。
注記 ポッピングとは,安全弁のリフトが瞬間的に増大し,内部の流体を吹き出す動作。
3.15
吹始め圧力(start to discharge pressure; start to leak pressure)
入口側の圧力が増加して,出口側で流体の微量な流出が検知されるときの入口側の圧力。
注記 この場合の微量な流出とは,蒸気用では目視又は聴音によって検知されるときの流出,ガス用
及び液体用では吹始め圧力の許容範囲内において,聴音,出口開口部に張った石けん水の膜な
どによって明確に検知されるときの流出であって,弁座漏れによる流出ではない。
3.16
背圧(back pressure)
排出系における圧力を受けて,安全弁の出口に存在する圧力。
注記 背圧は,既存背圧と累積背圧との和である。
3.17
累積背圧(built-up back pressure)
安全弁及びその排出系を通る流体が引き起こす安全弁の出口の圧力。
3.18
既存背圧(superimposed back pressure)
安全弁の作動する前に,安全弁の出口に既に存在する圧力。
注記 この圧力は,他の圧力源によって既に排出系に存在している圧力を受けたものである。
3.19
バランスベローズ(balanced bellows)
安全弁の設定圧力に対する背圧及び/又は安全弁の作動への影響を最小限に止めるために設けるベロー
ズ装置。
3.20
吹下り(blowdown)
設定圧力と吹止り圧力との差。
ただし,製品検査において実測した吹出し圧力又は吹始め圧力と吹止り圧力とに基づく場合は,吹出し
圧力と吹止り圧力との差又は吹始め圧力と吹止り圧力との差とすることができる。
注記 吹下りは,通常は設定圧力(実測した吹出し圧力又は吹始め圧力に基づく場合は,吹始め圧力
又は吹出し圧力)の百分率で表すが,設定圧力,又は実測した吹出し圧力若しくは吹始め圧力
が0.3 MPa(ゲージ圧)より低い場合は,実数値(MPa)で表す。
3.21
リフト(lift)
閉位置から弁体が実際に移動した距離。

――――― [JIS B 8210 pdf 7] ―――――

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3.22
吹出し面積(flow area)
理論吹出し量(附属書A参照)及び公称吹出し量の算出に用いる面積(図JA.1参照)で,安全弁の流
体取入口から二次側に至るまでの流路の最小断面積。ただし,障害物の存在による減算は行わない。
3.23
のど部の面積(throat area; bore area)
のど部の径によって算出する流路面積。
3.24
弁座流路面積(カーテン面積)(seat flow area; curtain area)
弁体のリフトによって得られる弁体と弁座面との間の円筒状又は円すい状開口部の流路面積。
3.25
流路径(flow diameter)
吹出し面積に対応する直径。
3.26
弁座口の径(seat diameter)
弁体と弁座との当たり面の内径(図JA.1参照)。
3.27
のど部の径(throat diameter; bore diameter)
流体取入口から弁座面に至る流路の最狭部分の内径(図JA.1参照)。
3.28
理論吹出し量(theoretical discharge capacity)
安全弁の吹出し面積に等しい断面積をもつ理論的理想ノズルを流れる質量単位,又は容積単位で表す計
算流量。
3.29
吹出し係数(coefficient of discharge)
試験によって求めた実際の吹出し量と,計算によって求めた理論吹出し量との比。
3.30
公称降格吹出し係数(certified de-rated coefficient of discharge)
公称吹出し量を算出するときに使用する吹出し係数であって,吹出し係数と降格係数との積で表した値。
降格係数は,公称降格吹出し係数と吹出し係数との比で,通常0.9以下とする。
3.31
公称吹出し量[certified (discharge) apacity]
安全弁の選定において使用する吹出し量で,次のいずれかによって求める。
a) 測定された吹出し量×降格係数
b) 理論吹出し量×吹出し係数×降格係数
c) 理論吹出し量×公称降格吹出し係数
d) 附属書JAによって決定される吹出し量。
3.32
呼び径[nominal size (DN)]
配管システムにおいて使用される部品に共通する,英数字を用いたサイズの表記。

――――― [JIS B 8210 pdf 8] ―――――

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呼び径は参照目的で使われ,部品の接続端の物理的な内径又は外径と間接的に相当する無次元の数字3)
と,その後に付くA又はBの文字とから成る。
なお,安全弁の呼び径は入口側の呼び径とし,一般にJIS B 2001に規定する呼び径を準用する。
注3) この無次元の数字は,計測による数値を表しておらず,計算用途には使用しない。
3.33
クオリティ,乾き度(steam quality, dryness fraction)
蒸気(steam)中の気体(vapour)質量を表す相対的尺度であり,全蒸気質量中の気体質量の割合{気体
質量/[気体質量+液体(liquid)質量]}又はその百分率で表す。

4 記号及び単位

  記号及び単位は,次による。
Kd : 吹出し係数4)
Kdr : 公称降格吹出し係数(≦Kd×0.9)4)
n : 試験数
qm : 単位面積当たりの理論質量流量 [kg/(h・mm2)]
q'm : 試験結果から得た単位面積当たりの質量流量 [kg/(h・mm2)]
注4) d及びKdrは,小数点以下第3位まで表す。

5 構造

5.1 一般

  構造一般は,次による。
a) 確実な作動性及び弁座気密性を確保するために,可動部を案内するガイド機構を備えていなければな
らない。
b) 安全弁の弁座は,弁箱と一体になっていない場合には,運転中に緩まないように強固に固定しなけれ
ばならない。
c) リフトを制限することによって,必要吹出し量に適合するようにリフトを減じることのできる安全弁
の場合,リフト制限機構は弁リフトだけを制限するものであって,弁の作動性能を低下させるもので
あってはならない。リフト制限機構が調整可能なものであれば,調整機能を機械的にロックし,封印
できるように設計しなければならない。リフト制限機構は,製造業者の設計に従って取り付け,封印
しなければならない。
弁リフトは,制限されない場合のリフトの30 %又は1.0 mmのいずれか大きい値以下に制限しては
ならない。
d) 安全弁の全ての外部調整装置には,権限のない者による調整の防止又は権限のない者が調整を行った
ことの判別ができるように,ロック及び/又は封印を施さなければならない。
e) 毒性及び可燃性流体用の安全弁は,外気への漏出を防止するため,密閉ボンネット形にしなければな
らない。また,ボンネットにベントホールを設ける場合は,流体を安全な場所まで導き処理できるよ
うにしなければならない。
f) 安全弁の二次側には,ドレン抜きなど,液体の滞留を防止する手段を講じなければならない。
g) 弁で,耐圧強度を必要とする外殻構造部(耐圧外殻構造部)5) の応力は,JIS B 8201,JIS B 8265又は
JIS B 8267に規定した許容応力値を超えてはならない。ただし,これらの規格にない材料の許容応力

――――― [JIS B 8210 pdf 9] ―――――

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は,受渡当事者間の協定による。
注5) 弁体は含まない。
h) ガイドと,弁体,弁体ホルダ又は弁棒とのような互いにしゅう動する表面は,耐食性をもち,かつ,
摩耗又はかじりについて配慮した材料としなければならない。
i) 弁座及び弁体に用いる材料にはそれらの表面に固着が生じないものを選定し,安全弁の設定圧力での
作動を妨げることのないようにしなければならない。
j) 摩擦力によって弁性能に悪影響を与えるおそれのあるシール部品を採用してはならない。
k) 指定のある場合は,手動開弁装置を備え付けなければならない。
なお,この装置は,設定圧力の75 %以上の圧力のとき手動によって弁体を上げることのできるもの
で,手を放したとき弁体が閉止の位置に戻るものでなければならない。
l) 安全弁は,各部の破損又は部品の不具合・故障がその吹出しを妨げることがないように組み立てなけ
ればならない。
m) 設定圧力が3 MPa(ゲージ圧)を超える蒸気,又は温度が235 ℃を超える流体に使用する安全弁は,
ばねが吹き出す流体に直接さらされないようにしなければならない。
n) ねじ込み形安全弁は,取付けのとき,スパナをかける面がなければならない。
o) 弁体と弁座との当たり面の弁軸に対する傾きは,45度(円すい座)又は90度(平面座)とすること
が望ましい。

5.2 接続端

  接続端は,次による。
a) 安全弁の接続端に使用するねじ継手のねじの形状・寸法は,JIS B 0203による。また,材料は,箇条
6による。
b) フランジ継手のフランジは,JIS B 2220,JIS B 2239又はJIS B 2240によるほか,次による。
1) 蒸気ボイラ用全量式安全弁の場合,接続フランジの形状・寸法は,吹出しの反動力を考慮した表1
によるか,又はそれと同等以上の強度をもつ形状・寸法とする。
2) 蒸気ボイラ用全量式以外の全量式又は揚程式の安全弁で,吹出しの反動力の面から,フランジの強
度を増す必要がある場合は,フランジの厚さを増すか,及び/又は大きい呼び径の寸法によっても
よい。
3) 上記1) 又は2) の場合,材料は,箇条6によるほか,JIS B 2220又はJIS B 2239による。
c) ) 又はb) に規定する以外の接続端は,受渡当事者間の協定による。

――――― [JIS B 8210 pdf 10] ―――――

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JIS B 8210:2017の引用国際規格 ISO 一覧

  • ISO 4126-1:2013(MOD)
  • ISO 4126-1:2013/AMENDMENT 1:2016(MOD)
  • ISO 4126-7:2013(MOD)
  • ISO 4126-7:2013/AMENDMENT 1:2016(MOD)

JIS B 8210:2017の国際規格 ICS 分類一覧

JIS B 8210:2017の関連規格と引用規格一覧