JIS B 8323:2003 水封式真空ポンプ | ページ 2

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表 1 ポンプの種類及び性能
吸込 吸込 最高負圧(4) 吸込風量 (5) 規定負圧54 kPa 同期回転速度 電動機
口径 方式 における補給水 (参考) 定格出力
(3) 量の最大値(3)
m3/min
最大風量(6) 規定負圧54 kPa
吸込負圧 大気圧 50 Hz 60 Hz
状態 状態
mm kPa (換算値) l/min min1 min1 kW
20(20) 片吸込 75 0.28 0.257 0.12 2(3) 3 000 3 600 0.75
1 500 1 800
25(25) 片吸込 80 0.56 0.514 0.24 3.6(5.5) 3 000 3 600 1.5
両吸込 1 500 1 800
32(32) 片吸込 80 0.90 0.835 0.39 5(7.5) 3 000 3 600 2.2
両吸込 1 500 1 800
40(40) 片吸込 80 1.60 1.50 0.70 8(12) 1 500 1 800 3.7
両吸込
50(40) 片吸込 84 2.50 2.40 1.12 11(17) 1 500 1 800 5.5
両吸込
65(50) 片吸込 84 3.55 3.40 1.59 15(23) 1 500 1 800 7.5
両吸込 1 200
80(65) 両吸込 84 5.6 5.35 2.50 21(32) 1 500 1 800 11
1 000 1 200
100(80)両吸込 84 8.0 7.64 3.57 28(42) 1 500 1 200 15
1 000 900
100(100)両吸込 84 10.0 9.53 4.45 34(51) 1 000 1 200 18.5
750 900
125(100)両吸込 84 12.5 12.0 5.6 39(59) 1 000 1 200 22
750 900
150(125)両吸込 84 18.0 17.1 8.0 51(77) 1 000 900 30
750 720
150(150)両吸込 84 22.4 21.4 10.0 60(90) 1 000 900 37
750 720
注(3) 吸込口径及び補給水量の最大値における括弧内は1作動形,括弧外は2作動形の場合を示す。
なお,1作動形とは,羽根車が1回転する間に吸込み,吐出し作用を1回行うものを,2作動形とは,
羽根車が1回転する間に吸込み,吐出し作用を2回行うものをいう。
(4) 最高負圧とは,吸込側加減弁を締め切って,風量を0としたときの吸込側負圧で,少なくとも1分間そのまま
保持できる圧力とする。
(5) 補給水の温度が15 ℃のときの風量を示す。
(6) 最大風量とは,吸込側加減弁を全開したときの風量をいう。
備考1. ポンプの回転速度は,製造業者が適宜選定してよい。
2. 補給水量は,定格時間中,ポンプを異状なく運転できる水量とする。ポンプの負圧が変化しても,補給水管
の絞り装置を調節してはならない。

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6. 構造

6.1 一般

 ポンプは,付図14に示すような構造であって,本体,羽根車,主軸,軸受などによって構
成する。
備考 付図14は,部品名称の説明図であって,ポンプの構造を規定するものではない。

6.2 本体

 本体は,ケーシング(連絡管を含む。),カバー及びポートプレート,ポートシリンダ又はポ
ートコーンからなり,次による。
a) ケーシング及びカバー ケーシング及びカバーは,次による。
1) ケーシング内面の形状は,軸心に対して偏心した円形断面をなしたもの(1作動形の場合)と軸心
に対称なまゆ(繭)形断面をなしたもの(2作動形の場合)との2種類とする。
なお,空気の流通様式によって,片吸込式と両吸込式とに分ける。
2) 吸込口,吐出し口の方向は,上向垂直又は横向水平とする。
3) まゆ及び円形部分の内面は平滑で,その形状,寸法及び位置は正確でなければならない。
4) 片吸込式のケーシングとカバーの取付けは,いんろうで組み合わせ,ボルトによって締め付けるも
ので,片側カバーのものは,カバーを駆動側と反対側に取り付ける。
5) 両吸込式のケーシングとカバーの取付けは,いんろうで組み合わせるか,締付ボルトのうち両側各
2本をリーマボルトにするか,又は別に各2本のノックピンを打ち込んで締め付ける。
6) フランジは,JIS B 2239の2.1(フランジの種類)の呼び圧力10 K又はJIS B 2239の附属書のPN 10
による。ただし,ポンプ呼び径32 mm以下のものは,JIS B 0203によるねじ継手としてもよい。
7) ケーシング及びカバーの内部間仕切りには,短絡場所や,厚さにはなはだしいばらつきがあっては
ならない。
8) 本体の通気路(特に,ポートシリンダ,ポートプレートなどを取り付ける部分)には,性能に大き
な影響を及ぼすような著しい食い違い,絞りがあってはならない。
9) 本体の軸心の高さは,JIS B 0902によることが望ましい。
b) ポートプレート,ポートシリンダ又はポートコーン ポートプレート,ポートシリンダ又はポートコ
ーンは,次による。
1) ポートプレート,ポートシリンダ又はポートコーンには,厚さにはなはだしいばらつきやき裂があ
ってはならない。その取付部及び滑り部には,機械加工を施す。
2) ポートの形状,寸法は正確で,その位置には同一機種内で,著しい相違があってはならない。
3) ケーシング及びカバーに取り付けるポートプレート,ポートシリンダ又はポートコーンは,いんろ
うで組み合わせ,小ねじ又はボルトで取り付ける。
4) ポートライナの取付部及び滑り部には機械加工を施し,ポートシリンダに焼ばめ又は圧入して運転
中,緩まないように固定する。
c) その他の部分 その他の部分は,次による。
1) ケーシングには,ドレン抜き穴,圧力取出し穴及び補給水取入れ穴を設ける。必要があれば呼び水
用穴を設ける。これらの穴のねじは,JIS B 0202による。ただし,プラグ及び管を付ける箇所は,
JIS B 0203によってもよい。
2) スタフィングボックスには,一般に封水リングを設けて封水する。
3) パッキンは,角形又は成形を用い,パッキンの挿入本数は3本以上とし,その合せ目は,交互とす
る。また,パッキンの代わりにメカニカルシールを用いてもよい。
4) パッキン押さえをケーシング又はケーシングカバーから遠ざける場合,パッキン押さえがパッキン

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押さえボルトから外れ,パッキンの取替えが容易な構造とする。

6.3 羽根車

 羽根車は,次による。
a) 羽根車の羽根の曲がりは,片吸込式,両吸込式とも回転方向に対し前向きとし,その形状とピッチに
は,それぞれ著しい相違があってはならない。軸方向流入,半径方向流入とも,その空気流通孔の形
状及び大きさは,一様で著しい相違があってはならない。
b) 両吸込式の羽根車の形状は,中心面に対して左右対称とする。
c) 羽根車(試験用軸を含む。)の釣合い良さは,JIS B 0905の“釣合い良さG6.3”とする。ただし,羽
根車(試験用軸を含む。)の質量が2 kg以下の場合には,“釣合い良さG16”でもよい。
d) 羽根車の表面は,流体摩擦が少ないように平滑なものとし,少なくとも羽根車の外径,滑り部,ハブ
の軸穴及びハブの両端面には,機械加工を施す。

6.4 主軸

 主軸は,次による。
a) 主軸のねじは,ナットが始動時に緩まない方向とするか,又は座金その他の方法でナットの回り止め
を施す。
b) 主軸には,水切り溝,水切りつばその他の適切な方法で,水が軸受ハウジング内に入らないようにす
る。

6.5 軸受及び軸受ハウジング

 軸受及び軸受ハウジングは,次による。
a) ポンプ本体に設ける軸受の種類及び個数は,ポンプの吸込方式によって表2に示すとおりとする。
表 2 軸受の種類及び個数
吸込方式 軸受の種類 個数
片吸込 JIS B 1521 又はJIS B 1533の転がり軸受 本体の片側に
2個
両吸込 JIS B 1521,JIS B 1533又はJIS B 1535 の転が
本体の両側に
り軸受 各1個
b) 軸受ハウジングは,運転中にグリースや油が流出又は飛散しないものとする。
グリース潤滑の場合には,グリースの詰め過ぎを防止するために,グリース補給穴を付けないこと
が望ましい。
油潤滑の場合には,外部から油面計によって油面が点検できるものとするか,又は運転中油面を一
定に保つ装置を設けるものとし,油抜き穴を設ける。
c) スタフィングボックスからの漏れ水が,軸受ハウジング内部に入らないように,軸受ハウジングの取
付部には,水抜き穴及びあふれ穴を設ける。

6.6 その他の部分

 その他の部分は,次による。
a) ポンプの回転方向は,電動機側から見て,一般に時計回りとする。
b) ポンプの足は,ケーシング又は軸受ハウジングのいずれに設けてもよいが,取付ボルトは4本以上と
する。また,共通ベースの基礎ボルトは,4本以上とする。
c) 回転部分の軸方向の移動は,玉軸受で確実に止めなければならない。
d) スリーブの最小厚さは2 mmとし,主軸とスリーブとの間から空気を吸い込んではならない。
e) プーリの釣合いは,良好でなければならない。
f) 共通ベースの座の大きさは,それに取り付けるポンプ又は電動機の足の大きさより小さくしないこと
が望ましい。

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g) 軸継手には,外側に軸継手ガードを設ける。Vプーリ及びベルトには,ベルトガードを設ける。

7. 寸法及びはめあい

7.1 本体

 本体は,次による。
a) ポンプの呼び径に対する実口径は,表3による。
表 3 実口径
単位 mm
呼び径 20 25 32 40 50 65 80 100 125 150
実口径 20±2 25±3 32±3 40±3 50±3 65±4 80±4 100±4 125±4 150±5
備考 ポンプの呼び径32 mm以下のものは,ねじ込継手にしてもよい。
b) ケーシング及びカバーの耐圧部の厚さは,偏肉がある場合でも,その最小値は表4による。
表 4 ケーシング及びカバーの最小厚さ
単位 mm
吸込口径 最小厚さ
40未満 4.5
4080 5
100150 6
c) フランジの厚さの許容差は,+15 %,−5 %とする。

7.2 羽根車

 羽根車の厚さは,表5による。ただし,羽根の入口及び出口の先端の厚さは,任意とする。
表 5 羽根車の最小厚さ
単位 mm
羽根車の外径 最小厚さ
青銅 鋳鉄
200以下 3 3.5
200を超え315以下 4 4.5
315を超え500以下 5 6

7.3 主軸の直径

 主軸の直径は,次の式で算出した値以上とする。
d=k 3nP
ここに, d(7) : 主軸の直径(mm)
P : 軸動力(kW)
n : 回転速度(min1)
k : 材料による係数で次の式による。
k=125 3 σS30C
σ
ここに, σS30C : S30Cの引張強さ (470 MPa)
σ : その材料の引張強さ (MPa)
例 JIS G 4051のS30Cの場合 k=125
JIS G 4303のSUS403の場合 k=116
なお,軸端の寸法は,JIS B 0903によることが望ましい。
注(7) 動力伝達に関係がある部分の直径で,動力伝達に関係のない部分は,これより細くてもよい。
備考 1作動形の場合には,羽根車内の圧力差による荷重が主軸に作用するため,主軸の直径は十分

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な太さにしなければならない。

7.4 軸継手

 軸継手は,次による。
a) 軸継手は,たわみ軸継手とする。
b) フランジ形たわみ軸継手を使用する場合には,運転中の継手間のすき間は,35 mmとすることが望
ましい。
c) 軸継手の取付精度については,主軸に取り付けた状態での外径の振れを,0.05 mm以下,面の振れを,
直径100 mmにつき0.04 mm以下とする。ただし,面の振れの最大値は0.10 mmとする。

7.5 その他

 その他の形状及び寸法は,次による。
a) キーの寸法は,JIS B 1301による。ただし,軸継手以外のキーの寸法は,これによらなくてもよい。
b) 補給水取入れ口の寸法(8)は,必要とする補給水量に応じ表6によるのが望ましい。
表 6 補給水取入れ口の寸法(参考)
補給水量 l/min 取入れ口の寸法
10 以下 Rc 3/8又はG 3/8
10 を超え 16 以下 Rc 1/2又はG 1/2
16 を超え 25 以下 Rc 1/2又はG 1/2
25 を超え 40 以下 Rc 3/4又はG 3/4
40 を超え 63 以下 Rc1又はG1
63 を超え 100以下 Rc11/4又はG11/4
注(8) IS B 0203又はJIS B 0202による。
c) プーリの溝部形状は,JIS B 1854又はJIS B 1855による。

7.6 羽根車とポートシリンダ,ポートコーン及びポートプレートのすき間

 羽根車とポートシリンダ又
はポートコーンとの直径すき間及び羽根車とポートプレートとの軸方向すき間は,停止中,運転中を問わ
ず,焼付き,かじり付き,異常摩耗などを生じないように,適切なすき間寸法及び材料の組合せの選定を
しなければならない。

7.7 各部のはめあい

 各部のはめあいは,表7又はこれに準じる等級とする。
表 7 各部のはめあい
はめあい箇所 はめあい
ポンプ本体のいんろう部 H 7/h 7
羽根車と主軸(ナット締めのもの) H 7/h 7
羽根車と主軸(ナット締めしないもの) H 7/p 6
スリーブと主軸 H 7/g 6
軸継手又はVプーリと主軸(9) H 7/js 6,H 7/k 6又はH 7/m 6
軸受ハウジングと転がり軸受(10) 軸受ハウジング側/− : Js 7/−又はH 7/−
転がり軸受(10)と主軸 −/主軸側 : −/js 6又は−/k 6
注(9) 軸端の直径寸法とその許容差の組合せは,JIS B 0903による。
(10) 転がり軸受の精度は,JIS B 1514に規定する0級とする。
備考1. はめあいは,JIS B 0401-2による。ただし,転がり軸受のはめあいは,JIS B 1566による。
2. はめあいは,穴基準にするが,軸基準にしてもよい。この場合の寸法許容差は,穴基準に準じる。

8. 外観

 外観は,次による。
a) 軸受ハウジングは,油漏れがあってはならない。

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