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食品接触部 食品飛散部 食品非接触部
注記 サンプリング口周囲は食品飛散部となる可能性があるが,斜線によって識別する
ほど広範囲でないため図には示していない。
図2−加水機の衛生の区域
4.1.1.3.2 食品接触部
食品接触部の主な危険源は,次による。
a) 一般構造 構成材料表面の凹凸,割れ,腐食,有害物質の溶出,外部物質の吸収・収着などによって
生物的,化学的及び物理的な危害が生じる危険がある。
b) 表面形状 表面の隙間などによって生物的,化学的及び物理的な危害が生じる危険がある。
c) 洗浄性・清掃性 分解できない,手指が届かない,又は確認しにくい構造によって生物的,化学的及
び物理的な危害が生じる危険がある。
d) デッドスペース デッドスペースでの食品及び洗浄剤の滞留などによって生物的,化学的及び物理的
な危害が生じる危険がある。
e) 接合部 接合部での食品及び洗浄剤の滞留などによって生物的,化学的及び物理的な危害が生じる危
険がある。
f) 隅部の半径 隅部の清掃不良によって生物的及び化学的な危害が生じる危険がある。
g) ファスナ ファスナへの物質の侵入及び腐敗によって生物的及び化学的な危害が生じる危険がある。
注記 ここで用いるファスナとは,ボルト,ナットなどの締結用部品を指す。JIS B 9650-2参照。
h) 流体 潤滑油の漏れ,飛散などによって化学的な危害が生じる危険がある。
i) パドル部 パドル部の清掃不良によって,生物的な危害が生じる危険がある。
4.1.1.3.3 食品非接触部
食品非接触部の主な危険源は,次による。
a) 一般構造 構成材料表面の凹凸,割れ,腐食,外部物質の吸収・収着などによって生物的,化学的及
び物理的な危害が生じる危険がある。
b) ファスナ ファスナへの物質の侵入及び腐敗によって生物的及び化学的な危害が生じる危険がある。
――――― [JIS B 9655 pdf 6] ―――――
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4.1.1.3.4 機械の設置
洗浄・清掃及び接近しにくい構造は,食品及びじんあい(塵埃)の滞留などによる生物的,化学的及び
物理的な危険源によって作業環境汚染を生じる危険がある。
4.1.1.3.5 流体
潤滑油の漏えい(洩)によって食品への混入,作業環境汚染などの化学的及び物理的な危害を生じる危
険がある。
4.1.2 加水機の安全要求事項
4.1.2.1 サンプリング口
サンプリング口の構造は,次による。
a) サンプリング口の内部に保護構造物を設ける場合の構造は,次による(図3参照)。
1) サンプリング口が円形の場合,直径は100 mm以下とする[図3 a) 参照]。また,開口部が正方形
の場合は,対角線の寸法は100 mm以下とする。
2) サンプリング口の直径が40 mm以上100 mm以下の場合,保護構造物を設ける位置は,サンプリン
グ口から145 mm以下とする[図3 b) 参照]。また,保護構造物は,作業者の手指が駆動部へ到達
することを妨げる形状とする。
3) サンプリング口の形状が不定形の場合は,開口部全体が収まる円の直径を使用する1)。
注1) IS B 9718の4.2.4.3(不定形開口部)参照。
b) サンプリング口内部に保護構造物を設けない場合の構造は,次による。
1) サンプリング口が円形の場合の直径,正方形開口部の場合の辺及び長方形開口部の場合の最も狭い
辺の各寸法が,40 mm以上120 mm以下の場合,開口部から駆動部まで850 mm以上の距離を設け
る。
2) サンプリング口の寸法が40 mm未満の場合は,手を使わずにサンプリング可能な専用器具を用いる
構造とする。
c) サンプリング口がその他の形状及び構造の場合は,JIS B 9718に規定する安全距離を設ける。
単位 mm
保護構造物
145 max
a) サンプリング口周囲前面の開口寸法 b) 保護構造物の設置位置(断面)
図3−サンプリング口の形状及び寸法
――――― [JIS B 9655 pdf 7] ―――――
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4.1.2.2 モータ部
モータ部の構造は,次による。
a) 振動モータ 振動モータの駆動部の構造は,次による。
1) 振動モータ及びそのシャフト部は,固定式ガード(カバー)によって全面が覆われた構造とする。
なお,固定式ガードは,JIS B 9716による。
2) 振動モータ及びシャフト部の固定式ガードは,隙間のない構造とする(図4参照)。どうしても隙間
が生じる場合,その寸法は6 mm以下とする。隙間から駆動部までの距離は,JIS B 9718に規定す
る安全距離を設ける。
3) 振動モータのバランスウェイト部は,隙間のない固定式ガード(カバー)で密閉する。固定式ガー
ドの隙間をどうしてもなくすことができない場合,隙間の寸法は4 mm以下とする。
4) バランスウェイトの保守又は調整中の予期しない起動を防止するため,制御盤の主遮断機はロック
アウト可能な構造とする。
2
1
4
1 シャフト部の固定式ガード
5 2 振動モータ
3 振動モータと固定式ガード
とを密着させた接続部
4 シャフト
3
5 バランスウェイト
図4−振動モータのカバー
b) パドルモータ パドルモータの駆動部の構造は,次による。
1) パドルモータのシャフト部は,固定式ガード(カバー)によって覆われた構造とする(図5参照)。
なお,固定式ガードは,JIS B 9716による。
2) パドルモータ及びシャフト部の固定式ガードは,隙間のない構造とする。どうしても隙間が生じる
場合,その寸法は6 mm以下とする。
パドルモータと固定式ガードとの隙間が4 mm以下の場合は,開口部から駆動部までの安全寸法
を設ける必要はない。4 mmを超えて6 mm以下の場合は,JIS B 9718に規定する安全距離を設ける。
3) パドルモータが機械下部にある場合,機械の下に入らずに固定式ガードを取り外すことができる構
造とする。
4.1.2.3 架台と振動部の固定部との隙間
架台と振動部の固定部との隙間の構造は,次による。
a) 架台及び振動部の固定部は,挟まれる可能性のある箇所に25 mm以上の最小隙間を設ける(図6参照)。
それが不可能な場合,4 mmを超える隙間のない固定式ガードによって覆われた構造とする。
なお,固定式ガードは,JIS B 9716による。
b) 隙間のない固定式ガードが不可能な場合,JIS B 9718に規定する安全距離を設ける。
――――― [JIS B 9655 pdf 8] ―――――
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1
2
1 モータ駆動部の固定式ガード
2 パドルモータのシャフト
3 パドルモータと固定式ガードとを
密着させた接続部
3
図5−パドルモータ及びシャフト部を覆う固定式ガードの構造例
単位 mm
A
A
a) 正面から見た架台及び振動部 b) 側面から見た架台及び振動部
図6−架台と振動部の固定部との隙間
4.1.2.4 パドル
パドル点検口の構造は,次による。
a) 点検口の開口寸法が,横幅565 mm以上626 mm以下,縦幅32 mm以上870 mm以下の場合,開口部
の外部ドアにトラップキーインタロックを設け,開口部を閉鎖した状態でなければパドルが起動でき
ない構造とする。
なお,衛生要求によって,衛生リスクの低減が必要な場合は,その他のインタロックでもよい。
注記 トラップキーインタロックとは,複数のキーを用いて組んだインタロックを指す。あらかじ
め定めた手順で,キーを操作することで起動エネルギーの遮断及び解除を行う。
――――― [JIS B 9655 pdf 9] ―――――
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b) 点検口の開口寸法が横幅626 mm以上,縦幅870 mm以上で,上部が広く開放される構造の場合,ト
ラップキーインタロック以外のJIS B 9710に規定されたインタロック付きガード(カバー)を設け,
開口部を閉鎖した状態でなければパドルが起動できない構造とする。
c) 制御システムの安全関連部の要求パフォーマンスレベルPLr2)は,JIS B 9705-1の“bc”以上とする。
注2) IS B 9705-1参照。
d) 操作盤の作業位置から,パドル点検口が確認できる構造とする。視認性が十分でない場合,鏡などを
用いてもよい。
4.1.2.5 電気的危険源
4.1.2.5.1 一般
充電部,制御盤及び電気機器設備に対する保護方策は,JIS B 9960-1に規定する要求事項による。
4.1.2.5.2 保護等級
保護等級による保護方策は,次による。
a) 制御盤エンクロージャの保護等級は,JIS C 0920に規定する保護等級が少なくともIP54以上とする。
b) 外付けモータは,少なくともJIS C 0920のIP54以上の全閉外扇形とする。
4.1.3 加水機の衛生要求事項
衛生面の構造に対する保護方策は,次による。
a) 食品接触部 食品接触部の危険源に対する保護方策については,JIS B 9650-2の6.2(食品接触部の設
計,製造及び加工)の要求事項を適用するほか,次による。
1) 食品接触部の二つの面による内角の角度は90°以上とし,隅部の半径は3.2 mm以上とする。ただ
し,加工,製造技術,経費などの合理的な理由によって不可能な場合は,適切な洗浄及び清掃方法
に関する使用上の情報の提供を条件に,もっと小さい隅部の半径を利用できる。
2) 食品接触部の三つの面による内角の角度は90°以上とし,隅部の半径は6.4 mm以上とする。ただ
し,内角の角度が135°以上の場合は,隅部の半径を設けなくてもよい。
3) 食品接触部に溝を設ける場合は,溝の隅部の半径が3.2 mm以上,及び深さが隅部の半径の0.7倍以
下とする。
4) 食品接触部の表面粗さは,16 μm Raを超えてはならない。
b) 食品飛散部 食品飛散部の危険源に対する保護方策については,JIS B 9650-2の6.3(食品飛散部の設
計及び製造)の要求事項を適用するほか,次による。
1) 食品飛散部の二つの面による内角の角度は80°以上とし,隅部の半径は3.2 mm以上とする。食品
飛散部の三つの面による内角の場合,そのうちの二つの面の隅部の半径は6.2 mm以上とするが,
残りの1面については隅部の半径は取らなくてもよい。また,全ての内角の角度が110°以上であ
る場合も,隅部の半径は取らなくてもよい。
2) 食品飛散部に溝を設ける場合は,溝の隅部の半径が3.2 mm以上,及び深さが隅部の半径の1.0倍以
下とする。
3) 直径が16 mm以上,深さ16 mm以下であれば,貫通した孔を設けてもよい。複数孔を設ける場合,
孔と孔との間隔の幅を16 mm以上とする。
4) 接合部は,溶接又は連続したシールとする。しかし,接合部が上下垂直な板材によって12 mm以上
重なり,水平面がなく,分解可能な構造でもよい。
5) 十字穴付きねじ,六角穴付きねじ及び呼び径3 mm未満のねじは使用してはならない。ただし,許
容可能なレベルまで衛生リスクを低減する使用上の情報の提供を条件に,六角穴付きねじとしても
――――― [JIS B 9655 pdf 10] ―――――
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JIS B 9655:2014の国際規格 ICS 分類一覧
- 67 : 食品技術 > 67.260 : 食品製造工場及び設備
- 13 : 環境.健康予防.安全 > 13.110 : 機械の安全
JIS B 9655:2014の関連規格と引用規格一覧
- 規格番号
- 規格名称
- JISB9650-1:2011
- 食料品加工機械の安全及び衛生に関する設計基準通則―第1部:安全設計基準
- JISB9650-2:2011
- 食料品加工機械の安全及び衛生に関する設計基準通則―第2部:衛生設計基準
- JISB9700:2013
- 機械類の安全性―設計のための一般原則―リスクアセスメント及びリスク低減
- JISB9705-1:2019
- 機械類の安全性―制御システムの安全関連部―第1部:設計のための一般原則
- JISB9710:2019
- 機械類の安全性―ガードと共同するインターロック装置―設計及び選択のための原則
- JISB9716:2019
- 機械類の安全性―ガード―固定式及び可動式ガードの設計及び製作のための一般要求事項
- JISB9718:2013
- 機械類の安全性―危険区域に上肢及び下肢が到達することを防止するための安全距離
- JISB9960-1:2019
- 機械類の安全性―機械の電気装置―第1部:一般要求事項
- JISC0920:2003
- 電気機械器具の外郭による保護等級(IPコード)