JIS C 1400-1:2017 風力発電システム―第1部:設計要件 | ページ 7

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C 1400-1 : 2017 (IEC 61400-1 : 2005,Amd.1 : 2010)
表2−設計荷重ケース
設計条件 DLC 風条件 その他の条件 解析の 部分
番号 タイプ 安全率
1) 発電 1.1 NTM Vin 1.2 NTM Vin 1.3 ETM Vin 1.4 ECD Vhub=Vr−2(m/s),Vr, U N
Vr+2(m/s)
1.5 EWS Vin2) 発電中の故障 2.1 NTM Vin 発生 系統の喪失
2.2 NTM Vin する内部電気故障
2.3 EOG Vhub=Vr±2(m/s)及びVout 電力系統の喪失を含む,内外U A
の電気故障
2.4 NTM Vin システム,保護システム又は
電気システムの故障
3) 起動 3.1 NWP Vin 3.2 EOG Vhub=Vin,Vr±2(m/s)及び U N
Vout
3.3 EDC Vhub=Vin,Vr±2(m/s)及び U N
Vout
4) 通常停止 4.1 NWP Vin 4.2 EOG Vhub=Vr±2(m/s)及びVout U N
5) 緊急停止 5.1 NTM Vhub=Vr±2(m/s)及びVout U N
6) 待機中(静止 6.1 EWM 再現期間50年 U N
又はアイドリ 6.2 EWM 再現期間50年 電力系統の喪失 U A
ング) 6.3 EWM 再現期間1年 極値ヨーミスアラインメント U N
6.4 NTM Vhub<0.7 Vref F *
7) 待機中の故障 7.1 EWM 再現期間1年 U A
8) 輸送,組立て, 8.1 NTM Vmaint : 製造業者が指定 U T
保守及び修理 8.2 EWM 再現期間1年 U A
注記 この表で用いる略語は,次による。
DLC 設計荷重ケース(以下,DLC番号を表す場合は,略語“DLC”を用いる。例 DLC 1.1)
ECD 風向変化を伴う極値コヒーレントガスト(6.3.2.5参照)
EDC 極値風向変化(6.3.2.4参照)
EOG 運転中の極値ガスト(6.3.2.2参照)
EWM 極値風モデル(6.3.2.1参照)
EWS 極値ウィンドシアー(6.3.2.6参照)
NTM 通常乱流モデル(6.3.1.3参照)
ETM 極値乱流モデル(6.3.2.3参照)
NWP 通常風速プロファイルモデル(6.3.1.2参照)
Vr±2(m/s) この範囲の全ての風速に対する感度を解析することを意味する。
F 疲労(7.6.3参照)
U 終極(7.6.2参照)
N 通常設計条件[における部分安全率(表3参照)]
A 異常設計条件[における部分安全率(表3参照)]
T 輸送及び建設の設計条件[における部分安全率(表3参照)]
* 疲労に対する部分安全率(7.6.3参照)

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C 1400-1 : 2017 (IEC 61400-1 : 2005,Amd.1 : 2010)
表2で風速範囲を示している場合,風車設計に対して最悪条件となる風速を考慮する。風速の範囲は,
一組の不連続な値によって代表できる。その場合,分解能は,計算精度6) を保証するのに十分なものとす
る。設計荷重ケースの定義において,風条件は,箇条6を参照する。
注6) 一般に,2 m/sの分解能は十分と考えられる。
7.4.1 発電(DLC 1.11.5)
この設計条件では,風車は運転中であり,電気負荷に接続されている。想定する風車の形状に,ロータ
の不平衡を考慮する。設計計算には,ロータの製造に指定されている最大質量及び空力不平衡(例えば,
翼ピッチ及びねじれの偏差)を用いる。
さらに,運転荷重の解析には,ヨーミスアラインメント,制御システムのトラッキング誤差などの理論
的な最適運転条件からの偏差を考慮する。
DLC 1.1及びDLC 1.2は,寿命期間における風車の通常の運転中に現れる大気の乱れから生じる要求事
項を具体化している(NTM)。DLC 1.3は,極値乱流条件から生じる終極荷重に対する要求事項を具体化し
ている。DLC 1.4及びDLC 1.5は,風車の寿命期間に発生する危機的な事象として選択された過渡的なケ
ースを規定している。
DLC 1.1におけるシミュレーションデータの統計解析には,少なくとも,翼根面内曲げモーメント,面
外曲げモーメント及び翼先端変形の極値計算を含める。これらのパラメータの設計極値よりもDLC 1.3に
よって得られた極値の方が大きい場合は,DLC 1.1の更なる解析は省略してもよい。
DLC 1.3において導き出した設計極値がこれらのパラメータの設計極値を超えない場合には,DLC 1.3
の極値乱流モデルに用いる式(19)の係数cを,DLC 1.1において計算したこれらのパラメータの設計極値以
上に引き上げてもよい。
7.4.2 発電中の故障発生又は電力系統の喪失(DLC 2.12.4)
この設計条件は,風車の発電中の故障又は電力系統の喪失によって引き起こされる過渡事象を意味する。
制御システム及び保護システムの故障又は電気システムの内部故障は,風車にかかる荷重に大きく影響す
るので(例えば,発電機の短絡),これらが発電中に起きるものと想定する。
DLC 2.1の場合,制御機能の故障又は電力系統の喪失の発生は,通常の事象として解析する。
DLC 2.2の場合,保護機能又は内部電気システムの故障など,まれな故障の発生は,異常な事象として
解析する。
DLC 2.3の場合,運転中の極値ガスト(EOG)などの潜在的に重大な風の事象は,内部又は外部の電気
システムの故障(電力系統の喪失を含む。)の事象と組み合わさるため,異常な事象と考えられる。この場
合は,これらの二つの事象の発生タイミングは,最悪荷重が得られるように選ぶ。
故障又は電力系統の喪失によって風車が即時停止にならず,その結果引き起こされる荷重が重大な疲労
破壊をもたらす場合には,通常乱流モデル(NTM)において生じる疲労破壊に加えて,この状況が予想さ
れる継続時間をDLC 2.4において評価する。
DLC 2.3は,表2の風条件の代替としての,統計的な風のシミュレーション(NTM : Vin用いて分析する通常の事象(すなわち,荷重に対する部分安全率1.35)を,内部又は外部の電気システム
の故障(電力系統の喪失を含む)と組み合わせてもよい。この場合,考慮する各平均風速に対して,12回
の応答シミュレーションを行う。それぞれの応答シミュレーションにおいて,電気システムの故障が起き
た後の極値応答を計算する。ただし,初期条件の影響が無視できるようになった後に,故障について考慮
する。各平均風速において,見かけの極値応答は,12個のサンプリングされた極値応答の平均値に12個
のサンプルの標準偏差の3倍を加算して求める。DLC 2.3の特性応答値は,見かけの極値応答の中の極値

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C 1400-1 : 2017 (IEC 61400-1 : 2005,Amd.1 : 2010)
として決定する。
7.4.3 起動(DLC 3.13.3)
この設計条件は,静止又はアイドリング状態から発電に至るまでの過程で風車に作用する荷重の原因と
なる全ての事象を含んでいる。発生回数は,制御システムの挙動に基づいて予想する。
7.4.4 通常停止(DLC 4.14.2)
この設計条件は,発電状態から静止又はアイドリング状態に至るまでの通常の過程において,風車に荷
重をもたらす全ての事象を含む。発生回数は,制御システムの挙動に基づいて予想する。
7.4.5 緊急停止(DLC 5.1)
緊急停止によって生じる荷重を考慮する。
7.4.6 待機中(静止又はアイドリング)(DLC 6.16.4)
この設計条件では,待機中の風車のロータは,静止又はアイドリング状態にある。DLC 6.1,DLC 6.2及
びDLC 6.3においては,この条件は極値風モデル(EWM)を考慮する。DLC 6.4においては,通常乱流モ
デル(NTM)を考慮する。
風条件が極値風モデル(EWM)によって定義される設計荷重ケースの場合,定常又は乱流のいずれの風
モデルを用いてもよい。乱流極値風モデルを用いる場合,完全な動的応答又はISO 4354で明確に規定して
いるガスト及び動的応答の適切な補正付きの準定常解析のいずれかを用いて推定する。
定常極値風モデルを用いる場合,共振応答の作用を上記の準定常解析から推定する。共振応答と背景応
答との比(R/B)が5 %未満の場合,定常極値風モデルによる静的解析を用いてもよい。風車ヨーシステム
の滑りが荷重の特性値で起きる場合,起こる可能性のある不都合な最大滑りを平均ヨーミスアラインメン
トに加算する。風車が,極値風条件においてヨー運動が予測されるヨーシステムをもつ場合(例えば,フ
リーヨー,受動ヨー又はセミフリーヨー)には,乱流極値風モデルを用いる。
なお,ヨーミスアラインメントは,乱流の風向変化及び乱流ヨーの動的応答によって支配される。また,
風車が大きなヨー運動又は通常の運転から極値条件への風速増加中の平衡変化にさらされる場合,この挙
動はこの解析に含める。
DLC 6.1において,アクティブヨーシステムをもつ風車にヨーシステム中の滑りに対する制限が設けら
れている場合には,定常極値風モデルを用いるときは±15°までのヨーミスアラインメント,又は乱流極
値風モデルを用いるときは±8°の平均ヨーミスアラインメントを課す。
DLC 6.2において,極値風条件を含む暴風の初期段階における電力系統の喪失を仮定する。制御システ
ム及びヨーシステムに対して,少なくとも6時間の容量をもつ電力のバックアップが与えられない限り,
±180°までの風向変化の作用を解析する。
DLC 6.3において,1年の再現期間をもつ極値風を極値ヨーミスアラインメントと組み合わせる。定常極
値風モデルを用いる場合には±30°までの極値ヨーミスアラインメント,又は乱流極値風モデルを用いる
場合には,±20°の平均ヨーミスアラインメントを仮定する。
DLC 6.4において,無視できない疲労損傷が生じるような変動荷重がいずれかの部品に生じる場合には
(例えば,アイドリング状態の翼の自重による),その風速における非発電状態の予想時間数を考慮する。
7.4.7 待機中の故障(DLC 7.1)
電力系統又は風車の故障によって,待機中の風車の挙動が通常状態から変化した場合には,解析する。
電力系統の喪失以外の何らかの故障による場合には,起こる可能性のある事態を特に解析の対象とする。
故障状態は,極値風モデル(EWM)と1年の再現期間との組合せとする。故障状態は,乱流,又はガスト
及び動的応答を補正した準定常のいずれかとする。

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C 1400-1 : 2017 (IEC 61400-1 : 2005,Amd.1 : 2010)
ヨーシステムの故障の場合,±180°のヨーミスアラインメントを考慮する。他の故障の場合のヨーミス
アラインメントは,DLC 6.1による。
DLC 7.1中に,ヨーシステム中の滑りが荷重の特性値で起こる可能性がある場合,最も厳しい滑りを考
慮する。
7.4.8 輸送,組立て,保守及び修理(DLC 8.18.2)
DLC 8.1において,製造業者は,風車の輸送,組立て,保守及び修理の間に発生する可能性がある全て
の風条件及び設計条件を記載する。この最大許容条件が風車に重大な荷重をもたらす場合には,この条件
を考慮して設計する。製造業者は,満足できる安全レベルを付与するために,記載した条件と風条件との
間に十分な設計マージンをとる。十分なマージンは,記載した風条件に5 m/sを加えることで得てもよい。
さらに,DLC 8.2においては,1週間を超える可能性がある風車の輸送,組立て,保守及び修理の条件を
含める。これには,部分的に完成したタワー,ナセルなしで立つタワー及び複数本の翼が欠けた風車も含
む。全ての翼が同時に取り付けられることを仮定してもよい。これらの全ての条件において,電力系統は
接続されないと仮定する。電力の供給を必要としない場合には,これらの全ての状態でも,荷重を減らす
対策をとることができる。
ロック装置は,DLC 8.1の該当する条件で発生する荷重に耐えることを要求する。特に,最大設計駆動
力の印加を考慮する。

7.5 荷重計算

  7.3.17.3.4に規定する荷重を,各設計荷重ケースに考慮する。関連する場合には,次の事項を考慮する。
− 風車自体に起因した風の流れ場のじょう(擾)乱(風車後流による誘導速度,タワーシャドウなど)
− 三次元の流れが翼の空力特性に及ぼす影響(例えば,三次元ストール,空力チップロスなど)
− 非定常空力効果
− 構造の動特性及び振動モードの連成
− 空力弾性効果
− 風車の制御システム及び保護システムの挙動
風車荷重の計算には,通常,構造動力学モデルを用いる動的シミュレーションを用いる。ある設計荷重
ケースでは,乱流を含む風が入力される。このケースの場合,荷重の特性値の推定に統計的な信頼性を確
保するために荷重データの全期間は十分長くとる。少なくとも6回の10分間統計データ(又は連続60分
間)を,シミュレーション用の各ハブ高さにおける平均風速に対して要求する。ただし,DLC 2.1,DLC 2.2
及びDLC 5.1の場合には,少なくとも12回のシミュレーションを所定の風速における各事象に対して実施
する。動的シミュレーションに用いる初期条件は,通常,シミュレーション期間の初期において荷重統計
に影響を与えるので,最初の5秒間のデータ(又は必要な場合,より長く)は,乱流を含む風の入力を含
む解析間隔の検討から除外する。
動的シミュレーションに乱流を含む風を用いる場合,空間分解能7) 及び時間分解能に注意することが望
ましい。
注7) 空間分解能については,隣接する点の間の最大距離が,Λ1[式(5)参照]の25 %未満,及びロー
タ直径の15 %以下であることが望ましい。この距離は,四つの点で構成される各格子セルの点
を結ぶ対角線の長さとする。非一様な格子の場合,ロータ表面における格子間距離の平均値を,
代表的な空間分解能とみなしてもよいが,この格子間距離は,翼端に向かうに従って短くする
ことが望ましい。

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C 1400-1 : 2017 (IEC 61400-1 : 2005,Amd.1 : 2010)
多くの場合,所定の風車部品の重要な部位の局所ひずみ又は応力は,同時に起きる多軸荷重によって支
配される。この場合,シミュレーションからのアウトプットである直交荷重の時刻歴データは,荷重の設
計値を指定するのにしばしば用いられる。このような直交成分の時刻歴データを用いて疲労荷重及び終極
荷重を計算する場合には,位相及び大きさの両方を維持するように,時刻歴データを組み合わせる。すな
わち,この直接法では,重要な応力値を時刻歴データから導くことになる。また,極値及び疲労を予測す
る方法では,荷重の組合せによる問題を避けて,単一のデータを適用してもよい。
終極荷重成分も,極値成分値が同時に生じるものと仮定して,安全側に組み合わせてもよい。この選択
を行う場合,安全側でない考えの取り入れを避けるために,最小及び最大の極値成分の値について,可能
なあらゆる組合せを適用する。
数多くの実現確率から得られた,同時荷重から極値設計荷重を導くための指針を,附属書Hに示す。

7.6 終極限界状態解析

7.6.1  方法
部分安全率は,荷重及び材料の不確かさ及び偏差,解析方法に含まれる不確かさ並びに損傷結果に関す
る構造部品の重要性を考慮する。
7.6.1.1 荷重及び材料の部分安全率
荷重及び材料の不確かさ及び偏差の安全設計値を保証するために,式(28)及び式(29)に定義するように部
分安全率を取り入れる。
Fd=γf Fk (28)
ここに, Fd : 合計内部荷重又は所定の設計荷重ケースの種々の発生源から
同時に発生する多重荷重成分に対する荷重応答の設計値
γf : 荷重の部分安全率
Fk : 荷重の特性値
1f
fd= k (29)
m
ここに, fd : 材料の設計値
γm : 材料の部分安全率
fk : 材料物性の特性値
この規格では,荷重の部分安全率は,次を考慮する。
− 荷重の特性値からの好ましくない逸脱及び/又は不確かさの可能性
− 荷重モデルにおける不確かさ
この規格では,材料の部分安全率は,ISO 2394と同様,次を考慮する。
− 材料強度の特性値からの好ましくない逸脱及び/又は不確かさの可能性
− 断面耐力又は構造部位の耐荷重能力の不正確な評価の可能性
− 幾何学的パラメータにおける不確かさ
− 構造物の材料物性と管理標本による試験で測定した材料物性との間の関係の不確かさ
− 換算率の不確かさ
これらの異なる不確かさは,個々の部分安全率によって説明が付くこともあるが,この規格では他の大
部分の規定と同様に,荷重に関係する要因は安全率γfに結び付け,かつ,材料に関係する要因は安全率γm
に結び付ける。
7.6.1.2 損傷結果及び部品クラスに対する部分安全率
次の部品クラスを区別するため,損傷結果に対する部分安全率γnを導入する。

――――― [JIS C 1400-1 pdf 35] ―――――

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JIS C 1400-1:2017の引用国際規格 ISO 一覧

  • IEC 61400-1:2005(IDT)
  • IEC 61400-1:2005/AMENDMENT 1:2010(IDT)

JIS C 1400-1:2017の国際規格 ICS 分類一覧

JIS C 1400-1:2017の関連規格と引用規格一覧