JIS C 2300-2:2010 電気用セルロース紙―第2部:試験方法 | ページ 4

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C 2300-2 : 2010
ブフナ漏斗に新しいろ紙を敷いて混合物を吸引ろ過する。できるだけ多くの抽出物を取り出すため,先
の平らな棒で紙の残留物を圧縮する。
抽出物の容積及び残留物の質量(W)を測定する。
抽出物を抽出に使ったものと同様のフラスコに移し,ウォータバス中で乾燥するまで蒸発させる。不純
物の混入を防ぐためにフラスコの上に大きなビーカ(約250 cm3)をかぶせておく。
完全に乾燥したら,約20 cm3の脱イオン水をフラスコに加え,乾燥を繰り返す。
抽出残留物を,10 %硝酸銀5 cm3±0.05 cm3によって溶かし,それを100 cm3のビーカに移す。元のフラ
スコを1回につき5 cm3±0.05 cm3のアセトンで2回洗い,そのアセトンをビーカに加える。
抽出物中の塩素は,電位差滴定法によって,マグネチックスターラ,ガラス基準電極及び銀線インジケ
ータを用いて,例えばpHメータのような装置で測定する。
滴定液は,マイクロシリンジから滴定セルにガラス製の針を用いて滴下した0.01 cm3の0.02モル硝酸銀
溶液とする。
蒸発した水の量(340−W)cm3,10 %硝酸銀溶液5 cm3±0.05 cm3及びアセトン10 cm3からなる空試験溶
液を滴定する。
塩素含有量は,次の式によって求める。
A BM W D
Ia 35.46 1 103
D V
ここに, Ia : 塩素含有量(mg/L)
M : 硝酸銀溶液のモル濃度(mol/kg)
D : 乾燥した試験片の質量(g)
A : 抽出物の滴定に用いた硝酸銀溶液(cm3)
B : 空試験の滴定に用いた硝酸銀溶液(cm3)
W : 湿紙残留物の質量(g)
V : 抽出物の容積(cm3)
17.2.2 硝酸銀B法(抽出第2法)
17.2.2.1 試験装置
試験装置は,17.2.1.1による。ただし,17.2.1.1 e)のガラス製マイクロシリンジの代わりに0.01 cm3目盛
のマイクロビュレットを用いる。
17.2.2.2 抽出及び測定手順
試料から大きさ約50 mm×10 mmに切った試験片約4 gを採り,600 cm3の石英ガラス製平底フラスコに
入れ,導電率0.2 mS/m以下の沸騰したイオン交換水又は蒸留水100 cm3を加え,逆流冷却器を付け,60 min
±5 min沸騰させる。
冷却した抽出液をガラスフィルタでろ過,又は上澄み液を静かに注いで,200 cm3のトールビーカに25 g
±0.1 g計量し,これにアセトン125 cm3及び1 %硝酸銀溶液15滴を加える。液面が汚れないようにマグネ
チックスターラを用いてかきまぜる。溶液中に電極を浸し,直流電圧計を安定させてから滴定を始める。
0.002 5モル硝酸銀溶液を,マイクロビュレットから0.01 cm3ずつ加え,電圧の変化をミリボルト(mV)
で記録する。電圧の最大変化の点を表す終点まで滴定するか,又はあらかじめ電圧カーブから求めた固定
点まで滴定する。最終到達まで用いた全硝酸銀滴定量を記録する。同一の滴定をそれぞれの抽出物につい
て行い,±0.01 cm3まで確認する。繰り返しの試料間の差は,±5 %とする。ただし,2.0 mg/L以下の場合
は,試料間の差は±5 %を超えてもよい。水25 g±0.1 g,アセトン125 cm3,1 %硝酸銀溶液15滴からなる
空試験試薬を測定する。

――――― [JIS C 2300-2 pdf 16] ―――――

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塩素含有量は,次の式によって求める。
A BM
Ib 35.46 4 10 3
D
ここに, Ib : 塩素含有量(mg/L)
A : 滴定に用いた0.002 5モル硝酸銀溶液量(cm3)
B : 空試験の滴定に用いた0.002 5モル硝酸銀溶液量(cm3)
M : 硝酸銀溶液のモル濃度(mol/kg)
D : 乾燥した試験片の質量(g)
17.2.3 限度法(抽出第3法)
17.2.3.1 抽出方法
20 ℃±0.5 ℃において,導電率0.1 mS/m以下の蒸留水又はイオン交換水200 cm3をビーカに入れ,ウォ
ータバス中で95 ℃以上に加熱する。次に,試料から大きさ50 mm×10 mmに裁断した試験片5 g±0.1 g
を採った後に,前記熱水の入っているビーカに投入し,時計皿で上部を覆い30 min±1 min熱抽出する。
30 min±1 minに全体の容量が200 cm3以下に減少しているときは,蒸留水又はイオン交換水を追加して200
cm3とし,塩素を含まない目開き250程度のふるいでろ過し,冷却水で25 ℃に冷却する。冷却後に40 cm3
を採り,60 %硝酸銀を2 cm3加えて5分間放置し,0.2 mの粒子をろ過できる液体クロマトグラフ用のデ
ィスポーザブルフィルタで微細繊維と硝酸銀で白濁する物質をろ過して試験液とする。
注記 ろ過は,フィルタが目詰まりしやすいので,回転数4 000 min−1以上の速度をもつ遠心分離器で
白濁繊維分を遠心分離し,その後ディスポーザブルフィルタを用いるとよい。
17.2.3.2 限度液調整
JIS K 8001に規定する塩化ナトリウム1.65 gを,蒸留水又はイオン交換水1 000 cm3に溶解し,更に1 000
倍に希釈して塩化物限度基準液(塩素イオン濃度0.001 mg/cm3)を調整する。
受渡当事者間で合意した個別製品規格に応じた限度液の調整は,次による。
a) 試料に換算して2 mg/Lに相当する限度液は,塩化物限度基準液から1 cm3を試験管に採り,蒸留水又
はイオン交換水を加えて20 cm3とし,希硝酸1 cm3及び2 %硝酸銀溶液1 cm3を加え,かきまぜた後に
10分間静置する。
b) 試料に換算して3 mg/Lに相当する限度液は,塩化物限度基準液から1.5 cm3を試験管に採り,蒸留水
又はイオン交換水を加えて20 cm3とし,希硝酸1 cm3及び2 %硝酸銀溶液1 cm3を加え,かきまぜた後
に10分間静置する。
17.2.3.3 限度法測定
試験液から21 cm3を試験管に採り,2 %硝酸銀溶液1 cm3を加え,かきまぜた後に10分間静置する。
試験液及び限度液の試験管二つを図3の比濁計に入れ,暗室で白濁の程度を比較する。
なお,抽出液の塩素含有量を定量する場合は,17.2.3.1で得た抽出液を0.2 mの粒子をろ過できる液体
クロマトグラフ用のポリスルフォン膜で微細繊維をろ過し,17.2.4.3によって測定する。

――――― [JIS C 2300-2 pdf 17] ―――――

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単位 mm
図3−比濁計
17.2.4 その他の抽出及び測定方法
17.2.4.1 抽出第4法(抽出)
試料から大きさ約20 mm2以下に切った試験片約2 gを500 cm3のビーカに入れ,蒸留水又はイオン交換
水250 cm3を加える。ビーカを時計皿で覆い,約2時間沸騰した後に,ろ過洗浄し,蒸留水又はイオン交
換水を加え,このろ液の全量を約250 cm3とする。
17.2.4.2 抽出第5法(抽出)
試料から大きさ約20 mm2以下に切った試験片約5 gを採り,105 ℃±2 ℃で恒量になるまで乾燥した後
に,ひょう(秤)量し,300 cm3の三角フラスコに入れ,蒸留水又はイオン交換水200 cm3を加え,三角フ
ラスコ上部に逆流冷却管を取り付け,約60分間沸騰させる。沸騰後に,抽出液を室温まで冷却し,定量ろ
紙でろ過する。定量ろ紙は,あらかじめ蒸留水又はイオン交換水で3回以上洗浄し,更に沸騰抽出液の一
部で一度洗ったものを用いる。
17.2.4.3 イオンクロマトグラフ法(測定)
JIS K 0127に規定するイオンクロマトグラフ装置を用い,試験液の塩素含有量を測定する。
17.2.4.4 硝酸銀C法(測定)
試験液に,2滴又は3滴の約6.5 %クロム酸カリウム液を指示薬として加え,0.05モル硝酸銀溶液で滴定
する。かくはんしながら,最後の一滴で永久に消失しない赤褐色になったときを終点とする。別に空試験
を行う。
塩素含有量は,次の式によって求める。

――――― [JIS C 2300-2 pdf 18] ―――――

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.0001 78 A B
Ic 10 6
W
ここに, 塩素含有量(mg/L)
Ic :
W : 試験片の質量(g)
A : 0.05モル硝酸銀溶液の使用量(cm3)
B : 空試験における0.05モル硝酸銀溶液の使用量(cm3)
17.2.4.5 イオン電極法(測定)
JIS K 0122に規定するイオン電極を用い,試験液の塩素含有量を測定する。

18 硫酸塩含有量

  (検討中)

19 有機抽出液の導電率

  (国内では,使用する試薬の使用を厳しく制限しているため,規定しない。)

20 ナトリウム及びカリウムの測定(炎光原子吸光法)

20.1 原理

  この方法では,電気絶縁紙の高純度製品中のナトリウム及びカリウムを炎光原子吸光法で測定する。

20.2 手順

  試験片10 gを箇条14の方法によって灰化し,この灰をK+イオンが0.000 01 %以下及びNa+イオンが
0.000 05 %以下である32 %濃度の塩酸(約6モル溶液)で溶かす。分光測定は,JIS K 0400-48-10による。

21 透気度

21.0A 一般

  透気度の測定は,特に規定がない限り,次のいずれの方法を用いてもよい。用いた方法を記録する。

21.1 A法

  透気度は,次の式によって定義する。
V
Atp
ここに, π : 透気度
V : 通過した空気の容積(cm3)
A : 面積(cm2)
t : 時間(s)
p : 圧力差(kPa)
Vは,p kPaという一定の空気圧力差のもと,時間t秒で面積A cm2の1枚の紙を通過した空気の容積で
あり,立方センチメートル(cm3)で表す。
装置の圧力差は,透気度0.015の紙には,通常,約1 kPaを用いる。透気度0.000 1以下の紙には,3.5
kPa以上を用い,透気度2×106以上の紙(例えば,電解コンデンサ紙)には,100 Pa以下を用いる。透気
度0.000 10.01又は透気度52×106の紙には,1 kPaを基準として透気度の測定ができる圧力差を用いる。
21.1.1 試験装置
試験装置は,次による。
a) 容積の測定精度は,±2 %,時間の測定精度は,±1 %以内及び流速の測定精度は,±5 %で測定でき

――――― [JIS C 2300-2 pdf 19] ―――――

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るもの。
b) 試験片の初期圧力差は,±2 %の精度で設定でき,測定中の変動は,5 %以内とする。
c) 試験片は,加圧面をパッキンで締める。このパッキンの変形は,試験片の測定面積の1 %未満とする。
d) 試験片の測定面積は,6 cm2以上とする。10 cm2が望ましい。
e) 水によって圧力差を作る場合は,試験片を通過する空気は,水と接触しない方向から流す。
f) 装置の空気漏れは,試験片の代わりに,例えば,金属はくのような堅い通気性のない材料を取り付け
ることで検査できる。漏れは,この装置で測定できる最小透気度の0.025倍未満とする。
21.1.2 試験片
試験片は,試料から5個以上採る。試験片の最小寸法は,21.1.1で規定する面積を満足し,締付ユニッ
トのすべての方向で試験片がはみ出す大きさとする。
21.1.3 手順
手順の詳細は,用いる装置による。次の事項は,最も重要となる。
a) 装置の圧力差を,正確に調整する。
b) 測定する前及び測定中は,空気流を調節するシリンダ又は装置を正確に作動させる。
c) 空気の流れに影響する振動を与えない。
d) 試験片は,ひずみのない状態で締め付ける。
e) 測定中は,装置を水平に保つ。
21.1.4 結果
透気度は,21.1の式によって1 kPaの空気圧力に換算する。結果は,5個の試験片の試験によって得た平
均値で表す。透気度は,センチメートル毎キロパスカル秒(cm/kPa・s)又はマイクロメートル毎パスカル
秒(m/Pa・s)で表す。

21.2 B法(ガーレー試験機法)

  試料から試験片を,全幅試料の横方向からほぼ均等の間隔で,3枚採る。測定は,JIS P 8117に規定する
透気抵抗度(ガーレー試験機法)による。

21.3 C法(エミールグライナ法)

  試験片は,全幅試料の横方向からほぼ均等の間隔で,3枚採る。装置は,図4に示すエミールグライナ
ポロシティメータを用いる。あらかじめ上部支持環で支えた瓶内の水面がビュレットの目盛0 cm3と一致
するように蒸留水又はイオン交換水を入れる。試験片を直径25.4 mmの円孔をもった締付板に差し入れ,
締付板で固定する。ビュレットのコックを閉じ,瓶を下部支持環まで下げて水面差を546 mmに保ってか
らコックを開き,1分後にコックを閉じ,瓶内の水面とビュレットの水面とを一致させて目盛を読む。3
個の測定値について平均値を求める。透過性のない物質の薄片を挟んで同様な操作を行った場合の読みを
差し引いて透気度とする。必要がある場合は,測定時間を15秒又は5分とし,このときの測定時間を記録
する。

――――― [JIS C 2300-2 pdf 20] ―――――

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JIS C 2300-2:2010の引用国際規格 ISO 一覧

  • IEC 60554-2:2001(MOD)

JIS C 2300-2:2010の国際規格 ICS 分類一覧

JIS C 2300-2:2010の関連規格と引用規格一覧