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e) IS G 4305に規定するもの又はこれと同等以上の機械的強度をもつステンレス鋼。
f) 絶縁トロリーシステムとして構成したとき箇条5に規定する性能を満足する材料で,上記 a) e)に規
定する材料と同等のもの。
g) 上記a) f)に規定する材料によって構成された複合材。
7.2 絶縁物
絶縁物は難燃性があり,絶縁トロリー線の絶縁物の厚さは1.5 mm以上であり,かつ,絶縁トロリーシ
ステムとして構成したとき箇条5に規定する性能を満足しなければならない。絶縁物の材料を参考として
表4に示す。
7.3 コレクタ
コレクタの材料は,次に適合するものでなければならない。
a) 集電用ブラシは,焼結合金,メタリックカーボン,銅合金などの集電に適したもの。
b) 集電用ブラシを支持する絶縁物及びブラシ端子部に用いる絶縁物は,最高許容温度が85 ℃以上のも
の。
8 試験方法
8.1 構造試験
構造試験は,絶縁トロリー線及びその附属品について材料,構造,仕上げ,絶縁距離及び接触状態を調
べる。さらに,取付状態において絶縁トロリー線の開口部(乗移り部を除く。)を,JIS C 8306の3. (4)に
よって試験する。
8.2 温度試験
温度試験は,同じ定格の絶縁トロリー線を2個接続し,床から300 mm以上の高さに水平に置き,風に
さらされないようにして定格電流を流し,各部の温度が一定となったとき,JIS C 1602に規定する熱電対
を用いて導体の中央部及び接続部の温度を測定する。
この場合の周囲温度は,1030 ℃とする。
8.3 絶縁抵抗試験
絶縁抵抗試験は,JIS C 1302に規定する直流500 V絶縁抵抗計を用いて,次の部位間を測定する。
a) 絶縁トロリー線を2個接続し,接続部を中心に約3 mにわたって,外周を金属はく(箔)によって覆
い,金属はく(箔)の部分にハンガを取り付けた状態で,導体と金属はく(箔)との間及びハンガ支
持用金属部と金属はく(箔)との間。
b) 耐張引留装置を取り付けた状態と同一条件として,充電部と引留めボルトとの間。
c) 異極充電部相互間。
8.4 耐電圧試験
耐電圧試験は,次の部位間に周波数50 Hz又は60 Hzの交流電圧3 000 Vを1分間加える。
a) 8.3 a)に示す取付状態で,導体と金属はく(箔)との間及びハンガ支持用金属部と金属はく(箔)との
間。
b) 耐張引留装置を取り付けた状態と同一条件として,充電部と引留めボルトとの間。
c) 異極充電部相互間。
8.5 防雨性試験
防雨性試験は,JIS C 0920の14.2.3に規定する方法及び次による。
a) 絶縁トロリー線のハンガ取付部分を中心に約20 cmにわたって金属はく(箔)で覆い,その上から屋
――――― [JIS C 3711 pdf 11] ―――――
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外用ハンガを取り付け,次の状態とする。
1) 絶縁トロリー線を水平に支持し,開口部を下向きとする。
2) 絶縁トロリー線を水平に支持し,開口部を横向きとする。
3) 絶縁トロリー線を垂直に支持する。
b) 屋外用耐張引留装置を取付状態とする。
8.6 水平強度試験
水平強度試験は,次による。
a) 張力形絶縁トロリー線では,図1のように直線状の絶縁トロリー線を2個接続し,接続部を中央にし
て6 mの間隔でハンガによって支持し,両端に耐張引留装置によって中央部のたわみが515 mmに
なるように張力を加え,その絶縁トロリー線12 mに相当するおもりを接続部に1分間加える。試験
は開口部が下向き及び横向き両方で実施する。
図1−水平強度試験(張力形)
b) 非張力形絶縁トロリー線では,図2のように直線状の絶縁トロリー線を2個接続し,接続部を中央に
して,導体断面積が500 mm2未満のものにあっては2 m,導体断面積が500 mm2以上のものにあって
は3 mの間隔でハンガによって支持し,それぞれ,導体断面積が500 mm2未満のものにあっては12 m,
導体断面積が500 mm2以上のものにあっては18 mに相当するおもりを接続部に1分間加える。ただ
し,導体断面積が28 mm2未満のものにあっては,1 mの間隔でハンガによって支持して試験を行う。
試験は開口部が下向き及び横向き両方で実施する。
図2−水平強度試験(非張力形)
8.7 垂直強度試験
垂直強度試験は,直線状の長さ3 mの絶縁トロリー線を1.5 mの間隔で2か所ハンガによって垂直に支
持し,その絶縁トロリー線15 mに相当するおもりを導体の下端に2分間つり下げる。
8.8 耐衝撃試験
耐衝撃試験は,周囲温度1030 ℃において,図3の試験装置木台の上に,次のa) e)に示すように試
――――― [JIS C 3711 pdf 12] ―――――
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験品を置き,その上に,衝撃エネルギーが0.5 Jとなる条件で,鋼球を最も破損しやすいと思われる箇所に
1回落下させる。
注a) 台は,厚さが30 mm以上の堅木製とする。
図3−耐衝撃試験装置
a) 長さ30 cm以上の絶縁トロリー線中央部について,開口部を横向きに置く。
b) ハンガの開口部を横向きに置く。
c) 耐張引留装置を横向きに置く。
d) コレクタを横向きに置く。
e) エンドの端部を上向きに置く。
なお,鋼球を落下させる代わりにJIS C 60068-2-75に規定するスプリングハンマによって,衝撃エネル
ギー0.5 Jを加えてもよい。
注記 衝撃エネルギーレベルは,JIS C 60068-2-75の附属書C表1を参照。
なお,一般には質量約50 gの鋼球を高さ1 mの位置から落下させることが多い。
8.9 走行性試験
走行性試験は,絶縁トロリー線を2個以上接続し,コレクタの定格電流に等しい周波数50 Hz又は60 Hz
の電流を流しながら,コレクタを走行速度125 m/minで接続部を連続して20 000回通過させ,かつ,120 km
以上走行させた後,通電状態のまま停止させて,直ちにコレクタのブラシ端子部の温度をJIS C 1602に規
定する熱電対又は色温度計若しくは表面温度計を用いて測定する。
なお,この試験は,適合するコレクタのすべての定格電流について行う。
8.10 短絡試験
多線式絶縁トロリー線の短絡試験は,2個の絶縁トロリー線を接続し,終端を短絡した後,50 Hz又は
60 Hzの交流電圧を印加して,表5に示す短絡電流を約0.1秒間流す。
3線式の絶縁トロリー線については三相回路で試験し,4線式以上の絶縁トロリー線については三相回路
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の試験のほか,残りの導体すべてについて隣接導体間を単相回路で試験する。ただし,隣接導体間の構造
及び寸法がすべて同一の場合には,三相回路の試験だけでよい。
なお,上記の三相回路試験は,単相回路に置き換えて隣接導体相互間で試験してもよい。
短絡試験電流は,電流波形の包絡線を描き,短絡発生後1/2サイクル後の複振幅の 1 /( 2
2 ) をもって交流
分の実効値とする。三相回路の試験では,各相の電流の平均値とする。
表5−短絡試験電流
絶縁トロリー線の定格電流 短絡試験電流 遅れ力率
A A
30以下 5 000 0.50.6
30を超え 60以下
60を超え 90以下 7 500 0.30.4
90を超え 100以下
100を超え 120以下
120を超え 150以下 10 000
150を超え 200以下 14 000 0.250.3
9 検査
9.1 形式検査
形式検査は,次の検査項目について箇条8によって試験を行い,箇条4箇条7及び箇条11の規定に適
合しなければならない。ただし,a) d)は同一の試験品について,その順序で行い,e) j)は,それぞれ別
の試験品で行う。
a) 構造
b) 温度上昇
c) 絶縁抵抗
d) 耐電圧
e) 防雨性
f) 水平強度
g) 垂直強度
h) 耐衝撃
i) 走行性
j) 短絡
9.2 受渡検査
受渡検査は,次の検査項目の順序及び箇条8によって試験を行い,箇条4箇条7及び箇条11の規定に
適合しなければならない。ただし,受渡当事者間の協定によって,その一部を省略してもよい。
a) 構造
b) 絶縁抵抗
c) 耐電圧
10 製品の呼び方
製品の呼び方は,構成部品名,定格電圧,定格電流,線数及び絶縁物の種類による。
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例1 絶縁トロリー線 交流600 V,60 A,3線,硬質PVC75
例2 コレクタ 交流600 V,30 A
11 表示
製品には,見やすい箇所に容易に消えない方法によって,次の事項を表示しなければならない。ただし,
絶縁トロリーシステムを一つのシステムとした場合は,受渡当事者間の協定によって1か所に表示しても
よい。
a) 絶縁トロリー線
1) 名称
2) 定格電圧
3) 定格電流
4) 絶縁物の種類又はその記号
5) 支持方法に指定がある場合は,その旨
6) 製造業者名又はその略号
7) 製造年又はその略号
b) コレクタ
1) 定格電圧
2) 定格電流
JIS C 3711:2007の国際規格 ICS 分類一覧
JIS C 3711:2007の関連規格と引用規格一覧
- 規格番号
- 規格名称
- JISC0920:2003
- 電気機械器具の外郭による保護等級(IPコード)
- JISC1302:2018
- 絶縁抵抗計
- JISC1602:2015
- 熱電対
- JISC2110:1950
- コイルエナメル試験方法
- JISC2110:1994
- 固体電気絶縁材料の絶縁耐力の試験方法
- JISC3005:2014
- ゴム・プラスチック絶縁電線試験方法
- JISC3104:1994
- 平角銅線
- JISC3801:1993
- がいし試験方法
- JISC60068-2-75:2019
- 環境試験方法―電気・電子―第2-75部:ハンマ試験(試験記号:Eh)
- JISC8306:1996
- 配線器具の試験方法
- JISG3132:2018
- 鋼管用熱間圧延炭素鋼鋼帯
- JISG4305:2012
- 冷間圧延ステンレス鋼板及び鋼帯
- JISG4305:2021
- 冷間圧延ステンレス鋼板及び鋼帯
- JISH3100:2018
- 銅及び銅合金の板及び条
- JISH4000:2014
- アルミニウム及びアルミニウム合金の板及び条
- JISH4040:2015
- アルミニウム及びアルミニウム合金の棒及び線
- JISH4080:2015
- アルミニウム及びアルミニウム合金継目無管
- JISH4100:2015
- アルミニウム及びアルミニウム合金の押出形材
- JISK7113:1995
- プラスチックの引張試験方法