JIS C 9620:2012 電気ホイスト | ページ 4

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方向との角度は,4°以内とする。
g) ワイヤロープと,ドラム,フレーム,フックブロックなどとの連結は,ソケット止め,クランプ止め,
コッタ止めなどの方法によって緊結して行わなければならない。
h) ロープの固定は,電気ホイストの定格荷重によって生じる静的なワイヤロープの力の2.5倍の力に対
して,永久変形を伴わずに耐えるようにしなければならない(附属書B参照)。ただし,ドラム側の
固定部分は,余巻き分の摩擦抵抗を含めて考慮してよい。ワイヤロープと接触面との間の摩擦係数μ
は,0.1とする。

6.2 ワイヤロープ

  ワイヤロープは,JIS G 3525による。

6.3 ドラム

  単層のドラムは,溝付きとする。溝は滑らかで,表面にロープの損傷の原因となる不適合があってはな
らない。エッジの部分には丸みをもたせる。

6.4 シーブ及びエコライザシーブ

  シーブ及びエコライザシーブは,次のことを満足しなければならない。
a) ロープがたるみを生じた場合などに,ロープが溝から外れることを防ぐために,適切な手段を備える
構造とする。
b) 外周と保護部材との間の距離は,ロープの公称直径の1/2未満とする。

6.5 フックブロック

  フックブロックは,次のことを満足しなければならない。
a) 附属書Cを用いてフックの引張応力を算出したとき,フックの引張応力は,材料の引張強さの1/3以
下とする。
b) スラスト軸受その他の構造によって,自由に回転できる。
c) 玉掛け用ワイヤロープなどが外れることを防止するための外れ止め装置を備える構造とする。

6.6 電動機

  電動機は,三相かご形誘導電動機を使用する。

6.7 巻上げ及び巻下げのブレーキ

  巻上げ及び巻下げのブレーキは,次のことを満足しなければならない。
a) ブレーキは,次の場合に荷が下がらないように自動的に作動する。
1) 手動操作スイッチを放した場合
2) 非常停止が作動した場合
3) ブレーキへの電源供給が妨げられた場合
4) 電気ホイストへの電源供給が妨げられた場合
5) 電気ホイストへの電源供給の2相が欠相した場合
b) 電気ホイストへの電源供給の1相が欠相した場合であっても,制御できない状態2) で荷が下がっては
ならない。
注2) 制御できない状態とは,押しボタンを放したり,非常停止ボタンを押したりしたときに停止
しない状態である。
c) 制動トルクの値(電磁ブレーキ及びメカニカルブレーキを備えるものはその和)は,定格荷重をつっ
たときのトルクの150 %以上とする。

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6.8 押しボタンスイッチ

  押しボタンスイッチは,操作部分から手を放したときに確実に巻上げ及び巻下げ,又は横行の回路を遮
断する。

6.9 横行車輪

  横行車輪は,次のことを満足しなければならない。
a) 普通形及びローヘッド形に使用するトロリの両車輪のフランジ間隔,又はガイドローラの間隔は,適
用の横行レール幅(標準寸法)との振分けの片側隙間が,7 mm以下とする(図7参照)。
b) 鎖動横行式及び手押横行式は,車輪軸受として転がり軸受を使用する。
c) 電気ホイストで使用する横行レールは,附属書Dによることが望ましい。
a) フランジ付き車輪の場合 b) ガイドローラ式の場合
図7−横行車輪(普通形及びローヘッド形)

6.10 過巻防止装置

  過巻防止装置は,電気ホイストに取り付けた状態において,フックブロックによって作動する直働式の
もの,又はロープガイドなどによる間接式のものであって,無荷重及び定格荷重に対して,所定の位置で
確実に作動し,電動機及びブレーキの電流を遮断できる構造とする。

6.11 操作回路

  操作回路は,次のことを満足しなければならない。
a) 電磁接触器の操作回路は,コイルの一端を接地側電線に接続し,他端を押しボタンスイッチ側に接続
する構造とする。ただし,絶縁トランスを用いた操作回路の場合は除く。
b) 巻上げと巻下げとの同時作動,及び左横行と右横行との同時作動を防ぐためのインターロックを設け
る。

6.12 押しボタンケーブル

  押しボタンケーブルは,JIS C 3312,JIS C 3327又はこれらと同等のキャブタイヤケーブルを使用し,
押しボタンスイッチを引っ張っても,押しボタンケーブル及び接続部に直接力が加わらない構造とする。

6.13 その他の安全装置

  安全装置として次のものを備えていてもよい。
a) 定格荷重リミッタ 定格荷重リミッタは,力の流れを制限するか,又は巻上装置への電力供給を止め,
巻上動作を停止する構造とする。定格荷重リミッタは,滑りクラッチの場合では定格荷重の170 %以
下,それ以外の場合では125 %以下の荷重で作動する。

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b) 非常停止スイッチ 非常停止スイッチは,JIS B 9960-32の10.7.2(非常停止用機器の種類)及び10.7.3
(アクチュエータの色)の要求を満たす構造とする。非常停止スイッチは,手動操作スイッチ近傍の
即座に操作できる箇所に設置する。非常停止は,JIS B 9960-32の9.2.2(停止機能)の停止カテゴリ0
又は停止カテゴリ1として機能しなければならない。
c) 巻下げ過ぎを防止する装置 巻下運転に対し,所定の位置で確実に作動し,電動機及びブレーキの電
流を遮断できる構造とする。

7 試験

7.1 寸法測定

7.1.1  フック最小距離
定格荷重をつって巻き上げ,フックが過巻防止装置の作動によって停止した状態で,基準点からフック
中心までの距離Hmを測定する。
7.1.2 揚程
揚程の測定は,次のa)又はb)による。
a) 距離測定による算定 揚程は,定格荷重をつり,フックブロック下限位置で,基準点からフック中心
までの距離DPを測定し,次の式によって求める。
LH=DP−Hm
ここに, LH : 揚程(m)
DP : 個々の基準点からフックブロック下限位置のフック中心まで
の距離(m)
Hm : フック最小距離(m)
なお,フックブロック下限位置において,ドラムには2巻以上のワイヤロープの余巻きがなければ
ならない。
b) 巻数による算定 定格荷重を上限位置までつり,上限位置での巻数n2を数え,次の式によって求める。
ただし,ドラムにワイヤロープ2本を巻く場合には,片側の巻数及び掛数を用いる。
n1 n2 n3
n1 π Dd
LH
N
ここに, n1 : 揚程分の巻数
n2 : 上限位置での巻数
n3 : 余巻き(2巻とする。)
Dd : ドラムの直径
N : 掛数
7.1.3 外形寸法及び取付寸法
図3図6の外形寸法及び取付寸法を測定する。

7.2 温度試験

7.2.1  短時間負荷試験
短時間負荷試験は,次による。
a) 巻上げ 定格電圧,定格周波数及び定格荷重で,表10に規定する定格速度に対する巻上げ及び巻下げ
の基準負荷サイクルで短時間定格の時間を運転し,その直後,電動機巻線及び電磁ブレーキ巻線の温
度をJIS C 4034-1の7.(温度上昇及び試験)に規定する抵抗法で測定する。

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表10−巻上げ及び巻下げの基準負荷サイクル
定格速度 巻上げの基準負荷サイクル
m/min
2未満 巻上げ0.2 m−休止3秒−巻下げ0.2 m−休止3秒
2以上 巻上げ2 m−休止3秒−巻下げ2 m−休止3秒
b) 横行 横行用電動機は,電動機単体で定格電圧,定格周波数及び定格荷重で全負荷電流を流し,短時
間定格の時間を全負荷運転し,その直後,電動機巻線及び電磁ブレーキ巻線の温度をJIS C 4034-1の
7.に規定する抵抗法で測定する。
7.2.2 反復負荷試験
反復負荷試験は,次による。
a) 巻上げ 定格電圧,定格周波数及び定格荷重の63 %の試験荷重で,反復定格の負荷時間率及び最大始
動頻度で,温度が一定となるまで,次に示す基準負荷サイクルで反復運転を行い,その直後,電動機
巻線及び電磁ブレーキ巻線の温度をJIS C 4034-1に規定する抵抗法で測定する。
− 1速形電気ホイストの場合は,図8の基準負荷サイクルを用いる。
− 2速形電気ホイストの場合は,反復定格の負荷時間率及び最大始動頻度の値を,表11に規定する低
速及び高速を組み合わせて運転する。組合せ運転例を図9及び図10に示す。
表11−2速形電気ホイストの低速と高速との比
速度 低速 高速
負荷時間率 %ED 1/3 2/3
最大始動頻度 回/時 2/3 1/3
図8−巻上の基準負荷サイクル(1速形電気ホイスト)

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図9−巻上げの基準負荷サイクル例1(2速形電気ホイスト)
図10−巻上げの基準負荷サイクル例2(2速形電気ホイスト)
b) 横行 横行の反復負荷試験は,次の1)又は2)による。
1) 横行用電動機単体で定格電圧,定格周波数及び定格荷重で全負荷電流を,反復定格の負荷時間率及
び最大始動頻度で温度が一定になるまで通じ,その直後,電動機巻線及び電磁ブレーキ巻線の温度
をJIS C 4034-1に規定する抵抗法で測定する。
2) 横行用電動機を組み込んだ状態で定格電圧,定格周波数,定格速度及び定格荷重の63 %の試験荷重
で,反復定格の負荷時間率及び最大始動頻度で温度が一定になるまで横行運転を行い,その直後,
電動機巻線及び電磁ブレーキ巻線の温度をJIS C 4034-1に規定する抵抗法で測定する。

7.3 始動電圧試験

  始動電圧試験は,7.2.1又は7.2.2の温度試験後,定格周波数において定格荷重を宙づりの状態から,定
格電圧の90 %の電圧で始動する。

7.4 巻上速度及び巻下速度試験

  巻上速度及び巻下速度試験は,定格電圧,定格周波数及び定格荷重における巻上げ及び巻下げの最高速
度を測定する。

――――― [JIS C 9620 pdf 20] ―――――

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