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C 9620 : 2012
7.5 横行速度試験
横行速度試験は,定格電圧,定格周波数及び定格荷重における横行の最高速度を測定する。ただし,試
験を行うことができない場合には,受渡当事者間の協定によって,電動トロリ単体の車輪の回転数による
測定でもよい。
7.6 巻上げ及び巻下げのブレーキ試験
巻上げ及び巻下げのブレーキ試験は,定格電圧,定格周波数及び定格荷重で,巻上げの定格速度が2 m/min
未満のものは0.1 m以上,2 m/min以上のものは0.5 m以上の距離を巻き下げてから,巻上電動機の電源を
遮断し,荷が停止するまでの距離を測定する。
インバータ駆動の電気ホイストでは,減速後に巻上電動機及びブレーキの電源を遮断する場合があり,
その場合は押しボタンを放してからの減速移動距離を算出し,上記の“巻下げ距離”から差し引くものと
する。
7.7 横行のブレーキ試験
電動横行方式における横行のブレーキ試験は,定格電圧,定格周波数,定格荷重及び定格速度で荷振れ
がない状態で横行させ,横行電動機の電源を遮断し,横行装置が停止するまでの距離を測定する。
ただし,受渡当事者間の協定によって,計算で求めてもよい。
インバータ駆動の電気ホイストでは,減速後に横行電動機及びブレーキの電源を遮断する場合があり,
その場合は押しボタンを放してからの減速移動距離を算出し,上記の“停止するまでの距離”から差し引
くものとする。
7.8 巻上電流試験
巻上電流試験は,定格電圧,定格周波数及び定格荷重で,荷振れがない状態での巻上電流を測定する。
7.9 横行電流試験
横行電流試験は,次のa)又はb)による。
a) 定格電圧,定格周波数,定格速度及び定格荷重で,レール上を横行して荷振れがない状態での横行電
流を測定する。
b) 定格電圧,定格周波数で横行電動機の定格出力時の電流値を測定する。
7.10 過巻防止試験
過巻防止試験は,定格電圧,定格周波数及び無負荷で電気ホイストの巻上運転を行い,過巻防止装置を
作動させ,ドラムが停止後,更に巻き上げることができる距離を測定する。
7.11 過負荷特性試験
巻上げの過負荷特性試験は,定格電圧,定格周波数及び定格荷重の125 %の試験荷重で,巻上げの定格
速度が2 m/min未満のものは0.1 m以上,2 m/min以上のものは0.5 m以上の距離を,連続3回巻上げ及び
巻下げ,各部の異常の有無を調べる。
横行の過負荷特性試験は,水平な横行レール上を,横行の定格速度が4 m/min未満のものは0.1 m以上,
4 m/min以上のものは0.5 m以上の距離の横行を3往復繰り返して,各部の異常の有無を調べる。
7.12 横行試験
横行試験は,電気ホイストに定格荷重をつった状態で,次の試験を行う。
a) 電動横行式のものは,定格電圧及び定格周波数で横行する。
b) 鎖動横行式のものは,鎖を引いて横行する。
c) 手押横行式のものは,荷を押すことによって,又は横行用の引きひもを引くことによって横行する。
――――― [JIS C 9620 pdf 21] ―――――
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7.13 構造試験
構造試験は,箇条6に規定する構造に関する事項及び箇条9に規定する表示に関する事項について目視
などによって試験する。
8 検査
8.1 検査の種類
検査の種類は,形式検査及び受渡検査の2種類とする。
8.2 形式検査
形式検査は,次の項目について箇条7の試験を行い,箇条5及び箇条6の要求事項に適合しなければな
らない。ただし,横行速度,横行のブレーキ,横行電流,過負荷特性及び横行性能は,形式検査で実施で
きない場合,受渡検査でそれらの検査を実施し,形式検査を終了したとみなしてよい。
なお,形式検査は,新規の設計によるもの又は改造によって新規設計とみなすものについて行う。
a) フック最小距離(5.1.1及び7.1.1参照)
b) 揚程(5.1.2及び7.1.2参照)
c) 外形寸法及び取付寸法(5.1.3及び7.1.3参照)
d) 温度上昇(5.2,7.2.1及び7.2.2参照)
e) 始動電圧(5.3及び7.3参照)
f) 巻上速度及び巻下速度(5.4及び7.4参照)
g) 横行速度(5.5及び7.5参照)
h) 巻上げ及び巻下げのブレーキ(5.6及び7.6参照)
i) 横行のブレーキ(5.7及び7.7参照)
j) 巻上電流(5.8及び7.8参照)
k) 横行電流(5.9及び7.9参照)
l) 過巻防止(5.10及び7.10参照)
m) 過負荷特性(5.11及び7.11参照)
n) 横行性能(5.12及び7.12参照)
o) 絶縁抵抗(5.13参照)
p) 構造(箇条6及び7.13参照)
8.3 受渡検査
受渡検査は,既に形式検査で品質が確認されたものについて,出荷又は納入時に次の項目について箇条
7の試験を行い,箇条5の品質に適合しなければならない。
a) 始動電圧(5.3及び7.3参照)
b) 巻上げ及び巻下げのブレーキ(5.6及び7.6参照)
c) 過巻防止(5.10及び7.10参照)
d) 絶縁抵抗(5.13参照)
ただし,次の項目は,試験を変更してもよい。
− 始動電圧 試験を実施する前に7.2.1又は7.2.2の温度試験を実施しなくてもよい。
− 巻上げ及び巻下げのブレーキ 荷が停止するまでの距離の測定は実施しなくてもよい。
− 過巻防止 荷が停止するまでの距離の測定は実施しなくてもよい。
――――― [JIS C 9620 pdf 22] ―――――
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9 表示
電気ホイストには,見やすい箇所に容易に消えない方法で,次の事項を表示する。
a) 名称(電気ホイスト)
b) 種類[定格荷重(t又はkg),揚程(m),形式及び横行駆動方式(これらは記号で表してもよい。)]
c) 短時間定格又は反復定格
d) 等級
e) 定格電圧(V)
f) 定格周波数(Hz)
g) 相数
h) 巻上げの定格速度(m/min又はm/s)
i) 巻上電動機出力(kW)
j) 巻上げの定格電流(A)
k) 横行の定格速度(m/min又はm/s)(電動横行式のものに適用する。)
l) 横行電動機出力(kW)(電動横行式のものに適用する。)
m) 横行の定格電流(A)(電動横行式のものに適用する。)
n) 製品の質量(kg)
o) ワイヤロープ(ワイヤロープの構成及び径)
p) 製造業者名又はその略号3)
q) 製造番号
r) 製造年月日,製造年月,製造年又はこれらのうちいずれかの略号4)
注3) 製造業者名の略号は,できるだけ登録商標とするのがよい。
4) 製造年月日,製造年月又は製造年の略号は,一般に分かりやすい方法とする。
[例 2012.4(2012年4月)]
10 製品の呼び方
製品の呼び方は,形式の種類,名称,定格荷重,揚程などによる。
例 普通形電動横行式電気ホイスト 2.8 t 6 m
11 使用者への提供情報
製造業者が使用者へ提供する情報は,JIS B 9960-32によることが望ましい。
電気ホイストを安全に使用するために,製造業者が使用者へ取扱説明書,カタログなどで提供する電気
ホイストの使用に関する注意事項の例を附属書E,点検項目の例を附属書Fに示す。
12 リスクアセスメント
電気ホイストを長期間安全に使用するために,リスクアセスメントの一環として行う特別アセスメント
の指針を,附属書Gに示す。
――――― [JIS C 9620 pdf 23] ―――――
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附属書A
(参考)
巻上機の総運転時間及び残存耐用時間
A.1 巻上機の総運転時間
A.1.1 荷重率K
巻上機の総運転時間は,劣化要因が同じ場合には,負荷及び運転時間を基に算出する。巻上機は,運転
中の負荷が計画時に想定した状態から変わることで,実際に使用できる時間が少なくなることもあれば,
延長されることもある。最大使用荷重,荷重率及び運転サイクルを想定することで,期待する寿命を備え
た巻上機を選定することができる。
一般に,機械部品の総運転時間(寿命時間)Lhと負荷の大きさPとの間には,Lh∝(1/P)3 の関係がある。
巻上機の場合には,負荷の大きさPが一定ではないため,巻上機の寿命時間を考えるときの負荷の大きさ
は,変化する負荷の大きさ,及び巻上機の運転時間割合から算出する荷重率Kで表す。ここで,荷重率K
は式(A.1)及び式(A.2)によって求める。
K 3
Km (A.1)
ここに, K : 荷重率
Km : 荷重スペクトル係数(表2又はJIS B 8822-1:2001参照)
3
ti Pi
Km (A.2)
tT Pmax
ここに, ti : 荷重値ごとの通電時間
(t1,t2,t3,···,tn),nは任意の整数
tT : 荷重値ごとの通電時間の合計
(tT=t1+t2+t3+···+tn)
Pi : 作業ごとの荷重値
(P1,P2,P3,···,Pn)
Pmax : 巻上機の定格荷重
A.1.2 荷重率及び運転時間
荷重率及び運転時間の例を,図A.1に示す。
a) モデル1は軽作業であり,定格荷重をつるのは1割以下で,全体の荷重率は0.5以下。主に倉庫又は
使用頻度の低い工場に該当。
K=3 .0125 =0.5
モデル1(軽) Km=0.1×13+0.4×0.43+0.5×0.13=0.125,
b) モデル2は中作業であり,定格荷重又は幅広い重さの荷を運搬するのに用いており,荷重率は0.63。
比較的使用頻度の高い工場に該当。
K=3 .025 =0.63
モデル2(中) Km=0.167×13+0.167×0.7333+0.167×0.4673+0.5×0.23=0.25,
c) モデル3は重作業であり,荷(60 %)とつり具(40 %)との合計がほぼ定格荷重(100 %)で,荷重
率は0.8。自動車工場といった,かなり高頻度な工場に該当。
K=3 5.0 =0.8
モデル3(重) Km=0.5×13+0.5×0.43=0.5,
d) モデル4は超重作業であり,定格に近いジグを常につった状態で使用され,荷重率は1.0。スポット溶
接機などをつり下げ,常に上下運転しているケースに該当。
――――― [JIS C 9620 pdf 24] ―――――
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モデル4(超重) Km=0.9×13+0.1×0.83=1.0,K=30.1 =1.0
a) モデル1(軽) b) モデル2(中)
c) モデル3(重) d) モデル4(超重)
図A.1−荷重率及び運転時間の例
A.1.3 等級及び荷重率による総運転時間
クレーン構造規格及びこの規格では,荷重の状態及び等級に応じた総運転時間を規定している。等級,
荷重率(K)及び総運転時間(Lh)の関係を図A.2に示す。
――――― [JIS C 9620 pdf 25] ―――――
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JIS C 9620:2012の国際規格 ICS 分類一覧
JIS C 9620:2012の関連規格と引用規格一覧
- 規格番号
- 規格名称
- JISB0148:2006
- 巻上機―用語
- JISB8832:2001
- 巻上機―定格荷重
- JISB9960-32:2011
- 機械類の安全性―機械の電気装置―第32部:巻上機械に対する要求事項
- JISC0920:2003
- 電気機械器具の外郭による保護等級(IPコード)
- JISC3312:2000
- 600Vビニル絶縁ビニルキャブタイヤケーブル
- JISC3327:2000
- 600Vゴムキャブタイヤケーブル
- JISC4034-1:1999
- 回転電気機械―第1部:定格及び特性
- JISC4034-5:1999
- 回転電気機械―第5部:外被構造による保護方式の分類
- JISG3525:2013
- ワイヤロープ