JIS D 6001-1:2016 フォークリフトトラック―安全要求事項及び検証―第1部:フォークリフトトラック | ページ 3

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車速可変の歩行式フォークリフトは,水平路面上で車速6 km/hを超えてはならず,歩行速度に合うよう
運転者による制御が可能でなければならない。
4.2.3.2 立席式フォークリフト及び折り畳み式運転台付き歩行式フォークリフト
運転者が運転台上にいるとき,立席式フォークリフト及び折り畳み式運転台を装備した歩行式フォーク
リフトは,水平路面上で車速16 km/hを超えてはならない。ただし,歩行式で運転操作するときは,4.2.3.1
による。
折り畳み可能な運転台を装備したフォークリフトについては4.7.3.3による。
立席式運転台を装備したフォークリフトについては4.7.3.2及び4.7.3.4による。

4.3 ブレーキ

4.3.1  一般
全てのフォークリフトは,常用ブレーキ及びパーキングブレーキを装備しなければならない。ブレーキ
は,JIS D 6023に適合していなければならない。
パーキングブレーキは,意図しない解除を防止する装置を備えていなければならない。パーキングブレ
ーキは機械的な手段で作動しなければならない。
4.3.2 常用ブレーキへのエネルギー供給の機能停止
常用ブレーキへのエネルギー供給が停止されても,全ての制動機能は喪失されず,制御された状態で停
止できなければならない。
4.3.3 立席式及び歩行式フォークリフト
立席式及び歩行式フォークリフトは,運転者が制動制御装置を解除したとき自動的に作動するブレーキ
装置を備えていなければならない。この装置は常用ブレーキ及びパーキングブレーキとして機能してもよ
い。

4.4 操縦装置

4.4.1  一般
4.4.1.1 フォークリフトの動きとの一致
操縦装置の操作方向は可能な限り,フォークリフトの動きと一致しなければならない。操縦装置は,上
面から見て,フォークリフト又はタングの外形線内に入っていなければならない。
4.4.1.2 複数の運転者
複数の運転者が異なる場所から操作できる構造のフォークリフトの場合,緊急遮断スイッチを除いて2
か所以上の位置から同時に操作できてはならない。
4.4.1.3 複数の操作位置
1人の運転者用に2か所以上の操作位置が装備されている場合,緊急遮断スイッチを除いて1か所の操
縦装置を使用すると,他の操作位置の操縦装置は使用不能にならなければならない。また,緊急遮断スイ
ッチは全ての位置から操作が可能でなければならない。
4.4.2 走行制御装置及び制動制御装置
4.4.2.1 一般
走行速度を調整する制御装置は,その制御装置の操作量が増加すると走行速度が増加するように設計し
なければならない。その制御装置の操作を解除すると制御装置は中立位置に戻らなければならない。
4.4.2.2 座席式フォークリフト
ペダル操作式の走行制御装置及び制動制御装置を装備したフォークリフトは,JIS D 6020に適合してい
なければならない。

――――― [JIS D 6001-1 pdf 11] ―――――

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4.4.2.3 立席式フォークリフト
立席式フォークリフトの走行制御装置及び制動制御装置に対する要求事項は,次による。
a) 走行制御機能
− タングが使われている場合,タングは走行方向及び走行速度の制御装置を備えていなければならな
い。
− ハンドル又は同類のかじ取り装置が使用されている場合,走行方向及び走行速度の制御装置はかじ
取り装置のすぐ近くに配置しなければならない。
常用ブレーキの機能は,次のときに作動しなければならない。
− ブレーキがタングによって操作される場合,このタングが解放されるとき(自動的に作動)
− ブレーキが走行制御装置によって操作される場合,その走行制御装置が解放されるとき(自動的に
作動)
− ブレーキ操作が足踏式の場合,ペダルを解放するとき(自動的に作動)
− ブレーキ操作が手動式の場合,その手動式制動制御装置を作動するとき
b) 運転者の位置が最大1 200 mmまで上昇するオーダピッキングトラック
− 運転台が500 mmを超えて上昇している間は,制御装置が運転台とともに上昇していない限り,走
行を防止する手段が備えられていなければならない。
4.4.2.4 歩行式フォークリフト
歩行式フォークリフトに対する要求事項は,次による。
a) タングは走行方向及び走行速度の制御装置を備えていなければならない。
b) タングが解放されるとき,タングは上方の停止位置まで自動的に戻り,走行方向における走行用動力
を遮断し,ブレーキが作動しなければならない。
c) タングが低い位置にあるとき,走行方向における走行用動力を遮断し,ブレーキが作動しなければな
らない。
d) タングには,動作位置にあるレバーのヘッドが運転者の身体などの物体に接触した場合に,装置にか
かる力が取り除かれるまでフォークリフトを運転者から離れる方向に走行させるか,又はブレーキが
作動して停止させる装置が取り付けられていなければならない。
4.4.2.5 差動装置のロック
フォークリフトが走行しているとき,差動装置のロックが解除できなければならない。
足踏式で差動をロックする装置を装備したフォークリフトでは,ペダルを踏み込むことによって差動が
ロックされ,ペダルを放したときに解除されなければならない。
4.4.2.6 フォークリフトの外からの操作
座席式又は立席式のフォークリフトにおいて,運転者がフォークリフトの外から走行を制御できる構造
の場合,その速度は6 km/h以下に制限されなければならない。このような外部制御装置はフォークリフト
に取り付けても,遠隔制御でもよい。そして,運転者が通常の操作位置から離れたとき,外部制御装置は
別に設けたスイッチで操作できるようになるか,自動的に操作できるようになっていなければならない。
a) 一般
1) 外部制御装置から手を放したとき,走行動力が自動的に遮断され,ブレーキが自動的に作動しなけ
ればならない。外部制御装置及び通常の運転者の位置からの同時操作ができてはならない。
2) 外部制御装置は,意図しない起動を防ぐ保護装置を備えていなければならない。
b) 有線接続される遠隔制御の外部制御装置の追加要求事項

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1) 接続ケーブルは運転者がフォークリフトの周囲の危険な領域に立ち入ることなく,かつ,走行路の
視界を遮らずに操作できる長さ及び配置でなければならない。ケーブルがタイヤに絡みつく可能性
があってはならない。
2) 遠隔制御の外部制御装置には,JIS B 9703に従って非常停止機器を取り付けなければならない。さ
らに,非常停止機器を除いて意図しない操作を防ぐ保護装置を備えなければならない。
c) 無線接続される遠隔制御装置の追加要求事項
1) 無線の接続範囲は,運転者がフォークリフトの周囲の危険な領域に立ち入ることなく,かつ,走行
路の視界を遮らずに操だ(舵)できるものでなければならない。
2) 遠隔制御の外部制御装置には,非常停止機器を除いて意図しない操作を防ぐ保護装置を備えなけれ
ばならない。
3) フォークリフトが遠隔制御の範囲外にある場合,フォークリフトは自動的に停止しなければならな
い。
4) 2台以上のフォークリフトを同時に無線接続で遠隔制御するとき,制御がお互いに干渉してはなら
ない。
4.4.2.7 歩行式フォークリフト及び立席式フォークリフトの歩きながらの操作
運転者が歩行式及び立席式フォークリフトの横に付き添って歩行するときの外部制御操作は,フォーク
が進行方向後ろ向きにあるときに限り可能でなければならない。
外部制御装置からの走行制御装置の起動は,フォークリフトが停止しているときにだけ可能でなければ
ならない。
フォークリフトの外側から走行制御を操作している間,車速は4 km/hを超えてはならない。走行制御装
置が解除されたとき,ブレーキが自動的に作動しなければならない。
4.4.3 かじ取り装置
4.4.3.1 かじ取り方向
かじ取り方向は,次による。
a) 立席式又は座席式フォークリフトに対しては,前進走行時,ステアリングホイールの時計回りの回転,
又はかじ取り装置の同等の動きによってフォークリフトは前進方向に対して右に進行しなければなら
ない。
b) 運転者の位置が90°を超えて回転するフォークリフト及び複数の位置で運転できるフォークリフト
の場合は,運転者が混乱することがないよう,ステアリングホイールの時計回りの回転,又はかじ取
り装置の同等の動きによって,そのとき運転者が向いている方向に対して右にフォークリフトが進行
しなければならない。すなわち,運転者の位置が90°を超えて回転した場合は,かじ取り装置と進行
方向との関係を逆転させなければならない。
c) 全方向に操だ可能なフォークリフト,すなわち,運転者の操作に従って全方向に操だ輪の向きを変え
られるフォークリフトはa)と同じ感覚で操作できなければならない。
d) タング付き歩行式フォークリフトでは,前進走行時,タングの時計回りの動きによってフォークリフ
トは前進方向に対して右に進行しなければならない。
e) 制御部が車両の端にあるフォークリフトは,使用者から要求される場合は,例外として“逆かじ取り
(reverse steering)”を備えてもよい。すなわち,前方走行時,かじ取り装置の時計回りの回転によっ
てフォークリフトは前進方向に対して左に進行する。そのようなフォークリフトは明確に識別されな
ければならない。

――――― [JIS D 6001-1 pdf 13] ―――――

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4.4.3.2 動力供給の機能停止
かじ取り装置への動力供給が停止した場合(モータ又はエンジンの故障を含む。)には,フォークリフト
が停止するまで,そのままの進路を維持できなければならない。
4.4.4 荷役制御装置
4.4.4.1 制御装置
制御装置は手,足などを放すと中立に戻り,対応する荷の動きを止めなければならない。各レバーがそ
れぞれ単一機能を制御するとき,リーチフォークリフトを除き,運転者に最も近いレバーは上昇及び下降
機能用でなければならず,2番目のレバーはティルト機能用,3番目のレバーはサイドシフト機能用,そし
て4番目のレバーは補助機能用となることが望ましい。また,リーチフォークリフトでは,運転者に最も
近いレバーは上昇及び下降機能用,2番目のレバーはリーチ機能用,3番目のレバーはティルト機能用,4
番目のレバーはサイドシフト機能用,5番目のレバーは補助機能用となることが望ましい。
各レバーの動作方向を表1に示す。
動力で荷をつかむアタッチメント(例えば,クランプ,回転クランプなど)を備えたフォークリフトに
は,意図しない操作で荷が落下することを防ぐため,二つの操作を行うことによって荷の保持が解除され
る機能を備えなければならない。
表1−単一機能のレバーの動きと荷又はアタッチメントの動きとの関係
機能 動作方向
運転者の向きを基準とする 荷又はアタッチメントの動き
レバーの操作方向
リフト 後方 上昇
前方 下降
リーチ 後方 繰込み
前方 繰出し
ティルト 後方 後傾
前方 前傾
サイドシフト 後方 右移動
前方 左移動
プッシュプル 後方 引込み
前方 押出し
横回転 後方 右回転
前方 左回転
縦回転 後方 後方回転
前方 前方回転
ロードスタビライザ 後方 締付け
前方 開放
フォークポジショナ 後方 収縮
前方 拡張
グリップ 後方 締付け
前方 開放
アウトリガ 後方 上げ
前方 下げ
クランプ 後方 締付け
前方 開放

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4.4.5 複数の機能をもつ制御装置
二つ以上の機能をもつ制御装置には,それぞれの機能が明示されなければならない。制御装置から手,
足などを離すと中立位置に戻り,対応する荷の動きを止めなければならない。
4.4.6 自動機能の制御部品
自動機能の制御部品は,ISO 24134に適合していなければならない。
4.4.7 表示
使われる制御部品の図記号は,6.3.1.3に従って表示されなければならない。

4.5 動力装置及び附属品

4.5.1  排気装置及び冷却装置
4.5.1.1 排気装置
排気装置は,4.7.6に適合しなければならない。
排気装置はエンジンの排気ガスが運転者の位置から離れる方向に排出されるよう設計しなければならな
い。
排気装置近傍の部材は不燃材でなければならず,排気装置からの熱による悪影響を受けない材料を使用
し,保護しなければならない。
4.5.1.2 冷却装置
冷却装置を通る空気の流れが運転者に不快感を与えないよう配置しなければならない。
4.5.2 燃料タンク
4.5.2.1 タンクの隔離
燃料タンクがエンジンルーム内にあるか,エンジンルームに隣接して設置されていて,高温になる可能
性がある場合,タンク及び給油口は,遮蔽板などによって電気装置又は排気装置から適切に隔離しなけれ
ばならない。
タンクの位置及び給油口は,燃料のこぼれ又は漏れた場合は,燃料がエンジンルーム又は運転室に浸入
せず,かつ,電気装置部品又は排気装置部品にかからないようにしなければならない。
4.5.2.2 燃料こぼれ
通常の使用条件で,燃料がこぼれることがあってはならない。
4.5.3 エンジンルーム及びバッテリ室へのアクセス
4.5.3.1 エンジンフード
エンジンフードは,周りを囲んだエンジンルームの構造で,冷却ファンへの人体の接触を防止しなけれ
ばならない。エンジンルームの下面は開放されていても,下面と路面との隙間が600 mm未満であれば冷
却ファンへの人体の接触を防止した構造とみなす。
残留リスクに対応する警告標識は車体に装着しなければならず,6.2に従って取扱説明書にも記載しなけ
ればならない。警告標識は6.3.3.4に適合していなければならない。
4.5.3.2 意図しない閉鎖
エンジンフード又はバッテリカバーが意図せずに閉鎖することで怪我をする可能性がある場合,エンジ
ンフード又はバッテリカバーの意図しない閉鎖を防ぐ手段を備えていなければならない。これらの手段は,
フォークリフトに常時固定式か,又はフォークリフトの安全な場所に格納しなければならない。
4.5.4 液化石油ガス(LPG)式フォークリフト
4.5.4.1 容器
LPG式フォークリフトの容器は,次による。

――――― [JIS D 6001-1 pdf 15] ―――――

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JIS D 6001-1:2016の引用国際規格 ISO 一覧

  • ISO 3691-1:2011(MOD)

JIS D 6001-1:2016の国際規格 ICS 分類一覧

JIS D 6001-1:2016の関連規格と引用規格一覧

規格番号
規格名称
JISA8302:2017
土工機械―運転員及び整備員の乗降用・移動用設備
JISA8315:2010
土工機械―運転員の身体寸法及び運転員周囲の最小空間
JISB8261:1995
液化石油ガス用ゴムホースアセンブリ
JISB9700:2013
機械類の安全性―設計のための一般原則―リスクアセスメント及びリスク低減
JISB9703:2019
機械類の安全性―非常停止機能―設計原則
JISC60695-11-10:2015
耐火性試験―電気・電子―第11-10部:試験炎―50W試験炎による水平及び垂直燃焼試験方法
JISD1201:1998
自動車,及び農林用のトラクタ・機械装置―内装材料の燃焼性試験方法
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フォークリフトトラック―安全要求事項及び検証―第2部:運転者の位置が上昇するフォークリフトトラック及び荷を揚げたまま走行するよう設計されたフォークリフトトラックの追加要求事項
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JISD6011-2:2013
フォークリフトトラック―安定度及び安定度の検証―第2部:カウンタバランスフォークリフトトラック
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JISD6011-4:2019
フォークリフトトラック―安定度及び安定度の検証―第4部:パレットスタッキングトラック,プラットフォームスタッキングトラック及び運転者の位置がリフト高さ1 200mmまで上昇するオーダピッキングトラック
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フォークリフトトラック―安定度及び安定度の検証―第5部:サイドフォークリフトトラック
JISD6011-6:2013
フォークリフトトラック―安定度及び安定度の検証―第6部:運転者の位置が1 200mmを超えて上昇するオーダピッキングトラック
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フォークリフトトラック―座席式フォークリフトトラックのペダルの構造及び配置
JISD6021:2019
フォークリフトトラック―ヘッドガード
JISD6022:2011
動力付産業車両―識別記号
JISD6023:2012
フォークリフトトラック―ブレーキ性能及び試験方法
JISD6024:2019
フォークリフトトラック―フック式フォーク及びフィンガバーの取付寸法及び構造
JISD6025-1:2011
産業車両―運転者保護装置の仕様及び試験方法―第1部:シートベルト
JISD6026:2019
フォークリフトトラック―フォーク―技術特性及び試験
JISD6027:2011
フォークリフトトラック―さやフォークと伸縮フォーク―技術特性及び強度
JISD6028:2019
産業車両―電気に関する要求事項
JISD6201:2017
自走式産業車両―用語