JIS F 0812:2006 船舶の航海と無線通信機器及びシステム―一般要求事項―試験方法及び試験結果要件 | ページ 8

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F 0812 : 2006 (IEC 60945 : 2002)
装置が異なった向き(すなわち,垂直又は水平)でも使うことができる場合,試験はすべての面について
行わなければならない。EUTは,最初に一つの面を校正面に一致させて配置しなければならない。80 MHz
1 GHzの周波数範囲では1.5×10-3十倍区切(decate)/秒,12 GHz の周波数範囲では0.5×10-3十倍区切
(decate)/秒程度で,EUTの機能が不良となる点を検出できるようにゆっくりと掃引しなければならない。
反応のある周波数や特に関心のある周波数は分離して分析しなければならない。
EUTを変調された電界強度10 V/mの中に置いて,周波数範囲80 MHz2 GHzで掃引しなければならな
い。変調周波数は400 Hz±10%,変調度は (80±10)%としなければならない。
10.4.3 結果要件 試験中及び試験後のEMC性能チェックの要件を,10.1に記載の性能クライテリアAの
とおり満足しなければならない。
10.5 a.c.(交流)電源ライン,信号ライン及び制御ライン上でのファストトランジェントに対するイミュ
ニティ(携帯形を除くすべてのカテゴリの装置)
10.5.1 目的 この試験は,スイッチングによって接点にアークを発生する装置による高速で低エネルギー
のトランジェントの影響をシミュレートするものである。
10.5.2 試験方法 試験は,電源ラインに対してはJIS C 61000-4-4 の6.1.1(ファストランジェント/バー
スト発生器の特性及び性能)に適合する試験発生器とJIS C 61000-4-4の6.2(AC/DC電源供給ポート用結
合/減結合回路網)に適合する結合/減結合ネットワークを用い,信号ラインと制御ラインに対してはJIS
C 61000-4-4の6.3(容量性結合クランプ)に適合した容量性の結合クランプを使ってJIS C 61000-4-4に従
って最低の難度3で行わなければならない。(図8)。
次の特性をもったパルスをEUTの電力,信号及び制御ラインに印加しなければならない :
− 立ち上がり時間 : 5 ns(10%90%間の値)
− パルス幅 : 50 ns(50%値)
− 振幅 : 2 kV 電源ライン両端
1 kV 信号及び制御ライン,共通モード
− 繰返し周期 : 5 kHz(1 kV),2.5 kHz(2 kV)
− 印加信号 : 300 msごとに15 msのバースト
− 印加時間 : 正及び負極性のパルス各々35分間
10.5.3 結果要件 試験中及び試験後のEMC性能チェックの要件を,10.1の記載の性能クライテリアBの
とおり満足しなければならない。
10.6 a.c.(交流)電源ライン上のサージに対するイミュニティ(携帯形を除くすべてのカテゴリの装置)
10.6.1 目的 この試験は,サイリスタのスイッチングによって交流電源ライン上に生じる低速で高エネル
ギーサージの影響をシミュレートするものである。
10.6.2 試験方法 試験は,JIS C 61000-4-5 の6.1[(コンビネーション波形(ハイブリッド)発生器]に
記載した合成波(ハイブリッド)発生器をJIS C 61000-4-5の6.3.1.1(電源供給回路の容量結合)に記載し
た結合/減結合ネットワークとともに使い,JIS C 61000-4-5の規定どおりに難度2で行わなければならな
い。(図9)。
EUTの電源ラインに下記特性をもったパルスを印加しなければならない :
− 立ち上がり時間 : 1.2 s(10%90% 間の値)
− パルス幅 : 50 s(50%値)
− 振幅 : ライン/アース間 : 1 kV ,ライン/ライン間 : 0.5 kV
− 繰返し周期 : 1 パルス/分

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− 印加法 : 連続
− 印加時間 : 正及び負極性パルス各々5分間
10.6.3 結果要件 試験中及び試験後のEMC性能チェックの要件は,10.1の記載の性能クライテリアBの
とおり満足しなければならない。

10.7 電源の短期変動に対するイミュニティ(携帯形を除くすべてのカテゴリの装置)

10.7.1 試験免除 この試験は,d.c.(直流)電源による装置には適用しない。
10.7.2 目的 この試験は,大きな負荷変動による電源変動の影響をシミュレートするものである。これは,
表1で規定した限界試験条件下での長期電源変動下での試験に追加的なものである。
10.7.3 試験方法 電源変動は,プログラマブル電源を使って印加しなければならない。
次の電源変動を1分間に1回の割で10分間EUTに与えなければならない。(図10) :
a) 電圧 : 公称電圧+(20±1)%,期間1.5±0.2秒,
周波数 : 公称周波数+(10±0.5)%,期間5±0.5秒重畳
b) 電圧 : 公称電圧−(20±1)%,期間1.5±0.2秒,
周波数 : 公称周波数−(10±0.5)%,期間5±0.5秒重畳
電圧及び周波数変動の立ち上がり並びに減衰時間は0.2秒±0.1秒(10%90%)とする。
詳細は,JIS C 61000-4-11による。
10.7.4 結果要件 試験中及び試験後のEMC性能チェックの要件は,10.1の記載の性能クライテリアBの
とおり満足しなければならない。

10.8 電源故障に対するイミュニティ(携帯形を除くすべてのカテゴリの装置)

10.8.1 試験免除 この試験は,電源に蓄電池を使用したもの又はバックアップ用蓄電池を備えた装置には
適用しない。
10.8.2 目的 この試験は,電源の切替え及び遮断器の作動によって船内電源が短期的に遮断されたときの
影響をシミュレートするものである。主電源及び非常用電源の切替えのために,IMO SOLAS条約で許容
されている遮断もこの試験に含まれる。
10.8.3 試験方法 60秒の電源遮断を3回行わなければならない。
詳細は,JIS C 61000-4-11による。
10.8.4 結果要件 試験中及び試験後のEMC性能チェックの要件を,10.1に記載の性能クライテリアCの
とおり満足しなければならない。動作ハードウエアの破損又は基本データの喪失があってはならない。

10.9 静電放電に対するイミュニティ(没水形を除くすべてのカテゴリの装置)

10.9.1 目的 この試験は,人工繊維カーペット又はビニール製衣服との接触のように,船員が帯電する環
境で人体からの静電気の放電による影響をシミュレートするものである。
10.9.2 試験方法 この試験は,放電チップに接続された150 pFのエネルギー蓄積コンデンサと330 Ωの
放電抵抗で構成される静電放電(ESD)発生器を使ってJIS C 61000-4-2規定のとおりに行わなければなら
ない。
EUTは,そのすべての側面から少なくとも0.5 m突き出た金属製接地面上に絶縁して設置しなければな
らない。(図11及び図12)。発生器からの放電を,通常の使用時に人が接触する点又は表面に対して加え
なければならない。
ESD発生器は放電を加える表面に対して垂直に保持し,放電を加えることのできる位置は,毎秒20回
の放電で探査して選択する。 次にEUTの誤動作が観察できるように放電の間隔を少なくとも1秒間あけて,
正と負の放電を選択された各位置に10回与えて試験する。接触放電の方が望ましいが,製造業者が絶縁し

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ていることを規定している塗装面などのように接触放電を行えない場合には空中放電を用いるものとする。
EUTのそばに置くか,設置するものへの放電をシミュレートするためには,正負両極性で合わせて10
回の単一接触放電を,EUTの各側面及び接地面にEUTから0.1 mの位置に印加する。さらに,EUTの4
面が完全に照射できるように異なった位置に垂直結合プレーン(VCP)を置き,そのVCPの一縁の中央に
10回の放電を加える。
試験レベルは,接触放電で6 kV,空中放電で8 kVとしなければならない。
10.9.3 結果要件 試験中及び試験後のEMC性能チェックの要件は,10.1に記載の性能クライテリアBの
とおり満足しなければならない。

11. 特殊試験-試験方法及び試験結果要件

11.1 音響ノイズ及び信号(操だ室及びブリッジウイングに設置するすべての装置)

(4.5.2参照)11.1.1 目的 この試験は,周囲雑音の一因となる装置から発生する音響ノイズが,通信又は可聴警報聴取
の妨げにならないことを確実にするためのものである。該当する場合には,試験では装置が発生する信号
警報レベルも測定する。
11.1.2 試験方法 操だ室,ブリッジウイングに設置するEUT又はその構成部分から発生する音響ノイズ
は,IEC 60651に適合したサウンドレベルメータで検査しなければならない。可聴警報のスイッチは,オ
フにし,離れた位置にあるEUTのトランスデューサから意図的に発生するパスバンド内の音圧は,騒音に
敏感な場所で検出される可能性がない限り,差し引いて判定するものとする。EUTを船に装備するのと全
く同じ方法で,吸音環境内で吸音支持台上に設置しなければならない。
EUTは,不要な音響ノイズの最も高い音圧レベルを発生する動作条件に設定しなければならない。
可聴警報を鳴らした状態で,試験を繰り返さなければならない。
11.1.3 結果要件 検出された音響ノイズの音圧は,EUTのどの部分からも1 mの距離でレベルが60 dB(A)
を超えてはならない。
可聴警報のスイッチを入れたとき,アラームの音圧はEUTのどの部分からも1 mの距離で,少なくとも
75 dB(A)でなければならない。ただし,85 dB(A)を超えてはならない。

11.2 コンパス安全距離(没水形を除くすべてのカテゴリの装置)

(4.5.3参照)11.2.1 目的 この試験は,装置が船の標準コンパス又は操だコンパスに容認できない自差を生じることの
ない距離を決定するためのものである。具体的な許容自差の量は,世界各地の地磁気(水平力)の強さで
変化するものであって,赤道海域では標準コンパスに対して0.1度,操だコンパスに対しては0.3度のオー
ダーであり,高緯度では(地磁気水平力に逆比例するので)それぞれ1度及び3度まで増大する。
11.2.2 試験方法 EUTの各ユニットは,(自差測定用の磁気)コンパス又は磁力計に対してそのようにで
きる場合,コンパスに生じるエラーが最大となる位置及び姿勢で試験しなければならない。
EUTのどのユニットについても,コンパス安全距離は,基準コンパスの場合は5.4度/Hよりも大きい自
差を生じないユニットの至近点と測定用コンパス又は磁力計の中心との距離で定義する。ここでHは,試
験場所での磁束密度の水平成分で単位はT (マイクロテスラ)とする。
操だコンパス,スタンバイ用操だコンパス及び非常用コンパスに対しては,許容自差は18度/Hで,H
は上記のとおり定義する。
EUTの各ユニットの試験は,次による :
a) 給電されていない状態のユニットが受ける磁気条件で :
b) 給電されていない状態でノーマライズして :

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c) ユニットに給電できる場合には給電した状態。
ノーマライズ”とは,EUTをヘルムホルツコイルの中に配置するかその他の適切な方法で,EUT内の磁
束の均一性を最大にする手順を意味する。
上記各々の試験では,最大自差を生じる方向を決定するためにユニットを回転しなければならない。
詳細は,ISO 694及びJIS C 61000-4-8にある。
11.2.3 結果要件 これらのすべての条件下で得られた最も大きい距離が安全距離である。距離は,50 mm
又は100 mmの最も近い値で丸める。結果は,試験報告書に記録しなければならない。
安全距離は,EUT上に記載するか4.5.3の規定に従い,記録しなければならない。

12. 安全対策-試験方法及び試験結果要件(すべてのカテゴリの装置)

12.1 危険電圧への偶発的な接触に対する保護

(4.6.1参照)12.1.1 目的 装備された装置に近づくことができる場合の安全性を確保するためのものである。
12.1.2 試験方法 JIS F 8007の表1(危険な箇所への接近に対する保護等級),第一特性数字2(危険箇所へ
の指の接触に対して保護されている)に従ってEUTを試験しなければならない。
試験は,JIS F 8007の表6(危険な箇所への接近に対する保護の試験に使用する接近度プローブ)に規
定する力でEUTのきょう(筐)体の開口部にプローブを挿入して行わなければならない。
試験のために,関節付き試験指が80 mmの長さまで入るものでなければならない。直線位置からスター
トして,指の隣接部分のアクセスに対して,試験指の二つの関節を90度まで継続的に曲げ,あらゆる可能
な位置に置かなければならない。
低電圧装置(交流定格電圧が1 000 V及び直流定格電圧が1 500 Vを超えない)の場合,試験指は,プロ
ーブときょう(筐)体内の危険箇所との間に適切なランプと直列に低電圧電源(40 V以上50 V以下の)
に接続する。
高電圧装置(定格電圧が1 000 VAC及び1 500 VDCを超える)の場合,プローブを最も不利な位置に置
いた状態で,EUTは関連の装置規格で規定された絶縁抵抗及び耐電圧試験を行わなければならない。検証
は,この絶縁耐圧試験又は,最も不利な電界条件で試験を行ったとき,満足すべき規定のすき間が確保さ
れていることを確認することによってもよい(IEC 60071-2参照)。
きょう(筐)体内に異なった電圧レベルのセクションを含む場合は,各々のセクションに妥当なすき間
の許容条件を適用しなければならない。
最後に,EUT内部にそれ以上に接近するには,スパナ又はドライバなどの工具なしではできてはならな
い。また,妥当な場合,警告ラベルがEUT内部と保護カバー上にちょう(貼)付されていることを確認し
なければならない。
12.1.3 結果要件 プローブと危険部分との間に十分なすき間が確保されていなければならない。
低電圧装置試験の場合,ランプが点灯してはならない。
高電圧装置試験の場合,EUTは絶縁抵抗及び耐電圧試験に耐えなければならない。

12.2 無線周波電波放射

(4.6.2 参照)12.2.1 目的 放射性装置の近くでで安全規則を適用できるようにするためのものである。
12.2.2 試験方法 30 MHzを超える高周波電磁エネルギーを放射するよう設計された装置は,その放射エ
ネルギーを測定しなければならない。EUTを動作状態にし,最大放射条件に設定して行わなければならな
い。測定方法は,関連の装置規格による。

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12.2.3 結果要件 妥当な場合,測定される高周波放射電力密度レベルが100 W/m2及び10 W/m2となるEUT
からの距離を測定し,装置のマニュアルに記載しなければならない。

12.3 ディスプレーユニット(VDU)からの放射

(4.6.2 参照)12.3.1 試験免除 製造業者がVDUが試験を満足するとの証拠を提出できる場合には,ディスプレーユニ
ット(VDU)に対する安全性試験を免除しなければならない。
12.3.2 目的 静電界,交流電界及び交流磁界に関するVDUからの放射が,安全限度内であることを確か
めるためのものである。操作距離が離れている大形表示器の場合には大きな限界値が許される。4行以上
のテキスト表示しかできない機械の可動状況を表示する表示器としてだけ使用する場合には,この要件は
適用しない。500 V未満の直流電位しか必要としない表示技術を採用しているVDUには,静電界試験を適
用しない。
12.3.3 試験方法 EUTが備えている消磁装置は,いずれもオフにしなければならない。操作器を調整し
て輝度を最大にしなければならない。ただし,この場合100 cd/m2を超えてはならない。また,コントラス
トは,バックグランドラスターが通常の室内光でわずかに見えるように設定しなければならない。EUTは,
通常表示する最大密度の情報を表現する試験パターンを表示しなければならない。この旨を試験報告書に
詳述しなければならない。
実際に可能な限り,表示画面が垂直になるようにEUTを配置しなければならない。EUT,測定プローブ
及び補助装置の接地ポイントは,共通の接地ポイントに接続しなければならない。EUTのあらゆる部分,
測定システム及びその他の導電性物体や接地された物体との間を500 mm以上離さなければならない。
正面で測定する場合,EUT表示画面から画面に垂直となる規定の距離で電磁界を測定しなければならな
い。全周で測定する場合,EUTの中心から公称測定距離にEUTの奥行きの1/2の距離を加えた距離で,
EUTの表示画面の中心と同じレベルの高さで電磁界を測定しなければならない。測定プローブを固定し
EUTを回転しなければならない。
電界の場合には90度間隔で,また,磁界の場合には45度間隔で測定する。磁界の場合,EUTの表示画
面の中心レベルから300 mm高いか低いレベルで測定をくり返さなければならない。(図13)。
交流電磁界測定の場合,複数モード又は複数同期動作が可能なEUTについては,そのEUTが備えてい
る最低と最高のスキャン周波数で動作するように選択し,少なくとも二つのモードで測定しなければなら
ない。モードは,ラスタサイズ,水平及び垂直スキャン周波数並びに表示アドレス法のユニークコンビネ
ーションで定義する。
12.3.3.1 静電界 静電界は,500 mm×500 mm四方の測定器具の接地に接続された金属板の中心に取り付
けられた適切な器具を使って測定しなければならない。金属板は,表示画面と平行にし,測定プローブが
画面中心から100 mm離れるように設置しなければならない。
EUTを接地された導電性ブラシでぬぐ(拭)わなければならない。続いて,EUTの電源を入れ10分後
に電界強度を測定しなければならない。
12.3.3.2 交流電界及び交流磁界 測定周波数全体にわたり,適切な周波数応答をもつ,適切な測定システ
ムを使って測定しなければならず,入力波は適切な起伏効果(クレストファクタ)をもった波形とする。
電磁界を測定する前に,EUTの電源を20分間以上入れなければならない。
12.3.4 結果要件 放射は,次の限界内としなければならない :
表示器サイズ 測定距離 表示器サイズ 測定距離
対角線長0.5 m >対角線長0.5 m

――――― [JIS F 0812 pdf 40] ―――――

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JIS F 0812:2006の引用国際規格 ISO 一覧

  • IEC 60945:2002(IDT)

JIS F 0812:2006の国際規格 ICS 分類一覧

JIS F 0812:2006の関連規格と引用規格一覧