この規格ページの目次
14
F 8081 : 2005 (IEC 60533 : 1999)
7.3 システムの設置状況 特別なシステムの設置状況(例えば,送信アンテナに非常に近い装置など)に
おいて,更に高度な要求又はその他の現象の確認試験が必要な場合,そのイミュニティを向上させるか,
又はその設置状況における障害を軽減させる対策をとらなければならない。
8. 試験結果及び試験成績表
試験結果は,分かりやすく試験成績表に記録しなければならない。試験成
績表は,正確,明りょう,明確,客観的に表現し,試験目的,試験結果及び試験に関するすべての情報を
記載しなければならない。
試験成績表は,ケーブル系統図,ケーブル形式及び使用する試験用補助器材を含め,EUTを明確に定義
しなければならない。EMC試験計画からのすべての相違を,記載しなければならない。
――――― [JIS F 8081 pdf 16] ―――――
15
F 8081 : 2005 (IEC 60533 : 1999)
附属書A(参考)IMO 決議 A.813(19):1995
この附属書(参考)は,本体に関連する事柄を補足するもので,規定の一部ではない。
IMO 決議 A.813(19)
1995年11月23日採択
すべての船用電気,電子機器に対する電磁両立性(EMC)の一般要求事項
総会は,
海上安全のための規則及び指針に関するIMO条約第15条 (j) を想起し,
更に,SOLAS(1974)* 第4章及び第5章に従い船に搭載される無線通信及び航海機器と対象機器間の電
磁両立性 (EMC) を確保するための対策を要求する決議A.694(j)も又想起し,
結果的に危険な状態を引き起こす電磁波障害に敏感な機器採用による問題発生数の増加に注意し,
更に,幾つかの電磁両立性 (EMC) に関する規格が制定されていることに注意し,
機器の適応性及び信頼性を確保するため,すべての船用電気,電子機器のための電磁両立性 (EMC) 規格
を作成する必要性を認識し,
海事安全委員会 (MSC) 第65回会議における提案を考慮して,
すべての船用電気,電子機器に対して,関連EMC規格の適合試験の実施を政府に要請する。
*IEC Publications 533 and 945.
――――― [JIS F 8081 pdf 17] ―――――
16
F 8081 : 2005 (IEC 60533 : 1999)
附属書B(参考)EMC設計一般手順
この附属書(参考)は,本体に関連する事柄を補足するもので,規定の一部ではない。
B.1 序文 この附属書は,船と船用機器に対するEMC達成のためのガイドラインを含む。EMC達成のた
めの一般手順を記述する。
この規格を採用することによって,計画段階,製造段階及び動作段階におけるEMC問題の十分な検討
が達成できる。これによって必要とされる整合を重視しながら,プロジェクトの経過期間中EMC対策を
適切に実現することができる。
船が生存する間,EMC性能が保守方法によって低下しないことが重要であり,かつ,改造及び機能の追
加に当たり,保守が最小要件の適用によって達成されることが重要である。
B.2 一般手順 この附属書の目的は,システムのEMCを達成する際に,船の全体的な性能に対し責任を
もつ製造業者を支援するためのものである。EMCは品質に直接関係するので,一般の品質保証と同様な方
法で扱われなければならない。
システムの複雑さに従い,EMCの管理がEMCの達成のために次の活動を管理し,監視する必要がある。
− EMC解析;
− EMC対策の計画と実施;
− 機器のEMC対策の確認;
− システムにおけるEMC対策の実施と効果確認;
− システム生存中におけるEMC対策効果の持続の確認;
B.3 EMC管理
B.3.1 一般 ほとんどの商船において,EMC管理は全体を管理する業務であり,通常一人の責任者が任命
される。造船所の電気及び電子部門には相応の技能が要求される。更に複雑な船にあっては,更に広範囲
にわたる技術と知識が必要とされる。この場合,EMC問題に対し,適切な意思決定を支援するためにEMC
諮問グループを構成するのが望ましい。
B.3.2 EMC諮問グループ EMC諮問グループは,システムの計画段階で構成するのが望ましい。そのグ
ループの議長は,EMC問題の責任者が行う。
このグループは,各分野の専門家が一体となり,起こり得るEMC問題の想定,それにかかわる技術的
ノウハウ及びEMC対策の評価によって,必要十分,かつ,経済的であると認められるシステムのEMC要
件を策定する。
EMC諮問グループには,次のメンバーを含むのが望ましい。
− 契約者の代表;
− 顧客の代表;
− EMC関連機器の供給者の代表;
− 船級協会の代表;
− 中立の立場のEMC専門家;
すべてのメンバーが専任である必要はない。契約者は,取り扱う主題に応じて一時的なメンバーを召集
――――― [JIS F 8081 pdf 18] ―――――
17
F 8081 : 2005 (IEC 60533 : 1999)
する権限をもつ。
B.3.3 EMC管理業務
EMC達成のための管理業務の基本手順は,次による。
− 簡易EMC解析の実施;
− 機器のEMC要件の策定;
− 動作条件の決定;
− 推奨設置方法の決定;
− 品質保証方案の決定;
− 上記ステップの結果検討;
− 追加EMC対策の実施;
B.3.4 簡易解析 EMC初期解析において,次の問題事項を明らかにしなければならない。
a) 送信アンテナによりどの機器が影響を受けるか?
第1番の影響要素は電磁放射である。したがって,甲板上のすべての機器が影響される場合がある。
甲板下の機器は,金属船体による遮へい効果を得る場合がある。しかしながら,甲板ゾーン及び船橋
ゾーンに設置される電子機器には,十分な考慮をするのが望ましい。
b) どの機器が受信アンテナに影響をもたらすか?
影響は電磁放射からもある。甲板ゾーン及び船橋ゾーンの強電磁放射機器だけを考慮するのが望まし
い。
c) 給電系統及び機器の電磁放射によってどの電子機器が妨害されるのか?
給電系統及び機器からの電磁放射は,一般的にその距離に従い減衰する。したがって,電磁放射給電
系統及び機器の近くにある機器だけを考慮する必要がある。
d) 不適切なネットワーク品質からどの電子機器が障害を受けるのか?
一般的な船のネットワーク品質は,JIS F 8061で規定されている。被妨害電子機器及び妨害電子機器
が同一母線に接続された場合,妨害が発生する場合がある。
B.3.5 機器のEMC要件 機器は,船に設置する前に基本的にEMC規格に適合していることが要求される。
このことは製造業者の仕様書の中で証明されることが望ましい。非適合品の場合,追加して解析作業を実
施しなければならない。ほとんどの場合,設計上の制限を必要とするか,又は追加のEMC対策を設けな
ければならない。
現実的な要求は,その機器が設置された環境で信頼性の高い,障害のない動作を確保することである。
そのため,機器の供給者は,その環境のEMC特性についての情報を与えられることが必要である。
B.3.6 EMCインタフェース合意書 相互にEM障害を発生する危険のある機器の同時動作を行う場合,
契約者は,機器の供給者に対し正常な動作を確保するための対策に関する合意を取り交わすのが望ましい。
合意書には,対策,責任の所在及び品質保証手順を記載することが望ましい。
B.3.7 推奨設置方法 EMCを特別に考慮した推奨される設置方法が,この規格の附属書Cに記載されて
いる。
機器間の隔離距離が必す(須)である場合の特別な設置に関する要件の例は,簡易解析の結果から決定
して差し支えない。
B.3.8 EMC規則との適合評価 EMC規則との適合性評価は,総合的な品質保証の一部をなすものである。
適切な対策は,次のレベルのどれかに割り当てることで差し支えない。
− 機器レベル;
――――― [JIS F 8081 pdf 19] ―――――
18
F 8081 : 2005 (IEC 60533 : 1999)
− 製造管理レベル;
− システムレベル;
総合的な品質保証と同様に,EMC保証は当該公的機関1)と製造業者の品質保証部担当者との協力で実
施しなければならない。
B.3.8.1 EMC規則に適合する機器レベル 機器の適合性にあっては,該当する証書の提示があればよい。
各システムに対し,このような証書の提示が不能な場合,当該公的機関の協力を得て,合意された試験を
実施するのが望ましい。
B.3.8.2 EMCのための製造管理 船の建造期間中に,附属書Cで適用すべき対策の実施を確認すること
が望ましい。特に“設計上の対策”の実施状況には,特別な注意を払うことが望ましく,電磁放射機器と
被妨害機器との間に定められた隔離距離を狭めることがあってはならず,また,被妨害機器と接続された
同一母線に,意図せずに妨害機器を接続するというようなことは避けなければならない。
B.3.8.3 EMC規則に適合するシステムレベル システムのEMC証明の標準的方法は,“スイッチオン/
スイッチオフ試験”である。この試験の間,電気設備及び電子機器を組み合わせたシステムを動作させ,
電磁影響によって励起される影響を観察する。影響が発生したならば,障害を発生させる可能性のある機
器を,順番にオン・オフすることによって原因を見極めるのが望ましい。
他に指定のない限り,電磁影響の評価は,この規格に定義される性能基準に従うのが望ましい。
B.3.9 追加対策 船の複雑さによって,B.3.3に規定された基本作業以上の対策が,当該公的機関によって
追加して要求される場合,B.4に規定されている解析を実施することが望ましい。
この解析により追加してEMC対策を必要とする場合,B.5に規定されている計画を実施し,その実現化
を図るのが望ましい。
上記のEMC対策の効果確認は,B.6に規定されている試験及び検査によって行う。
B.4 完全EMC解析
B.4.1 一般 EMC解析は,システムの各機器及びユニットの限界値を規定するために用いることができ
る。機器解析のためのフローチャートを,図B.1に示す。サブシステムにも同様の手順を適用する。
完全EMC解析は,複雑なシステムの場合に,しばしば必要とされる。この解析の一部だけを実施する
ことで十分な場合もある。周波数又はレベルの検証,又は適合レベルの特定などである。
B.4.2 電磁障害マトリックス(EMIマトリックス) 完全EMC解析の場合,EMIマトリックスを作成す
る。 船の機器のEMI関連データを収集し,EMIシートに記録する。被妨害設備と同様に妨害の可能性の
ある機器は,このマトリックスに記載する。各交点に,各機器が相互に影響しあうかどうかを確認するた
めの解析を行う。結果は,各交点にシンボルで記載し,そのマトリックスを解析する。結論は,機器のEMI
レベル及びシステムのために取るべき対策の解析から得ることができる。
図B.2は電磁障害マトリックス(EMIマトリックス)の例を示す。妨害発生源を縦の欄に記録し,被障
害設備は横の欄に記録する。機器は,通常縦横両方の欄に表示する。各機器には,マトリックス番号を付
ける。これに加えて,電磁環境からのデータをこのマトリックスに記録する。
B.4.3 データ収集 EMC解析の実施のために,各種データを得なければならない。これには次のデータが
含まれる。
1)政府機関,認証機関,船級協会など
――――― [JIS F 8081 pdf 20] ―――――
次のページ PDF 21
JIS F 8081:2005の引用国際規格 ISO 一覧
- IEC 60533:1999(IDT)
JIS F 8081:2005の国際規格 ICS 分類一覧
- 47 : 造船及び海洋構造物 > 47.020 : 造船及び海洋構造物一般
- 33 : 電気通信工学.オーディオ及びビデオ工学 > 33.100 : 電磁両立性(EMC)
JIS F 8081:2005の関連規格と引用規格一覧
- 規格番号
- 規格名称
- JISC60050-161:1997
- EMCに関するIEV用語
- JISC61000-4-11:2008
- 電磁両立性―第4-11部:試験及び測定技術―電圧ディップ,短時間停電及び電圧変動に対するイミュニティ試験
- JISC61000-4-2:2012
- 電磁両立性―第4-2部:試験及び測定技術―静電気放電イミュニティ試験
- JISC61000-4-3:2012
- 電磁両立性―第4-3部:試験及び測定技術―放射無線周波電磁界イミュニティ試験
- JISC61000-4-4:2015
- 電磁両立性―第4-4部:試験及び測定技術―電気的ファストトランジェント/バーストイミュニティ試験
- JISC61000-4-5:2018
- 電磁両立性―第4-5部:試験及び測定技術―サージイミュニティ試験
- JISC61000-4-6:2017
- 電磁両立性―第4-6部:試験及び測定技術―無線周波電磁界によって誘導する伝導妨害に対するイミュニティ
- JISF8061:2005
- 船用電気設備―第101部:定義及び一般要求事項
- JISF8062:1996
- 船用電気設備 第201部 システム設計―一般
- JISF8076:2005
- 船用電気設備―第504部:個別規定―制御及び計装
- JISF8076:2021
- 船用電気設備―第504部:自動化,制御及び計装