JIS F 8081:2005 船用電気設備及び電子機器―電磁両立性 | ページ 5

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F 8081 : 2005 (IEC 60533 : 1999)
− エミッション及びイミュニティレベル;
− 機器の外形寸法;
− ユニット間の距離;
− 電源ケーブル及び信号ケーブルに関するデータ;
− 次のような機器の電気及び電子データ;
・電源;
・周波数/周波数レンジ;
・受信器の感度レベル;
・送信器の送信電力 など。
また,次のものは,必す(須)データである。
− 設置の詳細に関するデータ;
− 電磁環境におけるレベル;
できる限り試験成績表からのデータを使用しなければならない。これが利用不能な場合,機器の動作の
基準レベルを推定する必要がある。これらのレベルは,更に信頼性のあるレベルのデータが利用可能とな
るまで使用して差し支えない。
機器の設置方法及びケーブルの接続方法を知ることが必要である。このことは,機器の構成,ケーブル
敷設及びこれらの間の距離に対して適用する。システムのために既に計画されたEMC対策も知ることが
必要である。
これらのデータは,質問状として機器供給者から入手することは有効な方法である。
B.4.4 データ処理
B.4.4.1 EMIシート 各機器には,データベースとして,又は各々の“EMIシート”としてデータを収集
する。データを迅速に検索するために,このEMIマトリックスに番号付けをして記録する。このシートは
データに変更がある場合,差し替えることができる。
B.4.4.2 周波数検証 収集されたデータを基に,周波数検証を動作周波数及びそれらの高調波成分に対し
て実施する。これは,特に機器のエミッション限界値を超える又はイミュニティ限界値未満の周波数を含
むすべての周波数レンジに対して実施する。その一例を,図B.3に示す。
2種類の検証を行うのが実際的である。一つは伝導障害,もう一方は放射障害である。
この検証は,システムの幾つかの送信機器部品,受信機器部品に対して特に重要である。この周波数検
証は,送信,受信機器が同一周波数帯において動作しているか否かを見出すために使用することができる。
B.4.4.3 レベル検証 レベル検証は,その周波数レンジにおけるエミッション及びイミュニティレベルを
示す。図B.4にこの例を示す。検証は,しばしば規格限界値を超えたレベルの記録だけとなる。例えば,
送信機のエミッションレベル又は受信機のイミュニティレベルである。関連するEMC仕様書に含まれた
限界値を含めることによって,これらのレベルがどの程度エミッション限界値を超えているか,又はイミ
ュニティ限界値以下なのかを確認することも可能となる。
伝導障害のレベル検証は,機器の部品が相互に障害を発生するかどうかを示す。伝導障害の場合,通常,
電線又はケーブル内での減衰はそれほどではない。
相互干渉による障害にあっては,結合インピーダンスを知らなければならず,計算が完了するまでは結
論を出すことはできない。
同様の状態を障害に対するレベル検証にも適用する。結論も出す前に,距離,遮へい物(他の機器,金
属部材など)を考慮して,被妨害機器の設置場所におけるレベル計算を考慮することが必要である。

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F 8081 : 2005 (IEC 60533 : 1999)
EMCデータの編集
マトリックス構成作成
周波数検証
レベル検証
周波数及びレベル検証の調査
yes
機器両立性の組合せか?
no
改善策に関する結合経路の調査
yes
改善策記述 改善策は実施されたか?
no
yes
例外の記述 例外は認められるか?
機器両立性のすべての組合せか?
no no
yes
考え方の変更
満足又は了承された機器組合せ
のEMC
図B.1 EMC解析,フローチャート

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F 8081 : 2005 (IEC 60533 : 1999)
障害機器
信号種
類 被障
機器及び設置グル 機器の例
(附属書害機 A1 A2 A3 A4 A5B1 B2 B3 B4 B5C1 C2 C3 C4 D1 D2 D3 D4 E1 E2 E3 E4 F1 G1 G2 H1 H2
ープ B参照) 器
A 無線通信 GMDSS機器 :
無線航海 受信機 超敏感 AI
送信機 超妨害 A2
ジャイロコンパス 敏感 A3
敏感
操だ装置/オートパイロッ A4

統合無線通信システム 敏感 A5
B 発電及び変換 電気機器 非敏感 B1
システム 励磁装置 妨害 B2
変換装置 妨害 B3
トランス 非敏感 B4
照明保護装置 非敏感 B5
C パルス電源で レーダ 妨害 C1
駆動される機 ソナー 妨害 C2
器 ドップラーログ 妨害 C3
エコーサウンダ 妨害 C4
D 開閉装置及び 非敏感
サーキットブレーカ/コン D1
制御装置 タクタ
電気制御装置 敏感 D2
リレー制御装置 敏感 D3
保護装置 敏感 D4
E 船内通信及び 電気式アラーム監視装置 敏感 E1
信号処理装置 電気式制御装置 敏感 E2
自動化システム 敏感 E3
コンピュータ,検出器 敏感 E4
F 非電気部分及 索具 非敏感 F1
F8
び機器
G 統合システム 統合航海システム (INS) 敏感 G1
08
敏感
統合ブリッジシステム (IBS) G2
1 : 2
H 危険区域内機 防爆機器 非敏感 H1
0
器 本質安全認定機器 非敏感 H2
05(
図B.2 EMC解析,EMIマトリックス
I
EC6 0533 : 199
2
9
1
)

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F 8081 : 2005 (IEC 60533 : 1999)
図B.3 EMC解析,周波数検証
図B.4 EMC解析,レベル検証

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F 8081 : 2005 (IEC 60533 : 1999)
B.4.5 マトリックスの完成 妨害発生源と被妨害機器間の障害の可能性に関し,機器の推定を行う。
妨害の可能性がない場所は,マトリックスの交点に“−”の記号を記入し,妨害の可能性のある場所は
“+”を記入する。これら“+”の点について,次の計算を行う。解析によって障害が存在しない結果に
”の記号で表示する。 障害が存在する結果の場合,“#”で表示する。
なった場合,マトリックスに“
必要な場合,“dB”単位も記録する。
記号 意味
− 障害の可能性なし
+ 障害又は障害の可能性あり
障害の可能性があるが,解析結果では障害がない
# 解析結果によって障害又は障害の可能性あり
# 障害あり,数値は解析結果による
数値(dB)
B.4.6 計算 マトリックス上で“+”が表示されている各交点に対し,妨害発生源が被妨害機器に対し影
響を与えるかどうかを判定するために計算を行う。
この目的のために,被妨害機器の設置場所におけるエミッションレベルを,すべての考えられる伝導経
路について計算し,その機器のイミュニティレベルと比較する。
この計算では,レベルに適用する帯域幅及びレベル間にあらかじめ定めた余裕を考慮しなければならな
い。この段階においては,データの多くは評価するので,計算結果は非常に正確なものではなく,選択さ
れた余裕より小さな精度であれば通常,十分である。実際には,常に達成可能であるとは限らず,特に電
磁放射障害の場合には,難しい。
B.4.7 マトリックスから得られる結論 EMIマトリックスの完成によって,そのマトリックスからどの機
器が障害を発生する可能性があるかが分かる。その結果に基づき対策を決定することができる。対策は,
機器の改良又はシステム内にEMC対策を導入することを含んで差し支えない。
B.5 追加のEMC対策
B.5.1 一般 EMC解析の結果,機能喪失が懸念される場合,電磁放射を制限するか,又はイミュニティ性
能を向上する対策を計画し実施しなければならない。通常,機器に対する対策を実施する。例えば,障害
抑制部品の追加設置及び/又はシステム内におけるケーブルの分離又はシールドケーブルの使用などであ
る。附属書Cには,すべての場合に対応する実証された対策のリストが示されている。
B.5.2 電磁放射制限 多くの電子及び電気機器は,好ましくない高周波電磁波(妨害量)を放射する。一
方,これらは無線受信機器のアンテナに達し,無線障害を発生する場合がある。また,これらは感度の高
い電子機器の信号入力に達し性能を低下させる場合がある。
他の機器に関する電磁放射の制限を設けることは,その機器のEMCを確実にするために必要である。
船用無線通信及び航海機器並びにシステムが国際法規又は国内規則によって規制されていない場合,電磁
放射の限度を,顧客と供給者との間で合意することが必要である。
B.5.3 電磁影響の制限 船では,発信機器の電磁界強度によるものと同様に,電気システムそれ自体の現
象によって発生する電子機器に対する妨害を考慮することは重要である。
その代表的な妨害例を,次に示す。
− 電動機の起動時の電圧降下;
− その他の例えば制御機器,ヒータ,照明器具などの電気機器を作動した時の電圧降下及び電気機器

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JIS F 8081:2005の引用国際規格 ISO 一覧

  • IEC 60533:1999(IDT)

JIS F 8081:2005の国際規格 ICS 分類一覧

JIS F 8081:2005の関連規格と引用規格一覧