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JIS G 4901:1999 規格概要
この規格 G4901は、耐食耐熱超合金棒(丸棒,角棒,六角棒及び平材を総称)について規定。
JISG4901 規格全文情報
- 規格番号
- JIS G4901
- 規格名称
- 耐食耐熱超合金棒
- 規格名称英語訳
- Corrosion-resisting and heat-resisting superalloy bars
- 制定年月日
- 1970年10月1日
- 最新改正日
- 2017年10月20日
- JIS 閲覧
- ‐
- 対応国際規格
ISO
- ISO 4955:1994(NEQ), ISO 9723:1992(NEQ)
- 国際規格分類
ICS
- 77.140.20, 77.140.60
- 主務大臣
- 経済産業
- JISハンドブック
- 鉄鋼 I 2021, 鉄鋼 II 2021, 熱処理 2020
- 改訂:履歴
- 1970-10-01 制定日, 1973-09-01 確認日, 1977-03-01 改正日, 1980-03-01 確認日, 1981-03-01 改正日, 1986-06-01 確認日, 1988-07-01 改正日, 1991-11-01 改正日, 1997-04-20 確認日, 1999-05-20 改正日, 2004-03-20 確認日, 2008-03-20 改正日, 2012-10-22 確認日, 2017-10-20 確認
- ページ
- JIS G 4901:1999 PDF [10]
G 4901 : 1999
まえがき
この規格は,工業標準化法に基づいて,日本工業標準調査会の審議を経て,通商産業大臣が改正した日
本工業規格である。これによってJIS G 4901-1991は改正され,この規格に置き換えられる。
JIS G 4901には,次に示す附属書がある。
附属書(参考) 熱処理
(pdf 一覧ページ番号 )
――――― [JIS G 4901 pdf 1] ―――――
日本工業規格(日本産業規格) JIS
G 4901 : 1999
耐食耐熱超合金棒
Corrosion-resisting and heat-resisting superalloy bars
序文 この規格は,1970年に制定され1991年の改正を経て現在に至っている。前回以降の技術的変化及
び国際規格との整合を図るため,今回改正することになった。今回の主な改正点は,次のとおりである。
a) 需要に合わせ,丸棒切削材の寸法許容差を追加。
b) SO 1035-4の熱間圧延棒の許容差表2 fineを採用。
c) SO 1035-4の熱間圧延平材の厚さ・幅許容差を採用。
d) 熱処理を附属書(参考)へ移動。
1. 適用範囲 この規格は,耐食耐熱超合金棒(丸棒,角棒,六角棒及び平材を総称して,以下,棒とい
う。)について規定する。
備考 この規格の対応国際規格を,次に示す。
ISO 4955 : 1994 Heat-resisting steels and alloys
ISO 9723 : 1992 Nickel and nickel alloy bars
2. 引用規格 次に掲げる規格は,この規格に引用されることによって,この規格の規定の一部を構成す
る。これらの引用規格は,その最新版(追補を含む。)を適用する。
JIS B 0401-1 寸法公差及びはめあいの方式−第1部 : 公差,寸法差及びはめあいの基礎
JIS G 0303 鋼材の検査通則
JIS G 0551 鋼のオーステナイト結晶粒度試験方法
JIS G 0567 鉄鋼材料及び耐熱合金の高温引張試験方法
JIS G 1256 鉄及び鋼−蛍光X線分析方法
JIS G 1257 鉄及び鋼−原子吸光分析方法
JIS G 1281 ニッケルクロム鉄合金分析方法
JIS Z 2201 金属材料引張試験片
JIS Z 2241 金属材料引張試験方法
JIS Z 2243 ブリネル硬さ試験−試験方法
JIS Z 2343 浸透探傷試験方法及び浸透指示模様の分類
JIS Z 2344 金属材料のパルス反射法による超音波探傷試験方法通則
3. 種類及び記号 棒の記号は,11種類とし,その記号は,表1による。
――――― [JIS G 4901 pdf 2] ―――――
2
G 4901 : 1999
表1 種類の記号
種類の記号
NCF600 NCF751
NCF601 NCF800
NCF625 NCF800H
NCF690 NCF825
NCF718 NCF80A
NCF750 −
備考 棒であることを記号で表す必要のある場合に
は,種類の記号の末尾に,-Bを付記する。
例 NCF600-B
4. 化学成分
4.1 溶湯分析値 棒は,10.1の試験を行い,その溶湯分析値は,表2による。
4.2 製品分析値 棒の製品分析値は,注文者の要求がある場合に10.1の試験を行い,その許容変動値は,
受渡当事者間の協定による。
表2 化学成分
単位 %
種類の記号 C Si Mn P S Ni Cr Fe Mo Cu Al Ti Nb+Ta B
MCF600 0.15 0.501.000.0300.015 72.00 14.00 6.00 − 0.50 − − − −
以下 以下以下 以下 以下 以上 17.00 10.00 以下
NCF601 0.10 0.501.000.0300.015 58.00 21.00 残部 − 1.00 1.00 − − −
以下 以下以下 以下 以下 63.00 25.00 以下 1.70
NCF625 0.10 0.500.500.0150.015 58.00 20.00 5.00 8.00 − 0.40 0.40 3.15 −
以下 以下以下 以下 以下 以上 23.00 以下 10.00 以下 以下 4.15
NCF690 0.05 0.500.500.0300.015 58.00 27.00 7.00 − 0.50 − − − −
以下 以下以下 以下 以下 以上 31.00 11.00 以下
NCF718 0.08 0.350.350.0150.015 50.00 17.00 残部 2.80 0.30 0.20 0.65 4.75 0.006
以下 以下以下 以下 以下 55.00 21.00 3.30 以下 0.80 1.15 5.50 以下
NCF750 0.08 0.501.000.0300.015 70.00 14.00 5.00 − 0.50 0.40 2.25 0.70 −
以下 以下以下 以下 以下 以上 17.00 9.00 以下 1.00 2.75 1.20
NCF751 0.10 0.501.000.0300.015 70.00 14.00 5.00 − 0.50 0.90 2.00 0.70 −
以下 以下以下 以下 以下 以上 17.00 9.00 以下 1.50 2.60 1.20
NCF800 0.10 1.001.500.0300.015 30.00 19.00 残部 − 0.75 0.15 0.15 − −
以下 以下以下 以下 以下 35.00 23.00 以下 0.60 0.60
NCF800H 0.05 1.001.500.0300.015 30.00 19.00 残部 − 0.75 0.15 0.15 − −
0.10 以下以下 以下 以下 35.00 23.00 以下 0.60 0.60
NCF825 0.05 0.501.000.0300.015 38.00 19.50 残部 2.50 1.50 0.20 0.60 − −
以下 以下以下 以下 以下 46.00 23.50 3.50 3.00 以下 1.20
NCF80A 0.04 1.001.000.0300.015 残部 18.00 1.50 − 0.20 1.00 1.80 − −
0.10 以下以下 以下 以下 21.00 以下 以下 1.80 2.70
備考1. Ni分析値には,Coを含むことができる。ただし,NCF80AのCo分析値は,2.00%以下とする。
2. NCF80Aは,必要によってBなどを添加することができる。
5. 機械的性質 熱処理を行った棒は,10.2の試験を行い,その耐力,引張強さ,伸び及び硬さは,表3
による。
なお,冷間引抜きのままの棒の機械的性質は,受渡当事者間の協定による。
――――― [JIS G 4901 pdf 3] ―――――
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G 4901 : 1999
表3 機械的性質
種類の記号 熱処理 耐力 引張強さ 伸び 硬さ 適用寸法 mm
(記号) N/mm N/mm2 % HBS又は 径,辺,対辺距離
HBW 又は厚さ
NCF600 焼なまし (A) 245以上 550以上 30以上 179以下 −
NCF601 焼なまし (A) 195以上 550以上 30以上 − −
NCF625 焼なまし (A) 415以上 830以上 30以上 − 100以下
345以上 760以上 30以上 − 100を超え250以下
固溶化熱処理 (S) 275以上 690以上 30以上 − −
NCF690 焼なまし (A) 240以上 590以上 30以上 − 100以下
NCF718 固溶化熱処理後時効処理 (H) 1 035以上 1 280以上 12以上 331以上 100以下
NCF750 固溶化熱処理 (S1, S2) − − − 320以下 l00以下
固溶化熱処理後時効処理 (H1) 615以上 960以上 8以上 262以上 100以下
固溶化熱処理後時効処理 (H2) 795以上 1 170以上 18以上 302363 60以下
795以上 1 170以上 15以上 302363 60を超え100以下
NCF751 固溶化熱処理 (S) − − − 375以下 100以下
固溶化熱処理後時効処理 (H) 615以上 960以上 8以上 − 100以下
NCF800 焼なまし (A) 205以上 520以上 30以上 179以下 −
NCF800H 固溶化熱処理 (S) 175以上 450以上 30以上 167以下 −
NCF825 焼なまし (A) 235以上 580以上 30以上 − −
NCF80A 固溶化熱処理 (S) − − − 269以下 100以下
固溶化熱処理後時効処理 (H) 600以上 1 000以上 20以上 − 100以下
備考1. 径,辺,対辺距離又は厚さが2.5mm未満の棒には,上の表の伸びは適用しない。ただし,記録しておかなけ
ればならない。
2. NCF690,NCF750,NCF751及びNCF80Aの径,辺,対辺距離又は厚さが100mmを超える棒の機械的性質
は,受渡当事者間の協定による。
3. NCF718, NCF751及びNCF80Aの附属書表1に示した熱処理以外の熱処理を行った棒の機械的性質は,受渡
当事者間の協定による。
6. オーステナイト結晶粒度 NCF800Hの棒のオーステナイト平均結晶粒度は,10.3の試験を行い,粒度
番号5又はこれより粗でなければならない。
7. 形状,寸法及び許容差 形状,寸法及び許容差は,次による。
a) 熱間圧延による丸棒,角棒及び六角棒の径,辺又は対辺距離の許容差並びに偏径差又は偏差は,表4
による。
――――― [JIS G 4901 pdf 4] ―――――
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G 4901 : 1999
表4 熱間圧延丸棒,角棒及び六角棒の許容差並びに偏径差又は偏差
単位 mm
径,辺又は対辺距離 径,辺又は対辺距離の許容差 偏径差又は偏差(1)
15以下 ±0.3 許容差範囲の75 (%) 以下
15を超え 25以下 ±0.4
25を超え 35以下 ±0.5
35を超え 50以下 ±0.6
50を超え 80以下 ±0.8
80を超え 100以下 ±1.0
100を超え 120以下 ±1.3
120を超え 160以下 ±1.6
160を超え 200以下 ±2.0
200を超えるもの ±1.2 (%)
注(1) 偏径差又は偏差は,同一断面における,径,辺又は対辺距離の最大値と最小値と
の差で表す。
b) 丸棒切削材の寸法許容差は,表5による。
表5 丸棒切削材の寸法許容差
単位 mm
径 許容差
15以下 受渡当事者間の協定による
15を超え 25以下 +0.15
0
25を超え 80以下 +0.25
0
80を超え 125以下 +0.50
0
125を超え 150以下 +1.0
0
150を超え 400以下 +2.0
0
400を超えるもの 受渡当事者間の協定による
c) 熱間圧延による平材の厚さ及び幅の許容差は,表6及び表7による。
表6 熱間圧延平材の厚さの許容差
単位 mm
厚さ 厚さの許容差
幅50以下 幅50を超え150以下
20以下 ±0.4 ±0.5
20を超え 40以下 ±0.8 ±1.0
40を超えるもの − ±1.5
備考 幅150mmを超えるものは,受渡当事者間の協定による。
――――― [JIS G 4901 pdf 5] ―――――
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JIS G 4901:1999の引用国際規格 ISO 一覧
- ISO 4955:1994(NEQ)
- ISO 9723:1992(NEQ)
JIS G 4901:1999の国際規格 ICS 分類一覧
- 77 : 金属工学 > 77.140 : 鉄及び鋼製品 > 77.140.60 : 棒鋼及びスチールロッド
JIS G 4901:1999の関連規格と引用規格一覧
- 規格番号
- 規格名称
- JISB0401-1:2016
- 製品の幾何特性仕様(GPS)―長さに関わるサイズ公差のISOコード方式―第1部:サイズ公差,サイズ差及びはめあいの基礎
- JISG0404:2014
- 鋼材の一般受渡し条件
- JISG0551:2013
- 鋼―結晶粒度の顕微鏡試験方法
- JISG0551:2020
- 鋼―結晶粒度の顕微鏡試験方法
- JISG0567:2012
- 鉄鋼材料及び耐熱合金の高温引張試験方法
- JISG0567:2020
- 鉄鋼材料及び耐熱合金の高温引張試験方法
- JISG1256:1997
- 鉄及び鋼―蛍光X線分析方法
- JISG1257:1994
- 鉄及び鋼―原子吸光分析方法
- JISG1281:1977
- ニッケルクロム鉄合金分析方法
- JISZ2201:1950
- 医療用遠心沈デン器
- JISZ2201:1998
- 金属材料引張試験片
- JISZ2241:2011
- 金属材料引張試験方法
- JISZ2243:2008
- ブリネル硬さ試験―試験方法
- JISZ2343-1:2017
- 非破壊試験―浸透探傷試験―第1部:一般通則:浸透探傷試験方法及び浸透指示模様の分類
- JISZ2344:1993
- 金属材料のパルス反射法による超音波探傷試験方法通則