JIS G 4904:2017 熱交換器用継目無ニッケルクロム鉄合金管

JIS G 4904:2017 規格概要

この規格 G4904は、管の内外で熱の授受を行うことを目的とする場所,例えば,化学工業,石油工業などで用いる熱交換器,コンデンサ,原子力用の蒸気発生器などに使用する継目無ニッケルクロム鉄合金管について規定。加熱炉用鋼管には適用しない。

JISG4904 規格全文情報

規格番号
JIS G4904 
規格名称
熱交換器用継目無ニッケルクロム鉄合金管
規格名称英語訳
Seamless nickel-chromium-iron alloy heat exchanger tubes
制定年月日
1970年10月1日
最新改正日
2017年2月20日
JIS 閲覧
‐ 
対応国際規格

ISO

国際規格分類

ICS

27.060.30, 77.140.10, 77.140.75
主務大臣
経済産業
JISハンドブック
鉄鋼 II 2021
改訂:履歴
1970-10-01 制定日, 1973-09-01 確認日, 1976-11-01 確認日, 1977-03-01 改正日, 1980-03-01 確認日, 1981-03-01 改正日, 1986-06-01 確認日, 1988-07-01 改正日, 1991-11-01 改正日, 1997-04-20 確認日, 2003-03-20 確認日, 2008-03-20 改正日, 2012-10-22 確認日, 2017-02-20 改正
ページ
JIS G 4904:2017 PDF [14]
                                                                                   G 4904 : 2017

pdf 目 次

ページ

  •  1 適用範囲・・・・[1]
  •  2 引用規格・・・・[1]
  •  3 種類及び記号・・・・[1]
  •  4 製造方法・・・・[2]
  •  5 化学成分・・・・[2]
  •  6 機械的性質・・・・[3]
  •  6.1 引張強さ,耐力及び伸び・・・・[3]
  •  6.2 へん平性・・・・[4]
  •  6.3 押し広げ性・・・・[4]
  •  7 オーステナイト結晶粒度・・・・[4]
  •  8 水圧試験特性及び非破壊試験特性・・・・[4]
  •  9 寸法及び寸法許容差・・・・[5]
  •  9.1 寸法・・・・[5]
  •  9.2 寸法許容差・・・・[5]
  •  10 外観・・・・[6]
  •  11 特別品質規定・・・・[6]
  •  12 U字曲げ加工管・・・・[6]
  •  13 試験・・・・[6]
  •  13.1 分析試験・・・・[6]
  •  13.2 機械試験・・・・[7]
  •  13.3 オーステナイト結晶粒度試験・・・・[7]
  •  13.4 水圧試験及び非破壊試験・・・・[7]
  •  14 検査及び再検査・・・・[8]
  •  14.1 検査・・・・[8]
  •  14.2 再検査・・・・[8]
  •  15 表示・・・・[8]
  •  16 報告・・・・[8]
  •  附属書A(規定)特別品質規定・・・・[9]
  •  附属書B(規定)U字曲げ加工管・・・・[11]

(pdf 一覧ページ番号 1)

――――― [JIS G 4904 pdf 1] ―――――

G 4904 : 2017

まえがき

  この規格は,工業標準化法第14条によって準用する第12条第1項の規定に基づき,一般社団法人日本
鉄鋼連盟(JISF)から,工業標準原案を具して日本工業規格(日本産業規格)を改正すべきとの申出があり,日本工業標準
調査会の審議を経て,経済産業大臣が改正した日本工業規格(日本産業規格)である。
これによって,JIS G 4904:2008は改正され,この規格に置き換えられた。
この規格は,著作権法で保護対象となっている著作物である。
この規格の一部が,特許権,出願公開後の特許出願又は実用新案権に抵触する可能性があることに注意
を喚起する。経済産業大臣及び日本工業標準調査会は,このような特許権,出願公開後の特許出願及び実
用新案権に関わる確認について,責任はもたない。

(pdf 一覧ページ番号 2)

――――― [JIS G 4904 pdf 2] ―――――

                                       日本工業規格(日本産業規格)                             JIS
G 4904 : 2017

熱交換器用継目無ニッケルクロム鉄合金管

Seamless nickel-chromium-iron alloy heat exchanger tubes

1 適用範囲

  この規格は,管の内外で熱の授受を行うことを目的とする場所,例えば,化学工業,石油工業などで用
いる熱交換器,コンデンサ,原子力用の蒸気発生器などに使用する継目無ニッケルクロム鉄合金管(以下,
管という。)について規定する。ただし,加熱炉用鋼管1) には適用しない。
なお,注文者があらかじめ製造業者との協定によって指定することができる特別品質規定の項目及びU
字曲げ加工管を,それぞれ附属書A及び附属書Bに規定している。
注1) 加熱炉用鋼管は,JIS G 3467(加熱炉用鋼管)に規定している。

2 引用規格

  次に掲げる規格は,この規格に引用されることによって,この規格の規定の一部を構成する。これらの
引用規格は,その最新版(追補を含む。)を適用する。
JIS G 0321 鋼材の製品分析方法及びその許容変動値
JIS G 0404 鋼材の一般受渡し条件
JIS G 0415 鋼及び鋼製品−検査文書
JIS G 0551 鋼−結晶粒度の顕微鏡試験方法
JIS G 0567 鉄鋼材料及び耐熱合金の高温引張試験方法
JIS G 0582 鋼管の自動超音波探傷検査方法
JIS G 0583 鋼管の自動渦電流探傷検査方法
JIS G 1281 ニッケルクロム鉄合金分析方法
JIS H 1270 ニッケル及びニッケル合金−分析用試料採取方法及び分析方法通則
JIS Z 2241 金属材料引張試験方法
JIS Z 2245 ロックウェル硬さ試験−試験方法
JIS Z 8401 数値の丸め方

3 種類及び記号

  管の種類は,6種類とし,その種類の記号及び製造方法を表す記号は,表1による。

――――― [JIS G 4904 pdf 3] ―――――

2
G 4904 : 2017
表1−種類の記号及び製造方法を表す記号
製造方法を表す記号
種類の記号
製管方法 仕上げ方法 表示
NCF600TB
NCF625TB 製造方法を表す
NCF690TB 記号の表示は,
継目無し : S 冷間仕上げ : C
NCF800TB 箇条15 c) によ
NCF800HTB る。
NCF825TB

4 製造方法

  製造方法は,次による。
a) 管は,継目なく製造し,冷間仕上げを行う。
b) 管は,冷間仕上げを行った後,表2の焼なまし又は固溶化熱処理を行い,酸洗又はこれに準じる処理
を行う。
c) 管端形状は,特に指定のない場合はプレンエンドとする。
表2−熱処理
熱処理条件
種類の記号 熱処理方法 ℃
固溶化熱処理 焼なまし
NCF600TB 焼なまし − 900以上 急冷
焼なまし − 870以上 急冷
NCF625TB
固溶化熱処理 1 090以上 急冷 −
NCF690TB 焼なまし − 900以上 急冷
NCF800TB 焼なまし − 950以上 急冷
NCF800HTB 固溶化熱処理 1 100以上 急冷 −
NCF825TB 焼なまし − 930以上 急冷

5 化学成分

  管は,13.1によって試験を行い,その溶湯分析値は,表3による。注文者の要求によって製品分析を行
う場合は,13.1によって試験を行い,その製品分析値は表3による。ただし,表3に対する製品分析の許
容変動値は,受渡当事者間の協定による。

――――― [JIS G 4904 pdf 4] ―――――

                                                                                              3
G 4904 : 2017
表3−化学成分
単位 %
種類の記号 C Si Mn P S Ni a) Cr Fe Mo Cu Al Ti Nb+Ta
0.15 0.50 1.00 0.030 0.015 72.00 14.00 6.00 0.50
NCF600TB − − − −
以下 以下 以下 以下 以下 以上 17.00 10.00 以下
0.10 0.50 0.50 0.015 0.015 58.00 20.00 5.00 8.00 0.40 0.40 3.15
NCF625TB −
以下 以下 以下 以下 以下 以上 23.00 以下 10.00 以下 以下 4.15
0.05 0.50 0.50 0.030 0.015 58.00 27.00 7.00 0.50
NCF690TB − − − −
以下 以下 以下 以下 以下 以上 31.00 11.00 以下
0.10 1.00 1.50 0.030 0.015 30.00 19.00 0.75 0.15 0.15
NCF800TB 残部 − −
以下 以下 以下 以下 以下 35.00 23.00 以下 0.60 0.60
NCF800HTB 0.05 1.00 1.50 0.030 0.015 30.00 19.00 0.75 0.15 0.15
残部 − −
0.10 以下 以下 以下 以下 35.00 23.00 以下 0.60 0.60
0.05 0.50 1.00 0.030 0.015 38.00 19.50 残部 2.50 1.50 0.20 0.60
NCF825TB −
以下 以下 以下 以下 以下 46.00 23.50 3.50 3.00 以下 1.20
必用に応じて,この表以外の合金元素を添加してもよい。
注a) i分析値には,Coを含んでもよい。

6 機械的性質

6.1 引張強さ,耐力及び伸び

  管は,13.2.3によって試験を行い,その引張強さ,耐力及び伸びは,表4による。ただし,厚さ8 mm
未満の管で,12号試験片を用いて引張試験を行う場合の伸びの最小値は,厚さ8 mmから1 mm減じるご
とに表4の伸びの値から1.5減じたものを,JIS Z 8401の規則Aによって整数値に丸めた値とし,表5に
よる。
表4−機械的性質
伸びa)
%
引張強さ 耐力
種類の記号 熱処理方法 11号試験片又は
N/mm2 N/mm2 4号試験片
12号試験片
管軸方向 管軸方向
NCF600TB 焼なまし 550以上 245以上
焼なまし 820以上 410以上
NCF625TB
固溶化熱処理 690以上 275以上
NCF690TB 焼なまし 590以上 245以上 30以上 25以上
NCF800TB 焼なまし 520以上 205以上
NCF800HTB 固溶化熱処理 450以上 175以上
NCF825TB 焼なまし 580以上 235以上
注記 1 N/mm2=1 MPa
注a) 外径20 mm未満の管については,この表の伸びの規定は適用しないが,試験の結果は,記録す
る。ただし,受渡当事者間の協定によって,伸びの値を規定してもよい。

――――― [JIS G 4904 pdf 5] ―――――

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