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H 8304 : 2017
表2−プラズマ溶射皮膜の密着強さ及び硬さ
種類 コード番号 記号 溶射皮膜の 溶射皮膜の硬さ
密着強さ MPa HV
酸化アルミニウム皮膜 12.1 Al2O3-1 1 000以上(1級)
20.0以上
Al2O3-2 800以上1 000未満(2級)
酸化アルミニウム・酸 12.2A Al2O3-TiO2 97 3A-1 900以上(1級)
14.0以上
化チタン皮膜 Al2O3-TiO2 97 3A-2 800以上900未満(2級)
12.3 Al2O3-TiO2 87 13 30.0以上 800以上
12.4 Al2O3-TiO2 60 40 20.0以上 750以上
酸化アルミニウム・酸 12.7 Al2O3-Cr2O3 98 2
化クロム皮膜 12.8 Al2O3-Cr2O3 90 10 20.0以上 750以上
12.9 Al2O3-Cr2O3 50 50
酸化クロム皮膜 12.20A Cr2O3A-1 30.0以上 1 100以上(1級)
Cr2O3A-2 900以上1 100未満(2級)
12.21 Cr2O3-1 1 100以上(1級)
Cr2O3-2 900以上1 100未満(2級)
酸化チタン皮膜 12.30A TiO2 98A 20.0以上 700以上
酸化ジルコニウム皮膜 12.40 ZrO2-CaO 95 5 20.0以上
12.40A ZrO2-CaO 93 7A
12.41 ZrO2-CaO 90 10
12.42 ZrO2-CaO 70 30
12.43A ZrO2-MgO 76 24A
12.44A ZrO2-Y2O3 92 8A 22.0以上 −a)
12.44B ZrO2-Y2O3 88 12B
12.45 ZrO2-Y2O3 80 20
12.46 ZrO2-SiO2 65 35 20.0以上
12.47 ZrO2-CeO2-Y2O3 68 25 3 22.0以上
12.48A ZrO2A 20.0以上
注a) 耐摩耗用には用いられないため,溶射皮膜の硬さは規定しない。
表3−粉末式フレーム溶射皮膜の密着強さ及び硬さ
種類 コード番号 記号 溶射皮膜の 溶射皮膜の硬さ
密着強さ MPa HV
酸化アルミニウム皮膜 12.1 Al2O3 8.5以上 600以上
酸化アルミニウム・酸 12.2B Al2O3-TiO2 97 3B 6.5以上
化チタン皮膜 12.3 Al2O3-TiO2 87 13 9.0以上 650以上
12.4 Al2O3-TiO2 60 40 550以上
酸化クロム皮膜 12.20A Cr2O3A 10.0以上 700以上
酸化クロム・酸化チタ Cr2O3-TiO2 45 55 8.0以上
12.23 700以上
ン皮膜
酸化ジルコニウム皮膜 12.40A ZrO2-CaO 93 7A 7.0以上
12.42 ZrO2-CaO 70 30
12.43A ZrO2-MgO 76 24A
12.44A ZrO2-Y2O3 92 8A 7.5以上 −a)
12.44B ZrO2-Y2O3 88 12B
12.46 ZrO2-SiO2 65 35 7.0以上
12.48A ZrO2A 6.0以上
注a) 耐摩耗用には用いられないため,溶射皮膜の硬さは規定しない。
――――― [JIS H 8304 pdf 6] ―――――
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H 8304 : 2017
表4−溶棒式及びコード式フレーム溶射皮膜の密着強さ及び硬さ
種類 コード番号 記号 溶射皮膜の密着 溶射皮膜の硬さ
強さ MPa HV
酸化アルミニウム皮膜 8.4 Al2O3 6.5以上 600以上
酸化アルミニウム・酸 8.5 Al2O3 TiO2 97 3
化チタン皮膜 8.6 Al2O3 TiO2 87 13
8.7 Al2O3 TiO2 60 40
酸化クロム皮膜 8.3 Cr2O3 8.0以上 700以上
酸化ジルコニウム皮膜 8.1 ZrO2 CaO 95 5 7.0以上
8.2 ZrO2 CaO 70 30 −a)
8.10 ZrO2 SiO2 62 31
注a) 耐摩耗用には用いられないため,溶射皮膜の硬さは規定しない。
7 試験方法
7.1 一般
試験方法は,7.17.9による。
なお,試験に用いる溶射加工品は,同一種類の加工品ごとに,溶射作業当日を1ロットとして,1ロッ
トごとに抜取りによって得た溶射加工品,又はそれから試験に適した寸法に切り出した試験片を用いる。
試験片を製品から切り出せない場合には,製品と同質の素材又はJIS G 3101に規定するSS400若しくはそ
の相当品の表面に,製品と同一条件で皮膜を施した試験片を用いる。
7.2 外観試験
外観試験は,約200 lxの明るさの場所において,試験面から600 mm程度の距離で目視によって行う。
7.3 皮膜断面組織試験
7.3.1 試験装置
試験装置は,次による。
a) 金属組織用顕微鏡
b) 顕微鏡写真撮影装置
c) 試験片切断機
d) 試験片埋込み器具
e) 試験片研磨機
7.3.2 試験片の作製
試験片の作製は,次による。
a) 試験片は,試験片切断機を用いて溶射加工品から切り出し,湿式で皮膜側から切断する。試験片の寸
法は,試験片を樹脂に埋め込み,鏡面にまで研磨を施す作業に適したもので,顕微鏡観察が3か所以
上行うことができる寸法とする。
b) 試験片を樹脂に埋め込み,皮膜断面に研磨を施し,鏡面に仕上げる。
7.3.3 試験手順
試験手順は,次による。
a) 顕微鏡で皮膜断面の写真を撮影し,皮膜の断面組織を観察する。
b) 顕微鏡の拡大倍率は,100400倍とする。
c) 撮影箇所は,3か所以上とする。それぞれが重ならないようにしなければならない。その例を図1に
――――― [JIS H 8304 pdf 7] ―――――
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示す。
図1−測定箇所の例
7.4 皮膜厚さ試験
皮膜厚さ試験は,JIS H 8401の5.(測微器による試験方法),6.(顕微鏡断面試験方法),7.(磁力式試験
方法)又は8.(渦電流式試験方法)のいずれかによる。また,測定箇所の数は,3か所以上とし,受渡当
事者間の協定によって測定箇所を増やしてもよい。測定した最小局部厚さをマイクロメートル(μm)単位
で示す数値を皮膜厚さを表す記号とする。
7.5 密着強さ試験
密着強さ試験は,JIS H 8402による。
7.6 皮膜硬さ試験
7.6.1 一般
研磨した皮膜表面又は断面について,JIS Z 2244に規定する方法によって硬さを測定する。
7.6.2 装置
装置は,JIS Z 2244の箇条5(装置)に規定するビッカース硬さ試験機を用いる。
7.6.3 試験片の作製
試験片は,試験片切断機を用いて製品から切り出し,湿式で皮膜側から切断する。
測定のための試験片の調整は,次による。
a) 寸法 試験片の寸法は,試験片を樹脂に埋め込み,鏡面にまで研磨を施す作業に適したもので,5か
所以上の硬度測定を行うことができる寸法とする。
b) 研磨 試験片を樹脂に埋め込み,研磨を施して鏡面に仕上げる。
c) 皮膜厚さ 鏡面研磨仕上げ後の皮膜厚さは,表面について測定する場合は0.3 mm以上の皮膜厚さ,
断面について測定する場合は0.1 mm以上の皮膜厚さとする。
7.6.4 操作
測定箇所は,平たん部を選び,気孔を避け,JIS Z 2244の箇条7(試験)によって硬さを測定する。大
きな割れがない圧痕について,少なくとも,5か所以上測定する。試験力は,0.980 7 N,1.961 N又は2.942
Nとする。
7.6.5 計算
7.6.4で得た5か所以上の硬さ測定結果の最終報告値を求める方法は,JIS Z 8402-6に規定する併行条件
で得た測定結果の採択性をチェックする方法に従い,各測定値から得られた併行標準偏差σr及び許容範囲
――――― [JIS H 8304 pdf 8] ―――――
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の係数f(n)によって得られる許容範囲CR0.95(n)に基づいて判定し,測定結果の範囲(xmax−xmin)がCR0.95(n)
を超えないときは,全部の平均値(χ)を最終報告値として用いる。範囲がCR0.95(n)を超える場合には,JIS
Z 8402-6で規定する方法に従い,最終報告値を算出する。
なお,併行標準偏差(σr)及び(σr/χ)も併記することが望ましい。
7.7 耐熱衝撃性
7.7.1 一般
耐熱衝撃試験は,受渡当事者間の協定によって電気炉による耐熱衝撃試験方法又は遮熱コーティングの
耐離性試験方法のいずれかによって行う。
7.7.2 電気炉による耐熱衝撃試験方法
電気炉による耐熱衝撃性試験は,次による。
a) 装置 装置は,次による。
1) 加熱炉 炉内温度を1 000 ℃まで加熱できる電気抵抗炉で,試験片を炉内に挿入した後,5分以内
に試験温度に再加熱できる加熱能力をもつものを用いる。
2) 温度調整器 試験温度を±5 ℃に調節できるものを用いる。
3) 加熱用試験片受け皿 耐熱材料製を用いる。平板の場合の一例を,図2に示す。
4) 冷却用水槽 加熱した試験片を水冷するために用いる水槽で,ステンレス鋼製が望ましい。
b) 試験片の作製 製品をそのまま試験片とするか,又は製品を長さ50 mm±1 mm,幅50 mm±1 mmに
切り出して試験片とする。試験片の切り出しには,顕微鏡試料作製用切断機を用い,湿式で皮膜側か
ら切断する。製品から切り出せない場合には,製品と同質の材料で製品と同一条件で作製した試験片
を用いる。この場合の試験片の寸法は,皮膜の見掛けの表面積20 cm2以上,かつ,厚さ5 mm±1 mm
の平板又は円盤とする。
c) 操作 操作は,次による。
1) 試験のための電気炉設定温度は,酸化ジルコニウムが68 %(質量分率)以上の材料については,
900 ℃±10 ℃とし,その他の材料については800 ℃±10 ℃とする。
2) 試験片を試験温度に保持された加熱炉に挿入し,炉内温度が再び試験温度に達した後,10分間±10
秒間保持して取り出し,直ちに水中に入れ急冷する。
注記 水中での急冷でなく,常温で空冷し,再び加熱炉へ挿入して上記の加熱,保持及び空冷を
10回操り返す操作を行ってもよい。
3) 急冷又は空冷した後,目視又は20倍までの拡大鏡を用いて皮膜の割れ,離又は浮き上がりの有無
を調べる。ただし,皮膜の切り口から1 mm以内にある欠陥は,判定に含めない。
図2−加熱用試験片(平板用)受け皿の一例
――――― [JIS H 8304 pdf 9] ―――――
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H 8304 : 2017
7.7.3 遮熱用コーティングの耐離性試験方法
遮熱用コーティングの耐離性試験方法は,JIS H 8451による。
7.8 耐食性試験
7.8.1 一般
耐食性試験は,受渡当事者間の協定によって塩水噴霧試験又は浸せき法のいずれかによって行う。
なお,必要な場合には,適切な封孔剤を用いて封孔処理を施す。
7.8.2 塩水噴霧試験
塩水噴霧試験は,JIS Z 2371による。ただし,試験片は70 mm(±1 mm)×150 mm(±1 mm)×1 mm
以上又は60 mm(±1 mm)×80 mm(±1 mm)×1 mm以上の平板とし,試験片切断機を用いて溶射加工
品から切り出した試験片,又は同寸法の基材の上に溶射成膜した試験片を用いる。受渡当事者間の協定に
よって他の寸法又は部材を用いてもよい。また,試験用塩溶液は,溶射製品の使用用途に応じて,中性塩,
酢酸塩又はキャス試験液のいずれかを用いる。試験結果の判定は,JIS Z 2371の箇条13 a)(腐食面積)又
は箇条13 b)(腐食減量)によるが,受渡当事者間の協定によって外観試験,顕微鏡写真による経過記録,
腐食の兆候が出るまでの経過時間を用いて判定してもよい。
7.8.3 浸せき法
浸せき法は,JIS H 8302の6.5(耐食性試験)による。
7.9 電気絶縁性試験
電気絶縁性は,JIS C 2110-2に規定する絶縁破壊の強さの試験方法によって,絶縁破壊電圧を7.4で求め
た皮膜の厚さで除した数値で示される絶縁破壊の強さを測定する。
8 検査
皮膜の検査は,その用途に応じて,箇条7によって試験し,箇条6の規定に適合したものを合格とする。
9 表示
全ての要求事項に適合した溶射皮膜には,検査報告書,送り状などに,次の事項を表示する。
a) 規格の名称又は規格番号
b) IS H 8250による溶射の記号
例1 TS-APS/Al2O3-1(200)/SE:G プラズマ溶射,酸化アルミニウム−1級,200 μm,封孔処理,機
械研削
例2 TS-RF/Cr2O3(500)/HRS:C 溶棒式フレーム溶射,酸化クロム,500 μm,耐熱封孔処理,機械
切削
例3 TS-APS/NiAl 95 5(100)/DT プラズマ溶射,ニッケルアルミニウム,100 μm,加熱拡散処理(ア
ンダーコート)
TS-APS/Al2O3-2(200)/SE:G プラズマ溶射,酸化アルミニウム−2級,200 μm,封孔処理,機
械研削
c) 加工業者名又はその略号
d) 加工年月日
――――― [JIS H 8304 pdf 10] ―――――
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JIS H 8304:2017の国際規格 ICS 分類一覧
- 25 : 生産工学 > 25.220 : 表面処理及び被覆加工 > 25.220.20 : 表面処理
JIS H 8304:2017の関連規格と引用規格一覧
- 規格番号
- 規格名称
- JISC2110-2:2016
- 固体電気絶縁材料―絶縁破壊の強さの試験方法―第2部:直流電圧印加による試験
- JISG3101:2015
- 一般構造用圧延鋼材
- JISG3101:2020
- 一般構造用圧延鋼材
- JISH8200:2006
- 溶射用語
- JISH8250:2007
- 溶射の記号による表示方法
- JISH8260:2007
- 溶射用粉末材料
- JISH8261:2007
- 溶射用の線材,棒材及びコード材
- JISH8302:2010
- 肉盛溶射(鋼)
- JISH8401:1999
- 溶射皮膜の厚さ試験方法
- JISH8402:2004
- 溶射皮膜の引張密着強さ試験方法
- JISH8451:2008
- 遮熱コーティングの耐はく離性試験方法
- JISH8451:2021
- 遮熱コーティングの熱サイクル試験方法及び熱衝撃試験方法
- JISZ2244:2009
- ビッカース硬さ試験―試験方法
- JISZ2371:2015
- 塩水噴霧試験方法
- JISZ8402-6:1999
- 測定方法及び測定結果の精確さ(真度及び精度)―第6部:精確さに関する値の実用的な使い方