JIS K 0088:1997 排ガス中のベンゼン分析方法 | ページ 2

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(c) 硝酸アンモニウム JIS K 8545に規定するもの。
(2) 試薬溶液の調製
(a) ニトロ化酸液 ビーカー500mlに硫酸約100mlをとり,これを水を半分程度入れたビーカー1lに浸
すなどして冷却しながら,粉末にした硝酸アンモニウム50gを少量ずつ加えて溶かし,更に硫酸を
加えて全量を約250mlにする。冷却後ガラス瓶に移し入れ,密栓して保存する。
4.4.2 器具及び装置
(1) 共栓付試験管 容量50mlで,10ml及び20mlの標線があるもの。
(2) 吸収瓶 図4に例示する目盛付吸収瓶 (25ml) を2個用意する。
図4 吸収瓶の一例
(3) 試料ガス採取装置 図5に例示する構成で,4.2.2(3.1)(3.4)の条件を備えていなければならない。

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図5 試料ガス採取装置の一例
4.4.3 採取操作 操作は,次のとおりとする。ここに示す装置の記号は図5による。
(1) あらかじめ乾かした吸収瓶2個 (F,H) を用意し,試料ガス採取の直前に,ニトロ化酸液10mlずつを
それぞれ入れる。1個は試料ガス用,1個はバイパス用とする。
(2) 吸収瓶 (F,H) を装置の所定の位置に接続し,吸引ポンプ (L) を作動させ,切換コック (P1,P2) を
バイパス側に回して,採取管 (B) から切換コック (P2) までの配管内を試料ガスで十分に置換する(11)。
(3) 切換コック (P1,P2) を回して試料ガスを吸収瓶に通す。吸引速度は0.51l/minとする。
(4) 試料ガス0.510lを採取した後(12),切換コック (P1,P2) をバイパス側に回し,吸引ポンプ (L) を停
止する。
(5) ガスメータ (M) の指示を0.01lのけたまで読み取り,ガスメータの温度計 (N) の温度,マノメータ
(O) のゲージ圧を測定する。また,大気圧を測定する。
(6) 吸収瓶 (F) を試料ガス採取装置から外す。
注(11) 排ガス中に水分が多く含まれているときは,除湿剤として,炭酸カリウム,硫酸カリウム,又
は硫酸マグネシウムなどを用い,約10lの排ガスをバイパス側に通してから採取する。
(12) 試料ガス採取量は,ベンゼンとして0.020.2ml(約80800 柿 になるようにする。
4.4.4 試料ガス採取量 次の式によって,標準状態 (0℃,103.32kPa [{760mmHg}]) における試料ガス採取
量を乾きガス量 (VsD) 又は湿りガス量 (VsW) として算出する。
(1) 乾きガス量で求める場合
(1.1) 湿式ガスメータを用いる場合
273.15 Pa Pm PV
VSD V 22.41(a b)
273.15 t 101.32
(1.2) 乾式ガスメータを用いる場合
273.15 Pa Pm
VSD Va 22.41(a b)
273.15 t 101.32

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(2) 湿りガス量で求める場合
(2.1) 湿式ガスメータを用いる場合
273.15 Pa Pm PV
VSW V 22.41(a b c)
273.15 t 101.32
(2.2) 乾式ガスメータを用いる場合
273.15 Pa Pm
VSW V 22.41(a b c)
273.15 t 101.32
ここに, VSD : 乾きガス量 (l)
VSW : 湿りガス量 (l)
V : ガスメータで測定したガス量 (l)
t : ガスメータにおける温度 (℃)
Pa : 大気圧 (kPa [{mmHg}])
Pm : ガスメータにおけるゲージ圧 (kPa [{mmHg}]) (13)
Pv : t℃における飽和水蒸気圧 (kPa [{mmHg}])
a(13) : 吸収液に捕集された分析対象成分ガス (mol)
b(13) : 吸収液に捕集された分析対象成分ガス以外のガス (mol)
c(13) : JIS Z 8808によって求めた水分の量 (mol)
注(13) 無視しても差し支えない場合が多い。
参考 圧力にmmHgを用いる場合には,式中の101.32を760とする。
5. 分析用試料溶液の調製 吸収瓶法の場合の分析用試料溶液の調製は,次のとおり行う。
(1) 水20mlを入れたビーカー100mlに,試料ガスを吸収した吸収瓶 (F) の内容液(ニトロ化酸液)を水
で冷却しながら少量ずつ水で洗い移す。
(2) 冷却後,更に全量フラスコ50mlに水で洗い移す。水を標線まで加え,分析用試料溶液とする。
6. 定量方法
6.1 ガスクロマトグラフ法
6.1.1 試薬及び試薬溶液の調製
(1) 試薬及び高圧ガス
(a) ベンゼン JIS K 8858に規定するもの。
(b) ヘキサン JIS K 8848に規定するもので,6.1.3の測定条件で操作したとき,ベンゼン又は妨害成分
が検出されないもの。
(c) ヘリウム 高圧ガス。窒素を用いてもよい。
(d) 水素 高圧ガス
(e) 空気 高圧ガス
(2) 試薬溶液などの調製
(a) ベンゼン−ヘキサン溶液 全量フラスコ100mlにベンゼンを正確に10mlとり,ヘキサンを標線ま
で加え,よく振り混ぜて原液とする。低濃度ベンゼン測定用には,この原液をヘキサンで2550
倍に薄めて希釈溶液とする。
(b) 検量線用標準ガス(14) あらかじめ内部を窒素で洗浄,置換しておいた6.1.2(1)のガス捕集瓶数本に,
ベンゼン−ヘキサン原液の140 階的にマイクロシリンジで正確にとって注入し揮発させる。
これらの検量線用標準ガス1mlは,ベンゼン−ヘキサン溶液注入量を 愀 ガス捕集瓶の容積を1

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000mlとすれば,気体ベンゼンとして0.252×愀一 0℃,101.32kPa [{760mmHg}]),又はベン
0.879× 愀一 最 ‰
注(14) 浸透拡散管を使用する校正ガス調製装置によって調製したものを用いてもよい。
6.1.2 器具及び装置
(1) ガス捕集瓶 図6に例示する1 000ml程度の容積をもつガラス製の瓶。容積をJIS K 0050の9.3.2(全
量フラスコ)に準じて器差づけしておく。
図6 ガス捕集瓶の一例
(2) マイクロシリンジ 液体用の全量10,50 び気体用の全量5mlのもの。
(3) 気化導入装置 濃縮管に捕集したベンゼンを,ガスクロマトグラフへ導入するための装置で,図7に
示す加熱器,温度調節器及び切換コックから成る。
図7 気化導入装置の一例
(4) ガスクロマトグラフ 水素炎イオン化検出器 (FID) を備えたもの。キャリヤーガスにはヘリウム又は
窒素,検出器の燃料ガスには水素,助燃ガスには空気を用いる。
(5) カラム 次のいずれかを用いる。
(a) 充てんカラム 内面をよく洗浄した内径34mm,長さ35mのほうけい酸ガラス管,ステンレス
鋼管又はふっ素樹脂管を用い,塩酸で十分に洗浄した後,水洗,乾燥した白色けいそう土担体(粒
径149250 に適当な固定相液体(15)を2030%含浸させた充てん剤をこれに詰めたもの。
(b) キャピラリーカラム 内径0.11mm程度,長さ1060m程度の溶融シリカ管,ほうけい酸ガラス
管又はステンレス鋼管の内面に適当な固定相液体(16)を塗布又は化学結合させたもの。
注(15) ,N‐ビス(2‐シアノエチル)ホルムアミド,1,2,3‐トリス(2‐シアノエトキシ)‐プロ
パン,ポリエチレングリコール1500,シリコーン油などで,試料中のベンゼンが単離でき

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るもの。
(16) メチルシリコン,フェニルメチルシリコン系などの無極性又は微極性若しくはポリエチレ
ングリコール系の中極性液体で,試料中のベンゼンが単離できるもの。
6.1.3 定量操作 操作は次のとおり行う。
(1) ガスクロマトグラフを作動状態とする。測定条件は,次のとおりとする。
(充てんカラムを用いる場合)
カラム温度 7080℃
キャリヤーガス流量 3560ml/min
燃料ガス流量 3550ml/min
助燃ガス流量 0.40.6ml/min
(キャピラリーカラムを用いる場合)
カラム温度 5080℃(昇温を行う場合は40120℃)
キャリヤーガス流量(17) 0.130ml/min
分岐比(18) 1 : 01 : 40
付加ガス(メイクアップガス)流量 3560ml/min
燃料ガス流量 3050ml/min
助燃ガス流量 0.40.6ml/min
(2) 試料ガスを次のいずれかの操作によってガスクロマトグラフに導入し,ガスクロマトグラムを記録す
る。
(a) 捕集バッグ法の場合 4.2によって試料ガスを採取した後,捕集バッグのシリコーンゴムパッキン栓
に気体用シリンジを刺して,試料ガスを正確に一定量 (25ml) とる。ガスクロマトグラフに導入
し,ガスクロマトグラムを記録する。
(b) 濃縮法の場合 4.3によって試料ガスを採取した濃縮管にシリコーンゴム栓と注射針を取り付け,こ
れを図7のように気化導入装置に接続する。しばらくキャリヤーガスをカラムに流した後,切換コ
ックを切り換えて濃縮管にキャリヤーガスを流す。記録計の指示が安定した後,濃縮管を200℃ま
で約1分間で加熱昇温させ,試料をガスクロマトグラフへ導入し,ガスクロマトグラムを記録する。
(3) クロマトグラム上のベンゼンに相当するピークについて,ピーク面積を求める。
(4) 試料ガスの代わりにベンゼンを除去した窒素又は空気を用い,濃縮法の場合は,4.3.3に準じて試料ガ
ス採取操作を行った後,(1)(3)に準じて操作して空試験値を求める。
(5) 6.1.4によって作成した検量線からベンゼン量( は 柿 を求める。
注(17) キャピラリーカラムの内径によって流量は異なる。
(18) キャピラリーカラムの内径,ベンゼン濃度などによって分岐比を適宜選択する。
6.1.4 検量線の作成
(1) 捕集バッグ法の場合 6.1.1(2)(b)で調製した検量線用標準ガスの入った数個のガス捕集瓶から,気体用
シリンジを用いてそれぞれその一定量 (0.25ml) をとり,6.1.3(1)(4)[操作(2)は(a)による。]に準
じて操作を行う。気体ベンゼンの体積 ( は質量 ( 最 ‰ 空試験の値を差し引いたピーク面積
の関係線を作成する。
(2) 濃縮法の場合 6.1.1(2)(b)で調製した検量線用標準ガスの入った数個のガス捕集瓶から気体用シリン
ジを用いて一定量 (0.25ml) をとり,4.3.2(1)で調製した濃縮管に注入する。以下6.1.3(1)(4)[操作
(2)は(b)による。]に準じて操作を行う。気体ベンゼンの体積 ( は質量 ( 最 ‰ 空試験の値を

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