JIS K 0088:1997 規格概要
この規格 K0088は、排ガス中のベンゼンを分析する方法について規定。
JISK0088 規格全文情報
- 規格番号
- JIS K0088
- 規格名称
- 排ガス中のベンゼン分析方法
- 規格名称英語訳
- Methods for determination of benzene in flue gas
- 制定年月日
- 1975年8月1日
- 最新改正日
- 2016年10月20日
- JIS 閲覧
- ‐
- 対応国際規格
ISO
- 国際規格分類
ICS
- 13.040.40, 71.040.40
- 主務大臣
- 経済産業
- JISハンドブック
- 環境測定 I-1 2021, 環境測定 I-2 2021, 環境測定 II 2021
- 改訂:履歴
- 1975-08-01 制定日, 1978-09-01 確認日, 1983-02-01 改正日, 1988-04-01 確認日, 1997-08-20 改正日, 2002-07-20 確認日, 2007-02-20 確認日, 2011-10-20 確認日, 2016-10-20 確認
- ページ
- JIS K 0088:1997 PDF [13]
日本工業規格(日本産業規格) JIS
K 0088-1997
排ガス中のベンゼン分析方法
Methods for determination of benzene in flue gas
1. 適用範囲 この規格は,排ガス中のベンゼンを分析する方法について規定する。
備考1. この規格において,排ガスとは,燃料などの燃焼,その他の化学反応工程,石油関連工場に
おける作業工程などにおいて,煙道,煙突,ダクト(以下,ダクトという。)などに排出され
るガスをいう。
2. この規格の引用規格を,付表1に示す。
3. この規格の中で [{}] を付けて示してある単位及び数値は,従来単位によるものであって,
参考として併記したものである。
2. 共通事項 化学分析方法,排ガスの試料採取方法,ガスクロマトグラフ分析方法,吸光光度分析方法
及びガスクロマトグラフ質量分析方法に共通する事項については,それぞれJIS K 0050,JIS K 0095,JIS
K 0114,JIS K 0115,JIS K 0123による。
3. 分析方法の種類及び概要 分析方法の種類及び概要は,表1のとおりとする。
表1 分析方法の種類及び概要
分析方法の種類 分析方法の概要 適用条件
要旨 試料採取 定量範囲
volppm
(mg/m3N) (1)
ガスクロマトグ 捕集バッグ法
試料ガスを直接,又は常温吸着濃 捕集バッグ法
ラフ法(2) 標準採取量 : 1l
縮した後,水素炎イオン化検出器 0.062 500
付ガスクロマトグラフに導入し (0.28 700)
てクロマトグラムを記録する。 濃縮法 濃縮法
標準採取量 : 200ml 0.001 550
(0.005175)
ジニトロベンゼ 試料ガスを硝酸アンモニウム― 吸収瓶法 2 20 6.2.1による。
ン吸光光度法(3) 吸収液 : ニトロ化酸液
硫酸に通して,ベンゼンをニトロ (7700)
液量 : 10ml
化した後,中和し,2-ブタノンで
標準採取量 : 10l
抽出する。アルカリを加えて発色
させ,吸光度 (560nm) を測定す
る。
――――― [JIS K 0088 pdf 1] ―――――
2
K 0088-1997
注(1) 単位の“N”はNormalの頭文字であり,標準状態(0℃,1気圧)を示している。
(2) 定量下限は,捕集バッグ法では試料ガス5ml,濃縮法では試料ガス200ml相当をガスクロマトグラフ
に導入した場合を示した。濃縮法では試料ガス1l相当の導入も可能である。また,備考にガスクロ
マトグラフ質量分析法を用いることができることを規定している。
(3) 定量範囲は,試料ガス10lを通した吸収液 (10ml) を50mlに薄めて分析用試料溶液とした場合を示し
た。
4. 試料ガス採取方法
4.1 採取方法の種類及び共通事項 試料ガスの採取方法は,捕集バッグ法,濃縮法及び吸収法による。
分析に用いる試料ガスの採取位置は,代表的なガスが採取できる点を選び,同一採取位置において接近し
た時間内に,試料ガスを2回以上採取して分析することが望ましい。
4.2 捕集バッグ法 この方法は,ガスクロマトグラフ法に適用する。
4.2.1 試薬及び試薬溶液の調製
(1) 試薬
水酸化ナトリウム JIS K 8576に規定するもの。
(2) 試薬溶液の調製
水酸化ナトリウム溶液 (40g/l) 洗浄瓶に入れるもので,水酸化ナトリウム4gを水に溶かし100ml
とする。
4.2.2 器具及び装置
(1) 捕集バッグ(4) 図1に例示するふっ素樹脂又はポリエステル系フィルム製の袋で,容積は15l,ふ
っ素樹脂製のスリーブ及びシリコーンゴムパッキン付き栓を備えたもの。吸引用気密容器に入れて試
料ガスを採取する。
参考 市販品には,テドラーバッグなどがある。
(2) 吸引用気密容器 図1に例示する形状で,透明樹脂製。捕集バッグを入れて試料ガスを採取できる大
きさで,気密にできるもの。試料ガス採取用の導管 (R1) を接続できるコック (P3) 及び容器内を排気
するための導管 (R2) を接続できるコック (P4) を備える。
図1 捕集バッグ及び吸引用気密容器の一例
(3) 試料ガス採取装置 図2に例示する構成のうち,濃縮法で用いる部分を除いたものとし,次の条件を
備えていなければならない。
(3.1) 採取管 (B) は,排ガス中の腐食性ガスによって侵されない材質,例えば,ガラス管,石英ガラス管,
四ふっ化エチレン樹脂管などを用いる。
(3.2) 試料ガス中にダストなどが混入することを防ぐため,採取管の先端又は適当な位置に適当なろ過材
――――― [JIS K 0088 pdf 2] ―――――
3
K 0088-1997
(5)を詰める。
(3.3) 試料ガス中の水分が凝縮することを防ぐため,採取管からコック (P1) までの間を加熱できる構造
(6)とする。
なお,この間の接続部分は,すり合わせ継ぎ手管,シリコーンゴム管又は四ふっ化エチレン樹脂
管などを用いる。
(3.4) 装置各部の接続に漏れがないように組み立てる。
図2 試料ガス採取装置の一例
注(4) ベンゼンが低濃度の場合には,捕集バッグの代わりにキャニスター(捕集缶)を用いてもよい。
(5) 排ガス中の成分と化学反応を起こさないもの,例えば,シリカウール,無アルカリガラスウー
ルを用いる。
(6) 配管はできるだけ短くし,水分が凝縮して測定値に影響するおそれがある場合には,採取管 (B)
からコック (P1) までの間を120℃程度に加熱する。
4.2.3 採取操作 操作は,次のとおり行う。ここに示す装置の記号は,図2の記号を示す。また,切換コ
ックの向きは図2のような配列の場合について示す(7)(8)。
(1) 吸引用接続口 (Q2) と捕集バッグの導管 (R1) とを接続し,コック (P3) 及び吸引用気密容器のコック
(P4) を開き,切換コック (P2) を吸引ポンプ側に回し,吸引ポンプ (L) を作動させて,捕集バッグ
内を脱気する。十分に脱気した後,切換コック (P2) を閉じ ,吸引ポンプ (L) を停止させる。コッ
ク (P3) も閉じる。
――――― [JIS K 0088 pdf 3] ―――――
4
K 0088-1997
(2) 捕集バッグの導管 (R1) を試料採取用接続口 (Q1) につなぎ換え,吸引用気密容器の導管 (R2) と吸引
用接続口 (Q2) とを接続する。
(3) 切換コック (P1,P2) をバイパス側に回した後(P1は),P2は ),吸引ポンプ (L) を作動させて,
試料ガス採取管 (B) から切換コック (P1) までの配管内を試料ガスで十分に置換する。
(4) 切換コック (P1) を捕集バッグ側に回し ,コック (P3) を開き,切換コック (P2) を吸引用気密容器
側に回して ,捕集バッグ内に試料ガスを約12l採取する。
(5) 切換コック (P1,P2) を回し(P1は,P2は),コック (P3) を閉じる。吸引ポンプ (L) を停止する。
(6) ガスメータの温度計 (N) によってガスの温度を測定する。
(7) 捕集バッグの導管 (R1) 及び吸引用気密容器の導管 (R2) を試料ガス採取装置から外す。
注(7) ここの操作は,試料ガス採取装置の吸引ポンプ (L) を利用して,捕集バッグの脱気と試料ガス
の採取を行うようになっているが,操作(1)と操作(4)は吸引用気密容器に別のポンプが附属して
いれば,それを用いて行えばよい。この場合,R2とQ2との接続も必要ない。
(8) 捕集バッグの代わりに,キャニスターを用いる場合には,4.2.3の操作に準じ,吸引用接続口 (Q2)
に接続して内部を真空にした後,試料採取用接続口 (Q1) につなぎ換えて試料ガスを採取する。
排ガス用に用いたものを大気用に用いてはならない。なお,キャニスター内部の洗浄は,メタ
ノール,水の順で洗い,真空に引いた後,清浄な空気を入れ,加熱して約8時間保持する。次
いで真空に引いておく。
4.3 濃縮法 この方法は,低濃度試料の場合のガスクロマトグラフ法に適用する。
4.3.1 試薬,材料
(1) アセトン JIS K 8034に規定するもの。
(2) 多孔性ポリマービーズ ベンゼンの捕集剤で,4.3.2(1)の濃縮管に0.6gを詰め,20℃において,ベンゼ
ンを50ppm程度含む試料ガスを1l吸引しても,ベンゼンが流出せず,また200℃に加熱して脱離した
とき,ベンゼンの回収率が95%以上のものを用いる。
4.3.2 器具及び装置
(1) 濃縮管 図3に示すガラス製のもので,内部をアセトンで洗浄し,乾燥後,多孔性ポリマービーズ0.6g
を詰め,両端をシリカウールでふさぐ。一端はステンレス鋼注射針,他端は注射筒を装着できるよう
にすり合わせとする。これを窒素気流中で230℃に約2時間加熱し,分析上の妨害となる不純物を除
去しておく。
なお,保存時には両端にシリコーンゴム栓を必ず施し,密封しておくこと。注射針を装着した場合
には,装着部分の気密を保つため,ふっ素樹脂系のテープを巻いておく。
図3 濃縮管 (U) の一例
(2) ステンレス鋼注射針
(3) 注射筒 ガラス製コックをつけた容量200mlのもの。JIS K 0050の9.3.1(全量ピペット)に準じて器
差づけしたもの。
――――― [JIS K 0088 pdf 4] ―――――
5
K 0088-1997
(4) 試料ガス採取装置 4.2.2(3)に同じ。ただし,図2の捕集バッグ法を用いる部分を除いたもの。
4.3.3 採取操作 操作は,次のとおり行う(9)。ここに示す装置の記号は図2による。
(1) 試料採取用接続口 (Q1) にシリコーンゴム栓をはめる。
(2) 4.2.3(3)と同様に操作して,試料ガス採取管 (B) から切換コック (P1) までの配管内を試料ガスで十分
に置換する。
(3) コック (P5) をつけた注射筒 (V) をつないだ濃縮管 (U) の先端に注射針を取り付け,試料採取用接続
口 (Q1) のシリコーンゴム栓に刺し,切換コック (P1) を濃縮管側に回し,約0.2l/minの吸引速度で
注射筒 (V) のピストンを引く。
(4) 試料ガスをベンゼン濃度に応じて20200ml吸引した後,吸引を止め,注射筒をつないだ濃縮管 (U)
を試料ガス採取装置から外し,コック (P5) を閉じ,直ちに注射筒 (V) の目盛を読む。
(5) 濃縮管 (U) からコックをつけた注射筒 (V) を外し,濃縮管の両端にふっ素樹脂栓をはめ密封してお
く。
(6) ガスメータの温度計 (N) の温度と,マノメータ (O) のゲージ圧を測定する。また,大気圧を測定す
る
注(9) 注射筒の代わりに捕集バッグに採取した試料ガスを濃縮管に通してもよい。この場合には,4.3.3
及び4.4.3の操作に準じて行う。ただし,試料ガスの濃縮管への吸引は,図2の吸引用接続口 (Q2)
を利用して行うことができる。この方法では,試料ガスを1l程度まで採取できる。なお,試料
ガス採取量は4.4.4によって算出する。
4.3.4 試料ガス採取量 次の式によって標準状態 (0℃,101.32kPa [{760mmHg}]) における試料ガス採取量
を乾きガス量 (VSD) 又は湿りガス量 (VSW) として算出する。
(1) 乾きガス量を求める場合
273.15 Pa PV
VSD Va
273.15 t 101.32
(2) 湿りガス量を求める場合
273.15 Pa PV
VSW Va 22.41c
273.15 t 101.32
ここに, VSD : 乾きガス量 (ml)
VSW : 湿りガス量 (ml)
Va : 注射筒 (S) 内に吸引した試料ガスの採取目盛の読み (ml)
t : ガスメータにおける温度 (℃)
Pa : 大気圧 (kPa [{mmHg}])
Pv : t℃における飽和水蒸気圧 (kPa [{mmHg}])
c(10) : JIS Z 8808で求めた排ガス中の水分量 (mmol)
273.15 : 0℃における絶対温度 (K)
101.32 : 1気圧に対応する圧力 (kPa)
22.41 : 標準状態における気体1mmolの体積 (ml)
注(10) 無視しても差し支えない場合が多い。
4.4 吸収瓶法 この方法は,ジニトロベンゼン吸光光度法に適用する。
4.4.1 試薬及び試薬溶液の調製
(1) 試薬
(a) 水 JIS K 0557に規定する種別A2のもの。
(b) 硫酸 JIS K 8951に規定するもの。
――――― [JIS K 0088 pdf 5] ―――――
次のページ PDF 6
JIS K 0088:1997の国際規格 ICS 分類一覧
- 13 : 環境.健康予防.安全 > 13.040 : 気質 > 13.040.40 : 固定施設からの発生ガス
JIS K 0088:1997の関連規格と引用規格一覧
- 規格番号
- 規格名称
- JISK0050:2019
- 化学分析方法通則
- JISK0095:1999
- 排ガス試料採取方法
- JISK0114:2012
- ガスクロマトグラフィー通則
- JISK0115:2004
- 吸光光度分析通則
- JISK0115:2020
- 吸光光度分析通則
- JISK0123:2018
- ガスクロマトグラフィー質量分析通則
- JISK0557:1998
- 用水・排水の試験に用いる水
- JISK8034:2006
- アセトン(試薬)
- JISK8102:2012
- エタノール(95)(試薬)
- JISK8545:2007
- 硝酸アンモニウム(試薬)
- JISK8574:2006
- 水酸化カリウム(試薬)
- JISK8576:2019
- 水酸化ナトリウム(試薬)
- JISK8799:2020
- フェノールフタレイン(試薬)
- JISK8848:2012
- ヘキサン(試薬)
- JISK8858:2007
- ベンゼン(試薬)
- JISK8900:2012
- 2-ブタノン(試薬)
- JISK8951:2006
- 硫酸(試薬)
- JISZ8808:2013
- 排ガス中のダスト濃度の測定方法