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5.2.1 滴定曲線又はその微分曲線の作成方法 指示電位差(2)又はpHをY,滴定用溶液の体積をXとし,
滴定曲線又はその微分曲線を作成する。終点付近の曲線の形が明りょうに描けるように留意する。ただし,
電量滴定の場合は,滴定剤添加装置に供給した電気量又はそれから求めた滴定剤の量をXとする。
注(2) 混乱のおそれがないときには,その絶対値をYとしてもよい。
5.2.2 終点決定方法 終点決定方法は,次による。
a) 滴定曲線を用いる場合は,次のいずれかによる。
1) 変曲点法 滴定曲線の変曲点 又は 滴定曲線の傾斜が最大の点を必要な精度で決定できるときは,
その点の横軸の読みを終点とする。
2) 交点法 図2に示すように滴定曲線に45°の傾きの二つの接線を引き,これらから等距離にある平
行な線と滴定曲線との交点に対応する横軸の読みを終点とする。
b) 滴定曲線の微分曲線を用いる場合は,図3に示すように電位差変化率の絶対値が最大となる点の横軸
の読みを終点とする。
指 電
示 位
電 差
位差 変化
率
終点 終点
加えた滴定用溶液の体積 加えた滴定用溶液の体積
図 2 終点決定方法(一例) 図 3 終点決定方法(一例)
5.2.3 手動滴定 手動滴定は,次による。
a) 滴定曲線の作成方法は,5.2.1による。
b) 終点決定方法は,5.2.2による。
c) その他の操作は,JIS K 0050による。
5.2.4 自動滴定 自動滴定には,自動終点検出形の滴定又は終点電位設定形の滴定がある。
a) 自動終点検出形の滴定 電位差変化率が最大になる点を検出し,これを終点として,滴定用溶液の体
積又は滴定剤添加装置に供給した電気量若しくはそれを用いて演算処理した結果を表示し又は記録す
る。
b) 終点電位設定形の滴定 指示電位差が,あらかじめ設定しておいた値に達したときを終点として,滴
定用溶液の体積又は滴定剤添加装置に供給した電気量若しくはそれを用いて演算処理した結果を表示
し又は記録する。
5.3 記録の整理
電位差滴定に当たっては,次のうち必要な事項を整理し,記載する。ただし,電量滴
定の場合は,7.3 による。
――――― [JIS K 0113 pdf 6] ―――――
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a) 測定年月日及び測定者名
b) 電位差滴定装置の製造業者名及び形式記号(附属装置がある場合は,その名称及び形式。)
c) 被滴定溶液の調製方法
d) 滴定用溶液の組成,標定方法及び標定の際に用いた標準液名又は標準物質名(更に, 滴定用溶液が市
販品の場合は,製造業者名及び識別番号。)
e) 指示電極及び参照電極の種類並びに仕様
f) 滴定条件(温度,かき混ぜ条件,滴定速度,不活性気体の通気の有無など。)
g) 終点までに要した滴定用溶液の体積及び終点における指示電位差又はpHの値(終点電位設定形の自動
滴定の場合は,あらかじめ設定した指示電位差又はpHの値。)
h) 滴定結果
i) その他の事項
5.4 保守及び管理
5.4.1 電位差滴定装置の設置 電位差滴定装置は,次の条件を備えた場所に設置する。
a) 温度535 ℃,相対湿度85 %以下で急激な変化を生じない。
b) 振動,水漏れがなく,直射日光が当たらない。
c) 腐食性ガス及びほこりが少なく,換気性がよい。
d) 障害となるような電気的雑音がない。
5.4.2 安全についての注意事項
a) 電気配線は,すべて電気的に安全であり,絶縁及び接地は,確実でなければならない。
b) 試料及び試薬の取扱いは,爆発性,引火性,毒性,有害性などに十分注意して行い,これらの廃棄に
当たっては,安定化,無害化などに配慮しなければならない。
5.5 個別規格に記載すべき事項
電位差滴定方法による分析方法を規定するに当たっては,少なくとも
次の各項目を規定しなければならない。ただし,電量滴定方法による場合は,7.5による。
a) 測定対象成分及び濃度範囲
b) 試料の採取方法及び保存方法
c) 被滴定溶液の調製方法
d) 滴定用溶液の成分,濃度範囲及び標定方法
e) 指示電極及び参照電極の種類並びに仕様
f) 終点決定方法
g) 滴定回数
h) 分析結果の表示方法
備考 フローインジェクション滴定方法を用いてもよい。滴定方法の詳細は,JIS K 0126による。
6. 電流滴定方法
6.1 装置
6.1.1 構成 電流滴定装置は,滴定部,制御部及び表示記録部で構成する。その一例を図4及び図5に示
す。
6.1.2 滴定部 滴定部は,滴定槽,検出器及び滴定剤添加装置で構成する。
a) 滴定槽 滴定槽は,5.1.2 a)による。
b) 検出器 一つの指示電極を用いる電流滴定方法の場合には,検出器は,指示電極,参照電極及び補助
――――― [JIS K 0113 pdf 7] ―――――
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電極で構成する。参照電極を補助電極と兼用するときには,参照電極の表面積は,指示電極の表面積
の100倍以上とし,かつ,内部抵抗は500 Ω以下とする。二つの指示電極を用いる電流滴定方法の場
合には,検出器は,材料及び形状が同じ一対の指示電極で構成する。
滴 定 部
滴 定 槽
制 表
検 指示電極
御 示
出 部 記
参照電極
器 録
補助電極
部
滴定剤添加装置
図 4 電流滴定装置(一つの指示電極を用いる場合)の構成 (一例)
滴 定 部
滴 定 槽 表
検 制 示
指示電極
出 御 記
器
指示電極 部 録
又は
参照電極 部
滴定剤添加装置
図 5 電流滴定装置(二つの指示電極を用いる場合)の構成 (一例)
c) 滴定剤添加装置 滴定剤添加装置は,5.1.2 c)による。
6.1.3 制御部 制御部は,指示電流を増幅して表示記録部,滴定剤添加装置などを作動させる性能をもつ
部分とポテンシオスタットとで構成する。ポテンシオスタットは,参照電極に対する指示電極の電位又は
二つの指示電極間の電位差を制御する。参照電極を補助電極に兼用する場合又は二つの指示電極を用いる
場合には,ポテンシオスタットに代えて定電圧直流電源を用いてもよい。
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6.1.4 表示記録部 表示記録部は,指示電流を表示又は記録する。必要に応じて,滴定曲線,滴定結果な
どを表示又は記録する装置を附属させる。
6.1.5 装置の点検 装置の点検は,次による。
a) 日常点検 5.1.5 a)による。
b) 定期点検 装置の点検は,据付時及び定期的に行う。
1) 制御部及び表示記録部については,電気的試験装置(標準電圧発生器など)を用いて,印加電圧・
電流の直線性,入力電圧・電流の直線性及び繰返し性試験を行う。
2) 滴定剤添加装置については,添加量精度及び繰返し性試験を行う。
備考 より信頼性の高い結果を要求される場合は,国際標準に対してトレーサビリティーのある試験
装置を使用する。
6.2 操作
6.2.1 滴定曲線の作成方法 指示電流をY,滴定用溶液の体積をXとして,滴定曲線を作成する。終点付
近の曲線の形が明りょうに描けるように留意する。ただし,電量滴定の場合には,滴定剤添加装置に供給
した電気量又はそれから求めた滴定剤の量をXとする。
6.2.2 終点決定方法 滴定曲線は,通常,二つの直線部分を含む曲線からなる。直線部分をそれぞれ外挿
して交点を求め,その点の横軸の読みを終点とする。終点決定方法の一例を,図6及び図7に示す。
指 指
示 示
電 電
流 流
終点 終点
加えた滴定用溶液の体積 加えた滴定用溶液の体積
図 6 終点決定方法(一例) 図 7 終点決定方法(一例)
6.2.3 手動滴定 手動滴定は,次による。
a) 滴定曲線の作成方法は,6.2.1による。
b) 終点決定方法は,6.2.2による。
c) その他の操作は,JIS K 0050による。
6.2.4 自動滴定 自動滴定には,終点電流設定形の滴定又は滴定曲線自動記録形の滴定がある。
a) 終点電流設定形の滴定 指示電流があらかじめ設定しておいた値に達したときを終点とし,滴定用溶
液の体積又は滴定剤添加装置に供給した電気量若しくはそれを用いて演算処理した結果を表示し又は
記録する。
b) 滴定曲線自動記録形の滴定 滴定曲線を記録する。終点決定方法は,6.2.2による。
――――― [JIS K 0113 pdf 9] ―――――
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6.3 記録の整理
電流滴定に当たっては,次のうち必要な事項を整理し記載する。ただし,電量滴定の
場合は,7.3による。
a) 測定年月日及び測定者名
b) 電流滴定装置の製造業者名及び形式記号(附属装置がある場合は,その名称及び形式。)
c) 被滴定溶液の調製方法
d) 滴定用溶液の組成,標定方法及び標定の際に用いた標準液名又は標準物質名(更に, 滴定用溶液が市
販品の場合は,製造業者名及び識別番号。)
e) 指示電極,参照電極及び補助電極の種類並びに仕様
f) 滴定条件(温度,かき混ぜ条件,滴定速度,不活性気体の通気の有無など。)
g) 参照電極に対する指示電極の電位又は二つの指示電極の間の電位。
h) 終点までに要した滴定用溶液の体積及び終点における指示電流値(終点電流設定形の自動滴定の場合
は,あらかじめ設定した指示電流値。)
i) 滴定結果
j) その他の事項
6.4 保守及び管理
5.4による。
6.5 個別規格に記載すべき事項
電流滴定方法による分析方法を規定するに当たっては,少なくとも次
の各項目を規定しなければならない。ただし,電量滴定方法による場合は,7.5による。
a) 測定対象成分及び濃度範囲
b) 試料の採取方法及び保存方法
c) 被滴定溶液の調製方法
d) 滴定用溶液の成分,濃度範囲及び標定方法
e) 指示電極及び参照電極の種類並びに仕様
f) 参照電極に対する指示電極の電位又は二つの指示電極の間の電位差
g) 終点決定方法
h) 滴定回数
i) 分析結果の表示方法
7. 電量滴定方法
7.1 装置
7.1.1 構成 電量滴定装置は,滴定部,制御部及び表示記録部で構成する。その一例を,図8に示す。
――――― [JIS K 0113 pdf 10] ―――――
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JIS K 0113:2005の引用国際規格 ISO 一覧
- ISO 760:1978(MOD)
JIS K 0113:2005の国際規格 ICS 分類一覧
JIS K 0113:2005の関連規格と引用規格一覧
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- JISK0050:2019
- 化学分析方法通則
- JISK0126:2019
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- JISK0211:2013
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- (+)-酒石酸ナトリウム二水和物(試薬)
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- 2-メトキシエタノール(試薬)
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- よう素(試薬)