JIS K 0113:2005 電位差・電流・電量・カールフィッシャー滴定方法通則 | ページ 4

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備考 市販の水−メタノール溶液を用いてもよい。
8.1.3 操作 操作は,次による。
a) 直接滴定方法
1) 試料に適した滴定溶媒(4)を滴定槽に入れる。カールフィッシャー試薬溶液で終点まで滴定する(5)。
注(4) 滴定溶媒の使用量は,滴定槽の容量及び形状によって適宜決める。
(5) 滴定溶媒中及び滴定槽中に残存する水分による誤差をなくすために行う操作である。したがっ
て,この場合に消費されたカールフィッシャー試薬溶液の体積は,計算に用いないので記録す
る必要はない。
2) 試料を正しくはかりとり,この滴定槽に速やかに加え,かき混ぜ機でかき混ぜながらカールフィッ
シャー試薬溶液で終点まで滴定する。
3) 試料中の水分の質量百分率は,次の式によって算出する。
F Vc
W 100
ms
ここに, W : 水分の質量百分率(%)
Vc : 終点までに要したカールフィッシャー試薬溶液の体積(ml)
F : カールフィッシャー試薬溶液の力価(mg/ml)
ms : 試料の質量(mg)
b) 逆滴定方法
1) 試料に適した滴定溶媒(4) を滴定槽に入れる。カールフィッシャー試薬溶液で終点まで滴定する(5)。
2) 試料を正しくはかりとり,この滴定槽に速やかに加え,かき混ぜ機でかき混ぜる。
3) これにカールフィッシャー試薬溶液を必要な体積より更に数ミリリットル(ml)過剰に加え,加えた
カールフィッシャー試薬溶液の全体積を正確にはかっておく。
4) 水―メタノール溶液で終点まで逆滴定する。
5) 試料中の水分の質量百分率は,次の式によって求める。
Vd F Vm
W 100
ms
ここに, W : 水分の質量百分率 (%)
Vd : 加えたカールフィッシャー試薬溶液体積 (ml)
F : カールフィッシャー試薬溶液の力価 (mg/ml)
Vm : 終点までに要した水―メタノール溶液の体積 (ml)
ρ : 水−メタノール溶液の水の質量濃度 (mg/ml)
ms : 試料の質量 (mg)
c) 測定精度確認 正しく測定されていることを確認するため,標準品による確認試験を行う。標定時に
用いた,標準品の種類、採取量のいずれかを変え,標準品の水分の質量濃度の測定を3回以上行う。
備考 一般に,測定結果は,標準品の既知水分質量濃度の95105 %である。
8.1.4 記録の整理 カールフィッシャー滴定における容量滴定に当たっては,次のうち必要な事項を整理
し記載する。
a) 年月日及び測定者
b) カールフィッシャー滴定用容量滴定装置の製造業者名及び形式記号(附属装置がある場合は,その名
称及び形式。)
c) 被滴定溶液の調製方法
d) カールフィッシャー試薬溶液(市販品の場合は,製造業者名及び商品名。)の力価

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e) 水―メタノール溶液(市販品の場合は,製造業者名及び商品名。)の水の質量濃度
f) 滴定溶媒の組成(市販品の場合は,製造業者名及び商品名。)
g) その他の滴定条件(温度,かき混ぜ条件,滴定速度,不活性気体の通気の有無など。)
h) 直接滴定方法の場合には,終点までに要したカールフィッシャー試薬溶液の体積。逆滴定方法の場合
には,加えたカールフィッシャー試薬溶液の体積及び終点までに要した水−メタノール溶液の体積。
i) 滴定結果
j) その他の事項

8.2 電量滴定方法

8.2.1  装置 装置は,次による。
a) 構成 自動滴定装置は,滴定部,制御部及び表示記録部で構成する。その一例を,図10に示す。
b) 滴定部 滴定部は滴定槽,検出器及び滴定剤添加装置で構成する。
滴 定 部
滴 定 槽

検 出 器 制 示
御 記
滴定剤添加装置
部 録
よう素発生電極

対 極
図 10 電量滴定方法自動滴定装置の構成 (一例)
1) 滴定槽 滴定槽は,滴定を行う容器であり,大気中の水分が浸入しない構造とする。検出器,滴定
剤添加装置,試料注入口及び乾燥管が装着でき,溶液をかき混ぜることのできるもの。また,滴定
槽の材料は,溶出・変質しないもの。
2) 検出器 8.1.1 a) 2)による。
3) 滴定剤添加装置 滴定剤添加装置は,電気分解によって電気量に比例する物質量のよう素を発生す
る機能をもつもので,陽極として作用する発生電極及び対極で構成する。よう素発生電極は,滴定
槽中の陽極液(発生液)に浸す。対極は,陰極液(対極液)に浸す。滴定槽中の陽極液(発生液)
と陰極液(対極液)との間には,液の混合を防ぐために隔膜を置く。
c) 制御部 制御部は,滴定剤添加装置を制御する部分を含むものとし,その他は5.1.3による。滴定剤添
加装置を制御する部分は,よう素を発生するための電流を供給し,供給した電気量に対応する信号を
出力する。
d) 表示記録部 表示記録部は,滴定剤添加装置に供給した電気量から水分を計算し,その結果を表示又
は記録する。

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8.2.2 試薬 電解液(6)は,次のものを組み合わせて用いる。
注(6) メタノールと反応する試料に対しては,メタノールを含む有機溶媒を用いてはならない。
備考 電解液は市販品を使用してもよい。
a) 陽極液 (発生液) よう化物イオン,二酸化硫黄,ピリジン又はそれに代わる塩基とメタノールなどの
有機溶媒との混合溶液。
b) 陰極液 (対極液) 無機塩,第四級アンモニウム塩,アミン塩酸塩などの有機塩とメタノ一ルなどの有
機溶媒との混合溶液。
8.2.3 操作 操作は,次による。
a) 滴定剤添加装置(発生室)に陽極液(発生液),陰極室(対極室)に陰極液(対極液)を入れ,陽極液をかき混
ぜながら,よう素を発生させるための電流を流し,終点まで滴定する(7)。
注(7) 陽極液中及び滴定槽中に残留する水分による誤差をなくすために行う操作である。したがって,
この場合の水分量は,計算に用いないので記録する必要はない。
b) この陽極液に試料を速やかに加え,かき混ぜ機でかき混ぜながら電流を流して終点まで滴定する。そ
のときの水分量を読み取る。
c) 試料中の水の質量百分率は,次の式によって求める。
W 100
s
ここに, W : 水の質量百分率 ( %)
G : 水の質量の表示値 (mg)
ms : 試料の質量 (mg)
d) 正しく測定されていることを確認するため,標準品による確認試験を行う。水5 イクロシリン
ジではかりとるか,アンプル入りの水標準品約1 mlを0.1 mgまではかりとり,水分質量濃度の測定
を3回以上行う。
備考 一般的に,測定結果は,標準品の既知水分質量濃度の95105 %である。
8.2.4 記録の整理 カールフィッシャー滴定における電量滴定に当たっては,次のうち必要な事項を整理
し記載する。
a) 測定年月日及び測定者名
b) カールフィッシャー滴定用電量滴定装置の製造業者名及び形式記号(附属装置がある場合は,その名
称及び形式。)
c) 被滴定溶液の調製方法
d) 電解液 (陽極液及び陰極液)の組成 (市販品の場合は, 製造業者名及び商品名。)
e) 電解液 (陽極液及び陰極液)の使用量
f) 滴定条件 (温度,かき混ぜ条件,滴定速度,不活性気体の通気の有無など。)
g) 滴定結果
h) その他の事項

8.3 水分気化-容量滴定法又は水分気化-電量滴定法

8.3.1  要旨 試料を乾燥窒素又は空気の気流中で加熱して,試料中の水分を気化させ,水分計の滴定溶媒
又は電解液に捕集してカールフィッシャー滴定を行う。カールフィッシャー滴定法は,水分量に応じて容
量滴定法,電量滴定法のいずれかを用いる。

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8.3.2 水分気化装置 水分気化装置は,気化部,乾燥部及びキャリアーガス供給部から構成される (図11
参照)。
乾燥窒素
気化部 空気
乾燥部 乾 流
水分計 燥 量
剤 計
加熱部加熱管
測定部 滴定槽 制御部 キャリアーガス供給部
図 11 水分気化装置の構成 (一例)
8.3.3 試薬 カールフィッシャー試薬は,8.1.2 j), k)又は8.2.2のものと同等のものを用いる。ただし滴定
溶媒は揮発するのを防ぐため,1,2-エタンジオール(エチレングリコール)又は1,2-プロパンジオール(プ
ロピレングリコール)を添加するとよい。
8.3.4 操作 水分気化装置が設定温度に達して十分に温度が安定したら,系内を無水状態にし,試料を水
分気化装置に投入し試料中の水分を気化させ,その水分を測定する。
8.3.5 測定精度確認 正しく測定できていることを確認するため,水分気化法用の水標準品による確認試
験を行う。水標準品約100 mgを0.1 mgまではかりとり,製造業者指定の温度で気化させ,水分質量濃度
の測定を3回以上行う。
備考 一般に,測定結果は,標準品の既知水分質量濃度の95105 %である。

8.4 保守及び管理

8.4.1  カールフィッシャー滴定装置の設置 次の事項のほかは,5.4.1による。
a) 試料採取器具は,よく乾燥したものを用い,操作中に大気中の水分を取り込まないようにする。
b) 大気中の水分の浸入による妨害を防ぐため,装置と大気の連結部には乾燥したシリカゲル,活性アル
ミナなどの乾燥剤を入れた乾燥管を用いる。また,ガラス器具の連結部は,すべてすり合わせとし,
グリース(カールフィッシャー試薬溶液及び電解液と反応したり,溶解しないもの。)を塗って大気か
らの吸湿を防ぐ。
c) カールフィッシャー試薬溶液及び電解液を保存する場合は,冷暗所に置き,吸湿しないように注意す
る。
8.4.2 安全についての注意事項
a) 電気配線は,すべて電気的に安全であり,絶縁及び接地は確実でなければならない。
b) 試料及び試薬の取扱いは,爆発性,引火性,毒性,有害性などに十分注意して行い,これらの廃棄に
当たっては,安定化,無害化などに配慮しなければならない。
c) カールフィッシャー試薬溶液,電解液及びその廃液は,必ず所定の場所に回収し,環境汚染のないよ
うに処分しなければならない。

8.5 個別規格に記載すべき事項

 カールフィッシャー滴定方法による分析方法を規定するに当たっては,
少なくとも次の各項目を規定しなければならない。
a) 測定対象成分及び濃度範囲
b) 試料の採取方法及び保存方法

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c) 被滴定溶液の調製方法
d) 滴定方法
e) 装置及び試薬
f) 測定条件
g) 滴定回数
h) 分析結果の表示方法

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JIS K 0113:2005の引用国際規格 ISO 一覧

  • ISO 760:1978(MOD)

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