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表6−冷凍機油5種の要求品質
動粘度 色 引火点 流動点 酸価b) 銅板腐食 水分c)
粘度グレード (40 ℃)
mm2/s (ASTM) ℃ ℃ mgKOH/g (100 ℃,3 h) g/kg
ISO VG 32 28.8以上 35.2以下 2.5以下 160以上 −32.5以下 − 1以下 50以下
ISO VG 46 41.4以上 50.6以下 3.0以下 165以上 −32.5以下 − 1以下 50以下
ISO VG 68 61.2以上 74.8以下 3.5以下 165以上 −32.5以下 − 1以下 50以下
110以下 3.5以下 180以上 −32.5以下a)
ISO VG 100 90.0以上 − 1以下 50以下
VG 26 24.2を超え 28.8未満 2.5以下 155以上 −32.5以下 − 1以下 50以下
VG 56 50.6を超え 61.2未満 3.0以下 165以上 −32.5以下 − 1以下 50以下
注a) 鉱油には適用しない。
b) 受渡当事者間の協定による。
c) 鉱油に適用し,合成油には適用しない。合成油は,受渡当事者間の協定による。
6 試験方法
6.1 試料採取方法
試料採取方法は,JIS K 2251によるほか,絶縁破壊電圧及び水分試験用の試料を採取するときは,次に
よる。
a) 試料採取器及び試料容器は,十分に乾燥したものを用いる。
なお,必要に応じて試料容器は,乾燥した窒素ガスでその内部を置換しておく。
b) 試料は,試料容器内部に空間がないように満たし,採取後,直ちに密栓する。
6.2 動粘度
動粘度は,JIS K 2283に規定する動粘度試験方法による。
6.3 色
色は,JIS K 2580に規定するASTM色試験方法による。
6.4 引火点
引火点は,JIS K 2265-4による。
6.5 流動点
流動点は,JIS K 2269に規定する流動点試験方法による。
6.6 低温析出性
低温析出性は,附属書Aによる。
6.7 酸価
酸価は,JIS K 2501に規定する指示薬滴定法又は電位差滴定法による。
6.8 銅板腐食
銅板腐食は,JIS K 2513による。
6.9 冷媒との化学的安定性
冷媒との化学的安定性は,附属書B又は附属書Cによる。
6.10 絶縁破壊電圧
絶縁破壊電圧は,JIS C 2101に規定する絶縁破壊電圧試験方法による。
6.11 水分
水分は,JIS K 2275に規定するカールフィッシャー式容量滴定法又はカールフィッシャー式電量滴定法
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による。
6.12 冷媒との相溶性
冷媒との相溶性は,附属書Dによる。
7 製品の呼び方
製品の呼び方は,名称,種類の記号及び粘度グレードによる(例1参照)。
例1 冷凍機油 1種D ISO VG 10 ただし,冷凍機油1種D 10と略してもよい。
なお,二つの粘度グレードを表示する製品は,次による(例2参照)。
例2 冷凍機油 2種D ISO VG 46 / VG 56 ただし,冷凍機油2種D 46 / 56と略してもよい。
8 表示
容器の見やすいところに,容易に消えない方法で,次の事項を表示しなければならない。ただし,タン
ク車,タンカー,タンクローリー,そのほか表示困難な場合には,送り状に表示してもよい。
a) 規格番号及び名称
b) 種類の記号及び粘度グレード
c) 正味容量
d) 製造業者名又はその略号
e) 製造年月日又はその略号
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附属書A
(規定)
低温析出性試験方法
序文
この附属書は,低温析出性試験方法について規定する。
なお,この附属書は,代表的な冷媒としてHFC-134aを用いたときの方法について規定しているが,規
定以外の冷媒の適用を妨げるものではない。ただし,規定以外の冷媒を用いるときは,冷媒の特性を確認
し,安全上十分な配慮をしなければならない。
A.1 試験の概要
規定の温度において冷媒と試料とが分離しない比率(代表例として試料 : 質量分率10 %,冷媒 : 質量分
率90 %)の混合溶液を冷却したときの,毛状析出物,粒状析出物,曇り又は濁りの生成温度を測定し,毛
状析出物の生成温度を測定し,ワックス分などの析出傾向を評価する。
A.2 試験器及び器具
低温析出性試験の試験器及び器具は,次による。
a) 冷却浴 冷却浴は,同時に3試料以上が測定できる大きさの冷却浴容器に,浴液としてエタノール又
はアセトンを入れたものを用いる。冷却浴容器は,円筒形透明広口ジュワー瓶を用いるのがよい。浴
液はドライアイス又は適切な冷却器で冷却する。
b) かくはん機 かくはん機は,冷却浴内の浴液の温度が均一に保持できる,十分なかくはん能力をもつ
手動,又は電動のものを用いる。電動のかくはん機は,浴液の引火性に配慮したものを用いる。
c) 温度計 温度計は,JIS B 7410に規定する温度計番号10 (PP) のもの,又はこれと同等の性能をもつ
温度測定装置を用いる。
d) 低温析出性測定用試験管 低温析出性測定用試験管は,内径9.510.0 mm,外径15 mm,長さ228
230 mm,10 mL目盛付き及び耐圧保証値が552 kPa以上のほうけい酸ガラス製試験管を用いる。その
一例を,図A.1に示す。
e) 冷媒導入器 冷媒導入器は,試験管,真空ポンプ及び冷媒容器に接続し,流量を調節できるものを用
いる。その一例を,図A.2に示す。
f) 真空ポンプ 真空ポンプは,13.3 Paの真空度が得られるものを用いる。
g) 天びん 天びんは,0.01 gのけたまでひょう量できるものを用いる。
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単位 mm
図A.2−冷媒導入器(一例)
図A.1−低温析出性測定用試験管(一例)
A.3 冷媒
冷媒は,JIS K 1560に規定するものを用いる。
なお,JISに規定されていない冷媒(R404Aなど)の場合,市販のものを用いる。
A.4 試験の手順
試験の手順は,次による。
a) 試験管の洗浄 試験管は,中性洗剤などで内部の汚れを落とした後,水道水,蒸留水,市販の精製水
の順で十分洗浄し,乾燥器で乾燥後,デシケーター中に保管する。
b) 冷却浴の準備 冷却浴を組み立て,かくはんが十分行われていることを確認する。試験管の1本に冷
却浴と同一の液を満たし,この中に温度計を挿入し,冷却浴に浸す。
c) 試料の注入及び脱気 b)の試験管とは別の試験管に試料1.00 g±0.02 gをはかりとる。試験管,真空ポ
ンプ及び冷媒容器を冷媒導入器を介して接続する。次に,真空ポンプによって,試験管及び冷媒導入
器内が約13.3 Pa以下になるまで脱気する。
d) 冷媒の導入 浴液の温度を−32 ℃以下にした冷却浴に,c)の操作後の試験管を浸し,試験管内に冷媒
を導入する。浴液の温度における冷媒の密度を用いて,9.00 gに相当する冷媒の体積をあらかじめ算
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出しておき,その体積を少し超える量に達したら,ニードル弁を閉じて,試験管を冷媒導入器から外
す。試験管を室温まで放置し,試験管表面の水滴をふきとった後,試験管を天びんに載せ,ニードル
弁の開度を調整しながら冷媒9.00 g±0.10 gをはかりとる。その後,試料と冷媒とが均一な状態になる
ように,試験管を静かに振る。
e) 試料の冷却 冷却浴をあらかじめ約−18 ℃に調節した後,d)の操作後の試験管を冷却浴に浸し,1分
間に0.51.0 ℃の速度で析出物が現れるまで冷却する。冷却にドライアイスを用いる場合は,直接試
験管に接触しないように注意する。試験試料の温度は,冷却浴中の試験管[b)]に挿入した温度計に
よって測定する。−18 ℃で試料が曇っていたら,冷媒導入時に水分が混入した可能性があるため,試
験をやり直す。試料が吸湿している場合には,あらかじめ加熱真空脱気するか,開放容器に入れ120
150 ℃で約1時間乾燥する。
f) 低温析出温度の測定 約−18 ℃から試験管の観察を行う。試験管を短時間(10秒間以内)冷却浴か
ら引き上げて観察する。透明ジュワー瓶の場合は,試験管を引き上げずに観察してもよい。試験管を
引き上げる場合は,試験管を揺らさずに引き上げる。試料中に,はっきりした毛状析出物又は粒状析
出物が観察されたら,温度計を読み,この温度を低温析出温度として記録する。試料によっては,温
度を下げていっても明白な毛状析出物又は粒状析出物が生成せず,曇り又は濁りが生じる場合がある。
この場合は,試験管を冷却浴から取り出し,1 mm目盛方眼紙を裏にはり付けたガラス板を試験管の背
後に置き,方眼紙の線が見えなくなる温度を低温析出温度とする。規定された温度に達しても毛状析
出物,粒状析出物,曇り又は濁りが認められなかった場合は,“規定温度以下”として報告する。
A.5 結果の表し方
同一試料について2回測定を行い,その平均値をJIS Z 8401によって丸めの幅1に丸める。
A.6 精度
この試験方法によって得られた試験結果の許容差(確率0.95)は,次による。試験結果が許容差を外れ
た場合は,JIS Z 8402-6の規定によって処理する。
a) 室内併行精度 同一試験室において,同一人が同一試験器で,引き続き短時間に同一試料を2回試験
したとき,試験結果の差の許容差は,表A.1による。
b) 室間再現精度 異なる試験室において,別人が別の試験器で,同一試料をそれぞれ1回ずつ試験して
求めた2個の試験結果の差の許容差は,表A.1による。
表A.1−精度
単位 ℃
試験の種類 室内併行許容差 室間再現許容差
低温析出温度a) 3 8
注a) 精度は,冷媒HFC-134aを用いて,試料 : 質量分率10 %,冷媒 : 質量分率90 %で試験を行った
場合に適用する。
A.7 安全に対する注意事項
安全に対する注意事項は,次による。
a) 冷却浴外で加圧された試験管を取り扱う場合,又は試験管を真空脱気する場合には,保護面及び厚手
の保護手袋を着用し,強化ガラス製又は強化プラスチック製の防護板を隔てて操作を行う。
――――― [JIS K 2211 pdf 15] ―――――
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JIS K 2211:2009の国際規格 ICS 分類一覧
JIS K 2211:2009の関連規格と引用規格一覧
- 規格番号
- 規格名称
- JISB7410:1997
- 石油類試験用ガラス製温度計
- JISC2101:1950
- 絶縁油試験方法
- JISC2101:1999
- 電気絶縁油試験方法
- JISC2504:2000
- 電磁軟鉄
- JISC3102:1984
- 電気用軟銅線
- JISH4040:2015
- アルミニウム及びアルミニウム合金の棒及び線
- JISK1560:2018
- 1,1,1,2-テトラフルオロエタン(HFC-134a)
- JISK2001:1993
- 工業用潤滑油―ISO粘度分類
- JISK2251:2003
- 原油及び石油製品―試料採取方法
- JISK2265-4:2007
- 引火点の求め方―第4部:クリーブランド開放法
- JISK2269:1987
- 原油及び石油製品の流動点並びに石油製品曇り点試験方法
- JISK2275:1996
- 原油及び石油製品―水分試験方法
- JISK2283:2000
- 原油及び石油製品―動粘度試験方法及び粘度指数算出方法
- JISK2501:2003
- 石油製品及び潤滑油―中和価試験方法
- JISK2513:2000
- 石油製品―銅板腐食試験方法
- JISK2580:2003
- 石油製品―色試験方法
- JISR6251:2006
- 研磨布
- JISZ8401:2019
- 数値の丸め方
- JISZ8402-6:1999
- 測定方法及び測定結果の精確さ(真度及び精度)―第6部:精確さに関する値の実用的な使い方