JIS K 2240:2013 液化石油ガス(LPガス) | ページ 5

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図10−硫黄分試験精度

6.6 硫黄分試験方法(微量電量滴定式酸化法)

6.6.1  原理
試料を加熱した燃焼管に導入し,酸素及び不活性ガス気流中で燃焼する。燃焼生成した二酸化硫黄を電
解液に吸収し,電量滴定し,このときに消費した電気量から硫黄分を求める。この方法は,硫黄分が質量
分率0.000 1 %以上の試料に適用する。
なお,試料中の硫黄分は,あらかじめ硫黄標準液を用いて求めておいた補正係数によって補正する。
6.6.2 硫黄分試験器
試験器はa) f)から構成する(図11参照)。

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1 ガスインジェクター
2 燃焼管
3 燃焼炉
4 テープヒータ
5 電解液
6 マグネチックスターラ
7 検出電極
8 参照電極
9 発生電極
10 発生対極
11 微量電量計
12 硫黄量表示器
13 流量調節器
図11−微量電量滴定式酸化法試験器(ガスインジェクターの例)
a) 燃焼炉 燃焼管の入口部,出口部を個別に加熱調整できるもの。
b) 燃焼管 石英製で,試料を酸素及び不活性ガス気流中で燃焼させることができるもの。
c) 滴定セル 検出電極,参照電極及び一対の発生電極を内蔵したマグネチックスターラ付きのガラス製
電解液槽で,検出電極及び参照電極は,二酸化硫黄の吸収によって生じた三よう化物イオンの濃度変
化を検出し,発生電極はこの濃度変化量に相当する三よう化物イオンを発生できるもの。
d) 微量電量計 検出電極と参照電極との間にあらかじめ設定した電位差と,滴定中の両電極間の電位差
とを連続的に比較し,差がある場合は,これを補償するのに必要な電流を発生電極に供給できるもの。
e) 硫黄量表示器 発生電極に供給された電気量を硫黄量に換算して表示又は記録できるもの。ピーク面
積積分値として記録できるものでもよい。
f) 流量調節器 酸素及び不活性ガスを規定量流せるもの。
6.6.3 附属機器
a) マイクロシリンジ 容量10100 Lで液状試料を注入できるもの。
b) ガスタイトシリンジ 容量510 mLでガス状試料を注入できるもの。
6.6.4 試薬
微量電量滴定式酸化法の試薬は,次による。
a) 酸素 JIS K 1101に規定するもの
b) 不活性ガス 純度は,体積分率99.99 %以上のアルゴン又はヘリウム
c) 水 JIS K 0557の4.(種別及び質)に規定する種別及び質のA2又はA3のもの,又はこれと同等以上
のものを用いる。
d) 電解液 JIS K 8913に規定するよう化カリウム,JIS K 9501に規定するアジ化ナトリウム及びJIS K
8355に規定する酢酸の所定量を水に溶解し,全量を水で1 000 mLとしたもの。
なお,各試薬の量は,用いる試験器によって異なる。その一例を表6に示す。

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表6−電解液中の各試薬の量(例)
試薬名 縦形試験器 横形試験器
よう化カリウム g 5.0 0.5
アジ化ナトリウム g 0.5 0.6
酢酸 mL 6 5
e) 溶剤 次の1)又は2)に規定する溶剤を用いる。
1) ヘキサン JIS K 8848に規定するもの。
2) トルエン JIS K 8680に規定するもの。
f) 硫黄化合物 硫黄を含む安定した物質であって,硫黄分値が長期間変わらないものを用いる。具体的
には,次の1)2)に示す化合物の異性体を含む純度が99 %以上のものを用いてもよい。
1) ジブチルスルフィド [(CH3(CH2)3)2S]分子量 : 146.29,硫黄含有量 : 質量分率21.915 %
2) ジブチルジスルフィド [(CH3(CH2)3)2S2]分子量 : 178.36,硫黄含有量 : 質量分率35.950 %
g) 硫黄標準液
1) 硫黄標準液(2 500 g/mL)の調製
1.1) ジブチルスルフィドを用いた硫黄標準液の調製
全量フラスコ(100 mL)にジブチルスルフィド1.14 gを0.1 mgの桁まではかりとり,溶剤を加
えて溶かし,更に溶剤を標線まで加えて調製する。
なお,この溶液の硫黄濃度は,次の式によって算出する。
32.06 W
A 104
146.29
ここに, A : 硫黄標準液(2 500 g/mL)の硫黄濃度(g/mL)
W : ジブチルスルフィドはかりとり量(g)
32.06 : 硫黄の原子量
146.29 : ジブチルスルフィドの分子量
1.2) ジブチルジスルフィドを用いた硫黄標準液の調製
全量フラスコ(100 mL)にジブチルジスルフィド0.70 gを0.1 mgの桁まではかりとり,溶剤を
加えて溶かし,更に溶剤を標線まで加えて調製する。
なお,この溶液の硫黄濃度は,次の式によって求める。
64.12 W
A 104
178.36
ここに, A : 硫黄標準液(2 500 g/mL)の硫黄濃度(g/mL)
W : ジブチルジスルフィドはかりとり量(g)
64.12 : 硫黄の原子量(32.06)×2
178.36 : ジブチルジスルフィドの分子量
2) 硫黄標準液(250 g/mL)の調製 全量フラスコ(250 mL)に硫黄標準液(2 500 g/mL)を全量ピ
ペットで25 mLはかりとり,溶剤を標線まで加えて調製する。
3) 硫黄標準液(20 g/mL)の調製 全量フラスコ(25 mL)に硫黄標準液(250 g/mL)を全量ピペッ
トで2 mLはかりとり,溶剤を標線まで加えて調製する。
なお,硫黄標準液は,冷蔵庫に密閉保存し,使用期間は硫黄標準液(2 500 g/mL)で約3か月,
硫黄標準液(250 g/mL)及び(20 g/mL)で約1か月までとするのがよい。
6.6.5 試験器の準備

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微量電量滴定式酸化法の試験器の準備は,次による。
a) 電解液で滴定セル内を洗浄した後,再び電解液を各電極が十分浸る程度に入れる。
b) 検出電極,参照電極及び発生電極のそれぞれの端子を微量電量計の回路に接続する。
なお,縦形試験器の場合は,この段階で終点電位を設定する。
c) 燃焼管出口部の端に滴定セルのガス導入管を連結し,テープヒータに通電し,滴定セルのガス導入管
を100 ℃以上に保温する。
d) 酸素及び不活性ガスの流量,燃焼炉の温度,微量電量計などを測定条件に設定する。測定条件の一例
を表7に示す。
表7−測定条件(例)
項目 試験器条件
酸素流量 mL/min 200350
不活性ガス流量 mL/min 80200
燃焼炉温度 入口部 ℃ 8001 050
出口部 ℃ 8001 050
終点電位 mV 250270
6.6.6 補正係数の測定
微量電量滴定式酸化法の補正係数の測定は,a) d)による。
a) 試料の硫黄分概略値に対応した硫黄標準液を表8から選び,表8に示す量をマイクロシリンジにはか
りとる。
表8−硫黄標準液の種類及びはかりとり量
試料の硫黄分概略値 種類 はかりとり量
質量分率 % L
0.000 1以上 0.010 0未満 硫黄標準液(20 g/mL) 10100
0.010 0以上 0.030 0以下 硫黄標準液(250 g/mL) 10
b) マイクロシリンジにとった硫黄標準液を,次の方法によって燃焼管へ導入する。
1) ガスインジェクター注入法 マイクロシリンジの針先をガスインジェクターの注入口に差し込み,
硫黄標準液を素早く注入し,注入量を読み取る2)。
2) 直接注入法 マイクロシリンジの針先を試料注入口を通して燃焼管入口部まで差し込み,硫黄標準
液を1.01.2 L/sで注入し,注入量を読み取る。
なお,試料を一定速度で注入するには,ディスペンサー又は自動注入器を用いるとよい。
注2) 補正係数用標準液の注入前後にマイクロシリンジに空気を吸引してマイクロシリンジ内の
液量を読み取ると,その読みの差から注入量を求めることができる。
c) 補正係数は,硫黄量表示器に示された値を読み取り,次の式によって算出し,JIS Z 8401によって小
数点以下2桁に丸める。
b
f
V N
ここに, f : 補正係数
b : 硫黄量(ng)

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V : 硫黄標準液の注入量(L)
N : 硫黄標準液の濃度(g/mL)
d) 補正係数を繰り返し測定し,その補正係数が0.650.95の範囲のある値で安定した連続3回の値を平
均して平均補正係数(F)とし,試料の硫黄分の算出に用いる。補正係数がこの範囲に入らない場合
は,硫黄標準液を再調製し再測定する。再測定の結果この範囲に入らない場合は,装置及び操作方法
を点検する。
なお,試料の測定時における平均補正係数の確認は,一連の試験ごとに1回,一連の試験が4時間
を超える場合は4時間ごとに1回行う。平均補正係数との差が0.05を超えた場合は,平均補正係数を
求め直す。
6.6.7 試料のはかりとり手順
試料のはかりとり手順は,次による。
a) 準備 6.2によって採取した試料容器を,図12に示すように試料容器出口(液側)にニードル弁を接
続し,ステンレス管,四ふっ化エチレン樹脂管などを用いて,四ふっ化エチレン樹脂製三方コックを
介してふっ素樹脂系などのプラスチックフィルム製のガス捕集袋の導入口と接続する。
1 試料容器
2 元バルブ
3 試料容器出口
4 ニードル弁
5 ステンレス,四ふっ化エチレン
樹脂などの管(長さ50 cm以内)
6 三方コック
7 ガス捕集袋(容量15 L)
8 ガス捕集袋導入口
9 試料ガス採取口(セプタム付き)
図12−試料容器とガス捕集袋との接続(例)
b) 共洗い 試料容器の元バルブを徐々に開き,ガス捕集袋の膨らむ早さが急激にならないよう適切に調
節する。ガス捕集袋の膨らみが許容量の57割程度になったとき元バルブを閉じ,3分後に試料ガス
を排出する。この操作を2回行う。
c) 試料のはかりとり b)と同様にして試料をガス捕集袋に採取し,元バルブを閉じてから3分後に採取
口のセプタムを通して試料ガスでガスタイトシリンジを2,3回共洗いした後,表9によって,試料ガ
スをはかりとる。
なお,硫黄分の損失を防ぎ,暴露又は試料容器との接触による汚染を防ぐため,試料は液状にて採
取し速やかに測定する。

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