JIS K 2240:2013 液化石油ガス(LPガス) | ページ 6

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表9−試料のはかりとり量
試料の硫黄分概略値 はかりとり量a)
質量分率 % mL
0.000 1以上 0.010 0未満 10
0.010 0以上 0.030 0以下 5
注a) 硫黄分が,質量分率0.030 0 %を超える試料は,その試料の
硫黄分の質量分率 %に応じてはかりとり量を調整する。
6.6.8 試料の測定
ガスタイトシリンジにはかりとった試料を装置のガスインジェクター,又は試料注入口から注入し,デ
ータ処理機に示された値を読み取る。ただし,注入速度は0.10.5 mL/sとする。
なお,試料を一定速度で注入するには,自動注入器を用いるとよい。
燃焼中は燃焼管を観察し,試料が完全燃焼していることを確認する。すすを観察した場合は,次の手順
によって再試験を行う。
a) 製造業者の取扱説明書に従い,部品全体を清浄にした後,6.6.6によって再試験を行う。
b) 試料注入量を少なくして測定する。
6.6.9 計算及び結果
硫黄分は,次の式によって小数点以下5桁まで算出し,JIS Z 8401によって小数点以下4桁に丸める。
224. B
S
273.15
V M F 104
273.15 t
ここに, S : 硫黄分(質量分率 %)
B : 硫黄量(ng)
V : 試料注入量(mL)
t : 試料温度(℃)
M : 試料1 mol当たりの質量(g/mol)
F : 平均補正係数
試料温度は室温とする。
なお,試料1 mol当たりの質量は,6.10の組成分析方法によって得られた試料の各分析成分の含有量
(mol %)と表10に示す各成分の1 mol当たりの質量を用いて,次の式によって算出する。
Ci
M Mi
100
ここに, M : 試料1 mol当たりの質量(g/mol)
Mi : 表10に示す成分iの1 mol当たりの質量
(g/mol)
Ci : 6.10による成分iの含有量(mol %)

――――― [JIS K 2240 pdf 26] ―――――

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表10−各炭化水素の1 mol当たりの質量
単位 g/mol
成分i 1 mol当たりの質量
エタン+エチレンa) 30.069
プロパン 44.096
n-ブタン 58.123
イソブタン 58.123
n-ペンタン 72.150
イソペンタン 72.150
プロピレン 42.080
1-ブチレン 56.107
シス2-ブチレン 56.107
トランス2-ブチレン 56.107
イソブチレン 56.107
1,3-ブタジエン 54.091
注a) エタン及びエチレンは6.10の組成分析方法では分
離できないため,エタン+エチレンの成分としてエ
タンの1 mol当たりの質量を採用した。
6.6.10 精度
精度は,硫黄分が,質量分率0.000 10.030 0 %について次のとおり規定する。この試験方法によって得
られた試験結果の許容値(確率0.95)は,次による。
なお,試験結果が許容値を超えた場合は,JIS Z 8402-6の規定によって処理する。
a) 室内併行精度 同一試験室において,同一人が同一試験器で引き続き短時間内に同一試料を2回試験
したとき,試験結果の差の許容値を表11及び図13に示す。
b) 室間再現精度 異なる2試験室において,別人が別の試験器で同一試料をそれぞれ1回ずつ試験して
求めた2個の試験結果の差の許容値を,表11及び図13に示す。
表11−精度
単位 質量分率 %
精度 計算式
室内併行精度 y=0.059 8 x−(0.393 9×10−4)
室間再現精度 y=0.179 4 x+(4.568 5×10−4)
ここに, x : 硫黄分の平均値(質量分率 %)
y : 許容差(質量分率 %)

――――― [JIS K 2240 pdf 27] ―――――

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図13−硫黄分試験精度

6.7 硫黄分試験方法(紫外蛍光法)

6.7.1  原理
試料を加熱した燃焼管(7501 100 ℃)に導入し,酸素雰囲気中で分解酸化させ,試料中の硫黄化合物
を二酸化硫黄に酸化する。次に,この二酸化硫黄を含む燃焼生成ガス中の水分を除去した後,紫外光を照
射する。二酸化硫黄は紫外光からエネルギーを吸収して励起状態の二酸化硫黄に変換される。励起された
二酸化硫黄が基底状態の二酸化硫黄に戻るとき放出する蛍光を光電管で検出し,この蛍光量から硫黄分を
求める。この方法は硫黄分が,質量分率0.000 10.030 0 %の試料に適用する。
6.7.2 硫黄分試験器
試験器はa) e)から構成する(図14参照)。
1 流量調節器
2 ガスインジェクター
3 燃焼炉
4 燃焼管
5 除湿管
6 紫外光源
図14−紫外蛍光法試験器(ガスインジェクターの例)
a) 燃焼炉 水平(横型)又は垂直(縦型)に設置でき,試料を熱分解して全ての硫黄及び硫黄化合物を
二酸化硫黄(SO2)に酸化するのに十分な高温を保てるもの。
b) 燃焼管 石英製で,試料を酸素と不活性ガス気流中で完全に燃焼させることができるもの。

――――― [JIS K 2240 pdf 28] ―――――

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c) 流量調節器 酸素及び不活性ガスを規定量流せるもの。
d) 除湿管 燃焼生成ガス中の水分を除去でき,SO2溶解損失を防止できるもの3)。
注3) 電子除湿器を用いてもよい。
e) 紫外蛍光検出器 紫外光源と蛍光検出部とから構成し,二酸化硫黄に紫外光を照射させ,放出される
蛍光量を光電子増倍管で定量的に測定できるもの。
6.7.3 附属機器
附属機器は,次による。
a) マイクロシリンジ 容量525 Lで液状試料を注入できるもの。
b) ガスタイトシリンジ 容量510 mLでガス状試料を注入できるもの。
c) 天びん 0.1 mgまでひょう量できるもの。
d) 全量フラスコ JIS R 3505に規定するもの。
6.7.4 試薬
紫外蛍光法の試薬は,次による。
a) 酸素 JIS K 1101に規定するもの
b) 不活性ガス 純度は,体積分率99.99 %以上のアルゴン又はヘリウム
c) 溶剤 次の1)又は2)に規定する溶媒を用いる。
1) ヘキサン JIS K 8848に規定するもの
2) トルエン JIS K 8680に規定するもの
d) 硫黄化合物 硫黄を含む安定した物質であって,硫黄分値が長期間変わらないものを用いる。具体的
には,次の1)2)に示す化合物の異性体を含む純度が99 %以上のものを用いてもよい。
1) ジブチルスルフィド [(CH3(CH2)3)2S]分子量 : 146.29,硫黄含有量 : 質量分率21.915 %
2) ジブチルジスルフィド [(CH3(CH2)3)2S2]分子量 : 178.36,硫黄含有量 : 質量分率35.950 %
e) 硫黄標準液
1) 硫黄標準液(2 500 g/mL)の調製
1.1) ジブチルスルフィドを用いた硫黄標準液の調製
全量フラスコ(100 mL)にジブチルスルフィド1.14 gを0.1 mgの桁まではかりとり,溶剤を加
えて溶かし,更に溶剤を標線まで加えて調製する。この溶液の硫黄濃度は,次の式によって算出
する。
32.06 W
A 104
146.29
ここに, A : 硫黄標準液(2 500 g/mL)の硫黄濃度(g/mL)
W : ジブチルスルフィドはかりとり量(g)
32.06 : 硫黄の原子量
146.29 : ジブチルスルフィドの分子量
1.2) ジブチルジスルフィドを用いた硫黄標準液の調製
全量フラスコ(100 mL)にジブチルジスルフィド0.70 gを0.1 mgの桁まではかりとり,溶剤を
加えて溶かし,更に溶剤を標線まで加えて調製する。この溶液の硫黄濃度は,次の式によって算
出する。
64.12 W
A 104
178.36
ここに, A : 硫黄標準液(2 500 g/mL)の硫黄濃度(g/mL)

――――― [JIS K 2240 pdf 29] ―――――

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W : ジブチルジスルフィドはかりとり量(g)
64.12 : 硫黄の原子量(32.06)×2
178.36 : ジブチルジスルフィドの分子量
2) 硫黄標準液(250 g/mL)の調製 全量フラスコ(250 mL)に硫黄標準液(2 500 g/mL)を全量ピ
ペットで25 mLはかりとり,溶剤を標線まで加えて調製する。
3) 硫黄標準液(20 g/mL)の調製 全量フラスコ(25 mL)に硫黄標準液(250 g/mL)を全量ピペッ
トで2 mLはかりとり,溶剤を標線まで加えて調製する。
なお,硫黄標準液は,冷蔵庫に密閉保存し,使用期間は,硫黄標準液(2 500 g/mL)で約3か月,
硫黄標準液(250 g/mL)及び(20 g/mL)で約1か月までとするのがよい。
6.7.5 試験器の準備
紫外蛍光法の試験器の準備は,次による。
a) 製造業者の取扱説明書に従って試験器を組み立て,漏れがないことを確認する。
b) 取扱説明書に従い,酸素及び不活性ガスの流量を調整する。
c) 取扱説明書を参考にして,燃焼炉の温度を硫黄化合物の熱分解及び酸化が完全に行われるように十分
高い温度に設定する。一例として,一つの温度ゾーンだけをもつ燃焼炉の場合には1 100 ℃,二つの
温度ゾーンをもつ燃焼炉の場合は,熱分解は750 ℃,酸化は1 0001 100 ℃に設定する。
d) 試験器の感度及び基線を安定に調整した後,製造業者の取扱説明書に従って試料を用いないで空試験
を行う。紫外光源は,測定前に十分安定4) していることを確認する。
注4) 通常,紫外光源は最低30分の暖機運転を行う。
6.7.6 検量線の作成
検量線は,測定を行う当日,測定前に作成するものとし,作成方法は,次による。
a) 多点検量線法
1) 試料中の予想濃度から,硫黄標準液を溶剤で希釈して一連の検量線用標準溶液を調製する。検量線
用標準溶液の濃度は,液化石油ガス試料中の予測硫黄濃度を中心に,表12の連続する4点以上とす
る。
表12−検量線用標準溶液の硫黄濃度の例(注入量10 Lの場合)
液化石油ガス試料中の予想硫黄 検量線用標準溶液硫黄濃度
濃度(質量分率 %) 目安(g/mL)
0.000 05 1
0.000 2 4
0.000 5 10
0.001 0 20
0.002 5 50
0.005 0 100
0.010 0 200
0.015 0 300
0.035 0 700
注記 表12は,試料(液化石油ガス10 mL)の硫黄濃度に相当する検
量線用標準溶液(10 L)の硫黄濃度を示す。
2) マイクロシリンジを検量線用標準溶液で数回共洗いし,最後にシリンジに採取した検量線用標準溶
液は,気泡を含まないようにする。

――――― [JIS K 2240 pdf 30] ―――――

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