JIS K 2425:2006 クレオソート油,加工タール及びタールピッチ試験方法 | ページ 7

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備考 吸引フラスコの上部の口をゴム栓で密栓し,適切な真空ポンプ及びマノメーターを連結した
後,フラスコ内部の圧力が2.67 kPaになるように真空ポンプの吸引力を調節する。この調節に
は,接続するゴム管にY字形ガラス管を取り付けて,一方をバイパスとして調節すればよい。
次に,吸引フラスコにろ過器を取り付け,20 ℃の水100 mLをろ過するのに要する時間を測定
する。
b) 試薬 試薬は,次による。
1) トルエン JIS K 2435-2又はJIS K 8680に規定するトルエン。
2) アセトン JIS K 1503又はJIS K 8034に規定するアセトン。
c) 操作 操作は,試料約2 g[タールピッチの場合,粉末試料(粒度250 μm以下)]を三角フラスコ300
mLに0.1 mgまで正しくはかり取る。トルエン100 mLをメスシリンダーにはかり取り,約50 mLを
三角フラスコに加え,ガラス棒でかき混ぜて底に付着した試料を分散させた後,ガラス棒及びフラス
コ内壁を洗いながら,残りのトルエンを加える。
次に,還流冷却器を付けた後,油浴(130±2 ℃)内に入れ,フラスコ内のトルエンが沸騰を始めて
から30分間加熱する。直ちに,質量の分かっているろ過器を用いて,熱いうちに吸引ろ過する。この
間,常にろ床が露出しないように注意しながら液を加える。
三角フラスコ内のろ過ケーキは,あらかじめ60 ℃に加熱したトルエン400 mLを用いてろ過器中に
洗い落とし,次に,フラスコ内壁に付着した不溶分は,毛筆などで落としながらトルエンでろ過器中
に洗い落とし,更に,アセトン約5 mLずつでろ過ケーキを4回洗浄する。
次に,ろ過器を約110 ℃で60分間乾燥し,デシケーター中で放冷した後,質量をはかり,次の式に
よってトルエン不溶分を算出する。
M1 M2
U= 100
S
ここに, U : トルエン不溶分(%)(質量分率)
M1 : (ろ過器+ろ過ケーキ)の質量(g)
M2 : ろ過器の質量(g)
S : 試料の質量(g)

15. タールピッチのキノリン不溶分定量方法

15.1 ろ過法

 ろ過法は,次による。
a) 器具 器具は,次による。
1) ビーカー 容量50 mLのもの。
2) ガラス棒 適切なもの。
3) ろ過器 JIS R 3503に規定するるつぼ形ガラスろ過器1G4又は図23に示す磁製ろ過器を用いる。
この場合,20 ℃の水100 mLを減圧下でろ過したとき,ろ過に要する時間が12分間(磁製ろ過
器の場合は約2分間)のものでなければならない[14.2 a) 1) の備考参照]。

――――― [JIS K 2425 pdf 31] ―――――

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単位 mm
図 23 磁製ろ過器
b) 試薬 試薬は,次による。
1) キノリン JIS K 2438又はJIS K 8279に規定するキノリン。
2) アセトン JIS K 1503又はJIS K 8034に規定するアセトン。
3) ろ過助剤 けい藻土。
参考 ろ過助剤として用いるけい藻土は,セライト(LM−505)又は相当品が適当である。
c) 操作 操作は,試料(粒度250 μm以下)約1 gをビーカー50 mLに0.1 mgまではかり取り,キノリン
20 mLを加え,ガラス棒でときどきかき混ぜながら約75 ℃の水浴中に30分間浸す。この間ビーカー
底部に塊ができやすいから,これを砕く。
次に,質量の分かっているろ過器に,あらかじめ110 ℃で乾燥したろ過助剤1 gをはかり取り,その
約半分を試料の入っているビーカーに入れ,かき混ぜた後,前記ろ過器(あらかじめキノリン約3 mL
を入れ,静かにゆすって表面を平らにしておく。)を用いて吸引ろ過する。
ビーカー内のろ過ケーキは,キノリン10 mLずつで5回洗浄し,その都度ビーカー内のろ過ケーキ
をろ過器中に移し入れる。このとき,ろ過器内の液が完全になくならないうちに,次の液を入れる。
次に,アセトン10 mLずつで同様の操作を5回行う。
ろ過器底部は,アセトンで湿し,清浄な布でぬぐい,110 ℃以上に保持した乾燥器中で恒量となる
まで約110 ℃で60分間乾燥する。デシケーター中で放冷した後,質量をはかり,次の式によってキノ
リン不溶分を算出する。
なお,ろ過しやすい試料の場合は,ろ過助剤を用いないで前記に準じた操作を行ってもよい。
M1 M2
Q= 100
S
ここに, Q : キノリン不溶分(%)(質量分率)
M1 : (ろ過器+ろ過助剤+ろ過ケーキ)の質量(g)
M2 : (ろ過器+ろ過助剤)の質量(g)
S : 試料の質量(g)

15.2 遠心法

 遠心法は,次による。
a) 器具 器具は,次による。
1) 遠心分離機 回転数が毎分4 000回転以上(5)のもの。
2) 遠心沈殿管 容量約50 mLの硬質肉厚ガラス製又はステンレス鋼(SUS304)製のもの。
3) ガラス棒 適切なもの。

――――― [JIS K 2425 pdf 32] ―――――

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注(5) 遠心分離機の能力は,次の式に示すGの値が1 400以上あれば,毎分4 000回転以下でもよい。
G= n2r
9 10 4
ここに, G : 重力加速度(kg・m/s2)
n : 回転数(rpm)
r : 有効回転半径(cm)(遠心沈殿管底から回転軸までの水平
距離)
b) 試薬 15.1 b) に規定するもの。
c) 操作 操作は,試料(粒度250 μm以下)約1 gを,質量の分かっている遠心沈殿管に0.1 mgまでは
かり取り,約80 ℃に加熱したキノリン30 mLを加え,ガラス棒でかき混ぜながら約80 ℃の水浴中に
30分間浸す。
次に,遠心分離機に遠心沈殿管を取り付け,毎分約4 000回転で20分間遠心分離する。遠心沈殿管
を取り外し,静かに傾けて沈殿物が流出しないよう注意しながら上澄液を流し去る。このとき遠心沈
殿管の底に溶液が約5 mL残るようにする。
遠心沈殿管にキノリン20 mLを加え,ガラス棒でよくかき混ぜる。次に,キノリン10 mLを用いて
ガラス棒の付着物を遠心沈殿管に洗い込んだ後,遠心沈殿管を再び遠心分離機に取り付け,同様の操
作で20分間遠心分離する。この操作を,更にキノリンで2回,次に,アセトンで2回繰り返す。ただ
し,アセトンの場合は,遠心分離時間は各5分間とする。
遠心沈殿管を約50 ℃の水浴上で加熱して,溶剤の大部分を追い出してから,約110 ℃の乾燥器中
で30分間乾燥し,デシケーター中で放冷した後,質量をはかり,次の式によってキノリン不溶分を算
出する。
M1 M2
Q= 100
S
ここに, Q : キノリン不溶分(%)(質量分率)
M1 : (ろ過器+ろ過助剤+ろ過ケーキ)の質量(g)
M2 : (ろ過器+ろ過助剤)の質量(g)
S : 試料の質量(g)

16. クレオソー卜油のコークス残分定量方法

 クレオソー卜油のコークス残分定量方法は,次による。
a) 器具 器具は,次による。
1) 白金るつぼ ふたなしの容量2530 mL,上端の外径3335 mm及び高さ3545 mmで,ふた付き
の質量が2530 gのもの。ふたは,深さ約10 mmのカプセル形で,中心に直径2mmの孔があり,
るつぼによく密着し,図24に示すもの。
2) 電気炉 図25に示すような電気炉。炉温は,熱電対を用いて950±20 ℃に調節する。
3) ブンゼンバーナー又はメッケルバーナー 適切なもの。
単位 mm 単位 mm

――――― [JIS K 2425 pdf 33] ―――――

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単位 mm 単位 mm
図 24 白金るつぼ
図 25 電気炉の例
b) 操作 操作は,試料100 gをはかり取り,7.1と同様の方法によって蒸留し,355 ℃に達したとき加熱
を止め,放冷する。この蒸留残分(6)をあらかじめふた付で質量をはかった白金るつぼに,1.0±0.1 g
をはかり取り,ふたをした後,あらかじめ950±20 ℃に加熱した電気炉内又はブンゼンバーナー上若
しくはメッケルバーナー上に置き,ニクロム線製の支持器で支える。ブンゼンバーナー又はメッケル
バーナーを使用するときは,炎の高さを200 mmに保持し,るつぼの底部がバーナーの火口上6080
mmに位置するように置く。温度を調節するには,純粋なクロム酸カリウムをるつぼに入れて,るつ
ぼを所定の位置に置き,クロム酸カリウムが融解したときの温度を950±20 ℃とする。
加熱開始後,正確に7分経過したとき,るつぼを炉内又はバーナー上から取り出し,放冷した後,
質量をはかり,次の式によってコークス残分を算出する。
なお,試験はドラフトを用いないで行う。
留残分 (g)
試料 (100g) を 355 ℃で加熱したときの蒸 M3 M2
R= 100
S M1 M2
ここに, R : コークス残分(%)(質量分率)
M1 : (るつぼ+蒸留残分)の質量(g)
M2 : るつぼの質量(g)
M3 : [るつぼ+コークス残分(%)]の質量(g)
S : 試料の質量(g)
注(6) 360 ℃の蒸留残分を用いてもよい。

――――― [JIS K 2425 pdf 34] ―――――

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17. タールピッチの灰分定量方法

 タールピッチの灰分定量方法は,次による。
a) 器具 器具は,次による。
1) 磁器るつぼ JIS R 1301に規定するB形(容量30 mL)。
2) 加熱炉 適切なガスマッフル炉又は電気炉。
b) 操作 操作は,試料約3 gを質量の分かっている磁器るつぼに0.1 mgまではかり取り,試料がるつぼ
外に飛散しないように注意しながら徐々に加熱して揮発分を除去した後,加熱炉に入れる。750
900 ℃で完全に灰化させ,デシケーター中で放冷した後,質量をはかり,次の式によって灰分を算出
する。
M1 M2
C= 100
S
ここに, C : 灰分(%)(質量分率)
M1 : (るつぼ+残分)の質量(g)
M2 : るつぼの質量(g)
S : 試料の質量(g)

18. クレオソート油の流動性試験方法

 クレオソート油の流動性試験方法は,次による。
a) 器具 器具は,次による。
1) 三角フラスコ 容量100 mL及び300 mLのもの。
2) ろ過器 JIS R 3503に規定する漏斗形ガラスろ過器3G3。
3) 温度計 棒状水銀温度計及び浸線付二重壁水銀温度計。
3.1) 棒状水銀温度計 目盛範囲0100 ℃で,1 ℃ごとに目盛を刻んだもの。
3.2) 浸線付二重壁水銀温度計 刻度面は乳白板とし,表8に示すもの。
表 8 浸線付二重壁水銀温度計
項目 仕様
温度範囲 1545 ℃
液体 水銀
液上に満たす気体 窒素
最小目盛 0.1 ℃
全長 330350 mm
幹の外径 67 mm
大水銀球の外径 56 mm
大水銀球の長さ 1015 mm
大水銀球の下端から最低刻度線までの距離 100105 mm
温度計の上端から最高刻度線までの距離 2030 mm
大水銀球の下端から浸線までの距離 100 mm
許容差 0.1 ℃
4) 恒温水槽 32.0±0.5 ℃に調節できるもの。
5) 乾燥器 約80 ℃に調節できる恒温乾燥器。
6) 水浴 三角フラスコ300 mLが浴中で十分に振り動かせる形状のもの。
7) 吸引ろ過装置 三角フラスコ100 mLの入るもので,図26又は図27に示すもの。

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