JIS K 6398:2017 合成ゴム―溶液重合BR―試験方法 | ページ 3

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6 混練物の状態調節

  作製した混練物を,混練後2時間24時間状態調節を行う。JIS K 6250の6.(試験室の標準条件)に規
定する,温度23 ℃±2 ℃,相対湿度(50±10)%で行う。

7 加硫試験機による加硫特性の試験方法

7.1 ディスク加硫試験機による加硫試験

  ディスク加硫試験機による加硫試験は,JIS K 6300-2の8.(ディスク加硫試験)によって行い,得られ
た加硫曲線の解析を行う。
a) 試験項目 : ML,MH,ts1,tc(50)及びtc(90)
b) 試験条件 試験条件は,次による。
1) 振動数 : 1.7 Hz(100回/分間)
2) 振幅角度 : 1°
3) 選択感度 : MHの値が,少なくともフルスケールの75 %となるように選択する。
注記 ゴムの種類によっては,75 %に達しない場合がある。
4) ダイ温度 : 160.0 ℃±0.3 ℃
5) 予備加熱 : なし

7.2 ダイ加硫試験機による加硫試験

  JIS K 6300-2の9.(ダイ加硫試験A法),10.(ダイ加硫試験B-1法),11.(ダイ加硫試験B-2法),12.
(ダイ加硫試験C法)又は13.(ダイ加硫試験D法)の方法によって行い,得られた加硫曲線の解析を行
う。
a) 試験項目 : ML,MH,ts1,tc(50)及びtc(90)
b) 試験条件 試験条件は,次による。
1) 振動数 : 1.7 Hz(100回/分間)
2) 振幅角度 : 0.5°
3) 選択感度 : MHの値が,少なくともフルスケールの75 %となるように選択する。
注記 ゴムの種類によっては,75 %に達しない場合がある。
4) ダイ温度 : 160.0 ℃±0.3 ℃
5) 予備加熱 : なし

8 引張試験

  引張試験は,JIS K 6251によるほか,次による。
a) 引張試験に用いるシートの加硫は,加硫温度145 ℃で,25分間,35分間及び50分間行うか,又は加
硫温度150 ℃で,20分間,30分間及び50分間行う。この三つの加硫時間は,加硫不足,最適加硫及
び過加硫状態となる時間を意味する。
b) 選択した加硫条件は,一連の試験では同一とし,試験報告書には,選択した加硫条件を記録する。
c) 加硫シートには,16時間96時間の状態調節を行う。状態調節は,可能であれば,JIS K 6250の6.
(試験室の標準条件)に規定する,温度23 ℃±2 ℃,相対湿度(50±10)%で行う。

9 試験精度

  試験精度に関する評価結果は,附属書Aを参照する。

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10 試験報告書

  試験報告書には,次の事項を記載する。
a) この規格の番号
b) 試料を特定するために必要な事項
c) 揮発分の試験方法(JIS K 6238-1又はJIS K 6238-2に規定する方法の種類)
d) 灰分の試験方法(A法又はB法)の種類
e) 標準配合に使用した原材料名
f) 配合処方
g) 混練方法及び配合倍率
h) 加硫特性の試験方法
i) 加硫特性評価に用いた試験方法,MHに達した時間
j) 加硫温度及び時間
k) 特記事項
l) 規格にない事項
m) 結果及び単位
n) 試験年月日

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附属書A
(参考)
試験精度
A.1 一般
試験室間試験プログラム(以下,ITPという。)を1987年及び2004年に2回実施した。1987年のITP
は,練りロール機を用いて実施し,2004年のITPは,密閉式混練機及び練りロール機を用いて実施した。
これらのITPによって得られた試験精度結果を製品又は材料の受入れ可否判断に用いてはならない。こ
れらのITPによって得られた試験精度結果を製品又は受入れに用いる場合は,同意文書が必要である。
A.2 1987年のITPで練りロール機を用いて得られた試験精度
A.2.1 ITPの詳細
A.2.1.1 2種類のBRを含む配合を選定した。配合物は,ITPに参加した17の試験室において,一週間を
隔てて2回にわたって混練された。配合1は,非油展BRを含み,配合2は,油展BRを含む。
配合物の準備に当たっては,混練方法C1法だけを使用した。
配合物は,試験に当たってあらかじめ各試験室に送られた必要な配合材料の試料から作製した。各配合
材料の試料は,一様で均質なロットから採取した。試験プログラムに従って,それぞれの混練物の加硫シ
ートについて引張試験を実施した。
A.2.1.2 引張応力(300 %応力),引張強さ及び破断時伸びは,JIS K 6251に規定されているように,個々
の5回の測定値の中央値を採用した。17か所の全ての試験室において,ダンベル状試験片を用いた。この
内5か所の試験室では,リング状試験片を用いた試験も実施した。このように配合,混練,加硫及び各特
性試験を各試験室で実施して求めた試験精度は,タイプ2試験精度(ISO/TR 9272:1986参照)であり,ま
た,室内繰返し試験精度及び室間再現試験精度の測定間隔は,日間単位である。
A.2.2 試験精度の結果
室内繰返し試験精度及び室間再現試験精度の計算は,ISO/TR 9272:1986に従った。
試験精度の結果について,ダンベル状試験片の結果を表A.1に,及びリング状試験片の結果を表A.2に
示す。表A.1表A.6に用いた記号の定義は,次による。
Sr : 試験室内での標準偏差(測定項目の単位)
r : 試験室内繰返し試験精度(Repeatability),測定単位で表示。同一試験室内での二つの測定結果の
差の絶対値が,指定の信頼限界で,この値以下に収まることが期待される。
(r) : 試験室内繰返し試験精度,%(百分率)で表示。同一試験室内での二つの測定結果は,同一とみ
なすことのできる試験材料について,同一の方法を用い,同一条件(測定者,装置及び試験室が
同じ場合)の下に,指定の期間内に得られる。特に断らない限り,信頼限界は95 %である。
SR : 試験室間での標準偏差(測定項目の単位)
R : 試験室間再現試験精度(Reproducibility),測定単位で表示。異なる試験室間の二つの測定結果の
差の絶対値が,指定の信頼限界で,この値以下に収まることが期待される。
(R) : 試験室間再現試験精度,%(百分率)で表示。異なる試験室間の二つの測定結果は,同一とみな
すことのできる試験材料について,同一の方法を用い,異なる条件(測定者,装置及び試験室が
異なる場合)の下に,指定の期間内に得られる。特に断らない限り,信頼限界は95 %である。

――――― [JIS K 6398 pdf 13] ―――――

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ここでの試験精度の結果は,5.2.2.5.2のC1法にだけに適用されることに留意しなければならない。
表A.1−ダンベル状試験片での試験精度
配合処方 平均値 室内 室間
r (r) R (R)
引張応力(300 %)配合1 10.9 1.37 12.6 2.61 23.8
MPa 配合2 13.0 1.66 12.8 2.90 22.3
引張強さ 配合1 16.5 1.23 7.47 3.13 18.9
MPa 配合2 17.7 1.82 10.3 3.93 22.3
破断時伸び 配合1 367 35.1 9.55 76.6 20.8
% 配合2 424 57.8 13.6 127 29.9
表A.2−リング状試験片での試験精度
配合処方 平均値 室内 室間
r (r) R (R)
引張応力(300 %)配合1 10.3 0.82 7.98 4.13 40.2
MPa 配合2 11.9 0.82 6.93 4.73 39.7
引張強さ 配合1 14.4 0.98 6.81 3.03 21.1
MPa 配合2 15.8 1.40 8.88 4.36 27.6
破断時伸び 配合1 362 62.1 17.2 62.1 17.2
% 配合2 433 51.7 11.9 51.7 11.9
A.3 2004年のITPで密閉式混練機と練りロール機とを用いて得られた試験精度
A.3.1 ITPの詳細
練りロール機及び容積の異なる密閉式混練機を用いた試験精度を求めるために,5.1(標準配合)の表1
にある非油展ゴムの配合にNeocis BR40 : ネオジム触媒の高シス1,4-ポリブタジエン(97 %シス)を用い
てITPを実施した。
ITPは,ISO/TR 9272:2005で規定している手順及びガイドラインによって実施した。
それぞれの混練手法について,引張特性試験及び加硫試験の2種類の測定を実施した。引張特性試験の
試験精度は,伸びが100 %,200 %及び300 %の時の応力,破断時伸び並びに引張強さについて求めた。加
硫特性試験の試験精度は,MH(最大トルク),ML(最小トルク),ts1(スコーチ時間又は1 dN・m上昇する
時間),tc(50)(最大トルクの半分にトルクが上がる時間)及びtc(90)(最大トルクの90 %となる時間)に
ついて求めた。ISO/TR 9272:2005にあるタイプ2の試験精度について評価した。混練及び試験は,1週間
を隔てて2回行った。
混練及び試験を行う2日間において,混練物の作製には均質な材料を使い,適切な試験(引張特性及び
加硫特性)を行った。試験結果は,2日間の異なる日に得られた二つの試験結果を平均して求め,試験精
度はこれら結果を用いて計算した。
密閉式混練機での試験では,10か所の試験室がこの試験計画に参加したが,同じ混練機をもっている試
験室はなかった。用いた密閉式混練機の混練室容積は,75 cm3,80 cm3,270 cm3,379 cm3,422 cm3,588 cm3,
1 500 cm3,1 580 cm3,1 600 cm3及び3 322 cm3であった。異なる混練室容積の混練機でのデータを同じ試
験室から提出した場合でも,独立した試験室からのデータとして取り扱った。これによって,集めたデー
タは17試験室からのものと同等と扱った。したがって,各々の試験室−混練機の組合せは,疑似的に独立
試験室とみなした。

――――― [JIS K 6398 pdf 14] ―――――

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A.3.2 試験精度結果
練りロール機及び密閉式混練機を用いて引張特性試験及び加硫特性試験を行った試験精度結果を,表
A.3表A.6に示す。これらの結果については,ISO/TR 9272:2005によって試験精度を求めたものである。
試験精度は,絶対試験精度,r,Rと相対試験精度(r),(R)とがある。
各試験法についての試験室内繰返し試験精度は,表A.3表A.6に測定項目ごとに値を記載している。
この規格を適正に用い,同一の試験室にて別々の2回の試験結果が得られ,その値が各測定項目での集計
値r又はその百分率(r)よりも大きい場合は,試験が疑わしいものとして取り扱わなければならず,適切な
調査をする必要がある。
各試験法についての試験室間再現試験精度は,表A.3表A.6に測定項目ごとに値を記載している。こ
の規格を用い,異なる試験室にて別々の2回の試験結果が得られ,その値が各測定項目での集計値R又は
その百分率(R)よりも大きい場合は,試験が疑わしいものとして取り扱わなければならず,適切な調査をす
る必要がある。
A.3.3 試験室間再現試験精度の総平均値の比較
表A.3表A.6に示すように,試験室間再現試験精度(R)の総平均値は,練りロール機と密閉式混練機と
の間で異なる傾向を与えている。
表A.3及び表A.4で示される練りロール機による引張特性試験値及び加硫特性試験値の試験室間再現試
験精度(R)の総平均値は,それぞれ23.2 %と18.1 %であったが,表A.5及び表A.6で示される密閉式混練機
による結果は,それぞれ23.0 %と38.5 %であった。
引張特性試験値で比べると,練りロール機と密閉式混練機とでの試験室間再現試験精度(R)の総平均値は,
それぞれ23.2 %と23.0 %であり,実質として同じである。しかしながら,加硫特性値の場合は,練りロー
ル機での試験室間再現試験精度(R)の総平均値が18.1 %であるが,密閉式混練機の結果は38.5 %と異なって
いる。密閉式混練機で試験室間の差異が高いのは,各試験室で使用された密閉式混練機間に違いがあるこ
とから,妥当である。
表A.3−試験精度結果(タイプ2)練りロール機 引張特性試験値
特性 平均値 試験室内 試験室間 実施試験
Sr r (r) SR R (R) 室数a)
引張応力(100 %) 2.15 0.094 0.26 12.2 0.100 0.28 13.0 6
MPa
引張応力(200 %) 5.43 0.130 0.37 6.86 0.42 1.19 21.9 6
MPa
引張応力(300 %) 10.81 0.136 0.38 3.52 1.02 2.86 26.4 6
MPa
破断時伸び 417 11.4 31.9 7.66 30.2 84.5 20.3 8
%
引張強さ 17.42 0.344 0.96 5.53 2.14 5.98 34.4 7
MPa
総平均値 7.2 23.2
注a) 実施試験室数は,外れ値を削除した後の数である。また,密閉式混練機についての試験室の数は,
擬似的な試験室も含む。

――――― [JIS K 6398 pdf 15] ―――――

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