JIS K 6922-2:2018 プラスチック―ポリエチレン(PE)成形用及び押出用材料―第2部:試験片の作製方法及び特性の求め方 | ページ 4

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K 6922-2 : 2018
注記2 L/h=32の値が,必要な場合がある。
c) 試験前には,試験片に過大な力をかけない。ただし,応力−ひずみ曲線の初期曲線部の発生を避ける
ためには,小さい力(予備力)を負荷する。弾性率の測定では,この試験開始曲げ応力σf0(図JA.3
参照)は,正であり,かつ,次の式(JA.2)の範囲でなければならない。この式は,試験開始時のひず
みεf0≦0.05 %に対応する。
0<σf0≦5×10−4Ef (JA.2)
注記3 PEのような,粘性が大きく,延性のある材料の場合,曲げ弾性率は,予備力の影響を顕著
に受ける。
a : ≦5×10−4Ef 又は ≦10−2σf
図JA.3−予備力負荷後の応力−ひずみ曲線の例
d) 圧子及び支持台に直角になるように,二つの支持台に対して左右対称に試験片を置き,図JA.1に示す
とおり支点間中央に予備力[c) 参照]をかける。予備力時のクロスヘッド速度は,1 mm/minが望ま
しい。予備力に達したところで,たわみの読みをゼロにする。
e) 曲げ弾性率を求めるために,規定の試験速度を用いて,予備力に到達後,1分以内に試験を開始する。
曲げ弾性率を求める領域(0.05 %≦ε≦0.25 %)を超えた後,試験速度2 mm/minで連続的に力及び試
験片のたわみを記録する。ここで,クロスヘッド変位量を読み取り,その値を試験片のたわみ量とす
る。
f) 試験中の力及びこれに対応する試験片のたわみを記録する場合,曲げ応力−たわみ曲線を全て得るこ
とができる自動記録装置を使用することが望ましい。力−たわみ曲線,応力−たわみ曲線又は同等の
データから,応力,たわみ及びひずみを求める。
JA.8 計算及び試験結果の表現
JA.8.1 曲げ応力
次の式(JA.3)を使用して,曲げ応力を算出する。
fσ 3FL
2
(JA.3)
2bh

――――― [JIS K 6922-2 pdf 16] ―――――

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ここに, σf : 曲げ応力(MPa)
F : 力(N)
L : 支点間距離(mm)
b : 試験片の平均幅(mm)
h : 試験片の平均厚さ(mm)
JA.8.2 曲げひずみ
次の式(JA.4)又は式(JA.5)のいずれかを使用して,曲げひずみを算出する。
f 6sh
2
(JA.4)
L
f 600sh
2L
% (JA.5)
ここに, εf : 曲げひずみ(無次元数又は%)
s : たわみ(mm)
h : 試験片の平均厚さ(mm)
L : 支点間距離(mm)
JA.8.3 曲げ弾性率
曲げ弾性率を求めるために,次の式(JA.6)によって,曲げひずみεf1=0.000 5及びεf2=0.002 5に相当する
たわみs1及びs2を算出する。
L2
fi
si i 1 又は (JA.6)
6h
ここに, si : たわみ(mm)
εfi : 上記に挙げたεf1及びεf2に相当する曲げひずみ
L : 支点間距離(mm)
h : 試験片の平均厚さ(mm)
曲げ弾性率(Ef)は,次の式(JA.7)によって算出し,MPaで表す。
f2 1f
Ef (JA.7)
f2 1f
ここに, σf1 : たわみs1で測定した曲げ応力(MPa)
σf2 : たわみs2で測定した曲げ応力(MPa)
曲げ特性に関係する全ての式は,厳密には線形の応力−ひずみ挙動にだけ適用できる。
したがって,ほとんどのプラスチック材料については,微小たわみに対してだけこれらの式は有効であ
る。比較を目的とした場合は,これらの式を用いることができる。
コンピュータ付装置の場合は,規定された二点間の代わりにこれら二点間の曲線データから直線回帰法
によって,曲げ弾性率(Ef)を求めてもよい。
JA.8.4 統計処理
JIS K 7171に従って,試験結果の算術平均値を計算する。
JA.8.5 有効数字
曲げ弾性率は,有効数字3桁まで計算する。
JA.9 試験報告書
試験報告書に,次の事項を記載する。

――――― [JIS K 6922-2 pdf 17] ―――――

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K 6922-2 : 2018
a) この規格及び附属書の番号(JIS K 6922-2附属書JA)
b) 試験材料の特定に必要な全ての事項。分かる範囲で,樹脂の種類,供給者,製造番号及び履歴を含む。
c) 試験片の形,幅,厚さ及び長さ,可能であれば,測寸に使用した測定子の形状寸法
d) 試験片の作製方法
e) 試験の温度,湿度などの条件,及び状態調節の温度,湿度,時間などの条件
f) 試験片の数
g) 支点間距離
h) 試験速度
i) 試験機(力測定装置)の等級分類(JA.4.4参照)
j) 力を負荷した試験片面
k) 要求がある場合は,個々の試験結果
l) 測定値の平均値
m) 必要に応じ,平均値の標準偏差及び95 %信頼区間
n) 試験年月日
参考文献
[1] JIS K 7127 プラスチック−引張特性の試験方法−第3部 : フィルム及びシートの試験条件

――――― [JIS K 6922-2 pdf 18] ―――――

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K 6922-2 : 2018
附属書JB
(参考)
JISと対応国際規格との対比表
ISO 17855-2:2016,Plastics−Polyethylene (PE) oulding and extrusion materials−Part
JIS K 6922-2:2018 プラスチック−ポリエチレン(PE)成形用及び押出用材料−
第2部 : 試験片の作製方法及び特性の求め方 2: Preparation of test specimens and determination of properties
(I) JISの規定 (II) (III)国際規格の規定 (V) JISと国際規格との技術的差
(IV) JISと国際規格との技術的差異の箇条ごと
国際規 の評価及びその内容 異の理由及び今後の対策
格番号
箇条番号 内容 箇条 内容 箇条ごと 技術的差異の内容
及び題名 番号 の評価
1 適用範囲 1 変更 内容的には参考情報であるため。
適用範囲の一部を,この規格では注
記とした。 表現形式の違いだけであり,実質
的な差異はない。
3.3 射出成 表1 − 追加 保圧時間の規定を追加した。 国内では,保圧時間を明確にして
形 おり,これを追加した。ISOには,
提案済みであるが,業界動向の違
いによって否認された。
5 特性の求 表3 5 − 追加 1.3及び1.4(成形収縮率)の試験片
対応国際規格の記載では,平行及
め方 表3 のタイプをJIS K 7152-3のタイプ び直角の意味が不明確なため使用
者の利便性を考慮して追加した。
D2と規定した。また,“試験条件及
び補足説明”の欄に補足説明を追加
した。
ISO 178を引用。 変更 PEでは,必ずしも1 %の精度要求
2.10(曲げ弾性率)の試験方法規格
をJIS K 7171又は附属書JAによる を必要としない場合があるため。
とした。
ライン電極を用いると 変更 4.6(表面抵抗率)の測定に用いる対応国際規格に規定の電極は,国
規定。 電極を,JIS C 2139-3-2に規定する
内ではほとんど用いられていない
ため,規定を変更した。
ものから選択することに変更した。
K6
表4 5 − 追加 ASTM法を採用した理由を,注とし 使用者の利便性を考慮して追加し
92
表4 て追加した。 た。
2-
2 : 2018
5

――――― [JIS K 6922-2 pdf 19] ―――――

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K 6922-2 : 2018
K6
5
(I) JISの規定 (II) (III)国際規格の規定 (V) JISと国際規格との技術的差
(IV) JISと国際規格との技術的差異の箇条ごと
国際規
9
の評価及びその内容 異の理由及び今後の対策
22
格番号
-
2
箇条番号 内容 箇条 内容 箇条ごと 技術的差異の内容
: 2
及び題名 番号 の評価
01
附属書JA クロスヘッド変位 − 追加 クロスヘッド変位量でたわみ量を JIS K 7171を基に,この規格の規
8
(規定) 量でたわみ量を読 読み取る試験方法を附属書として 定として追加した。
み取る曲げ弾性率 追加規定した。
試験方法
JISと国際規格との対応の程度の全体評価 : ISO 17855-2:2016,MOD
注記1 箇条ごとの評価欄の用語の意味は,次による。
− 追加 国際規格にない規定項目又は規定内容を追加している。
− 変更 国際規格の規定内容を変更している。
注記2 JISと国際規格との対応の程度の全体評価欄の記号の意味は,次による。
− MOD 国際規格を修正している。

JIS K 6920-2:2009の国際規格 ICS 分類一覧

JIS K 6922-2:2018の関連規格と引用規格一覧

規格番号
規格名称
JISB7721:2018
引張試験機・圧縮試験機―力計測系の校正方法及び検証方法
JISC2110-1:2016
固体電気絶縁材料―絶縁破壊の強さの試験方法―第1部:商用周波数交流電圧印加による試験
JISC2134:2007
固体絶縁材料の保証及び比較トラッキング指数の測定方法
JISC2134:2021
固体絶縁材料の保証及び比較トラッキング指数の測定方法
JISC2138:2007
電気絶縁材料―比誘電率及び誘電正接の測定方法
JISC2139-3-1:2018
固体電気絶縁材料の誘電特性及び抵抗特性―第3-1部:直流電圧印加による抵抗特性の測定―体積抵抗及び体積抵抗率
JISC2139-3-2:2018
固体電気絶縁材料の誘電特性及び抵抗特性―第3-2部:直流電圧印加による抵抗特性の測定―表面抵抗及び表面抵抗率
JISC60695-11-10:2015
耐火性試験―電気・電子―第11-10部:試験炎―50W試験炎による水平及び垂直燃焼試験方法
JISK6922-1:2018
プラスチック―ポリエチレン(PE)成形用及び押出用材料―第1部:呼び方のシステム及び仕様表記の基礎
JISK7111-1:2012
プラスチック―シャルピー衝撃特性の求め方―第1部:非計装化衝撃試験
JISK7111-2:2006
プラスチック―シャルピー衝撃特性の求め方―第2部:計装化衝撃試験
JISK7115:1999
プラスチック―クリープ特性の試験方法―第1部:引張クリープ
JISK7139:2009
プラスチック―試験片
JISK7140-1:2008
プラスチック―比較可能なシングルポイントデータの取得及び提示―第1部:成形材料
JISK7144:1999
プラスチック―機械加工による試験片の調製
JISK7151:1995
プラスチック―熱可塑性プラスチック材料の圧縮成形試験片
JISK7152-1:1999
プラスチック―熱可塑性プラスチック材料の射出成形試験片―第1部:通則並びに多目的試験片及び短冊形試験片の成形
JISK7152-3:2006
プラスチック―熱可塑性プラスチック材料の射出成形試験片―第3部:小形角板
JISK7152-4:2006
プラスチック―熱可塑性プラスチック材料の射出成形試験片―第4部:成形収縮率の求め方
JISK7160:1996
プラスチック―引張衝撃強さの試験方法
JISK7161-2:2014
プラスチック―引張特性の求め方―第2部:型成形,押出成形及び注型プラスチックの試験条件
JISK7171:2016
プラスチック―曲げ特性の求め方
JISK7191-2:2015
プラスチック―荷重たわみ温度の求め方―第2部:プラスチック及びエボナイト
JISK7201-2:2007
プラスチック―酸素指数による燃焼性の試験方法―第2部:室温における試験
JISK7209:2000
プラスチック―吸水率の求め方
JISK7210-1:2014
プラスチック―熱可塑性プラスチックのメルトマスフローレイト(MFR)及びメルトボリュームフローレイト(MVR)の求め方―第1部:標準的試験方法
JISK7211-2:2006
プラスチック―硬質プラスチックのパンクチャー衝撃試験方法―第2部:計装化衝撃試験