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S 1039 : 2015
表2−構造による記号
I II III IV V VI VII VIII IX X XI XII
間口方向連結機能 独立式 連結式 独立式 連結式
棚板支持支柱 単柱式 複柱式 単柱式 複柱式 パネル式
奥行き方向棚板枚数 単式 複式 単式 複式 単式 複式 単式 複式 単式 複式 単式 複式
5 寸法
棚の寸法は,受渡当事者間の協定による。
注記 棚の寸法表示を,附属書Bに示す。
6 品質
6.1 外観
外観は,次による。
a) きず,くるい,接合部分の外れなどの著しい欠点がない。
b) 人体及び衣類の触れる部分には,鋭い角,突起,及びささくれがない。
c) 塗装面の見えがかり部分は,塗りむら,たれなどがなく,光沢及び色調にばらつきがない。
6.2 性能
a) 製品及び部材の性能は,箇条9に規定する試験を行ったとき,表3−性能(1)に適合しなければなら
ない。
b) 表3−性能(2)に該当する材料は,それぞれの性能を満たしたものを使用しなければならない。
表3−性能(1)
項目 性能 適用試験
箇条
安定性a) 棚板に力を加えたときの 転倒しない。 9.1.2
安定性
強度 棚板のたわみ たわみ率は0.5 %以下で,使用上支障のある破損,変形及び9.2.1
外れがない。
棚板支持具の強度 使用上支障のある破損,変形及び外れがない。 9.2.2
水平荷重a) 9.2.3
変位量が棚全高の100分の1以下で,使用上支障のある破損,
変形及び外れがない。
表面処理b) 常温液体に対する表面抵 JIS A 1531に規定する等級3以上とする。 9.3.2
抗性
木部塗膜密着性 塗膜のがれがない。 9.3.3
金属部塗膜密着性 塗膜のがれがない。 9.3.4
金属部塗膜防せい(錆)性 きずの両側3 mmの外側に膨れ及びさびが認められない。 9.3.5
金属部の塗膜厚さ 20 上とする。 9.3.6
金属部のめっき厚さ JIS H 8610に規定する表1(めっきの等級及びめっきの最小9.3.7
厚さ)の2級以上,又はJIS H 8617に規定する表1(種類,
等級及び記号)の2級以上若しくは表2(種類,等級及び記
号)の2級以上とする。
注a) 壁などに固定する棚は除く。
b) 見えがくれ部分は,適用しない。
――――― [JIS S 1039 pdf 6] ―――――
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表3−性能(2)
項目 性能 適用試験規格
製材 含水率 日本農林規格(JAS)
日本農林規格(JAS)の製材などに規定するもので,
含水率は12 %以下で,割れ,変形,虫食いなどの
材 著しい欠点がない。
料 なお,含水率の測定は,JIS Z 2101に規定する方法
による。
木質材料 ホルムアルデヒド JIS A 5905又はJIS A
ホルムアルデヒド放散量は,F☆☆☆等級の規定値
放散量 以下とする。 5908
合板 日本農林規格(JAS)
集成材 日本農林規格(JAS)
単板積層材 日本農林規格(JAS)
(LVL)
接着剤 ホルムアルデヒド JIS A 5549
ホルムアルデヒド放散速度又は放散量は,F☆☆☆
塗料 放散速度又は放散等級の規定値以下とする。 JIS K 5961又はJIS
量 K 5962
7 構造
構造は,次による。
a) 接合部は,溶接,接着,ねじ止め,その他の方法によって,堅ろうに結合し,がれ又は緩みが生じ
ない構造とする。
b) 棚板は,使用中容易に抜け落ちない方法で取り付ける。また,取外し可能な支持具などは,確実に,
固定ができる構造とする。最下段の棚板は固定式でもよい。
c) 棚は,強固な構造物1) に転倒防止金具などで取り付けることができる。
d) 木材及び木質材料を使用するときは,組立後,割れ,くるいなどの欠陥が生じない構造とする。
注記 転倒防止金具などを,附属書Cに示す。
注1) 強固な構造物とは,建物又は丈夫な構造体(棚を含む。)をいう。
8 一般試験条件
試験条件は,試験の種類によって引用する試験方法のJIS S 1200,JIS S 1201に定める試験条件による。
なお,試験場所の温湿度状態は,特に指定がない場合は,JIS Z 8703に規定する常温常湿とする。
8.1 試験体
試験体は,説明書によって組み立てた完成品を用いる。何通りかに組立て又は組合せが可能なものは,
その最も不利な状態で試験を行う。試験体を組み立てるために必要な結合金具は,試験前に全て締め付け
ておかなければならない。また,試験体の棚の一連の寸法を記録し,試験を行う。
8.2 試験区分
試験区分は,加える力の大きさの違いを示す。9.2の強度試験は,同一の試験区分によって行わなければ
ならない。
8.3 測定精度
測定の精度は,特に指定のない限り,力は5 %,質量は1 %,各部の寸法は0.5 mmの精度で測定する。
8.4 試験装置
試験装置は,次による。
――――― [JIS S 1039 pdf 7] ―――――
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a) 床面 床面は,水平で平たん(坦)な面とする。
b) ストッパ ストッパは,試験体が移動しないようにするためのもので,転倒を防止するものであって
はならない。ストッパの高さは12 mm以下とするが,試験体の構造によって,12 mmより高いストッ
パを必要とする場合には,試験体が移動するのを防止するために必要な最小限の高さでなければなら
ない。
c) おもり おもりは,金属板,金属棒,鋼球,鉛球などを詰めた袋を使用する。
d) 鋼製衝撃板 鋼製衝撃板の仕様は,JIS S 1200の表A.4(棚板支持具の強度を試験するための推奨衝撃
板)に示すもの。
9 試験方法
9.1 安定性試験
9.1.1 試験条件
安定性試験は,棚を転倒させようとする力に耐える性能を確認するために行われる試験であるが,試験
体は,1連で組み立てたものを使用する。また,棚板の数が不定の場合は,上板と最下段との棚板の内部
高さ寸法(mm)を書架においては300 mm,物品棚においては450 mmで除し,結果を四捨五入して整数
値とする。この数値から1を引いた数を,取り付ける棚板の枚数として,ほぼ均等の間隔で架設する。
9.1.2 棚板に力を加えたときの安定性試験
棚板に力を加えたときの安定性試験は,JIS S 1201の6.[オープン棚部の棚板に力を加えたときの安定性
(垂直力及び水平力)]によって,棚板のJIS S 1201に規定された位置に30 Nの水平力を1分間加え,転
倒の有無を調べる。水平力を加える部分は,最上段の棚板とする。このとき,垂直荷重及び水平荷重を加
えない棚には,力を加えたり物を積載したりしてはならない。
9.2 強度試験
強度試験は,棚の機能に即した正しい使用及び通常起こり得る誤用を想定し,それらの状況に相当する
荷重,力及び速度を試験品の様々な部分に加え,材料,設計,構造又は製造工程に関係なく,性能を確認
するために行う試験であり,次の試験項目について行う。
9.2.1 棚板のたわみ試験
棚板のたわみ試験は,棚板を棚板支持具に載せ,その棚板上に表1に規定する重さのおもりを,棚板に
均等に載せることによって行う[JIS S 1200の6.1.3(棚板のたわみ試験)の図2参照]。
試験後,棚板の前縁の中間点にできるだけ近い位置において,棚板のたわみを測定する。棚板に中央支
持具が一つ以上ある場合には,たわみが最も大きい位置において,そのたわみを測定しなければならない。
たわみ率は,二つの隣接する棚板支持具間の次に示すたわみ差を,棚板が直線と仮定した場合の棚板支
持具間の距離で除して百分率で表す。このときの寸法の精度は,±0.1 mmとする。
a) おもりを載せる前の棚板のたわみ量
b) おもりを載せた状態で,次の時間経過後の棚板のたわみ量
− 金属製,ガラス製及び石製の棚板 : 1時間
− その他の全ての棚板 : 1週間
ただし,部材間のかん合を確実にするため,棚板1段当たりのおもり(積載質量)の20 %を限度として,
予荷重として加えることができる。予荷重を加える場合は,一旦,予荷重を除去し,これを,おもりを載
せる前の棚板のたわみとする。
――――― [JIS S 1039 pdf 8] ―――――
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9.2.2 棚板支持具の強度試験
棚板支持具の強度試験は,JIS S 1200の6.1.4(棚板支持具の強度試験)の試験手順に準拠して,棚板上
に表1に規定するおもりを均等に載荷し,JIS S 1200の図3(棚板支持具の強度試験)に示すように一つ
の棚板支持具から鋼製衝撃板の長さ220 mmまでの部分にはおもりを載せず,表4の鋼製衝撃板を支持具
にできるだけ近い位置において,10回転倒させる。試験前及び試験後に,棚板及び支持具を調べる。
表4−鋼製衝撃板
区分 鋼製衝撃板
質量(kg) 寸法(mm)
書架 1.7 幅約109×厚さ約10×長さ200
物品棚 2.5 幅約160×厚さ約10×長さ200
9.2.3 水平荷重試験
水平荷重試験は,棚を床面上に設置し,支柱又は基礎をストッパに当て,試験区分を規定している表1
に規定する重さのおもりを全ての棚板上に載荷し,図1に示すように棚の正面又は側面の中心線上におい
て側面の最上部に水平にワイヤを取り付け,力は各回とも少なくとも10秒間維持し,試験おもりの昇降を
50回繰り返し,棚頂部の変位量を測定する。試験体は1連で組み立てたものを使用する。
試験おもりの質量は,製品自重及び棚板に載せたおもりを合わせた総質量の20分の1とする。試験おも
りの下降時は,衝撃が加わらないようにする。
構造用部材のかん合を確実にするため,試験おもりの昇降による予荷重は,10回を限度として加えるこ
とができる。
予荷重を加える場合は,予荷重による負荷が終了した段階で一度水平荷重を除去し,これを測定し原点
とする。さらに,所定の水平荷重の負荷を繰り返し終了した後試験おもりを除去し,この差を変位量とし
て測定する。試験は,間口方向及び奥行き方向について,それぞれに実施する。
なお,試験おもりによる場合と同等の水平力を用いて,試験を行ってもよい。
――――― [JIS S 1039 pdf 9] ―――――
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S 1039 : 2015
a) 単柱式
b) 複柱式
図1−水平荷重試験
――――― [JIS S 1039 pdf 10] ―――――
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JIS S 1039:2015の国際規格 ICS 分類一覧
- 97 : 家庭用及び商業用設備.娯楽.スポーツ > 97.140 : 家具
JIS S 1039:2015の関連規格と引用規格一覧
- 規格番号
- 規格名称
- JISA1531:1998
- 家具―常温液体に対する表面抵抗の試験方法
- JISA5549:2003
- 造作用接着剤
- JISA5905:2014
- 繊維板
- JISA5908:2015
- パーティクルボード
- JISH8610:1999
- 電気亜鉛めっき
- JISH8617:1999
- ニッケルめっき及びニッケル-クロムめっき
- JISK5961:2003
- 家庭用屋内木床塗料
- JISK5962:2003
- 家庭用木部金属部塗料
- JISS1200:2012
- 家具―収納ユニット―強度及び耐久性試験方法
- JISS1201:1998
- 家具―収納ユニット―安定性の試験方法
- JISZ0620:2018
- 産業用ラック
- JISZ1522:2009
- セロハン粘着テープ
- JISZ2101:2009
- 木材の試験方法
- JISZ8703:1983
- 試験場所の標準状態