JIS S 1039:2015 書架・物品棚 | ページ 3

                                                                                              9
S 1039 : 2015
c) パネル式
図1−水平荷重試験(続き)

9.3 表面処理試験

9.3.1  試験体
表面処理試験に用いる試験片は,試験体から木質系及び鋼板の場合は長さ約150 mm,幅約50 mm,鋼
管の場合は原形のまま,長さ約150 mmの大きさのものを試験に必要な数だけとる。ただし,9.3.2の常温
液体に対する表面抵抗性試験の場合は除く。また,試験片は,試験体と同一生産条件で製作されたもので
よい。
9.3.2 常温液体に対する表面抵抗性試験
常温液体に対する表面抵抗性試験は,JIS A 1531の規定に従い,酢酸4.4 %溶液,アンモニア10 %溶液,
中性洗剤及び事務用インクの4種類の試験液を用いて,6時間放置した後,試験液を拭き取り,塗装面の
異常の有無を調べる。
なお,JIS A 1531において,試験体の調整及び予備処理として,試験体は気温15 ℃以上で通風のよい
室内に4週間以上放置となっている。金属の焼付け塗装の場合は,この限りではない。また,洗浄溶液は,
JIS A 1531で規定している溶液のほか,同等の性質の溶液とする。
9.3.3 木部塗膜密着性試験
木部塗膜密着性試験は,試験片に鋭利な刃物で,刃が木質素地に達するように2 mm間隔で,相互に直
交するようにけがき線を11本ずつ引き,2 mm×2 mmの升目を100個作る。その上に,JIS Z 1522又は同
等以上の性能をもつ粘着テープを張り付けた後,すぐにがし,塗膜のがれの有無を調べる。
9.3.4 金属部塗膜密着性試験
金属部塗膜密着性試験は,試験片に鋭利な刃物で,刃が金属素地に達するように1 mm間隔で,相互に
直交するようにけがき線を11本ずつ引き,1 mm×1 mmの升目を100個作る。その上に,JIS Z 1522又は
同等以上の性能をもつ粘着テープを張り付けた後,すぐにがし,塗膜のがれの有無を調べる。

――――― [JIS S 1039 pdf 11] ―――――

10
S 1039 : 2015
9.3.5 金属部塗膜防せい(錆)性試験
金属部塗膜防せい(錆)性試験は,試験片に鋭利な刃物で,刃が金属素地に達するように,各対角線に
きずを付け,図2に示すように3 %食塩水(15 ℃25 ℃)をビーカーに深さ約70 mm入れたものに,き
ずを付けた試験片を約半分浸す。100時間経過後,浸せきしたままで,きずの両側3 mmの外側の膨れの
有無,及び引き上げて静かに水洗した後,乾燥させ,きずの両側3 mmの外側のさびの有無を調べる。
単位 mm
図2−金属部塗膜防せい(錆)性試験
9.3.6 金属部の塗膜厚さ試験
金属部の塗膜厚さの測定は,マイクロメータ又は電磁膜厚計で行う。
9.3.7 金属部のめっき厚さ試験
金属部のめっき厚さ試験は,JIS H 8610の9.3(厚さ試験)又はJIS H 8617の9.4(厚さ試験)によって
行う。

10 検査方法

  棚の製品検査は,形式検査2) と受渡検査3) とに区分し,それぞれ次の項目が箇条9,目視及び触感によ
って試験したとき,箇条5箇条7及び箇条11に適合したものを合格とする。
なお,形式検査及び受渡検査の抜取検査方式は,受渡当事者間の協議による。
a) 形式検査項目
1) 外観検査
2) 性能
3) 構造
4) 寸法
b) 受渡検査項目
1) 外観検査
2) 表示
注2) 製品の品質が設計で示した全ての特性を満足するかどうか判定するための検査。

――――― [JIS S 1039 pdf 12] ―――――

                                                                                             11
S 1039 : 2015
注3) 既に形式検査に合格したものと同じ設計・製造による製品の受渡しをする場合,必要と認める
特性を満足するものであるかどうかを判定するための検査。

11 表示

  製品には,次の事項を表示しなければならない。
a) 寸法 : 間口(W)×奥行き(D)×高さ(H)
ただし,寸法は,1連の製作寸法とする(外形寸法)。
b) 製造年又はその略号
c) 製造業者名又はその略号
d) 棚の種類
例 1種−I,2種−III

12 取扱い上及び維持管理上の注意事項

  製品には,次の注意事項を添付しなければならない。
a) 取扱い上の注意事項
b) 維持管理上の注意事項(手入れの方法など)

――――― [JIS S 1039 pdf 13] ―――――

12
S 1039 : 2015
附属書A
(規定)
書架・物品棚の用語
A.1 書架・物品棚の用語を,図A.1図A.3に示す。
図A.1−単柱式
図A.2−複柱式

――――― [JIS S 1039 pdf 14] ―――――

                                                                                             13
S 1039 : 2015
図A.3−パネル式
A.2 単体部と連結部との組合せを,図A.4及び図A.5に示す。
単体部同士の組合せを独立式,単体部と連結部との組合せを連結式という。
図A.4−独立式 図A.5−連結式

――――― [JIS S 1039 pdf 15] ―――――

次のページ PDF 16

JIS S 1039:2015の国際規格 ICS 分類一覧

JIS S 1039:2015の関連規格と引用規格一覧