JIS T 7207:2019 医用加湿器―加湿システムの基礎安全及び基本性能に関する個別要求事項 | ページ 8

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附属書D
(参考)
標識の図記号
次の変更を加えて,通則の附属書Dを適用する。
追加
表201.D.2.101−標識の図記号の追加
番号 図記号 参照 説明
1 IEC 80878:2015[16] バッチコード
ISO 7000-2492[3] 医療機器又はその包装等の製造業者のバッチ又はロ
ISO 15223-1:2016の図記号ット番号を特定するもので,コードは,シンボルに続
5.1.5 けて記載する。
2 IEC 80878:2015[16] カタログ番号
ISO 7000-2493[3] 医療機器又はその包装等のカタログ番号を特定する
ISO 15223-1:2016の図記号もので,コードは,シンボルに続けて記載する。
5.1.6
3 IEC 80878:2015[16] シリアル番号
ISO 7000-2498[3] 医療機器又はその包装等の製造業者のシリアル番号
ISO 15223-1:2016の図記号を特定するもので,コードは,シンボルに続けて記載
5.1.7 する。
4 IEC 80878:2015[16] 天然ゴムラテックス含有
ISO 7000-2725[3] 医療機器に天然ゴムラテックスが含まれていること
ISO 15223-1:2016の図記号を示す。
5.4.5
5 IEC 80878:2015[16] XXX含有
ISO 7000-2725[3] 医療機器に特定の製品又は物質が含まれていること
EN 15986:2011 を示す。
注記 : PHTがフタル酸類を示すように,XXXを特定
物質のシンボル又は他の識別記号で置き換えて表す。
追加(附属書)

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附属書AA
(参考)
個別指針及び理論的根拠
AA.1 一般的な指針
この附属書は,この個別規格にある重要な要求事項に関する理論的根拠を示し,加湿器の設計及び使用
を熟知しているがこの個別規格の開発には参画してこなかった人を対象としている。この個別規格を適切
に適用するには,主要な要求事項の根拠の理解が必要である。また,医療及び技術は変化しているので,
変化に対応して次回改正が必要になった場合に,現行の要求事項の理論的根拠が明確であれば規格改正が
容易になると考える。
AA.2 個別の条項の理論的根拠
この個別規格の個別の箇条及び細分箇条に関する理論的根拠を次に示す。箇条番号及び細分箇条番号は,
この個別規格の番号と同じである。
この附属書の箇条及び細分箇条は,規格を引用するための,この個別規格での箇条及び細分箇条に対応
して附番している。したがって,番号は連続していない。
注記 このAA.2の箇条又は細分箇条番号に付した“†”印は,対応する要求事項に対する根拠である
ことを示し,かつ,要求事項の文章でないことを容易に識別できるようにしたものである。
201.1.1† 適用範囲
能動形HMEは,加熱素子を搭載するME機器でもある。この加熱素子によって水を蒸発させ呼吸ガス
に添加する。HMEから患者の気道に送気される水蒸気を増やす。したがって,この個別規格のほとんど
の要求事項が適用される。適用しない要求事項については,それを明示する。
加湿器には,例えば,睡眠時無呼吸症候群治療装置などの呼吸ガスを生成する機器と併用されるものも
ある。そのようなME機器には,この個別規格のほとんどの要求事項が適用される。圧力降下など,適用
しない要求事項については,それを明示する。
201.4.3.101† 基本性能に関わる追加要求事項
加湿器の基本性能は,基本的には加湿出力を維持する,又はこの性能が機能していないことを操作者に
通知することである。とはいえ,加湿出力を正確に刻々と測定するかは疑問である。
加湿の物理的性質を考慮すると,加湿出力の短期間の変化は臨床的に重要ではない。したがって,基本
性能を維持しているかの確認にこの個別規格が要求する個別試験は,加湿出力の絶対値ではなく加湿出力
の経時的な平均値の変化を合格基準として使用する。
加湿出力が維持されていない場合,アラーム状態による操作者の通知又は異常運転の徴候が,時宜にか
なうものか製造業者は考慮することが望ましい。
201.4.6† 患者が接触するME機器又はMEシステムの構成品
多くの呼吸システムは,患者の上又は周囲に設置されるので,正常な使用では患者と直接接触する可能
性がある。ガス経路を経由して流体が流出入する。呼吸システム及び加湿器のガス経路自体について,生
体適合性及びガス経路を介して患者体内に入る可能性がある物質との適合性を調査する必要がある。また,
呼吸システムに何らかの回路(特に加温呼吸システム)が組み込まれる場合は,電気的ハザードも懸念さ
れる。これらの事項が装着部に対する要求事項であることを確実にすることによって,これらの問題は,

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既に通則に規定された要求事項で対処している。
201.4.11.101†加圧ガス供給源に関する追加要求事項
加圧ガス供給源に接続するように設計された加湿器は,供給圧力の定格範囲内で確実に動作することが
要求される。正常状態の加湿器からのガスの要求が,設計によって供給源から供給可能な流量の範囲内を
超える場合はこれらの圧力は維持されない。また,加湿器はガス供給源が万一単一故障状態になったとし
ても受容できないリスクが発生しないように設計することが望ましい。
加圧ガス供給システムは,正常状態で280 kPa600 kPaの国際的に合意された圧力範囲でガス専用ター
ミナルアウトレットから供給を行う。加圧ガス供給システムは,医療ガス配管設備及び現在の関連規格に
適合するボンベ減圧弁を含む。加湿器は,この範囲内の全ての供給圧力において規定した仕様で作動する
ことが望ましい。
減圧弁が故障した場合,ガス供給圧力が減圧弁の供給圧(ボンベ圧力)まで上昇する可能性がある。こ
のような事態を防止するために,医療ガス供給装置は供給圧力を1 000 kPa以下に制限する手段を備えるこ
とが要求される。全てのガス駆動のME機器は,供給圧力がこの値まで上昇したとしても受容できないリ
スクが発生しないように設計することが望ましい。
最大定格供給圧力が600 kPaを超える加湿器は,最大定格供給圧力の2倍までこの条件を満たす必要が
ある。
使用に当たって280 kPaの最低圧の維持を確実にするために,ガス専用ターミナルアウトレットを介し
て圧縮医用ガスを供給する医療ガス配管設備は,配管に直接接続した単一アウトレットで流量60 L/分ま
での定常流を供給するとき,ガス駆動機器のインレットでこの圧が維持されるように設計されている。ア
ウトレットに供給するときの配管での圧低下及び流量60 L/分のときのターミナルユニットと機器とを配
管に接続するホースアッセンブリの間の圧低下を考慮しなければならない。
医療ガス配管設備については,また,所定数の隣接するターミナルユニットから同時にこの流量を流す
のに十分なガスを供給できることが要求される。同時に使用できる数は,医療ガス配管設備の設計及び据
付時に“不等率”を適用して決定する。不等率は,供給業者及び責任部門が設置する各部門の供給エリア
の指定目的に応じて適切であると合意した因数である。推奨する不等率は,医療ガス配管設備でターミナ
ルアウトレットに必要な比率で平均60 L/分の流量で供給が確実になるように策定する。しかし,万一多
数の隣接するME機器からの流量の要求が60 L/分を超えると,加湿器への供給圧が280 kPa未満になる
可能性がある。これは,主としてターミナルユニットと供給ホースアッセンブリとの間の圧低下が増加す
ることによる(また,減圧弁が1個のターミナルアウトプットに供給している場合の流量低下特性による
場合もある。)。
60 L/分の定常流に内部空気圧系統の切換え及び患者デマンドシステムの動作が加わることで,ME機
器の供給流量は,一時的に60 L/分を大きく超える場合がある。配管圧でのガスの圧縮率及びガスの圧低
下を最小限にとどめる配管の径によって,通常はこのような一時的な供給流量の増加は,医療ガス配管設
備の配管内で調整される。200 L/分(3秒間以上)を超える一時的な供給流量の増加がある場合,ME機
器のインレットで供給圧が低下して一時的に280 kPa未満となるおそれがあるが,これらの圧低下は製造
業者が指定するホースアッセンブリの範囲内にとどまる。製造業者は,推奨する供給ホース構成で使用し
た場合に,及びISO 10524-1[52] に適合するボンベ減圧弁のような代替のガス専用ターミナルアウトレット
に接続した場合に,このような一時的な圧低下によってME機器の性能に影響があるかについて設計を評
価する必要がある。
使用目的においてより多くの平均流量又は一時的な流量を出すことができるME機器は許容されるが,

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附属文書にこれらの流量を記載し,他の不等率を必要とする旨の警告を記載することが求められる。
平均流量60 L/分は,医療ガス配管設備を作動させるときに使用する試験流量よりも多い。このこと自
体には問題はない。試験に規定した特定の条件は,二つの値を直接比較できないからである。配管の規格
を担当する小委員会ISO/TC 121/SC 6は,ISO/TC 121/SC 1及びISO/TC 121/SC 3と協議し,医療ガス配
管設備の現在の規格の作成において,平均流量値の60 L/分及び最大3秒間の過渡流量200 L/分に同意
した。医療ガス配管設備の試験要求事項を最終化するに当たって,この仕様に適合する必要性が認識され
た。
他の医用ガス供給システムの規格では,ペンダント形供給ユニットなどの供給システムにターミナルア
ウトレットを取り付けることが許容されていることを,製造業者は認識しておくことが望ましい。このよ
うなサブシステムは,ターミナルアウトレットからの流量は制限される。
201.5.101.2† ガス流量及び漏れの仕様
ガスの量は,標準化された条件でガスが占有する容積として表されることが多い。通常1気圧(101 325
kPa)が標準圧力として使用される。しかし,標準温度については異なる温度が使用される。物理学では標
準温度として0 ℃が使用されるが,設計工学では20 ℃又は21.1 ℃(70 °F)を使用することが多い。人工
呼吸では,患者への送気ガスの温度にかかわらず肺内のガス温度は,体温(37 ℃)と同じである。一定
量の乾燥ガスの容積は,0 ℃37 ℃の範囲では約13.6 %,20 ℃37 ℃の範囲では5.8 %増加する。
加湿器を含む医療機器に加圧ガスを供給するガス供給装置は,工学の慣行に従ってガス容積及び流量を
STPD条件で規定する。この個別規格では,ガスインプットに関する要求事項は,全てこの方法による。
しかし,この個別規格に適合する加湿器は,70 kPa110 kPa間の局所大気圧に相対して患者の肺を膨ら
ませる人工呼吸器に併用されることが多い。また,肺内のガスは,患者気道への送気ガスの湿度と関係な
く常に水蒸気で飽和されている。標準温度0 ℃の場合,STPD条件(標準状態)のガス1 Lは,70 kPaの
圧で肺を1.8 Lにまで膨張させることができる。異なる加湿器で比較可能な値を得るためには,全ての加
湿器に関する情報は,同じ標準条件である必要がある。肺を膨張させるのは,ガスの分子数ではなくガス
の容積であることから,BTPSが基準条件として適切である。
201.5.101.3† 加湿器試験のエラー
加湿器の性能を試験するに当たり,幾つかの試験パラメータでは,測定値にかなりな程度の測定不確実
性が伴う。特に,迅速に変化する流量を要素の一つにして容積を測定する場合など,正確度が制限される
ためである。
これらの不確実性には相対的重要性があるので,パラメータの正確さを示すときに,製造業者は,その
点を考慮することが重要である。
同様に,第三者試験施設においても,この個別規格に関して試験を実施する場合は,各測定値での不確
実性の重要性を認識することが重要である。
実際には,例えば,製造業者があるパラメータについて±7 %の許容誤差としているところ,測定の測
定不確実性が±3 %であれば,パラメータの許容誤差は±10 %である。第三者試験施設の試験で測定不確
実性が±5 %で,そのパラメータの測定値が±15 %のエラー値を得たとすると,試験施設は,製造業者の
主張を許容する必要がある。
製造業者は,この個別規格に関して試験を実施する場合,必要な測定精度を試験施設に明らかにし,ま
た,責任部門に情報を提供するために,各規定値の測定不確実性を開示する必要がある。
201.7.2.8.2† 他への電源
加熱送気チューブ制御装置の製造業者は,送気チューブへの最大供給電力を表示する必要がある。送気

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チューブの製造業者は,この表示がなければ送気チューブが201.102に規定する要求事項に完全に適合す
るか試験することができない。送気チューブの製造業者の多くは,最悪の場合,送気チューブを“解析調
査”しているため,加熱送気チューブ制御装置の最大出力を承知する必要がある。
201.7.4.3†測定単位
追加情報を,201.5.101.2の理論的根拠に示す。
201.7.9.2.2.101† 警告及び安全上の注意に関わる追加要求事項
a)
操作者は,製造業者がバリデーションしたのは取扱説明書に記載された部品又は附属品だけであること
に留意するのが望ましい。バリデーションされていない部品を使用すると,受容できないリスクが発生す
るおそれがある。
例えば,
− 製造業者が推奨する電源装置以外の電源装置は,設計及び製造が劣った品質(信頼性が低い。)の可能
性があり,加湿器の電磁両立性に影響を与えるおそれがあるなど。
− 取扱説明書に記載されていない部品を呼吸システムに接続すると,呼吸システムの吸気経路若しくは
呼気経路の抵抗を増大させる,又は基礎安全及び基本性能に影響する程度まで呼吸システムの意図し
ない漏れが増加するおそれがある。
201.7.9.2.8.101† 始動手順に関わる追加要求事項
設計によっては,測定センサ及びアラーム信号発生の点検だけでなく,操作者の操作,並びにソフトウ
ェアの完全性及びコンピュータによる加湿器制御の完全性を検証する起動時のセルフテストルーティン
の組合せによって,アラームシステムの十分な点検を実施できる。
201.7.9.2.9.101.2† 監督臨床医向けの操作説明
e)
加湿器には,様々な場所でのガス温度を測定し表示する温度センサを組み込むことができる。種々の設
計アプローチが存在する。例えば,患者側接続ポートのガスの温度は,その表示が必ずしも臨床的に有用
であるとは限らない。
例1 加熱送気チューブ(ワイヤ加熱送気チューブ)を備える加湿器
加湿チャンバの測定ガス温度が37 ℃に達するまで水を加湿チャンバで加温する。結露を防止
する目的で,患者側接続ポートでの温度が40 ℃になるように,このガスは送気チューブで更に
加温される。相対湿度は,加湿チャンバ内ではほぼ100 %,患者側接続ポートでは約85 %であ
る。ガスの総熱容量(エネルギー容量)は,主として水蒸気含量によることから,患者側接続
ポートにおけるガスの総熱容量は,加湿チャンバ内のガスの総熱容量よりも若干多い(温度の
上昇による。)程度である。ガスが患者側接続ポートを離れると,すぐにガスは冷却されて相対
湿度100 %に戻り,加湿チャンバ内の温度(飽和ガス温度)になる。ガス温度は,冷却後,徐々
に患者体温と平衡する。
例1では,患者に供給される湿度の最適な指標は,加湿チャンバにおける測定ガス温度であ
る。加湿チャンバの測定ガス温度が飽和ガス温度を示すからである。患者側接続ポートにおけ
る測定ガス温度は,相対湿度が100 %未満のガスの温度であり,したがって,患者に供給され
る湿度の指標として最適ではない。
例2 非加熱送気チューブを備える加湿器
加湿チャンバで水を加温し,得られた水蒸気が,ガスで加湿器から非加熱送気チューブに送

――――― [JIS T 7207 pdf 40] ―――――

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JIS T 7207:2019の引用国際規格 ISO 一覧

  • ISO 80601-2-74:2017(MOD)

JIS T 7207:2019の国際規格 ICS 分類一覧

JIS T 7207:2019の関連規格と引用規格一覧

規格番号
規格名称
JISB7761-3:2007
手腕系振動―第3部:測定及び評価に関する一般要求事項
JISC0445:1999
文字数字の表記に関する一般則を含む機器の端子及び識別指定された電線端末の識別法
JISC0447:1997
マンマシンインタフェース(MMI)―操作の基準
JISC1509-1:2017
電気音響―サウンドレベルメータ(騒音計)―第1部:仕様
JISC1509-2:2018
電気音響―サウンドレベルメータ(騒音計)―第2部:型式評価試験
JISC2134:2007
固体絶縁材料の保証及び比較トラッキング指数の測定方法
JISC2134:2021
固体絶縁材料の保証及び比較トラッキング指数の測定方法
JISC4003:2010
電気絶縁―熱的耐久性評価及び呼び方
JISC60079-0:2010
爆発性雰囲気―第0部:電気機器―一般要件
JISC60079-2:2008
爆発性雰囲気で使用する電気機械器具―第2部:内圧防爆構造“p”
JISC60079-6:2004
爆発性雰囲気で使用する電気機械器具―第6部:油入防爆構造“o”
JISC60364-4-41:2010
低圧電気設備―第4-41部:安全保護―感電保護
JISC60695-11-10:2015
耐火性試験―電気・電子―第11-10部:試験炎―50W試験炎による水平及び垂直燃焼試験方法
JISC6965:2007
ブラウン管の機械的安全性
JISC8282-1:2019
家庭用及びこれに類する用途のプラグ及びコンセント―第1部:一般要求事項
JISC8303:2007
配線用差込接続器
JIST0601-1-3:2012
医用電気機器―第1-3部:基礎安全及び基本性能に関する一般要求事項―副通則:診断用X線装置における放射線防護
JISZ8736-1:1999
音響―音響インテンシティによる騒音源の音響パワーレベルの測定方法―第1部:離散点による測定