JIS A 1901:2015 建築材料の揮発性有機化合物(VOC),ホルムアルデヒド及び他のカルボニル化合物放散測定方法―小形チャンバー法 | ページ 6

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JB.2.6 記録計
温度・湿度センサー,風速計及び圧力計によって,連続的にモニタリング及び記録を行う。
JB.2.7 シールボックス
チャンバー内に試験片を設置する場合は,試験片の小口及び裏面部分をシールし,化学物質が表面から
だけ放散されるようにするために,シールボックスを用いる。
シールボックスによって,試験片の表面積を試料負荷率に合わせて一定にすることができる。チャンバ
ー容積500 Lの場合,図JB.3のシールボックスを1セット用いると,試料負荷率が1.1 m2/m3となる。本
体はステンレス製で外枠と内蓋との間に試験片を設置し,その後,外枠どうしを組み合わせてねじで固定
する。密閉性を高めるために,必要に応じて外枠と試験片との間に四ふっ化エチレン樹脂枠を入れてシー
ルすることも可能である。
図JB.3にシールボックス構成図の例を,図JB.4にシールボックス断面図の例を示す。
単位 mm
図JB.3−シールボックス構成図の例

――――― [JIS A 1901 pdf 26] ―――――

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単位 mm
図JB.4−シールボックス断面図の例
JB.2.8 空気捕集装置
空気捕集装置(ポンプ)は,6.7による。

――――― [JIS A 1901 pdf 27] ―――――

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附属書JC
(参考)
チャンバーの例(1 000 L)
JC.1 1 000 Lチャンバー
1 000 Lチャンバーは,比較的大きな試験片の放散試験に適している。メインチャンバー,エア制御ユニ
ットなどで構成する。
JC.2 器具
図JC.1に,1 000 Lチャンバーシステムの構成図を示す。
1 000 Lチャンバーを用いてVOC,ホルムアルデヒド及び他のカルボニル化合物の放散速度を測定する
場合に必要となる主な器具は,次のとおりである。
a) 1 000 Lチャンバー
b) シールボックス
c) 空気供給装置
d) 温度・湿度制御装置(1 000 Lチャンバーを設置できる恒温恒湿室)
e) 温度・湿度記録計
f) 空気清浄装置
g) 流量制御装置
h) 空気捕集装置
i) 分析装置
図JC.1−1 000 Lチャンバーシステム構成図
JC.2.1 1 000 Lチャンバー
メインチャンバーはステンレス製(SUS304)であり,システム自体からの汚染及び汚染物質の吸着を最
小限にとどめる。

――――― [JIS A 1901 pdf 28] ―――――

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チャンバーの相対する側面に,サンプリング用ステンレスパイプが1対設けられている。サンプリング
パイプが取り付けられていない側面には,試験片を出し入れできる50 cm角の開口部を設けている。試験
中は,開口部は,四ふっ化エチレン樹脂枠シート及びステンレス板によって気密性を維持した状態で塞が
れている。チャンバー上面の中央部から温度・湿度記録計のセンサーをチャンバー内部に臨ませている。
チャンバー部品は全てステンレス製となっており,取外しが可能で,解体して容易に洗浄・加熱処理ができ
る。チャンバーへの新鮮空気の供給はシャワー管によって行い,内部で十分混合するようにしてある。
JC.2.2 シールボックス
チャンバー内に試験片を設置する場合は,試験片の小口及び裏面部分をシールし,化学物質が表面から
だけ放散されるようにするために,シールボックスを用いる。
シールボックスによって,試験片の表面積を試料負荷率に合わせて一定にすることができる。チャンバ
ー容積1 000 Lの場合,図JC.2のシールボックスを16セット用いると試料負荷率が1 m2/m3となる。本体
はステンレス製で試験片と本体との間に四ふっ化エチレン樹脂枠を入れてシールし,試験片を後ろからね
じで固定する。
シールボックス蓋固定用の8個の留め金及び試験片固定用の4本のねじだけで設置でき,僅かな時間で
の設置が可能で,設置時の化学物質放散を最小限に抑えるためにも有効である。図JC.2にシールボックス
構成図の例を,図JC.3にシールボックス断面図の例を示す。
単位 mm
図JC.2−シールボックス構成図の例

――――― [JIS A 1901 pdf 29] ―――――

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単位 mm
図JC.3−シールボックス断面図の例
JC.2.3 空気清浄装置
疎水性ゼオライト及びMn系酸化物を1 : 1でセル数400のコルゲート形状の無機質担体に担持した吸着
材を1 L,両端にステンレスパイプを溶接した容器に設置して構成されている。吸着材は,2日に一度交換
する。吸着材の再生は,150 ℃の温風を100 L/minで流すことによって,2時間ほどで再生できる。トルエ
ンのワンパス除去率は,99.5 %以上である。
JC.2.4 温度・湿度制御装置
温度の制御は,1 000 Lチャンバー本体を必要温度及び湿度に制御された恒温恒湿室に設置することで調
整する。空気清浄装置によって清浄化された換気空気を,流量制御装置で換気空気の流量の調節を行った
後にチャンバーへ送る。
JC.2.5 流量制御装置
流量制御装置のポンプは,クリーンルーム用ポンプを用い,吸い込み及び押出しが同時に行われるもの
(真空ポンプ)で,押し出された空気はその後,流量が計測される。
サンプリングを行うまで,チャンバー内は規定の換気回数で換気されている。放散速度は,完全混合を
仮定して算定している。
JC.2.6 温度・湿度記録計
チャンバー内には温度・湿度記録用の温度・湿度センサー及び圧力計が取付け可能で,必要時に出力す
ることができる。1 000 Lチャンバーでは,チャンバー内に設置した温度・湿度記録計を用いて連続的にモ
ニタリングする。
JC.2.7 空気捕集装置
チャンバー内の空気をサンプリングする空気捕集装置は,吸引ポンプ,ポンプの吸引流量を制御するニ
ードルバルブ,流量を計測するマスフローコントローラー,流量を表示する表示部,及び吸引時間を管理
するタイマーからなる。
JC.2.8 分析装置
VOCはガスクロマトグラフ質量分析計で,ホルムアルデヒド及び他のカルボニル化合物は高速液体クロ
マトグラフで分析する。

――――― [JIS A 1901 pdf 30] ―――――

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JIS A 1901:2015の引用国際規格 ISO 一覧

  • ISO 16000-9:2006(MOD)

JIS A 1901:2015の国際規格 ICS 分類一覧

JIS A 1901:2015の関連規格と引用規格一覧

規格番号
規格名称
JISA1902-1:2015
建築材料の揮発性有機化合物(VOC),ホルムアルデヒド及び他のカルボニル化合物放散量測定におけるサンプル採取,試験片作製及び試験条件―第1部:ボード類,壁紙及び床材
JISA1902-2:2015
建築材料の揮発性有機化合物(VOC),ホルムアルデヒド及び他のカルボニル化合物放散量測定におけるサンプル採取,試験片作製及び試験条件―第2部:接着剤
JISA1902-3:2015
建築材料の揮発性有機化合物(VOC),ホルムアルデヒド及び他のカルボニル化合物放散量測定におけるサンプル採取,試験片作製及び試験条件―第3部:塗料及び建築用仕上塗材
JISA1902-4:2015
建築材料の揮発性有機化合物(VOC),ホルムアルデヒド及び他のカルボニル化合物放散量測定におけるサンプル採取,試験片作製及び試験条件―第4部:断熱材
JISA1962:2015
室内及び試験チャンバー内空気中のホルムアルデヒド及び他のカルボニル化合物の定量―ポンプサンプリング
JISA1965:2015
室内及び試験チャンバー内空気中揮発性有機化合物のTenax TA(R)吸着剤を用いたポンプサンプリング,加熱脱離及びMS又はMS-FIDを用いたガスクロマトグラフィーによる定量
JISA1966:2015
室内空気中の揮発性有機化合物(VOC)の吸着捕集・加熱脱離・キャピラリーガスクロマトグラフィーによるサンプリング及び分析―ポンプサンプリング
JISK0123:2018
ガスクロマトグラフィー質量分析通則
JISK0124:2011
高速液体クロマトグラフィー通則
JISK0557:1998
用水・排水の試験に用いる水
JISZ8401:2019
数値の丸め方
JISZ8703:1983
試験場所の標準状態