JIS B 8942:2012 立体自動倉庫システム―システム設計通則 | ページ 5

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B 8942 : 2012

9.2 表示事項

9.2.1  仕様銘板
立体自動倉庫システムの見やすい位置に,次の事項を表示する。
a) 格納数
b) スタッカクレーン台数
c) 荷姿形状(必要に応じて記載)
d) 最大荷姿寸法(列方向,連方向,段方向)
e) 最大荷重
f) 平均荷重(必要に応じて記載)
g) 製造年月
h) 製造業者名又はその略号
i) 格納物の名称(必要に応じて記載)
9.2.2 運転状態の表示
立体自動倉庫システムの運転状態(自動,手動,異常など)が分かる表示装置を,侵入防止柵外に設置
する。
9.2.3 復旧手順
運転異常状態からの復旧手順は,制御盤及び/又は操作盤の付近に表示する。
9.2.4 警告表示
立体自動倉庫設備には,見やすい位置に操作する人の注意を促すため,文字及び/又は絵の形式で警告
表示する。警告表示は,次による。
a) 侵入禁止 侵入防止柵及び進入扉付近に第三者の侵入を防止する表示をする。
b) 操作に関する注意事項 制御盤・操作盤付近に,表示する。
c) 荷役作業に関する注意事項 荷役作業をする箇所に,表示する。
d) 保守点検作業に関する注意事項 保守点検する箇所に,表示する。
e) 保護具使用指示 保護帽着用範囲入口及び安全帯を使用する箇所に,表示する。
f) 非常時の脱出手順 脱出場所に表示する。

――――― [JIS B 8942 pdf 21] ―――――

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B 8942 : 2012
附属書A
(参考)
サイクルタイム計測時の動作例
代表的なサイクルタイム計測時の動作例を,表A.1に示す。
表A.1−サイクルタイム計測時の動作例
条件 サイクルタイム動作時の動作例
入出庫ステーション(荷取)→格納位置1(荷置)→入出庫ステーション
単体サイクルタイム(入庫)入出庫ステーション(荷取)→格納位置2(荷置)→入出庫ステーション
入出庫ステーション(荷取)→格納位置3(荷置)→入出庫ステーション
入出庫ステーション→格納位置1(荷取)→入出庫ステーション(荷置)
単体サイクルタイム(出庫)入出庫ステーション→格納位置2(荷取)→入出庫ステーション(荷置)
入出庫ステーション→格納位置3(荷取)→入出庫ステーション(荷置)

――――― [JIS B 8942 pdf 22] ―――――

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B 8942 : 2012
附属書B
(参考)
危険源,危険状態及び対策に関連する事項
運転,保守点検及び不具合の発見・処置の作業区分において,代表的な危険状態及び対策に関連する事
項を,表B.1に整理して示す。危険源の分類は,JIS B 9702:2000の附属書Aによる。実際には,設備の規
模・組合せによって危険源が異なるため,機械安全リスクアセスメントを実施して危険源を同定し,対策
することが必要である。
表B.1−立体自動倉庫システムの危険源,危険状態及び対策に関連する事項
危険源の分類 危険状態 対策に関連する事項
・押しつぶしの危人と動作中の 7.2
入出庫台でピッキング中の人が,フ
険源 機械との接触 ォーク装置に挟まれる。
・せん断の危険源によって生じ
・切傷又はせん断る危険
の危険源 人が動作中の 保守点検時に,人が機械に挟まれ7.6
・巻き込みの危険機械と棚との る。
源 間に巻き込ま JIS B 8943の9.1(構造及び強度)
運転室又は昇降式点検室内の人が,
・引込み又は捕捉れる危険 棚との間に挟まれる。
の危険源 7.3
人が稼動範囲への進入時に,スタッ
・衝撃の危険源 カクレーンなどが動作して衝突すJIS B 8943の12.3(運転モード切
・突き刺し又は突 る。 替)
き通りの危険源 人が機械に巻 7.3
正規手順での進入時に設備(スタッ
・こすれ又は擦りき込まれる危 JIS B 8943の12.2(動作に関する
カクレーンなど)が停止しないこと
むきの危険源 険 によって,機械が人に衝突する。 インタロック機能)
点検作業中に誤って可動部に手をJIS B 8943の13.4(固定式ガード
入れ,巻き込まれる。 の取付け)
機 割れたガラスによって,切創する。 JIS B 8943の9.1(構造及び強度)
割れたガラス

的 によって生じ
危 る危険

源 落下物が人に JIS B 8943の9.1(構造及び強度)
破損した照明の破片によって,切創
当たる危険 する。
JIS B 8943の9.1(構造及び強度)
運転室及び昇降式点検室内の人に,
落下物が当たる。
作業ステーション又は通路にいる7.2
人に,落下物が当たる。
9.1
作業ステーションで,作業中の人に
落下物が当たる。
フォーク装置上の荷が安定性欠如JIS B 8943の8.1(積荷の安定)
によって落下し,人に当たる。
JIS B 8943の12.2(動作に関する
荷台上の荷の位置不良,荷姿異常又
はフォーク装置が中央に戻ってい インタロック機能)
ない条件でのスタッカクレーン動
作によって,荷が落下し,人に当た
る。
JIS B 8943の12.2(動作に関する
二重格納によって,荷が落下し,人
に当たる。 インタロック機能)

――――― [JIS B 8942 pdf 23] ―――――

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B 8942 : 2012
表B.1−立体自動倉庫システムの危険源,危険状態及び対策に関連する事項(続き)
危険源の分類 危険状態 対策に関連する事項
・押しつぶしの危墜落の危険 運転室及び昇降式点検室の床で滑JIS B 8943の9.1(構造及び強度)
険源 り又はつまずきによって,転倒す
・せん断の危険源 る。
・切傷又はせん断 JIS B 8826-1
人が,ピッキング中に荷台から墜落
の危険源 する。 JIS B 8943の9.3(ピッキング時の
・巻き込みの危険 墜落防止)
源 JIS B 9713-2
人が,作業プラットフォームから墜
・引込み又は捕捉 落する。
の危険源 JIS B 8943の13.2(昇降設備)
人が,作業プラットフォームへ移動
・衝撃の危険源 時に墜落する。 JIS B 9713-2
・突き刺し又は突 JIS B 9713-3
き通りの危険源 JIS B 9713-4
・こすれ又は擦り 人が,保守点検作業時に墜落する。 7.6
むきの危険源 JIS B 8826-1
JIS B 8943の13.3(安全帯取付け
金具)
7.6
人が,運転室又は昇降式点検室に移
動時に墜落する。 JIS B 8943の13.2(昇降設備)
JIS B 8826-1
9.1
人が,床設置物につまずいて,転倒
する。 9.2
JIS B 8943の14.3(安全に関する

械 表示)
的 機械同士の接 フォーク装置がフォークストロー JIS B 8943の8.3(オーバストロー
危 ク防止機能)
触によって生 ク出限で停止できず,ラックに衝突

源 じる危険 する。
5.1
隙間寸法不足によって,フォーク装
置とラック,又は荷とラックとが接
触する。
JIS B 8943の8.4(駆動力の制限)
フォーク装置とラック,又は荷とラ
ックとが接触する。 JIS B 8943の12.2(動作に関する
インタロック機能)
機械の転倒に スタッカクレーン又はスタッカク JIS B 8943の7.6(安定度)
よって生じる JIS B 8943の10.1(安定度)
レーン用トラバーサが,安定を失っ
危険 て転倒する。
スタッカクレーン又はスタッカクJIS B 8943の7.2(走行終端限にお
レーン用トラバーサが,走行終端限ける通路外へのオーバラン防
にて停止できずにオーバランする。止)
JIS B 8943の10.3(スタッカクレ
ーン用トラバーサのオーバラン
防止機能)
JIS B 8943の10.4(スタッカクレ
ーン用トラバーサに設置するス
タッカクレーンのオーバラン防
止機能)
スタッカクレーン又はスタッカク7.5
JIS B 8943の6.3(過負荷検知機能)
レーン用トラバーサが,定格荷重を
超える荷を搬送して転倒する。

――――― [JIS B 8942 pdf 24] ―――――

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B 8942 : 2012
表B.1−立体自動倉庫システムの危険源,危険状態及び対策に関連する事項(続き)
危険源の分類 危険状態 対策に関連する事項
・押しつぶしの危機械の転倒に スタッカクレーン用トラバーサの JIS B 8943の10.2(停止位置の保
険源 よって生じる 停止位置不良によって,スタッカク持)
・せん断の危険源危険 レーンが脱輪して転倒する。 JIS B 8943の10.5(スタッカクレ
・切傷又はせん断 ーン用トラバーサへの乗移り前
の危険源 のオーバラン防止機能)
・巻き込みの危険 JIS B 8943の7.5(脱輪防止機構)
スタッカクレーンが,脱輪し転倒す
源 る。
・引込み又は捕捉停止機能の欠 JIS B 8943の7.1(ブレーキ)
指定位置に停止できず,危険な状態
の危険源 陥によって生 になる。
・衝撃の危険源 じる危険源 JIS B 8943の6.1(ブレーキ)
昇降停止位置を保持できず,危険な
・突き刺し又は突 状態になる。
き通りの危険源 JIS B 8943の6.6(昇降超過速度検
下降速度の制御不良によって,危険
・こすれ又は擦り な状態になる。 知機能)
むきの危険源 フォーク装置がフォーク装置定位JIS B 8943の8.2(ブレーキ)
置又はフォークストローク出限を
維持できず,危険な状態になる。
機 機械の落下に 荷台上の運転室又は昇降式点検室 JIS B 8943の6.5(落下防止機能)
械 よって生じる を支えるワイヤロープ又はつりチ

危 危険 ェーンが,破断して落下する。
険 荷台上の運転室又は昇降式点検室JIS B 8943の6.4(ワイヤロープ又

を支えるワイヤロープ又はつりチ はつりチェーン緩み検知機能)
ェーンの緩みによって,安定性欠如
から落下する。
JIS B 8943の6.1(ブレーキ)
昇降ブレーキの機能不全によって,
荷台又は昇降式点検室が落下する。
プーリ又はドラムの設計不具合にJIS B 8943の6.8(ドラム,シーブ
よって,危険な状態になる。 及びワイヤロープ)
ワイヤロープ又はチェーンの選択JIS B 8943の6.7(ワイヤロープ又
不良によって,危険な状態になる。はつりチェーン)
落下物によって,機械が破損し,危険な状態になる。 JIS B 8943の6.7(ワイヤロープ又
はつりチェーン)
強度不足によって,破損し危険な状態になる。 JIS B 8821
JIS B 8831
JIS B 8833-1
高圧流体の注入 − −
又は噴出の危険

充電部に人が接 給電装置の充電部に触れて感電する。 JIS B 8943の11.1(給電装置)
触(直接接触) 盤内充電部に触れて感電する。 JIS B 9960-1
JIS B 9960-32
電 JIS B 8943の11.4(電源断路器)

的 不具合状態下で 電源遮断機能不良によって,感電する。 7.4
危 充電部に人が接 JIS B 9960-1

源 触(間接接触) JIS B 9960-32
JIS B 8943の12.1(制御機器一般)
給電装置が壊れて漏電し,感電する。 JIS B 9960-1
JIS B 9960-32

――――― [JIS B 8942 pdf 25] ―――――

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JIS B 8942:2012の国際規格 ICS 分類一覧

JIS B 8942:2012の関連規格と引用規格一覧

規格番号
規格名称
JISB8941:2012
立体自動倉庫システム―用語
JISB8943:2012
立体自動倉庫システム―スタッカクレーン設計通則
JISB9700-1:2004
機械類の安全性―設計のための基本概念,一般原則―第1部:基本用語,方法論
JISB9700-2:2004
機械類の安全性―設計のための基本概念,一般原則―第2部:技術原則
JISB9702:2000
機械類の安全性―リスクアセスメントの原則
JISB9703:2019
機械類の安全性―非常停止機能―設計原則
JISB9705-1:2019
機械類の安全性―制御システムの安全関連部―第1部:設計のための一般原則
JISB9707:2002
機械類の安全性―危険区域に上肢が到達することを防止するための安全距離
JISB9708:2002
機械類の安全性―危険区域に下肢が到達することを防止するための安全距離
JISB9710:2019
機械類の安全性―ガードと共同するインターロック装置―設計及び選択のための原則
JISB9711:2002
機械類の安全性―人体部位が押しつぶされることを回避するための最小すきま
JISB9713-1:2004
機械類の安全性―機械類への常設接近手段―第1部:高低差のある2か所間の固定された昇降設備の選択
JISB9713-2:2004
機械類の安全性-機械類への常設接近手段-第2部:作業用プラットフォーム及び通路
JISB9713-3:2004
機械類の安全性―機械類への常設接近手段―第3部:階段,段ばしご及び防護さく(柵)
JISB9713-4:2004
機械類の安全性―機械類への常設接近手段―第4部:固定はしご
JISB9714:2006
機械類の安全性―予期しない起動の防止
JISB9715:2013
機械類の安全性―人体部位の接近速度に基づく安全防護物の位置決め
JISB9960-1:2019
機械類の安全性―機械の電気装置―第1部:一般要求事項
JISB9960-32:2011
機械類の安全性―機械の電気装置―第32部:巻上機械に対する要求事項
JISB9961:2008
機械類の安全性―安全関連の電気・電子・プログラマブル電子制御システムの機能安全
JISC8201-5-1:2007
低圧開閉装置及び制御装置―第5部:制御回路機器及び開閉素子―第1節:電気機械式制御回路機器
JISZ8737-2:2000
音響―作業位置及び他の指定位置における機械騒音の放射音圧レベルの測定方法―第2部:現場における簡易測定方法