JIS F 0812:2006 船舶の航海と無線通信機器及びシステム―一般要求事項―試験方法及び試験結果要件 | ページ 4

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F 0812 : 2006 (IEC 60945 : 2002)
記載し,そのような増加が引き起こされる状況を警告し,かつ,採るべき予防策を記述しなければ
ならない。

4.7 保守

(13.参照)4.7.1 ハードウエアの保守
(IMO 決議A.694/8.1) 装置は,入念な再校正や再調整を必要とせずに主要なユニットを船上で容易に
交換できるように設計しなければならない。
(IMO 決議A.694/8.2) 装置は,検査及び保守のために容易にアクセスできるように組み立てられ,設
置しなければならない。
4.7.2 ソフトウエアの保守 装置は,ソフトウエアの保守が船上で容易に実施できるように設計しなけれ
ばならない。保守は4.9(表示及び識別)に合致したラベルによって,サポートされなければならない。保
守後,使用者の再訓練は不要としなければならない。
船上の文書は,ハードウエア保守に合わせて更新,変更しなければならない。

4.8 装置マニュアル

(14.参照) (IMO 決議A.694/8.3) 適正な資格をもつ乗組員が装置を正しく操作でき,かつ,保守するために必要
な情報を提供しなければならない。
取扱マニュアル及びサービスマニュアルは :
a) 英語で記載しなければならない;
b) 4.4で定めた装置又はユニットのカテゴリを,明記しなければならない;
c) (IMO 決議A.694/8.3.1) 故障診断及び修理が部品レベルまでできるように設計されている装置の場
合,完全な回路図,部品配置図及び部品表を提供しなければならない;
d) (IMO 決議A.694/8.3.2) 故障診断及び修理が部品レベルまでできない合成モジュールをもった装置
の場合,欠陥モジュールを特定,識別,交換するために十分な情報を提供しなければならない。それ
以外のモジュール及びモジュールの構成品でない個別部品については4.8 c)の要件に適合しなければ
ならない。
さらに,ブリッジに装備が必要である他の装置の動作によって受ける制限を考慮したうえで,関連規格
の要求に合致した動作をするように装置を装備できるように十分な情報を提供しければならない。

4.9 表示及び識別

(15.参照) (IMO 決議A.694/9) 装置の各ユニットには,可能な限り,通常の設置状態で明りょうに読み取れるよ
うにその外部に次の情報を表示しなければならない :
1) 製造業者名;
2) 型式試験を受けた装置のタイプ番号又はモデル名;
3) 装置の製造番号。
代わりに,装置起動時に表示器上に表示してもよい。
これは,装置を船に納入する前又は船上装備時のいずれでも表示しなければならない。
インストールしたソフトウエアシステムに含まれる各ソフトウエアエレメントのタイトル及びバージョ
ンが表示されているか又はコマンドによって装置に表示しなければならない。
ソフトウエアのタイトル及びバージョンが画面上にだけ示す場合は,その情報を装置のマニュアルにも
表示しなければならない。
コンパス安全距離の表示は,4.5.3の規定による。

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5. 試験方法及び試験結果要件

5.1 一般

 試験及びこれに関する試験方法には,技術試験及び動作チェックの二つのカテゴリがある。
性能,耐久性及び電磁両立性(EMC)に対する技術試験は,試験所又は試験施設で行う。装置の操作使用
のために備えられた施設が妥当であることをチェックするために,操作チェックは試験所又は船上で行っ
てもよい。
技術的性能は,二つ以上のレベルで確認できる。装置規格への完全な適合確認を必要とするレベルは性
能試験で,装置が動作するということだけを確認する必要のあるレベルは性能チェックである。性能チェ
ックは性能試験よりも一般的に範囲が狭く時間をかけない。単一の性能チェックで十分な装置の場合や技
術的な理由で,この規格で規定する様々な試験に対して異なったチェックを規定するのが適している場合
もある。
性能試験と性能チェックの項目及び各試験のチェック項目は,装置規格に詳しく規定するものとする。
装置の規格がないか,装置の規格に性能試験が規定されていない場合は,性能試験が試験計画として明確
にされ,試験報告書に記載しなければならない。
耐久試験は,妥当な場合,船上での環境にさらされることや落下などの誤操作(ミスハンドリング)に
よる過酷な扱い,又は輸送や設置に起因する機械的な劣化に対する装置の抵抗力を試験するためのもので
ある。
EMC試験は,船の電磁環境下で装置が規定の動作をするか,そのような電磁環境を不当に作りださない
かをチェックするものである。
別に規定する場合を除き,EMC試験,性能試験と性能チェック及び動作チェックのために規定された期
間中だけ[(EUT)供試装置]に給電しなければならない。
関連する装置規格で相違点を特に規定しない限り,すべての試験及びチェックは,この規格で規定する
試験条件下で要求どおりに実施しなければならない。試験順序が関連する装置規格で規定していない場合
は,都合のよい順序で実施してもよく,組合せてもよい。
試験中,EUTを正しくセットアップし,維持,操作できるように,適切な情報を提供しなければならな
い。
IMO 決議A.694とそれに対応するこの規格での試験の相互参照表を附属書Fに記載する。

5.2 試験条件

 通常試験及び限界試験の条件は,環境条件及び電源のパラメータで規定する。“通常”と
いう語句は,この条文では,通常試験及び限界試験の条件が船上で通常遭遇する広範囲な条件を共にカバ
ーしているということに特に注意したうえで,その文脈を踏まえて解釈するものとする。
試験用電源は,EUT(供試装置)のすべての負荷変動に対して通常試験及び限界試験の電圧並びに交流
電源の場合には周波数を供給できなければならない。その電源の内部インピーダンスが,試験結果に対し
影響が無視できる程に十分低くなければならない。電源の電圧と周波数はEUTの入力端で測定しなければ
ならない。
内蔵の蓄電池から給電する装置では,試験用電源の使用は便宜的な場合だけに限り,製造業者と合意し
たうえで使用しなければならない。何らかの相違が発生した場合は,蓄電池の使用で得られる結果が,試
験用電源使用で得られる結果よりも優先しなければならない。
5.2.1 通常試験条件 通常環境条件は,1535 ℃の温度及び20%75%の相対湿度の範囲内で適切な組
合せとしなければならない。
上記で規定した環境条件下で試験を実施することが実際的でない場合,試験中,より現実的な環境条件
が適用されたことで,この状態の影響に対する注釈は,試験報告書に添付しなければならない。

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通常試験の電源電圧は,装置が設計された一つ(又はいずれか)の公称電圧に対して±3%の範囲内でな
ければならない。交流電源の場合,試験用電源周波数は,公称周波数の±1 Hzの範囲内でなければならな
い。
5.2.2 電源変動限界条件 電源変動限界条件は,8.に規定する。
船内電源の変動限界は,JIS F 8061の規定による。これらに対する試験としては,表1による電源変動
の組合せをEUTに適宜使用しなければならない。
表1 電源変動限界
電源 電圧変動 % 周波数変動 %
交流 ±10 ±5
直流 +30 非適用
−10
内蔵の蓄電池を使用する装置の場合,試験電圧の下限は使用する蓄電池のタイプに従わなければならな
い。すなわち :
− 一次電池 : アルカリ電池又はリチウム電池 : 蓄電池の公称電圧の0.8倍
− 水銀電池 : 蓄電池の公称電圧の0.9倍
− 二次電池 : カドミウム電池 : 蓄電池の公称電圧の1.2倍及び0.9倍
− その他のタイプの蓄電池 : 製造業者が指定する終末電圧
すべてのタイプの内蔵の一次蓄電池の試験電圧の上限は,蓄電池の公称電圧としなければならない。
他の電源を使用するか種々の電源で動作する装置の場合,その限界試験電圧については装置製造業者と
合意し,試験報告書に記録しなければならない。
EUTに対して実施する性能試験及び性能チェックのスケジュールについては,表2に規定する。
5.2.3 過大条件 この条件は,限界条件を超えるものであり,性能の劣化の発生の有無にかかわらず,装
置規格の規定どおりにEUTが動作することを確認するためのものである。このうち,過電流とは通常の動
作電流を超えた電流と定義する。
過電圧とは5.2.2で規定した電圧を超えた電圧である。そのような過大入力に対して,製造業者が選択し
た適切なレベルで保護されていなければならない。その保護装置が動作したとき,例えばヒューズの交換
などでEUTがリセットされなければならない。保護装置が動作するように電源を調整し,EUTがリセッ
トされた後,通常試験条件下で性能チェックを実施しなければならない。
電源の誤接続も過大条件と見なされる。妥当な場合は,電源の極性を逆にしたり位相を反転させたりし
て,5分間装置に給電しなければならない。試験終了後,必要ならEUTの保護装置をリセットし,電源を
通常どおりに接続して性能確認を行わなければならない。

5.3 試験結果

 すべての適切な試験結果を記録するための試験報告書を作成しなければならない。
測定試験結果は,対応する許容性能限界と比較し,測定した性能マージンが適正であり試験計測の不確
かさよりも大きい場合だけEUTが試験に合格したとしなければならない。試験報告書には,それぞれの試
験測定に対して,試験結果,それに伴う測定の不確かさ,許容性能限界及び該当する性能マージンを明示
しなければならない。
4.の試験方法で規定していない要求事項は,装置の検査,製造図面,又は他の該当文書によって,チェ
ックしなければならない。実施したチェックは,試験報告書に記述し結果を記載しなければならない。
試験報告書に要求される情報のガイダンスは,附属書Eに規定する。

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6. 動作チェック(すべてのカテゴリの装置)

6.1 人間工学及びヒューマンマシンインタフェース

 EUTは,規定の要求事項に適合していることを確
認するために次のとおりチェックしなければならない。実施されたチェックは,試験報告書に記述し結果
を記載しなければならない。
6.1.1 一般 装置規格で要求されるすべての動作モードが使用でき,これらのモードが必要な範囲で操作
できることをチェックしなければならない。指定されたとおりに機能し,期待どおりに動作することを確
認するために,すべての操作器はすべての設定位置に動かさなければならない。
6.1.2 配置(4.2.1.2参照)
a) 操作器の数,形状,機能,位置,配置及び大きさは,EUTを簡単,迅速,かつ,効果的に操作できる
かどうかをチェックする。操作器類は機能に従って論理的にグループ分けされていることをチェック
する。
b) 操作器の形状と大きさが操作方法に適していることをチェックする。トラックボール,ジョイスティ
ック又はマウスの場合,コントローラは,X,Y軸方向出力の組合せを出力でき,コントローラの従
動表示が,スクリーンの端からはみ出さないことをチェックする。ジョイスティックの場合は,“ホー
ムポジション”があり,その位置に戻せることをチェックする。
c) タッチスクリーンの場合,押して動作させる場合のレスポンスエリアの大きさは縦,横15 mm以上で
あり,操作に必要な力は適用可能なかぎり最大1.5 Nであることをチェックする。
d) 情報の表示方法が,情報の予想される最大変化速度に適したものであることをチェックする。変化速
度の早い場合には,デジタルよりもアナログ表示の方が時には適している。
e) 回転形操作器及び表示器が,右回りで量又は効果が増大をすることをチェックする。
f) 直線形操作器及び表示器が,上向き又は右方向に動かすと,量又は効果が増大することをチェックす
る。
g) 使用者が変化方向を素早く認識する必要のある場合は,デジタル表示に変化方向の表示を備えている
ことをチェックする。
h) 操作に関連する装置のエレメント及び操作に関連する表示は,装置をセットアップするなどのその他
の機能のために設けられたエレメントから容易に区別できることをチェックする。
6.1.3 操作(4.2.1.3参照)
a) すべての操作器は,通常の調整が容易にでき,不用意な操作の機会を最小限にするように配置されて
いることをチェックする。通常動作には不要だが性能に影響する可能性のある操作器は容易にアクセ
スできないことをチェックする。
b) すべての操作器及び表示器は,容易に使用でき正確であること及びその機能や環境(予想される周囲
の照明又は音)に一般的に適していることをチェックする。
c) 調整のために指示器を観察する必要がある場合,操作器を操作したことで操作に関する表示を覆い隠
さないことをチェックする。
d) すべての操作において,誤選択からの復帰又は好ましくない状態からの離脱のため,明りょうな表示
と一貫した単純な動作が可能であることをチェックする。使用者がいつでも,操作の開始,中断,再
開,終了ができることをチェックする。
6.1.4 識別(4.2.1.4参照)
a) すべての操作器及び表示器は,装置を通常操作する場所から容易に識別でき読み取れることをチェッ
クする。

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b) 計器及び表示器の文字は,簡単明りょうであることをチェックする。文字の高さ(mm)は読取り距
離(m)の3.5倍以上であり,文字幅の公称値は高さの0.7倍とする。操作のできる計器又はコントー
ルと接続して取り付けられるメータ類は少なくとも1 mの距離で読み取ることができ,その他のメー
タ類は少なくとも2 mから読み取れることをチェックする。
c) 操作と表示には英語を使用し,装置の規格で規定された識別名称が使われていることをチェックする。
d) 表示が操作者の目線に対して満足のいく位置にあり,通常の操作状態で関連の操作器を操作したとき,
表示を見にくくしないことをチェックする。
6.1.5 画面表示器及び指示器(4.2.1.5参照)
a) メニューがタスク環境に従ってグループ分けされていることをチェックする。メニューの階層構造は,
必要なステップが最小となるように設計され,メニュー内の現在の位置が使用者に分かるようになっ
ていることをチェックする。
b) メニュー選択にキーコードを使用する場合は,各コードが任意の一文字でなく表示されるオプション
ラベルの最初の一文字又は複数の文字であることをチェックする。
c) メニューには,現在の環境において使用者が使用できるオプションメニューだけが表示されているこ
とをチェックする。メニューアイテムにカーソルを当てるとハイライトすることをチェックする。
d) メニューアイテムが“オン”・“オフ”状態をもっている場合には,“オン”状態は視覚的に明りょうに
表示されており, メニューアイテムの“オン”・“オフ”の選択によって状態が変化することをチェッ
クする。
e) 同じに現れるアイテムは,一貫した動きをすることをチェックする。例えば,
− 表示フォーマット及びメニューの階層構造の考え方が一貫している。
− 画面が違っても使用するメニューは一貫している。
− 画面上のメニュー表示位置が一貫している。
− 入力のプロンプト及びラベルが一貫している。
f) ある部分の対話画面から他のダイアログに移るとき,使用者が情報を記憶する必要のないことをチェ
ックする。
g) 適切な船舶用語がSMCPにある場合,システムがそれらに適合した用語を使用しているかをチェック
する。
h) 表示テキストは,可能な限り理解しやすいものであることをチェックする。
i) 追加のオンラインヘルプが利用できるときは,タスクに適合したフォームであり,検索しやすく,ス
テップがリストされていることをチェックする。
j) すべての操作においてシステムの状態が,必須のデータを表示した状態で,観察できることをチェッ
クする。
k) 使用者が操作するために必要なすべての情報が,現行の画面に出ていることをチェックする。
l) フィードバックのタイミングが操作要求に対して一貫していることをチェックする。どのようなアク
ションに対しても短時間に明確なフィードバックがあることをチェックする。応答に目立った遅れが
発生する場合は視覚的表示が得られることをチェックする。
m) 画面でサポートされている操作がどのステップにあっても,その操作を開始する前の状態へ一挙動で
戻れることをチェックする。
n) 使用中のモードが,画面で識別できることをチェックする。
o) 表示内容が,機能と一貫して情報を最も簡明に提供し,タスクに無関係な情報若しくは余分なテキス

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