JIS F 0812:2006 船舶の航海と無線通信機器及びシステム―一般要求事項―試験方法及び試験結果要件 | ページ 6

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F 0812 : 2006 (IEC 60945 : 2002)
詳細は,IEC 60068-2-2による。
8.2.2.3 結果要件 性能試験及び性能チェックの要求事項を満足しなければならない。

8.3 高温高湿試験

8.3.1  機能試験(携帯形,防護形,暴露形装置)
8.3.1.1 目的 この試験は,装置が高湿度の条件下で動作する能力を判定するものである。相対湿度95%
の地表大気中で起こる最高値である+40 ℃の上限温度で1サイクル試験する。
8.3.1.2 試験方法 EUTを常温常湿のチャンバー内に置き,温度を40±2℃に上昇させ,3時間±0.5時間
かけて相対湿度を(93±3)%に上昇させる。このままの状態を1016時間維持しなければならない。この
試験の終わりに,EUTに温度調整装置が組み込んである場合にはその電源を入れてもよい。
30分後又は製造業者が合意した期間の後にEUTの電源を入れ,2時間以上動作させ,この間にEUTを
関連の装置規格に従って性能チェックを行う。
チャンバー内温度と湿度とを全試験期間中,規定どおりに維持しなければならない。
試験終了後,EUTをチャンバー内に放置したまま1時間以上かけてチャンバー内温度を室温に戻さなけ
ればならない。
試験終了時,EUTは,通常環境条件に戻さなければならない。
詳細は,IEC 60068-2-30による。
8.3.1.3 結果要件 性能チェックの要求事項を満足しなければならない。

8.4 低温試験

8.4.1  保存試験(携帯形装置)
8.4.1.1 目的 この試験は,非動作状態にある装置への熱応力の影響をシミュレーションする。非常用装
置は非動作状態が長期間続いた後,正しく機能しなければならない重要性から,携帯形装置に適用する。
8.4.1.2 試験方法 EUTは,常温常湿のチャンバー内に置かなければならない。温度を−30±3 ℃まで下
げ,1016時間そのままの状態を維持しなければならない。
試験の終了時,EUTを通常の環境条件に戻し関連の装置規格に従って性能チェックをしなければならな
い。(7.1参照)。
詳細は,IEC 60068-2-48による。
8.4.1.3 結果要件 性能チェックの要求事項を満足しなければならない。
8.4.2 機能試験
8.4.2.1 目的 この試験は,装置が低温で動作する能力があるかを判定するものである。また,低い周囲
温度でも起動できることを実証するためのものである。
8.4.2.2 試験方法(携帯形装置) EUTは,常温常湿のチャンバー内に置かなければならない。次に温度
を−20 ℃±3 ℃まで下げ,1016時間そのままの状態を維持しなければならない。この期間の終わりに
EUT内の温度制御デバイスの電源を入れてもよい。
30分後又は製造業者が合意した期間の後にEUTの電源を入れ,2時間以上動作させ,この間にEUTの
関連の装置規格に従って性能試験及び性能チェックを行わなければならない。(7.1参照)
チャンバー内温度は,全試験期間中,−20±3 ℃ に維持しなければならない。
試験の最後にEUTを通常環境条件に戻さなければならない。
詳細は,IEC 60068-2-1による。
8.4.2.3 結果要件 性能試験及び性能チェックの要求事項を満足しなければならない。

――――― [JIS F 0812 pdf 26] ―――――

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8.4.2.4 試験方法(防護形装置) チャンバー内温度を−15±3℃に下げてそのまま維持すること以外は,
携帯形装置での規定のとおりに試験を行わなければならない。
8.4.2.5 結果要件 性能試験及び性能チェックの要求事項を満足しなければならない。
8.4.2.6 試験方法(暴露形装置) チャンバー内温度を−25±3 ℃に下げてそのまま維持すること以外は,
携帯形装置での規定のとおりに試験を行わなければならない。
8.4.2.7 結果要件 性能試験及び性能チェックの要求事項を満足しなければならない。

8.5 熱衝撃試験(携帯形装置)

8.5.1  目的 この試験は,携帯形装置が高温での保存状態から突然の没水後,正常に機能するかどうかを
判定するものである。
8.5.2 試験方法 EUTは,70±3 ℃の大気中に1時間放置しなければならない。次に+25 ℃±3 ℃の水
中に,EUTの最高点から水面まで測って100±5 mmの深さに1 時間没水しなければならない。
試験の終了時,EUTの性能チェックを行い,更に損傷又は好ましくない浸水がないことを調べる。次に
製造業者の指示に従いEUTを再度密封する。また,外見上好ましくない浸水がない場合には密封状態を破
壊するようなEUTの内部調査は,すべての環境試験が完了した後に実施してもよい。
8.5.3 結果要件 性能チェック要件を満足しなければならない。EUTの損傷又は好ましくない浸水があ
ってはならない。観察内容を試験報告書に記載しなければならない。

8.6 落下試験(携帯形装置)

8.6.1  硬い表面への落下
8.6.1.1 目的 この試験は,取扱いを誤って船の甲板上に落下した場合の影響をシミュレーションするた
めのものである。誤った取扱いが最も多いと思われる携帯形VHF無線装置にだけ適用する。
8.6.1.2 試験方法 EUTの各面に対して1回ずつ計6回の落下試験を行わなければならない。
試験面は,厚さが少なくとも150 mmで重さが30 kg以上の硬質の木材とする。
離す瞬間の試験面に対するEUTの最下部での高さは1 000±10 mmでなければならない。
EUTは,使用状態での構成でこの試験を行わなければならない。
試験の終了時,EUTの動作チェックを行い,更に外部損傷の調査を行わなければならない。
8.6.1.3 結果要件 性能チェック要件を満足しなければならない。EUTの機能に影響を与えるような外見
的な外部損傷があってはならない。観察内容を試験報告書に記載しなければならない。
8.6.2 水中への落下試験
8.6.2.1 目的 この試験は,装置が海面から20 mの高さの船の甲板から海面に自由落下した場合の影響
をシミュレーションするもので,このような目的で配備し,かつ,動作しなければならない携帯形装置に
だけ適用する。浮上要件のない携帯形VHF無線装置は適用外であり試験は行わない。
8.6.2.2 試験方法 3回の落下を連続して行う。ただし,それぞれの落下の初期姿勢は前回と変えなけれ
ばならない。水面に対してEUTの最下端の高さは20±1 mとしなければならない。
試験の終了時,EUTの性能チェックを行い,更に損傷又は好ましくない浸水がないことを調べなければ
ならない。次に製造業者の指示どおりにEUTを密封しなければならない。一方,外見上好ましくない浸水
がない場合には,密封状態を破壊するようなEUTの内部調査は,すべての環境試験が完了した後に実施し
てもよい。
8.6.2.3 結果要件 性能チェック要件を満足しなければならない。 EUTの損傷又は好ましくない浸水が
あってはならない。観察内容を試験報告書に記載しなければならない。

8.7 振動試験(すべてのカテゴリの装置)

――――― [JIS F 0812 pdf 27] ―――――

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8.7.1 目的 この試験は,機械的欠陥又は性能劣化を起さずに,装置が振動に耐え得る能力があるかどう
かを判定するためのものである。プロペラ及び機関によって船体に誘導された振動による影響を見るもの
である。これは一般的に13 Hzまでの周波数で,主として垂直方向である。更に高い周波数の試験は,不
規則な暴風雨の海上で発生するスラミングの影響を模擬し,主として水平方向である。この試験では,一
般的に電子装置に影響する程大きい加速度を生じないサージ,スェー,ヒーブなどの平行成分及びローリ
ング,ピッチング,ヨーイングなどの回転成分を起こす程度の通常の海況の影響は模擬しない。
8.7.2 試験方法 ショックアブソーバ及び振動アブソーバを標準装備している場合は,それらを取り付け
たEUTを通常の支持方法と姿勢で,振動台に固定する。重さのあるものの場合は,振動台の容量に入るま
でEUTを弾力性をもたせてつり下げてもよい。振動装置から発生する電磁界によってEUTへ悪影響を及
ぼす場合は,それを減少させる又は除去するための手段を講じてもよい。
EUTに次のすべての周波数範囲にて正弦波垂直振動を与えなければならない。
− 25 Hz及び13.2 Hzまで : 振幅 ±1 mm±10%(13.2 Hzで最大加速度7 m/s2)
− 13.2100 Hz : 最大加速度7 m/s2一定。
周波数の掃引レートは,EUTのすべての部分での共振を検出できるように,0.5オクターブ/minに設定
しなければならない。
試験中を通して共振点サーチを行わなければならない。サーチ中,EUTの完全性に影響を及ぼす可能性
のあるコンポーネント又はサブアセンブリーが共振している明らかな形跡が生じていないかを聴覚的又は
視覚的な器具を使用しないで,外見上で観察しなければならない。観察内容を試験報告書に記録しなけれ
ばならない。EUTの外側で共振の形跡が明らかな所に取り付けられたセンサで測定される共振が,EUTが
固定されている振動台表面に対して,振幅比で 5の場合,各共振周波数にて試験で規定された振動レベ
ルで,2時間以上の耐久試験を行わなければならない。振幅比が 5の共振周波数が高調波関係となって
いるときは,基本共振周波数でだけ試験を行わなければならない。振幅比 5の共振点がない場合,共振
が認められた周波数の一点で耐久試験を行わなければならない。共振が全く発生しない場合には,耐久試
験を30 Hzで行わなければならない。
各耐久試験中少なくとも1回,性能チェックを行い,各耐久試験終了前に一度性能チェックを行わなけ
ればならない。
水平面内の互いに直交する2方向に上記手順で振動試験を繰り返さなければならない。
詳細は,JIS C 60068-2-6による。
8.7.3 結果要件 性能チェック要件を満足しなければならない。

8.8 注水試験(暴露形装置)

8.8.1  目的 この試験は,装置への降雨,波しぶき及び軽度の波浪の影響をシミュレーションするもので,
アンテナなど甲板の上に設置する暴露形装置に適用する。これより厳しい浸水試験が適用される携帯形装
置には適用しない。
8.8.2 試験方法 試験は,JIS F 8007の図6の規定による標準試験ノズル(ホース)からの噴流をあらゆ
る実際的な方向から装置に放水することによって行わなければならない。EUTは,試験中動作させなけれ
ばならない。
条件を次に示す。
− 噴流ノズルの内径 : 12.5 mm
− 放水率 : 100 L/min±5%
− 水圧 : 規定の放水率が得られるように調整する。

――――― [JIS F 0812 pdf 28] ―――――

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− 放水形状 : ノズルから2.5 mの位置で直径約120 mmの円形。
− 放水時間 : 約30分
− ノズルから装置表面までの距離 : 約3 m
試験の終了時,EUTの性能チェックを行い,更に損傷又は好ましくない浸水がないか調べなければなら
ない。調査に引き続き,製造業者の指示どおりにEUTを密封しなければならない。
外見上好ましくない浸水が見られなければ,密封状態を破壊するようなEUTの内部調査は,すべての環
境試験が完了した後に実施してもよい。
詳細は,JIS F 8007の表3,第二特性数字6 : (暴噴流に対する保護)による。
8.8.3 試験結果要件 性能チェック要件を満足しなければならない。外見上,損傷又は好ましくない浸水
があってはならない。観察内容を試験報告書に記載しなければならない。

8.9 水没試験

8.9.1  没水形装置
8.9.1.1 目的 この試験は,恒久的に水中に設置する装置への水圧に対する影響をシミュレーションする
ものである。
8.9.1.2 試験方法 EUTの通常は水に接する部分に600 kPa (6 bars)の静水圧を12時間加え,EUTのこれ
以外の部分は大気にさらさなければならない。
試験の終了時,EUTの性能チェックを行い,更に損傷又は好ましくない浸水がないことを調べなければ
ならない。
調査に引き続き,製造業者の指示どおりにEUTを密封しなければならない。また,外見上好ましくない
浸水が見られなければ,密封状態を破壊するようなEUTの内部調査は,すべての環境試験が完了した後に
実施してもよい。
8.9.1.3 結果要件 性能チェック要件を満足しなければならない。外見上,損傷又は好ましくない浸水が
あってはならない。観察内容を試験報告書に記載しなければならない。
8.9.2 携帯形装置
8.9.2.1 目的 この試験は,沈没する船からの自動浮上が要求される装置に対する水圧の影響をシミュレ
ーションするものである。
8.9.2.2 試験方法 EUTに100 kPa (1 bar) の静水圧を5分間加えなければならない。
試験の終了後,EUTの性能チェックを行い,更に損傷又は好ましくない浸水がないことを調べなければ
ならない。調査に引き続き,製造業者の指示どおりにEUTを密封しなければならない。また,外見上好ま
しくない浸水が見られなければ,密封状態を破壊するようなEUTの内部調査は,すべての環境試験が完了
した後に実施してもよい。
8.9.2.3 結果要件 性能チェック要件を満足しなければならない。外見上,損傷又は好ましくない浸水が
あってはならない。観察内容を試験報告書に記載しなければならない。
8.9.3 携帯形装置(一時的水没)
8.9.3.1 目的 この試験は,浮上するようには設計されていないが,生存者が携帯している間に一時的に
水没を受ける可能性がある携帯形VHF無線装置に対する水圧の影響を見るものである。
8.9.3.2 試験方法 EUTは,JIS F 8007の表3,第二特性数字7 : (一時的水没に対する保護)に対応する
試験を行わなければならない。
試験は,EUTを完全に水没させ,次の条件を満たさなければならない :
− EUTの最上部は水面下1 m;

――――― [JIS F 0812 pdf 29] ―――――

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− 試験時間は5分間;
− 水温と装置との温度差が5 Kを超えない。
試験の終了後,EUTの性能チェックを行い,更に損傷又は好ましくない浸水がないことを調べなければ
ならない。調査に引き続き,製造業者の指示どおりにEUTを密封しなければならない。また,外見上好ま
しくない浸水が見られなければ,密封状態を破壊するようなEUTの内部調査は,すべての環境試験が完了
した後に実施してもよい。
8.9.3.3 結果要件 性能チェック要件を満足しなければならない。外見上,損傷又は好ましくない浸水が
あってはならない。観察内容を試験報告書に記載しなければならない。

8.10 日射試験(携帯形装置)

8.10.1 試験免除 装置に採用されている部品,材料及び表面処理が,試験を満足するという証拠を製造業
者が提供できる場合にはこの試験を免除する。
8.10.2 目的 この試験は,甲板上に設置され天候にさらされる装置に対する連続日射の影響を見るもので
ある。
8.10.3 試験方法 EUTを適切な支持台の上に置き,表4に規定する疑似太陽光を連続的に80時間照射す
る。試験ポイントでの強度は試験用囲いからの反射も含めて1 120 W/m2±10%とし,スペクトル分布は表
4のとおりとしなければならない。
試験の終了後,EUTの性能チェックを行い肉眼で調べなければならない。
詳細は,IEC 60068-2-5及びIEC 60068-2-9による。
8.10.4 結果要件 性能チェック要件を満足しなければならない。ラベルを含め,装置に有害な劣化があっ
てはならない。
表4 放射エネルギー分布及び公差
スペクトル領域 紫外線 B* 紫外線 A 可視光線 赤外線
帯域幅 0.280.32 0.320.40 0.400.52 0.520.64 0.640.78 0.783.00
m
照射 5 63 200 186 174 492
W/m2
許容限界 ±35 ±25 ±10 ±10 ±10 ±20
%
* 0.30 mより短い放射線の地表に届く量は微小である。

8.11 耐油性試験(携帯形装置)

8.11.1 適用除外 装置に採用されている部品,材料及び表面処理が,試験を満足するという証拠を製造業
者が提供できる場合にはこの試験を免除しなければならない。
8.11.2 目的 この試験は,鉱物油の装置に対する影響をシミュレーションするものである。
8.11.3 試験方法 EUTを次の仕様をもった19±5 ℃の温度の鉱物油に3時間浸せきしなければならない。
− アニリン点 : 120±5 ℃
− 引火点 : 最低240 ℃
− 粘度 : 99 ℃で(1025) ST
次の油を使用してもよい。
− ASTM オイル No. 1
− ASTM オイル No. 5
− ISOオイル No. 1

――――― [JIS F 0812 pdf 30] ―――――

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