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表1−サーメット溶射の種類及び記号(続き)
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サーメット溶射の種類及び記号 溶射材料のコード番号及び記号 化学成分 主な使用目的
6 : 2
%(質量分率)
0
種類 記号 コード番号 記号 W Cr Co Ni C
09
11.30
Cr3C2/NiCr 75 25 (11.30) Cr3C2/NiCr 75 25 − 残部 − 1619 1011
炭 11.31
Cr3C2/NiCr 75 25 (11.31) Cr3C2/NiCr 75 25 − 残部 − 1921 911
化 Cr3C2/NiCr 75 25A 11.31A Cr3C2/NiCr 75 25A − 残部 − 1822 911
ク 耐熱性
ロ 炭化クロム・ Cr3C2/NiCr 80 20 11.32 Cr3C2/NiCr 80 20 − 残部 − 1418 911
ム 耐食性
ニッケルクロム溶射 Cr3C2/NiCr 80 20A 11.32A Cr3C2/NiCr 80 20A − 残部 − 1418 912
系 耐摩耗性
サ Cr3C2/NiCr 93 7A 11.33A Cr3C2/NiCr 93 7A − 残部 − 47 1114
ー Cr3C2/NiCr 70 30A 11.34A Cr3C2/NiCr 70 30A − 残部 − 2226 811
メ
ッ Cr3C2/NiCr 50 50A 11.35A Cr3C2/NiCr 50 50A − 残部 − 3842 58
ト 炭化クロム・ Cr3C2/Ni 85 15A 11.36A Cr3C2/Ni 85 15A − 残部 − 1317 913 耐摩耗性
ニッケル溶射 耐食性
――――― [JIS H 8306 pdf 6] ―――――
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5 溶射加工
5.1 溶射加工品(素材)の前処理
5.1.1 脱脂洗浄
脱脂洗浄を行う場合,溶射加工品の特性に応じて洗浄方法及び時間を具体的に規定しなければならない。
ただし,有機溶剤の使用に当たっては,安全衛生上必要な防御手段を講じなければならない。
5.1.2 油除去
鋳鉄,多孔質の素材などに油が内部まで浸透しているものに対しては,加熱して,浸透した油を除去す
る。ただし,加熱によって素材の変質,変形が生じてはならない。
5.1.3 酸化物の除去
溶射加工品の素地表面の酸化物は,通常,機械的方法で除去する。
除去のためのブラスト吹付け角度は,素地表面に対して30°60°とするのがよい。溶射加工品の特性
及び作業環境に応じて,ブラスト処理後溶射までの放置時間の上限を規定しなければならない。
5.1.4 密着性向上処理
密着性向上処理は,5.2によるほか,次の方法を併用してもよい。
a) 機械加工によって溝などを作る方法(ねじ切り法,ローレット法など)
b) アンダコートを溶射する方法(ボンドコートなど)
5.2 ブラスト粗面処理
ブラスト粗面処理は,次による。
a) ブラスト材料の材質は,JIS G 5903に規定する鋳造グリット若しくはJIS R 6111に規定する人造研削
材,又はそれらの相当品とし,硬さが粗面処理に適切なものを用いる。ただし,ブラストしたときに
素地表面に付着しやすい物質を含んではならない。
b) ブラストノズルと素地表面との距離は,20 mm200 mmとする。ただし,装置,溶射加工品の形状な
どによっては受渡当事者間の協定によって,この値以外の距離としてもよい。
c) ブラスト吹付け角度は,素地表面に対して60°90°とする。ただし,溶射加工品の形状,作業状況
などによっては受渡当事者間の協定によって,この値以外の角度としてもよい。
d) 素地表面は,ブラストによって溶射皮膜厚さなどに応じた粗さに仕上げる。溶射皮膜に適するブラス
ト面の粗さは,JIS B 0601に規定する算術平均粗さ (Ra) で2.5
なお,溶接ビード,端部などに溶射を行う場合の必要な処理については,受渡当事者間の協定によ
る。また,溶射皮膜に必要とされる素地表面の粗さは,溶射材料,溶射方法,溶射皮膜厚さなどによ
って異なる。
e) ブラスト材料は,使用回数によってブラスト粒の粉砕・摩耗が生じたり,異物の混在が発生するため,
常に粒度分布及び汚れについて管理を行わなければならない。
f) 空気圧並びに空気流量,及びブラスト材料流量は,ノズルの内径寸法,ブラストホースの直径,長さ
などを十分に考慮して決めなければならない。また,溶射加工品の特性に応じて溶射作業に適した条
件に調整しなければならない。
g) ノズルは,摩耗によってオリフィス直径が約25 %増大した場合は,取り替えなければならない。
h) 遠心式ブラスト装置を用いてブラストする場合には,ブラスト材料として鋳造グリットを用い,その
粒度,速度及びブラストする素地表面からの距離は,要求される粗面が得られる条件でなければなら
ない。
――――― [JIS H 8306 pdf 7] ―――――
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5.3 溶射施工
溶射施工は,次による。
a) 各種圧力調整器と溶射ガンとの間で使用するホースの内径及び長さは,過度の圧力低下を起こさない
ように十分に配慮しなければならない。
b) 使用するガスの流量計は,定期的に校正されたものでなければならない。
c) 溶射又は冷却に用いる空気は,清浄で乾燥しているものでなければならない。
d) 空気圧は,溶射加工品の特性に応じた溶射作業に適したものとする。
e) 必要があれば,湿度除去及び溶射皮膜の熱応力緩和のための予熱施工を行う。予熱は,溶射ガン又は
他の適切な手段で行うが,予熱及び溶射の工程を通じて酸化,変色,変形などを生じない温度とし,
素材及び溶射皮膜組成によって決めるものとする。
f) 溶射ガンは,点火のときに溶射加工品に溶射粒子の飛まつ(沫)がかからない方向になるように調整
しなければならない。
g) 溶射距離は,溶射材料及び溶射方式によって決めるものとする。
h) 溶射角度は,素地表面に対してできるだけ直角とし,45°以下にしてはならない。
i) 粗面処理後は,4時間以内に溶射皮膜の一層目を施すことが望ましい。
j) 各溶射帯は,溶射皮膜ができるだけ均一な厚さとなるように,適切な幅で重ねるように行わなければ
ならない。
k) 溶射皮膜の表面温度が200 ℃以上にならないように,溶射をすることが望ましい。
l) 厚い溶射皮膜を施す場合又は溶射加工後に研削を行う場合は,溶射皮膜の密着力を増し,浮き上がり
を防ぐため,溶射加工品特性に応じて,ねじ切り,ローレット加工,アンダコートなどを併用して溶
射を行うことが望ましい。
m) 溶射加工をしない部分のマスキングが必要な場合には,マスキングの方法及びマスキングの材質(金
属製ジグ,耐熱テープなど)の選定を,適切に行わなければならない。
5.4 溶射後の処理
5.4.1 封孔処理
封孔処理を行う場合は,次による。
警告 各種タンクなどの密閉された容器内での封孔処理作業は,有機溶剤中毒,一酸化炭素中毒,酸
素欠乏などの予防面から十分な安全衛生対策を講じなければならない。この規格の利用者は,
各自の責任において安全及び健康に対する適切な措置をとらなければならない。
a) 封孔剤の塗布量は,溶射皮膜の品質及び封孔処理剤の組成に応じて適切に定めなければならない。
b) 封孔処理の方法は,封孔剤の特性に応じたものとする。
注記 封孔処理の方法には,塗布法,浸せき法などがある。
5.4.2 機械加工による溶射皮膜の仕上げ処理
機械加工による溶射皮膜の仕上げ処理が必要なときは,研削仕上げとする。
5.5 安全衛生対策
溶射作業を行うには,関係法令を遵守し,常に安全及び衛生に注意しなければならない。特に注意する
事項を,次に示す。
a) ブラスト作業及び溶射作業では,微粉じん,溶射フレーム,ヒュームなどが発生するため,これらを
十分に処理することができる集じん設備,防災シートなどを備えなければならない。通気性の悪いと
ころでは,溶射作業中の温度上昇,酸素欠乏,一酸化炭素発生などに対応するため,事前にその対策
――――― [JIS H 8306 pdf 8] ―――――
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を講じなければならない。
b) ブラスト作業及び溶射作業を行うときは,作業者は,発生する粉じん,溶射フレームなどから保護す
るためのマスク,遮光面,保護めがね,保護手袋,耳栓などを必ず着用しなければならない。
c) 溶射装置などの配電ターミナル及び配線部分は,感電防止のために,電気絶縁物で防護され,外部に
露出してはならない。また,接地も適切になされていなければならない。
6 品質
6.1 外観
溶射皮膜表面の外観は,7.1によって試験を行い,溶射皮膜表面に割れ,浮き上がり,スパッタ,異物の
付着及び使用上の有害な欠陥があってはならない。
6.2 溶射皮膜の断面組織
溶射皮膜の断面組織は,7.2によって試験を行い,溶射粒子が均一な分散を示し,有害な割れなどの欠陥
並びに素地表面と溶射皮膜との境界に有害な汚染物質(異物),及び空げき(隙)があってはならない。
なお,断面組織顕微鏡写真撮影の位置及び判定基準は,使用目的に応じて受渡当事者間の協定による。
6.3 溶射皮膜の厚さ
溶射皮膜の厚さは,7.3によって試験を行い,判定基準は,使用目的に応じて受渡当事者間の協定による。
6.4 溶射皮膜の引張密着強さ
溶射皮膜の引張密着強さは,7.4によって試験を行い,高速フレーム溶射方法を用いて形成された溶射皮
膜は,表2に規定の判定基準を満たさなければならない。それ以外の溶射方法を用いて形成された溶射皮
膜の判定は,受渡当事者間の協定による。
6.5 溶射皮膜の硬さ
溶射皮膜の硬さは,7.5によって試験を行い,高速フレーム溶射方法を用いて形成された溶射皮膜は,表
2に規定の判定基準を満たさなければならない。それ以外の溶射方法を用いて形成された溶射皮膜の判定
は,受渡当事者間の協定による。
6.6 耐熱衝撃性
耐熱衝撃性は,7.6によって試験を行い,溶射皮膜に割れ,はく離及び浮き上がりがあってはならない。
6.7 耐食性
耐食性は,7.7によって試験を行い,判定基準は,使用目的に応じて受渡当事者間の協定による。
6.8 耐摩耗性
耐摩耗性は,7.8によって試験を行い,判定基準は,使用目的に応じて受渡当事者間の協定による。
――――― [JIS H 8306 pdf 9] ―――――
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表2−溶射皮膜の引張密着強さ及び硬さ
種類及び記号 溶射皮膜の
引張密着強さ 溶射皮膜の硬さ
種類 記号
MPa
WC/Co 94 6
WC/Co 92 8A
800以上
WC/Co 88 12
WC/Co 88 12A
炭化タングステン・
WC/Co 83 17
コバルト溶射 750以上
WC/Co 83 17A
WC/Co 80 20
700以上
WC/Co 80 20A
W2C/Co 800以上
WC/Ni 92 8
WC/Ni 92 8A
800以上
WC/Ni 88 12
40以上
炭化タングステン・ WC/Ni 88 12A
ニッケル溶射 WC/Ni 85 15
WC/Ni 85 15A
750以上
WC/Ni 83 17
WC/Ni 83 17A
炭化タングステン・ WC/Co/Cr 86 10 4
800以上
コバルトクロム溶射 WC/Co/Cr 86 10 4A
炭化タングステン・ WCrC/Ni 93 7
炭化クロム・
WC/CrC/Ni 73 20 7A 750以上
ニッケル溶射
炭化タングステン・ WC/NiCr 85 15A
ニッケルクロム溶射 WC/NiCr 75 25A 700以上
Cr3C2/NiCr 75 25
Cr3C2/NiCr 75 25A
Cr3C2/NiCr 80 20 600以上
炭化クロム・
Cr3C2/NiCr 80 20A
ニッケルクロム溶射
Cr3C2/NiCr 93 7A 30以上
Cr3C2/NiCr 70 30A 550以上
Cr3C2/NiCr 50 50A 450以上
炭化クロム・
Cr3C2/Ni 85 15A 600以上
ニッケル溶射
7 試験方法
7.1 外観試験
外観試験は,明るさ200 lx以上の場所で,試験面から約600 mmの距離から,肉眼で溶射皮膜を観察す
る。
7.2 溶射皮膜の断面組織試験
7.2.1 試験片の作製
試験片の作製は,次による。
a) 試験片は,製品から切り出す。試験片の切り出しには,試験片切断機を用い,湿式で溶射皮膜側から
――――― [JIS H 8306 pdf 10] ―――――
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JIS H 8306:2009の国際規格 ICS 分類一覧
- 25 : 生産工学 > 25.220 : 表面処理及び被覆加工 > 25.220.20 : 表面処理
JIS H 8306:2009の関連規格と引用規格一覧
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- JISB7734:2020
- ヌープ硬さ試験―試験機の検証及び校正
- JISG5903:2018
- 鋳鉄製又は鋳鋼製のショット及びグリット
- JISH8200:2006
- 溶射用語
- JISH8250:2007
- 溶射の記号による表示方法
- JISH8260:2007
- 溶射用粉末材料
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- 溶射皮膜の厚さ試験方法
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- 溶射皮膜の引張密着強さ試験方法
- JISH8503:1989
- めっきの耐磨耗性試験方法
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- JISZ2244:2009
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- JISZ2251:2009
- ヌープ硬さ試験―試験方法
- JISZ2371:2015
- 塩水噴霧試験方法
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- 数値の丸め方