JIS K 0070:1992 化学製品の酸価,けん化価,エステル価,よう素価,水酸基価及び不けん化物の試験方法 | ページ 2

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き,でんぷん溶液を加え,青が消えるまで滴定してよう素価を求める。
(2) 試薬 試薬は,次のとおりとする。
(2.1) 四塩化炭素 JIS K 8459に規定するもの。
(2.2) シクロヘキサン JIS K 8464に規定するもの。
(2.3) 一塩化よう素溶液(ウィイス液) 一塩化よう素溶液は,次のいずれかによって調製する。
(a) IS K 8403に規定する三塩化よう素7.9gとJIS K 8920に規定するよう素8.9gを別々のフラスコに
取り,それぞれにJIS K 8355に規定する酢酸を加えて溶解した後,両液を混合して,酢酸で全量を
1lとする。
(b) よう素13gを酢酸1lに溶解し,その20mlを取り0.1mol/lチオ硫酸ナトリウム溶液で滴定して滴定
量を求めておく。よう素溶液に乾燥した塩素を通じた後,その20mlを取り,よう化カリウム溶液
約15ml及び水約100mlを加え0.1mol/lチオ硫酸ナトリウム溶液で滴定する。この場合滴定量が最初
の滴定量の2倍になるようにする。
(2.4) よう化カリウム溶液 (100g/l) JIS K 8913に規定するよう化カリウムを用いて調製する。
(2.5) 0.1mol/lチオ硫酸ナトリウム溶液 JIS K 8001の4.5 (21.2) [0.1mol/lチオ硫酸ナトリウム溶液
(2.482gNa2S2O3・5H2O/l) ]による。
(2.6) でんぷん溶液 (10g/l) JIS K 8659に規定するでんぷん1gを少量の水に混合し,沸騰水100mlに加
え,数分間煮沸して透明にした後,冷却する。
(3) 器具 共栓付三角フラスコ 容量200500ml(頸部のやや長いもの。)
(4) 操作 操作は,次のとおり行う。
(a) 試料を,表3によって共栓付三角フラスコに有効数値3けたまで量り取る。
(b) 四塩化炭素又はシクロヘキサン約10mlを加え,試料を溶解する。
(c) 一塩化よう素溶液25mlを全長ピペットを用いて加え,振り混ぜる。
(d) 栓をして,常温で表3に規定する作用時間暗所に置く。
(e) よう化カリウム溶液 (100g/l) 約20ml及び水約100mlを加える。
(f) 0.1mol/lチオ硫酸ナトリウム溶液で滴定し,溶液がうすい黄色になったとき,でんぷん溶液 (10g/l)
数滴を加え,青が消えるまで滴定する(5)。
注(5) 電位差滴定で終点を測定してもよい。
(g) 空試験は,試料を入れないで(b)(f)を行う。
表3 試料量及び作用時間
よう素価 3未満 310未満 1030未満 3050未満 50100未満 100150未満 150200未満 200以上
試料量 53 3.02.5 2.50.6 0.600.40 0.300.20 0.200.12 0.150.10 0.120.10
g
作用時間 30 30 30 30 30 60 60 60
min
(5) 計算 よう素価は,次の式によって算出する。
(B−C) f .1269
A=
S
ここに, A : よう素価
B : 空試験に用いた0.1mol/lチオ硫酸ナトリウム溶液の量 (ml)
C : 滴定に用いた0.1mo1/lチオ硫酸ナトリウム溶液の量 (ml)
f : 0.1mol/lチオ硫酸ナトリウム溶液のファクター

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S : 試料の質量 (g)
1.269 : よう素の原子量 126.9×100
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7. 水酸基価 試験方法には中和滴定法,電位差滴定法,ピリジン-塩化アセチル法がある。
7.1 中和滴定法
(1) 要旨 試料にアセチル化試薬を加え,グリセリン浴中で加熱し,放冷後,指示薬として,フェノール
フタレイン溶液を加え,水酸化カリウムエタノール溶液で滴定して水酸基価を求める。
(2) 試薬 試薬は,次のとおりとする。
(a) アセチル化試薬 JIS K 8886に規定する無水酢酸25gを全量フラスコ100mlに取り,JIS K 8777に
規定するピリジンを加えて全量を100mlにし,十分に振り混ぜる。アセチル化試薬は,湿気,二酸
化炭素及び酸の蒸気に触れないようにし,褐色瓶に保存する。
(b) フェノールフタレイン溶液 3.1(2)(c)による。
(c) 0.5mol/l水酸化カリウムエタノール溶液 4.1(2)(b)による。
(3) 器具 器具は,次のとおりとする。
(a) メスシリンダー 100ml
(b) 全量ピペット 5ml
(c) 平底フラスコ 図1に示すもの。
(d) 全量フラスコ 100ml
(e) グリセリン浴 95100℃の加熱に適するもの。
図1 平底フラスコ
(4) 操作 操作は,次のとおり行う。
(a) 試料を表4によって平底フラスコに量り取り,これにアセチル化試薬5mlを全量ビペットを用いて
加える。
(b) フラスコの口に小さな漏斗を置き,温度95100℃のグリセリン浴中に底部約1cmを浸して加熱す
る。フラスコの首がグリセリン浴の熱をうけて温度が上がるのを防ぐために,中に丸い穴をあけた
厚紙の円板をフラスコの首の付け根にかぶせる。

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(c) 1時間後フラスコをグリセリン浴から取り出し,放冷後漏斗から水1mlを加えて振り動かして無水
酢酸を分解する。
(d) さらに,分解を完全にするため,再び,フラスコをグリセリン浴中で10分間加熱し,放冷後エタノ
ール (95) 5mlで漏斗及びフラスコの壁を洗う。
(e) フェノールフタレイン溶液数滴を指示薬として加え,0.5mol/l水酸化カリウムエタノール溶液で滴
定し,指示薬のうすい紅色が約30秒間続いたときを終点とする。
(f) 空試験は,試料を入れないで,(a)(e)を行う。
表4 試料量
水酸基価 試料量g
10以上 100未満 2.00
100以上 150未満 1.50
150以上 200未満 1.00
200以上 250未満 0.75
250以上 350未満 0.70
350以上 500未満 0.50
水酸基価が10以下の場合は,試料採取量を増やす。ただし,試料がアセチル化試薬に溶けない場
合には,なるべく少量のピリジンを追加して溶かす。水酸基価が500以上の場合は,表4に準じて
試料量を減らす。
(5) 計算 水酸基価は,次の式によって算出する。
(B−C) f 28.05
A= +D
S
ここに, A : 水酸基価
B : 空試験に用いた0.5mol/l水酸化カリウムエタノール溶液
の量 (ml)
C : 滴定に用いた0.5mol/l水酸化カリウムエタノール溶液の
量 (ml)
f : 0.5mol/l水酸化カリウムエタノール溶液のファクター
S : 試料の質量 (g)
D : 酸価
28.05 : 水酸化カリウムの式量56.11×21
備考1. この方法は,第三アルコールの場合には,低い分析値を与えるから適用できない。
2. 試料中にアルデヒドが存在する場合は,分析値にばらつきが多い。
3. 滴定のとき溶液の着色が著しい場合は,アルカリブルー6Bの溶液を指示薬として用いる。
7.2 電位差滴定法
(1) 要旨 試料にアセチル化試薬を加え,グリセリン浴中で加熱し,放冷後,水を加えて無水酢酸を分解
する。この溶液を再びグリセリン浴中で加熱し,放冷後,エタノールを加え,電位差滴定装置を用い,
水酸化カリウムエタノール溶液で電位差滴定を行って水酸基価を求める。
(2) 試薬 7.1(2)による。
(3) 装置及び器具 装置及び器具は,次のとおりとする。
(a) 電位差滴定装置 3.2(3)(a)による。
(b) 全量ピペット 5ml
(c) メスシリンダー 100ml
(d) 平底フラスコ 200ml広口電極が挿入できる口径でフラスコの口にすり合わせ接続できる外径6

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8mm,長さ600mmの空気冷却管付のもの。
(e) グリセリン浴 90100℃の加熱に適するもの。
(4) 操作 操作は,次のとおり行う。
(a) 試料を表4によって平底フラスコ200mlに量り取り,アセチル化試薬5mlを全量ピペットを用いて
加える。
(b) 平底フラスコの口に空気冷却管を装着し,95100℃のグリセリン浴中に底部約1cmを浸して加熱
する。1時間後平底フラスコを浴から取り出し,放冷後空気冷却管の上部から水1mlを加えて振り
動かし,無水酢酸を分解する。さらに,分解を完全にするため,再びグリセリン浴中で10分間加熱
し,放冷後エタノール5mlで空気冷却管を洗う。
(c) 平底フラスコに溶剤としてエタノール (95) 100mlを加える。電位差滴定装置を用いて0.5mol/l水酸
化カリウムエタノール溶液で電位差滴定を行い,得られた滴定曲線の変曲点を終点とする。
(d) 空試験は,試料を入れないで(a)(c)を行う。
(5) 計算 7.1(5)による。
備考1. この方法は,第三アルコールの場合には低い分析値を与えるから適用できない。
2. 試料中にアルデヒド類が存在する場合は,分析値にばらつきが多い。
7.3 ピリジン-塩化アセチル法
(1) 要旨 試料をピリジンに溶かし,塩化アセチル-トルエン溶液を加えて加熱し,冷却後,さらに煮沸し,
放冷後,指示薬としてフェノールフタレイン溶液を加え,水酸化カリウムエタノール溶液で滴定して
水酸基価を求める。
(2) 試薬 試薬は,次のとおりとする。
(a) 塩化アセチル-トルエン溶液 (100g/l)市販の塩化アセチル100gをJIS K 8680に規定するトルエン
1lに混合したもの。使用時に調製する。
(b) フェノールフタレイン溶液 3.1(2)(c)による。
(c) 0.5mol/l水酸化カリウムエタノール溶液 4.1(2)(b)による。
(d) ピリジン JIS K 8777に規定するピリジン
(3) 器具 器具は,次のとおりとする。
(a) 平底フラスコ 200mlフラスコ口にすり合わせ接続できる外径68mm,長さ600mmの空気冷却管
付のもの。
(b) 全量ピペット 5ml
(c) 水浴 6575℃に調節できるもの
(d) 砂浴又は熱板
(4) 操作 操作は,次のとおり行う。
(a) 試料を表5に従って平底フラスコ200mlに有効数字3けたまで量り取り,ピリジン5mlを加えて溶
かす。これに塩化アセチル-トルエン溶液5mlを全量ピペットを用いて加える。
(b) 直ちに平底フラスコに空気冷却管を付けて5分間水浴で6570℃に加熱する。
(c) 空気冷却管の上部から約10mlの水を加えて冷却し,空気冷却管を外した後,平底フラスコに栓を
して激しくふる。さらに,栓を外した後,空気冷却管を付けて5分間砂浴又は熱板上で煮沸し,過
剰の塩化アセチルを加水分解させる。
(d) 放冷した後,約5mlの水で数回空気冷却管を洗う。
(e) フェノールフタレイン溶液を指示薬として数滴を加え,0.5mol/l水酸化カリウムエタノール溶液で

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滴定し,指示薬のうすい紅色が30秒間続いたときを終点とする。
(f) 空試験は,試料を入れないで(a)(e)を行う。
表5 試料量
水酸基価 150 50100 100150 150200
試料量g 3.6以下 1.8以下 1.2以下 0.9以下
(5) 計算 7.1(5)による。
備考 試料は,予想される水酸基価に対し,塩化アセチルの量が当量の約2倍になるようにする。
8. 不けん化物 次によって試験を行う。
(1) 要旨 試料に水酸化カリウムエタノール溶液を加え,加熱してけん化反応を進め,溶液を分液漏斗に
移して放冷後,ジエチルエーテルを加えて振り混ぜた後,静置し,分層後ジエチルエーテル層がフェ
ノールフタレイン溶液によって,着色しなくなるまで水洗いする。ジエチルエーテル層を蒸留し,残
液をジエチルエーテルに溶かし,ジエチルエーテル層を蒸留除去する。残液を加熱して得た残分をジ
エチルエーテルとエタノールに溶かし,指示薬としてフェノールフタレイン溶液を加え,水酸化カリ
ウムエタノール溶液で滴定して不けん化物を求める。
(2) 試薬 試薬は,次のとおりとする。
(a) 1mol/l水酸化カリウムエタノール溶液 JIS K 8574に規定する水酸化カリウム3.5gをできるだけ少
量の水に溶かし,JIS K 8102に規定するエタノールを加えて50mlとする。
(b) フェノールフタレイン溶液 3.1(2)(c)による。
(c) 0.1mol/l水酸化カリウムエタノール溶液 3.1(2)(b)による。
(d) ジエチルエーテル JIS K 8103に規定するもの。
(e) アセトン JIS K 8034に規定するもの。
JIS K 8101に規定するもの。
(f) エタノール (99.5)
(3) 装置及び器具 装置及び器具は,次のとおりとする。
(a) 三角フラスコ 200ml
(b) 空気冷却器 外径68mm,長さ100cmのガラス管又は還流冷却器で,いずれも三角フラスコの口
にすり合わせ接続できるもの。
(c) 水浴,砂浴又は熱板 約80℃の温度に調節できるもの。
(d) 分液漏斗 500ml
(e) ビュレット 50ml
(f) 全量ピペット 50ml
(g) 蒸留装置 蒸留フラスコ500ml及び100ml,凝縮管及び受器を備え,ジエチルエーテルを回収でき
るもの。
(4) 操作 操作は,次のとおり行う。
(a) 試料約5gを三角フラスコに1mgのけたまで量り取る(6)。
注(6) 不けん化物の量が多い試料は,残分の質量が0.30.5gになるように試料量を減らす。
(b) 1mol/l水酸化カリウムエタノール溶液50mlを全量ピペットを用いて加える。
(c) 三角フラスコに空気冷却器を取り付け,ときどき内容物を振り混ぜながら1時間,わずかに沸騰す
る程度に加熱を続け,けん化反応を進める。加熱するときは,還流するアルコールの環が空気冷却
器の上端に達しないように加熱温度を調節する。

――――― [JIS K 0070 pdf 10] ―――――

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