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6.4 試料採取装置
JIS K 0095の6.(試料採取装置)に規定するほか,次による。試料採取装置の構成の例を図1に示す。
a) ダスト捕集器をダクト内に置く場合(1形)
b) ダスト捕集器をダクト外に置く場合(2形)
A 採取管 J1,J2 切替コック
B ダスト捕集器 K 冷却槽
C 導管 L 吸引ポンプ
D ヒーター M 流量調節コック
E 吸収瓶 N 湿式ガスメーター又は乾式ガスメーター
F 空瓶 O ローターメーター
G 乾燥瓶(シリカゲル) P 温度計
H 洗浄瓶 Q マノメーター
I バイパス
図1−ガス状ほう素の試料採取装置の例
a) 採取管 シリカガラス又は四ふっ化エチレン樹脂製とする。採取管はあらかじめ硝酸(1+13)又は塩
酸(1+11),及び水で洗浄し,乾燥して保存する。ステンレス鋼製採取管は,ガス状ほう素が付着す
るので用いない。また,ほうけい酸ガラスは,ほう素を含むため使用しない。
b) ダスト捕集器 JIS Z 8808の8.3.1(2.2)(ダスト捕集器)に規定したダスト捕集器を使用する。ろ紙に
は,アルミナを含まないシリカ繊維のろ紙を用いる。
c) 導管 導管は,ダスト捕集器から吸収瓶までの間を接続するもので,材質は,通常,シリカガラス又
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は四ふっ化エチレン樹脂を用い,ほうけい酸ガラスは,ほう素を含むため使用しない。導管はできる
だけ短くする。
d) ガス吸収部 ガス吸収部は,吸収瓶,空瓶,乾燥瓶,洗浄瓶及び冷却槽で構成する。
1) 吸収瓶 吸収瓶は,250300 mLとし,例を図2に示す。材質は,シリカガラス,四ふっ化エチレ
ン樹脂又はポリプロピレンとする。吸収瓶は,あらかじめ硝酸(1+13)又は塩酸(1+11),及び水
で洗浄し,乾燥しておく。吸収瓶は2本以上を用意する。
単位 mm
図2−吸収瓶の例
2) 空瓶 容量は250300 mLとし,材質はシリカガラス,四ふっ化エチレン樹脂又はポリプロピレン
とする。
3) 乾燥瓶 容量は250300 mLとし,材質はガラス,四ふっ化エチレン樹脂又はポリプロピレンとす
る。
4) 洗浄瓶 容量は250300 mLとし,材質はガラス,四ふっ化エチレン樹脂又はポリプロピレンとす
る。
5) 冷却槽 冷却槽は,吸収瓶及び空瓶を収納し,吸収液を010 ℃に保つ能力をもつものとする。通
常,氷を入れて冷却する。
6.5 試料の採取
試料の採取は,次による。
a) 試薬 試薬は,次による。
1) 硝酸 JIS K 8541 に規定するもの。
2) 過酸化水素 JIS K 8230 に規定するもの。
3) 水酸化ナトリウム JIS K 8576 に規定するもの。
4) シリカゲル
5) 吸収液 四ふっ化エチレン樹脂又はポリプロピレン容器に水約500 mLをとり,硝酸50 mLを加え
十分にかくはんする。その溶液に,過酸化水素330 mLを加え,水を加えて全量1 000 mLにする。
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6) 洗浄液 四ふっ化エチレン樹脂又はポリプロピレン容器に水約500 mLをとり,水酸化ナトリウム
40 gを加えて溶かし,水を加えて全量1 000 mLにする。
b) 試料採取の準備 試料採取の準備は,次による(図1参照)。
1) 吸収瓶 吸収瓶(E)にa) 5)に規定する吸収液を100 mL入れ3),試料採取装置に連結する。
2) 洗浄瓶 洗浄瓶(H)にa) 6)に規定する洗浄液を100 mL入れ,バイパス(I)に連結する。
3) 乾燥瓶 乾燥瓶(G)にシリカゲルを約150 g充し,吸収瓶後の空瓶(F)と連結し,吸引ポンプ
(L)の上流に設置する。
4) ダスト捕集器及び導管の保温 ダスト捕集器から吸収瓶の間を約130 ℃,又は露点温度より約
20 ℃高い温度のいずれか高い方に加熱する。また,ダスト捕集器をダクト外に置いた場合は,ダス
ト捕集器を測定点の排ガス温度,又は露点温度より約20 ℃高い温度のいずれか高い方に加熱する。
c) 試料の採取 試料の採取は,次による。
1) 試料ガスによる置換 切替コック(J1,J2)をバイパス(I)側にした後,吸引ポンプ(L)を作動さ
せて,採取管(A)から切替コック(J1)までを試料ガスで置換する。
2) 試料採取の開始 吸引ポンプ(L)を停止した後,切替コック(J1,J2)を吸収瓶(E)側にする。
次にガスメーターの指示値を0.01 Lの桁まで読み取る。その後,吸引ポンプ(L)を作動し,試料
ガスを吸収瓶(E)に通す。このとき,流量調節コック(M)を操作して,流量を約12 L/minに
する。
3) 試料採取の停止 試料ガスを約120 L 4)採取した後,吸引ポンプ(L)を停止し5),切替コック(J1,
J2)を閉じ,ガスメーターの指示値を0.01 Lの桁まで読み取る。同時にガスメーター(N)の温度
計(P)及びマノメーター(Q)によって,ガスの温度及びゲージ圧を測定する。
注記 粒子状ほう素及びガス状ほう素の試料吸引流量及び試料ガス採取量が同一の場合は,JIS Z
8808の8.1(ダスト試料採取装置の種類)に規定する普通形試料採取装置のダスト捕集部
とガス吸引部との間に,ガス吸収部を接続し,同時に測定を行ってもよい。
注3) 発泡が激しい場合には,消泡板を用いてもよい。
4) ほう素濃度に応じて適宜増減してもよい。ICP発光分光分析法で定量する場合はほう素と
して5.0 李 上,ICP質量分析法で定量する場合は0.13 李 上吸収するよう吸引量を調整
する。
5) 測定位置の排ガスが負圧の場合,吸引及び停止のとき,吸収液が逆流する可能性があるた
め,十分注意する。
6.6 試料ガス採取量
試料ガス採取量は,5.6による。
7 試料溶液の調製
7.1 粒子状ほう素の試料溶液の調製
試料溶液の調製は,次のいずれかの方法による。
a) 硝酸−ふっ化水素酸分解 硝酸−ふっ化水素酸分解は,次による。
1) 試薬 試薬は,次による。
− 硝酸 JIS K 8541 に規定するもの。
− ふっ化水素酸 JIS K 8819に規定するもの。
2) 器具 ガラス器具はシリカガラス製又はソーダ石灰ガラス製のものを使用する。ふっ化水素酸を含
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む溶液に対してはガラス器具は使用せず,耐性のあるポリエチレン製,ポリプロピレン製,四ふっ
化エチレン樹脂製のものなどを使用する。
3) 操作 操作は,次による。
3.1) 捕集物の付着したろ紙から,捕集物の0.10.5 g程度を密閉式の四ふっ化エチレン樹脂製容器に
0.1 mgの桁まではかりとる。ろ紙から捕集物が採取できない場合は,ろ紙を含む全量を分解試料
とする。
3.2) 硝酸 2 mL及びふっ化水素酸 3 mLを加え容器を密閉し,電気炉にて110 ℃で1 時間加熱分解す
る。
3.3) 放冷後,JIS P 3801に規定するろ紙5種Bでろ過し,ろ液をふっ化水素酸に耐性がある全量フラ
スコ50 mLに受ける。密閉式の四ふっ化エチレン樹脂製容器の不溶解物を少量の水で洗浄し,洗
液をろ紙上に移し入れ,先のろ液と合わせる。この操作を23回繰り返す。
3.4) 全量フラスコ50 mLに水を標線まで加え,これを試料溶液とする。
3.5) 別に,分析試料を入れない四ふっ化エチレン樹脂製容器を用いて3.2)3.4)の操作を行い,空試験
溶液を調製する。ろ紙を含む全量を分解した場合,未使用のろ紙を用いて3.1)3.4)の操作を行い
空試験溶液とする。
b) アルカリ融解 アルカリ融解は,次による。
1) 試薬 試薬は,次による。
− 炭酸ナトリウム JIS K 8625に規定するもの。
− 塩酸 JIS K 8180 に規定するもの。
2) 器具 ガラス器具は,シリカガラス製若しくはソーダ石灰ガラス製又は,ポリエチレン製,ポリプ
ロピレン製若しくは四ふっ化エチレン樹脂製を使用する。
3) 操作 操作は,次による。
3.1) 捕集物の付着したろ紙から,捕集物の0.20.5 g程度を白金容器に0.1 mgの桁まではかりとる。
ろ紙から捕集物が採取できない場合,ろ紙を含む全量を分解試料とする。
3.2) 白金容器に炭酸ナトリウム1 gを加え,よく混合する。炭酸ナトリウム1.5 gで混合した試料を覆
う。蓋をした後,電気炉にて,約1 000 ℃で約1時間加熱融解する。
3.3) 放冷後,白金容器に水を加え熱板上で沸騰しないよう加熱し,融解物を四ふっ化エチレン樹脂製
ビーカーへ移し入れる。白金容器に塩酸(1+1)を容器の8分目程度まで加え,約150 ℃の熱板
上で加熱溶解し,溶解液を四ふっ化エチレン樹脂製ビーカーへ移し入れる。この操作を,白金容
器に内容物がなくなるまで繰り返す。
3.4) 四ふっ化エチレン樹脂製ビーカーに四ふっ化エチレン樹脂製時計皿で蓋をし,約200 ℃の加熱板
上で乾固させないよう蒸発濃縮する。
3.5) 放冷した後,JIS P 3801に規定するろ紙5種Bでろ過し,ろ液を全量フラスコ100 mLに受ける。
塩酸(1+4)にて,ろ紙上の残さが完全に白くなるまで洗浄し,洗液を先のろ液と合わせる。そ
れに塩酸(1+4)を標線まで加え,これを試料溶液とする。
3.6) 分析試料を入れない白金容器を用いて3.2)3.5)の操作を行い,空試験溶液を調製する。ろ紙を含
む全量を分解した場合,未使用のろ紙を用いて3.1)3.5)の操作を行い空試験溶液とする。
7.2 ガス状ほう素の試料溶液の調製
ガス状ほう素の試料溶液の調製は,次による。
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a) 器具 7.1 b) 2)による。
b) 操作 操作は,次による。
1) ビーカー 300 mLに試料ガス採取後の吸収液を移す。6.5 a) 5)の吸収液で導管,切替コック,空瓶及
び吸収瓶を洗浄し,洗液をビーカーに入れる。
2) 全量フラスコ 250 mLに,ビーカーの内容液を吸収液で洗い移し,更に吸収液を標線まで加える。
これを試料溶液とする。
3) 別に,6.5 a) 5)の吸収液を空試験溶液とする。
8 分析方法
8.1 ICP発光分光分析法
試料を高周波誘導結合プラズマ中に導入し,ほう素による発光を波長249.773 nmで測定してほう素を定
量するもので,次によって行う。
a) 試薬 試薬は,次のものを用い,ポリエチレン製,ポリプロピレン製などの,ほう素の溶出及び吸着
のおそれのない瓶に保存する。
1) イットリウム溶液(Y 50 最一 四ふっ化エチレン樹脂製容器に酸化イットリウム(III)(質量
分率99.9 %以上)0.318 gをとり,JIS K 9901に規定する高純度試薬−硝酸5 mLを加え,加熱して
溶かし,煮沸して窒素酸化物を追い出し,冷却後,全量フラスコ250 mLに移し入れ,水を標線ま
で加える。この溶液10 mLを全量フラスコ200 mLにとり,水を標線まで加える。
2) ほう素標準液(B 0.1 mg/mL) JIS K 8863に規定するほう酸0.572 gを全量フラスコ1 000 mLにと
り,水に溶かし,水を標線まで加える。
3) ほう素標準液(B 20 最一 ほう素標準液(B 0.1 mg/mL)50 mLを全量フラスコ250 mLにとり,
水を標線まで加える。使用時に調製する。
b) 装置及び器具 装置及び器具は,次による。
1) CP発光分光分析装置 粒子状ほう素の試料溶液を7.1 a)で調製した場合には,ふっ化水素に耐久
性のあるものを用いる。
2) 器具 7.1 a) 2)による。
c) 定量操作 定量操作は,次による。
1) 7.1及び7.2で調製した試料溶液の適量(B/ほう素として2800 を全量フラスコ100 mL
にとり,水を標線まで加える。
2) 1)の溶液をJIS K 0116の5.8(定量分析)によって,試料導入部を通してプラズマ中に噴霧し,波長
249.773 nmの発光強度を測定する6), 7), 8), 9)。
3) 空試験として,空試験溶液について1)及び2)の操作を行って,試料溶液について得た発光強度を補
正する。
4) ) で作成した検量線からほう素の量を求め,希釈倍率を考慮して,7.1及び7.2で調製した試料溶
液中のほう素の濃度(B mg/L)を算出する。
注6) 波長の異なる2本以上のスペクトル線の同時測定が可能な装置では,内標準法を用いるこ
とができる。内標準法は,試料の適量を全量フラスコ100 mLにとり,イットリウム溶液(Y
50 最一 10 mLを加えた後,水を標線まで加える。この溶液について噴霧操作を行って
波長249.773 nmと同様に371.029 nm(イットリウム)の発光強度を測定し,ほう素とイッ
トリウムとの発光強度の比を求める。
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JIS K 0081:2012の国際規格 ICS 分類一覧
- 13 : 環境.健康予防.安全 > 13.040 : 気質 > 13.040.40 : 固定施設からの発生ガス
JIS K 0081:2012の関連規格と引用規格一覧
- 規格番号
- 規格名称
- JISK0050:2019
- 化学分析方法通則
- JISK0095:1999
- 排ガス試料採取方法
- JISK0116:2014
- 発光分光分析通則
- JISK0133:2007
- 高周波プラズマ質量分析通則
- JISK0557:1998
- 用水・排水の試験に用いる水
- JISK8150:2006
- 塩化ナトリウム(試薬)
- JISK8180:2015
- 塩酸(試薬)
- JISK8180:2021
- 塩酸(試薬)
- JISK8230:2016
- 過酸化水素(試薬)
- JISK8541:2015
- 硝酸(試薬)
- JISK8541:2021
- 硝酸(試薬)
- JISK8576:2019
- 水酸化ナトリウム(試薬)
- JISK8625:2017
- 炭酸ナトリウム(試薬)
- JISK8819:2017
- ふっ化水素酸(試薬)
- JISK8863:2007
- ほう酸(試薬)
- JISK9901:1994
- 高純度試薬―硝酸
- JISP3801:1995
- ろ紙(化学分析用)
- JISZ8808:2013
- 排ガス中のダスト濃度の測定方法