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表10 繰返し精度
薄膜加熱 許容差
薄膜加熱後の針入度残留率 4.0%
0.04質量%
加熱質量変化率0.4質量%未満のとき
0.4質量%以上のとき 平均値の8%
(2) 再現精度 異なる2試験室において,別人が別の試験器で同一試料をそれぞれ1回ずつ試験して求め
た2個の試験結果の差は,表11の許容差を超えてはならない。
表11 再現精度
薄膜加熱 許容差
薄膜加熱後の針入度残留率 12.0%
0.16質量%
加熱質量変化率0.4質量%未満のとき
0.4質量%以上のとき 平均値の40%
6.9 蒸発試験方法
6.9.1 試験方法の概要 試料を163℃の恒温空気槽中に5時間保った後,試料の質量変化量を測定し,加
熱前試料の質量に対する百分率を蒸発質量変化率として算出する。
6.9.2 蒸発試験器 蒸発試験器は,次の(1)(4)からなり,その一例を図12に示す。
(1) 試験容器 図3(a)に示す形状及び寸法の金属製又は,耐熱ガラス製平底円筒とする。
(2) 恒温空気槽 6.8.2(1)に規定するものを用いる。ただし,回転盤は,次の(3)に規定するものを用いる。
(3) 回転盤 図15に示す形状及び寸法のアルミニウム合金製で,試験容器9個を円形状に定置できるもの
で,その内側と外側には,各々9個の孔をもち,各容器の定位置の間に補強板を配置し,円板の中央
は回転軸に固定できる構造とする。
(4) 温度計
(a) 試験用温度計 JIS B 7410の温度計番号27 (AEL) のもので,あらかじめJIS B 7410の附属書に従
って各試験温度における目盛の誤差を求め,補正しておく。
(b) 恒温空気槽用温度計 目盛範囲0200℃で,目量1℃以下のものとする。
図15 回転盤
6.9.3 試料の準備 試料は,部分的な過熱を避け,予想される軟化点より90℃以上高くしないように,
なるべく低温で試料中に泡が入らないようにゆっくりかき混ぜながら溶融する。試料は,30分以上加熱し
ないこと。
6.9.4 試験の手順 蒸発試験の手順は,次による。
(1) 試験用温度計を横腕にかけ,回転盤の外縁から約20mm内側で,水銀球下端が回転盤上面から6mm
――――― [JIS K 2207 pdf 21] ―――――
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上になるように垂直に取り付けた後,恒温空気槽内の温度を163℃に保つ。
(2) 清浄・乾燥した試験容器の2個を0.01gのけたまで量る。この試験容器に溶融試料50±0.5gを採取し,
室温まで放冷した後,0.01gのけたまで量る。
(3) 試料を量り採った試験容器を,恒温空気槽内の回転盤上に定置した後,扉を閉じ,回転盤を毎分56
回の速さで回転させ,恒温空気槽内の温度が再び162℃に達してから5時間,163±1℃に保つ。ただ
し,いかなる場合でも試料を恒温空気槽内に置く全時間は,5時間15分を超えてはならない。
備考 種類の異なる試料については,同一恒温空気槽中で同時に試験を行ってはならない。
(4) 加熱が終わったら試験容器を取り出し,室温まで放冷した後,これを0.01gのけたまで量る。泡立ち
を起こした形跡が認められた場合,試料を適切な方法で脱水処理し,試験をやり直す。
(5) 蒸発質量変化率は,次の式によって算出し,2個の試験容器の結果の差が6.9.5(1)の許容差を超えない
場合は,これを平均し,JIS Z 8401によって小数点以下2けたに丸める。蒸発後の質量が増加した場
合には,数値の前に(+),減少した場合は,(−)の符号を付ける。
W WS
V 100
WS
ここに, V : 蒸発質量変化率(質量%)
Ws : 試料量り採り量 (g)
W : 蒸発後の試料の質量 (g)
6.9.5 精度 蒸発試験の精度は,次による。
(1) 繰返し精度 同一試験室において,同一人が同一試料を同一恒温空気槽中で同時に2回試験したとき,
試験結果の差は,表12の許容差を超えてはならない。
表12 繰返し精度
蒸発質量変化率(質量%) 許容差
0.50以下 0.10質量%
0.50を超え1.0以下0.20質量%
1.0を超えるもの 0.30質量%又は平均値の10%
(いずれか大きい方を採る。)
(2) 再現精度 異なる2試験室において,別人が別の試験器で同一試料をそれぞれ1回ずつ試験して求め
た2個の試験結果の差は,表13の許容差を超えてはならない。
表13 再現精度
蒸発質量変化率(質量%) 許容差
0.50以下 0.20質量%
0.50を超え1.0以下0.40質量%
1.0を超えるもの 0.60質量%又は平均値の20%
(いずれか大きい方を採る。)
6.10 蒸発後の針入度比試験方法
6.10.1 試験の手順 6.9による蒸発後,直ちに2個の容器のうち,1個の容器中の試料を泡が生じないよ
うに注意して,よくかき混ぜて均質にする。これを1530℃の室温に11.5時間放置する。他の1個の容
器中の試料は,かき混ぜないままの状態で室温に放置する。
次に,これを25±0.1℃に保った恒温水槽中に11.5時間放置した後,6.3によって針入度を測定し,次
の式によって蒸発後の針入度比を算出し,JIS Z 8401によって整数に丸める。
Pb
Pr 100
Pa
――――― [JIS K 2207 pdf 22] ―――――
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ここに, Pr : 蒸発後の針入度比 (%)
Pa : かき混ぜた試料の針入度
Pb : かき混ぜない試料の針入度
6.10.2 精度 規定しない。
6.11 針入度指数算出方法 針入度指数は,次の式によって算出する。
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PI 10
1 50A
log 800log P25
A
SP 25
ここに, PI : 針入度指数
P25 : 6.3によって求めた針入度 (25℃)
SP : 6.4によって求めた軟化点 (℃)
参考 針入度と軟化点から針入度指数を図によって求める方法を参考図1に示す。
参考図1 針入度指数早見図表
6.12 密度試験方法(ハバード比重瓶法)
6.12.1 試験方法の概要 加熱溶融した試料を,温めたハバード比重瓶の約半分まで入れ,デシケータ中で
室温になるまで放冷した後,栓と共にひょう量し,試料の見掛け質量を求める。次いで,比重瓶の上半分
に水を満たし,15±0.05℃に保った恒温水槽に浸せきし,20分間保持した後,比重瓶に栓をし,比重瓶中
の水のメニスカスを栓の標線に一致させる。比重瓶を恒温水槽から取り出し,その外側を乾かし,ひょう
量し,試料と水の見掛け質量の合計値を求める。
試料の密度 (15℃) は,あらかじめ測定した比重瓶の水当量から15±0.05℃において比重瓶の上半分に
満たした水の見掛け質量を差し引いた値(試料と等体積の水の見掛け質量)で試料の見掛け質量を割って
――――― [JIS K 2207 pdf 23] ―――――
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求める。
なお,試料の試験温度と異なる温度で校正(水当量の測定)した比重瓶を用いた場合は,さらに比重瓶
(ガラス)の熱膨張に対する補正を行う。
6.12.2 ハバード比重瓶法密度試験器 ハバード比重瓶法密度試験器は,次の(1)(3)からなる。
(1) ハバード比重瓶 JIS R 3503の付図62に規定するもので,その材質はソーダ石灰ガラス又はほうけい
酸ガラスとする。
備考 ほうけい酸ガラス製のハバード比重瓶は,生地ガラスの体膨張係数が分かっているものでなけ
ればならない。
参考 試験温度が室温よりも低い場合は,参考図2に示すような頭部をすり鉢状のあふれ液貯留部に
した栓を用いると,比重瓶のひょう量操作時,膨張によってあふれ出てくる比重瓶中の水の損
失を防ぐことができる。
参考図2 あふれ液貯留部付き栓(一例)
(2) 恒温水槽 浴温を15℃及び任意の試験温度±0.05℃に調節することのできるもので,ハバード比重瓶
の全長以上の深さをもつもの。
(3) 温度計 JIS B 7410に規定する温度計番号44 (SG) のもので,あらかじめJIS B 7410の附属書に従っ
て各試験温度における目盛の誤差を求め,補正しておく。
6.12.3 ハバード比重瓶の洗浄 比重瓶及び栓を石油エーテル,トルエンなどの適切な溶剤で洗浄した後,
清浄な乾燥空気を吹き付けるか,又は減圧乾燥器を用いて乾燥し,溶剤を完全に除去する。ただし,新し
い比重瓶を用いるとき,比重瓶を校正し直すとき,及び比重瓶の内壁や栓の毛細管から水がきれいに排除
されない場合は,次の方法で洗浄しなければならない。
比重瓶及び栓をクロム酸混液(9)又はこれと同等の洗浄力をもつ合成洗剤(中性のもの)で十分に洗浄し
た後,水ですすぐ。次いで,アセトンのような水溶性で揮発性の溶剤を用いてすすぎ,乾燥する。この際,
水分及び溶剤を完全に除去するため,清浄な乾燥空気を通しながら乾燥するとよい。
注(9) クロム酸混液は,強酸であり,強力な酸化剤であるので,その取扱いには十分に注意すること。
また,使用済みのクロム酸混液は無害化処理をしなければならない。
6.12.4 ハバード比重瓶の校正(水当量の測定) 比重瓶の校正は,次による。
(1) 6.12.3に従って洗浄・乾燥した比重瓶及び栓を化学はかりの近くに置き,室温になるまで放置した後,
――――― [JIS K 2207 pdf 24] ―――――
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その見掛け質量を0.1mgのけたまで量る。
(2) 新たに煮沸し,校正温度(10)よりもわずかに低い温度まで冷却した水(蒸留水が望ましい)を比重瓶に
満たす。次いで,栓を気泡が入らないように注意しながら比重瓶に堅く差し込む。
注(10) 原則として,15℃とする。
(3) 比重瓶を校正温度(10)±0.05℃に保った恒温水槽中に,その首部まで浸せきし,比重瓶内の水の温度と
恒温水槽の温度とを平衡させるため,1時間以上保持する。
(4) 比重瓶内の水の温度が恒温水槽の温度と平衡になったら,栓の標線の上の余分の水を吸い取って水面
を標線に合わせる。恒温水槽から比重瓶を取り出し,その外側を水,アセトン,トルエンの順ですす
ぎ,わずかに湿気をもたせた清浄で毛羽立ちの少ない布でぬぐって(11)乾かす。
注(11) 比重瓶をぬぐうとき,手の熱で内容物が膨張して流れ出ないように注意しなければならない。
参考 低湿度(60%以下)の大気中で,比重瓶を乾布でこすって乾かすと静電気が起こり,比重瓶が
1mg以上も軽くなることがある。この静電気は30分以内では完全には消えない。
比重瓶に静電気が起きているかどうかの確認には,アルミニウムはく(箔)検電器などを用
いる。
また,比重瓶に発生した静電気を消すには,比重瓶の外面をアセトン,イソペンタン(又は
エチルエーテル)の順で十分にすすぐか,又はアセトン浴及びイソペンタン浴(又はエチルエ
ーテル浴)に,それぞれ10秒以上浸せきした後,自然乾燥するとよい。
(5) (4)の比重瓶の見掛け質量を0.1mgのけたまで量る。
(6) 校正温度(10)における比重瓶の水当量を次の式によって算出する。比重瓶の水当量は,ときどき測定し
直さなければならない。
Mw=Mc−Mo
ここに, Mw : 校正温度(10)における比重瓶の水当量 (g)
Mc : 校正温度(10)において水を満たした比重瓶及び栓の見掛け質
量 (g) [(5)参照]
Mo : 空の比重瓶及び栓の見掛け質量 (g)[(1)参照]
(7) 比重瓶内の水を排出し,比重瓶及び栓をアセトンなどの水溶性で揮発性の溶剤ですすいだ後,6.12.3
に従って洗浄し,乾燥する。
6.12.5 試験の手順 密度試験の手順は,次による。
(1) 6.12.3に従って洗浄し,乾燥した校正済み比重瓶及び栓の見掛け質量を0.1mgのけたまで量る。
(2) 試料を蒸発損失のないようになるべく低い温度で加熱溶融し,温めた比重瓶のほぼ半ばまで入れる。
この際気泡の伴わないよう注意し,また,試料の表面から上方の器壁にできるだけ試料が付着しない
ようにする。
(3) 試料の入った比重瓶をデシケーター中で室温になるまで放冷した後,栓と共に見掛け質量を0.1mgの
けたまで量る。
(4) 新たに煮沸し,試験温度(12)以下に冷却した水を気泡が生じないように注意しながら,(3)の比重瓶に満
たす。
次いで,試験温度(12)±0.05℃に保った恒温水槽中に,比重瓶をその首部まで浸せきし,20分間保持
して内容物の温度を安定させる(13)とともに,気泡を比重瓶中の水面まで上昇させ,取り除く。
注(12) 原則として,15℃とする。
(13) 比重瓶内の水の液面が変動しなくなったら,内容物の温度は安定したとみなす。もし,20分間
――――― [JIS K 2207 pdf 25] ―――――
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JIS K 2207:1996の国際規格 ICS 分類一覧
- 75 : 石油及び関連技術 > 75.140 : ワックス,瀝青物質及びその他の石油製品
JIS K 2207:1996の関連規格と引用規格一覧
- 規格番号
- 規格名称
- JISB0651:2001
- 製品の幾何特性仕様(GPS)―表面性状:輪郭曲線方式―触針式表面粗さ測定機の特性
- JISB1501:2009
- 転がり軸受―鋼球
- JISB7410:1997
- 石油類試験用ガラス製温度計
- JISG4303:2012
- ステンレス鋼棒
- JISG4303:2021
- ステンレス鋼棒
- JISG4305:2012
- 冷間圧延ステンレス鋼板及び鋼帯
- JISG4305:2021
- 冷間圧延ステンレス鋼板及び鋼帯
- JISK2249:1995
- 原油及び石油製品―密度試験方法及び密度・質量・容量換算表
- JISK2251:2003
- 原油及び石油製品―試料採取方法
- JISK2265:1996
- 原油及び石油製品 ― 引火点試験方法
- JISK2283:2000
- 原油及び石油製品―動粘度試験方法及び粘度指数算出方法
- JISK2839:1990
- 石油類試験用ガラス器具
- JISK8034:2006
- アセトン(試薬)
- JISK8124:2018
- 塩化カルシウム(乾燥用)(試薬)
- JISK8680:2006
- トルエン(試薬)
- JISR3503:1994
- 化学分析用ガラス器具
- JISR6252:2006
- 研磨紙
- JISZ8401:2019
- 数値の丸め方
- JISZ8402-6:1999
- 測定方法及び測定結果の精確さ(真度及び精度)―第6部:精確さに関する値の実用的な使い方
- JISZ8705:1992
- ガラス製温度計による温度測定方法
- JISZ8801-1:2019
- 試験用ふるい―第1部:金属製網ふるい
- JISZ8809:2011
- 粘度計校正用標準液