JIS K 2207:1996 石油アスファルト | ページ 4

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ペトリ皿を乾燥器から取り出し,ペトリ皿のふたを少しずらして,デシケータ中で約30分間放冷した
後,0.1mgのけたまで量る。フィルタが恒量(±0.3mg)になるまで乾燥,放冷,計量を繰り返し,恒量
になったらろ過装置に取り付ける。
6.6.4 試験の手順 トルエン可溶分試験の手順は,次による。
(1) 試料約2gを三角フラスコ200mlに採り,0.001gのけたまで量る。三角フラスコを絶えず振りながら,
室温でトルエン100mlを少量ずつ加え,試料を溶かす。試料が溶けたら栓をして,15分以上放置する。
(2) ろ過装置に取り付けたフィルタを少量のトルエンでぬらす。試料のトルエン溶液を,傾斜させながら,
ろ過装置の上部漏斗中に注意しながら流し込み,溶液がフィルタを通って滴下し終わるまで吸引の強
さを加減しながら,徐々に吸引する。次に,少量のトルエンで三角フラスコ200mlを洗いながら,不
溶分を上部漏斗中に移す。この際,必要に応じて,不溶分を完全に移すのにガラス製のかき混ぜ棒な
どを用いる。
(3) 上部漏斗内壁及びフィルタを,トルエンを少量ずつ使って,ろ液が無色になるまで洗浄する。次に吸
引を続けたままで上部漏斗を取り外し,フィルタの外縁部に着色したトルエン溶液のしみ出しが認め
られる場合は,フィルタの外縁から中心に向かって少量のトルエンですすぐ。この際,不溶分がフィ
ルタの表面から外側に洗い落とされないように注意する。
(4) 十分に吸引してトルエンを除いた後,フィルタを取り出してペトリ皿に移し,6.6.3(2)に準じて不溶分
を含むフィルタの質量を求める。
(5) トルエン可溶分は,次の式によって算出し,可溶分が99.00質量%以上の場合は,0.01質量%単位に,
99.00質量%未満の場合は,0.1%質量単位に丸める。
B
A 100 100
C
ここに, A : トルエン可溶分(質量%)
B : 不溶分の質量 (g)
C : 試料の質量 (g)
6.6.5 精度 トルエン可溶分の試験結果が99.00質量%以上の試料について規定する。
(1) 繰返し精度 同一試験室において,同一人が同一試験器で日又は時間を変えて同一試料を2回試験し
たとき,試験結果の差は,0.10質量%を超えてはならない。
(2) 再現精度 異なる2試験室において,別人が別の試験器で同一試料をそれぞれ1回ずつ試験して求め
た2個の試験結果の差は,0.50質量%を超えてはならない。
6.7 引火点試験方法 JIS K 2265に規定するクリーブランド開放式による。
備考 試料によって(特に高軟化点試料の場合),引火点付近の温度で試料表面に膜が生じ,測定が困
難になる場合は,適当な方法で被膜を除去しながら試験を行う。
6.8 薄膜加熱試験方法
6.8.1 試験方法の概要 膜厚3.2mmの試料を163℃の恒温空気槽中で5時間加熱する。薄膜加熱質量変化
率は,試料の加熱後の質量変化量を測定し,加熱前試料の質量に対する百分率で表す。薄膜加熱後の針入
度残留率は,加熱後の針入度の原針入度に対する百分率で表す。
6.8.2 薄膜加熱試験器 薄膜加熱試験器は,次の(1)(3)からなり,その一例を図12に示す。
(1) 恒温空気槽 二重壁をもつ電熱式恒温空気槽で,浴温を163±1℃に保つことができ,回転盤,回転盤
駆動装置,室内灯などを備えたものとする。扉には温度計及び内部の状況を観察するために一辺
100mm以上の角形二重ガラス窓を設ける。浴槽内の換気が均一に行われるように,底部及び頂部にそ

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れぞれ2個以上の空気出入口孔を設ける。入口孔の全面積は1.3cm2以上,出口孔の全面積は1.3
12.9cm2とする。
また,電熱器の絶縁抵抗は6.2による。
(a) 回転盤 アルミニウム製の円板で,試料容器を同心円状に定置できるものとする。図13に4個がけ
の一例を示す(7)。
注(7) 6個がけを使用する場合には,恒温空気槽が大きくなり,温度分布が不均一になりやすいので,
規定の浴温を保つような構造にする。
(b) 回転盤駆動装置 図12に示すもので,回転盤を浴槽内に水平に保持し,毎分56回転の速さで円
滑に回転させることができるものとする。
なお,回転軸には,(3)(a)に規定する温度計を規定の位置(8)につり下げることができる横腕を備え
る。
注(8) 回転盤の半径の21の位置で,温度計の球下端が回転盤の上面から約6mm上になるような位置と
する。
(2) 試験容器 図14に示すアルミニウム又はステンレス鋼製の平底容器とする。
(3) 温度計
(a) 試験用温度計 JIS B 7410に規定する温度計番号27 (AEL) のもので,あらかじめJIS B 7410の附
属書に従って各試験温度における目盛の誤差を求め,補正しておく。
(b) 恒温空気槽用温度計 目盛範囲で0200℃で目量1℃以下のものとする。

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図12 薄膜加熱試験器(一例)

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図13 回転盤(一例)
図14 試験容器
6.8.3 試料の準備 試料は,部分的な過熱を避け,予想される軟化点より90℃以上高くしないように,
なるべく低温で試料に泡が入らないようにゆっくりかき混ぜながら溶融する。試料は,30分以上加熱しな
いこと。溶融温度は,150℃を超えてはならない。
6.8.4 試験の手順 薄膜加熱試験の手順は,次による。
(1) 清浄・乾燥した2個以上の試験容器の質量を0.001gのけたまで量る。溶融試料を試験容器に50±0.5g
採取し,室温まで放冷した後0.001gのけたまで量る。
(2) 同時に6.3.2(2)に規定した針入度測定用試験容器に溶融試料を採り,6.3によって薄膜加熱試験前の試
料の針入度を測定する。

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(3) 回転盤は,回転中の最大傾斜角度が水平面に対して3度を超えないように水平に保つ。
また,恒温空気槽内の温度は,回転盤の外側端と中心との等距離の位置に垂直につるされた試験用
温度計で測定する。その際,温度計の水銀球下端は回転盤上から約6mm上になるように取り付けら
れていなければならない。
(4) 163℃に保たれた恒温空気槽内の回転盤上に試験容器を素早く置き,扉を閉じ,回転盤を毎分56回
の速さで回転させ,恒温空気槽内の温度が再び162℃に達してから5時間,163±1℃に保つ。ただし,
いかなる場合でも試料を恒温空気槽内に置く全時間は,5時間15分を超えてはならない。
備考 種類の異なる試料については,同一恒温空気槽中で同時に試験を行ってはならない。
(5) 加熱が終わったら試験容器を取り出し,室温まで放冷した後,これを0.001gのけたまで量り,試料の
薄膜加熱質量変化率を(9)によって算出する。
備考 加熱後の試料についての必要な試験項目がその日のうちに測定できない場合は,室温に放冷後
薄膜加熱質量変化率を求めた後,そのまま放置する。試験は,72時間以内に行う。
(6) 加熱後の質量を量った試験容器をセラミックス板の上に載せ,163℃の恒温空気槽内の回転盤上に置き,
15分間回転盤を回転させ,試料を溶融させる。溶融した試料を容量200mlの容器に入れる。このとき
適当なスパチュラかナイフで試料を試験容器からできるだけ取り出す。
(7) 容量200mlの容器に入れた試料を十分にかき混ぜる。必要に応じて試料を完全に溶融するためホット
プレートの上に置いて十分に溶融させる。溶融した試料の針入度を6.3によって測定し,薄膜加熱後
の針入度残留率を(8)によって算出する。
(8) 薄膜加熱後の針入度残留率は,次の式によって算出し,JIS Z 8401によって小数点以下1けたに丸め
る。
R
PP 100
0
ここに, PP : 薄膜加熱後の針入度残留率 (%)
PO : 加熱前の針入度
PR : 加熱後の針入度
(9) 薄膜加熱質量変化率は,次の式によって算出し,2個以上の試験容器の結果の差が表10の許容差を超
えない場合は,これを平均し,JIS Z 8401によって小数点以下2けたに丸める。
薄膜加熱後の質量が増加した場合は,数値の前に(+),減少した場合は,(−)の符号を付ける。
W WS
V 100
WS
ここに, V : 薄膜加熱質量変化率(質量%)
Ws : 試料採取量 (g)
W : 薄膜加熱後の質量 (g)
6.8.5 精度 薄膜加熱試験の精度は,次による。
(1) 繰返し精度 同一試験室において,同一人が同一試験器で日又は時間を変えて同一試料を2回試験し
たとき,試験結果の差は,表10の許容差を超えてはならない。

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