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図6 環及び球案内 図7 環台
6.4.4 試験の手順 軟化点試験の手順は,次による。
(1) 試料を注ぎ込んだ2個の環,温度計,球案内を環台に置き,加熱浴内に組み立てる。
(2) 軟化点が80℃以下の場合は,新たに煮沸し5℃に冷やした蒸留水(3)を,また軟化点が80℃を超える場
合は約32℃のグリセリンを,加熱浴に102108mmの高さまで満たす。
注(3) 試料に泡が付くと試験結果に影響するから,浴の水は,新たに煮沸した蒸留水を用いる。
(3) 浴温を軟化点80℃以下の場合は5℃に,80℃を超える場合は32℃に,15分間保持する。
(4) あらかじめ浴温にした球をピンセットで球案内の中央部に置き,加熱を始める。
(5) 加熱開始3分後から軟化点に達するまで,浴温が一様に毎分5±0.5℃の速さで上昇するように加熱す
る。
この場合,風が当たらないように注意し,必要ならば囲いをする。もし,この温度上昇速度が守れ
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なかったら,新しい試料で試験をやり直す。
(6) 試料が軟化して伸び,底板に触れたときの温度計示度を読み,これを記録する。温度計の露出部に対
する補正は行わない。2個の結果の差が1℃を超えた場合は,試験をやり直す。
(7) 2個の測定値の平均値を0.5℃単位に丸めて軟化点とする。
6.4.5 精度 軟化点試験の精度は,次による。
(1) 繰返し精度 同一試験室において,同一人が同一試験器で,日又は時間を変えて同一試料を2回試験
したとき,試験結果の差は,表8の許容差を超えてはならない。
表8 繰返し精度
軟化点 許容差℃
80℃以下 1.0
80℃を超えるもの 2.0
(2) 再現精度 異なる2試験室において,別人が別の試験器で同一試料をそれぞれ1回ずつ試験して求め
た2個の試験結果の差は,表9の許容差を超えてはならない。
表9 再現精度
軟化点 許容差℃
80℃以下 4.0
80℃を超えるもの 8.0
6.5 伸度試験方法
6.5.1 試験方法の概要 試料を型枠に流し込み規定の形状にした後,恒温水槽内で一定温度に保ち,次に
その試料を規定の速度で水平に引っ張ったとき,試料が切れるまでに伸びた距離を測定する。
6.5.2 伸度試験器 伸度試験器は,次の(1)(4)からなり,その一例を図8に示す。
(1) 伸度試験器 図8に示す構造及び寸法の水槽で,内底面は白色とし,次の(a)(d)の各部からなる。
(a) 移動架台 図9に示す形状及び寸法のもので,その材質は金属製とし,ねじを付けた主軸の回転に
よって移動の際の振動が少なく,型枠の試料保持金具の孔をはめ込む支柱,温度計保持具及び伸度
を示す指針を付けたもの。
また,主軸ねじとのかみ合せ部は,割ねじとする。
(b) 固定架台 図8に示す形状の金属製のもので,型枠の試料保持金具の孔をはめ込む支柱をもつもの。
水槽の側壁内面に固定する。
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図8 伸度試験器(一例)
図9 移動架台(一例)
――――― [JIS K 2207 pdf 13] ―――――
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図10 型枠
(c) 移動装置 試料を毎分5±0.25cmの速度で引き伸ばすことのできる電動式装置とし,水槽外の電動
機によって,主軸ねじを回転できる構造とする。
(d) 目盛板 水槽側壁上部に取り付け,移動架台の移動距離が読めるような長さ150cmの目盛板で,そ
の細分目盛は0.5cmとする。
備考 伸度試験器の水温調節には,温度調節した水を循環させる装置を用いてもよい。
(2) 型枠 図10に示す型状及び寸法の黄銅製のものとし,試料保持金具2個,側壁金具2個で,内面は,
精密仕上げを施す。
(3) 金属板 黄銅又はステンレス鋼製のものとし,型枠の平面と密着するように平滑で,厚さ2mm以上,
大きさ約150×170mmとする。
(4) 恒温水槽 容量10l以上とし,浴温を試験温度±0.1℃以内に調節することのできる温度調節器を取り
付け,また,水面から深さ100mm以上,底から50mm以上の位置に有孔架台を備える。
6.5.3 試料の準備 伸度試験の試料の準備は,次による。
(1) 試料は,部分的な過熱を避け,予想される軟化点より90℃以上高くしないように,なるべく低温で試
料中に泡が入らないようにゆっくりかき混ぜながら溶融する。試料は,30分以上加熱しないこと。
(2) 試料をJIS Z 8801に規定する目開き300 ふるいでこし,金属板上に組み立てた型枠にやや過剰
に流し込む(4)。
注(4) 型枠に試料を流し込むには型枠を崩したり,変形しないように,また,泡が入らないように注
意する。
(3) 金属板上に型枠を組み立てる場合には,あらかじめ金属板の上面並びに型枠の側壁金具の内面に試料
が付着しないように,シリコーングリース,グリセリン−デキストリン等量混合物などのはく離剤を
塗布しておく。
(4) 試料を型枠に流し込んだ後,3040分間室温で放冷して,金属板上に置いたまま,試験温度±0.1℃に
保った恒温水槽中の有孔架台上に移し30分間浸す。
(5) 次いで恒温水槽から金属板と試料を取り出し,型枠上面の過剰な試料を,温めたナイフ,スパチュラ
などを用いて型枠上面に沿って削り取った後,再びこれを金属板と共に恒温水槽内に入れ,8595分
間静置する。
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6.5.4 試験の手順 伸度試験の手順は,次による。
(1) 伸度試験器中に水を満たし(5),伸度測定中,水温を試験温度±0.5℃に保つ。
注(5) 試験中,伸度試験器に取り付けた試料の上下に水の層が25mm以上なければならない。
(2) 型枠と試料を恒温水槽から取り出し,型枠の側壁を取り外して,試料保持金具の孔を伸度試験器の支
柱にかけ,指針を0に合わせ,電動機によって毎分5±0.25cmの速度で試料を引き伸ばし(6),試料が
切れたときの指針の示度を0.5cm単位で読み,記録する。
注(6) 試験中,試料が水の表面に出たり,又は試験器の底部に接触したりする場合は,伸度試験器の
水にメタノール又は塩化ナトリウムを添加して水の密度を調節する。
伸度測定中には水を乱さないこと。
(3) 3回の測定値の平均値をJIS Z 8401によって1cm単位に丸め,これを伸度とし,試験温度を付記する。
6.5.5 精度 規定しない。
6.6 トルエン可溶分試験方法
6.6.1 試験方法の概要 試料をトルエンに溶かし,グラスファイバー製フィルタでろ過する。不溶分をト
ルエンで洗った後,乾燥し,質量を量る。
6.6.2 トルエン可溶分試験器及び試薬 トルエン可溶分試験の試験器及び試薬は,次による。
(1) グラスファイバー製フィルタ(以下,フィルタという。) 直径47mm,最小保留粒子径0.6
(2) ろ過装置 図11に示す上部漏斗,フィルタ保持台付き下部漏斗及び吸引瓶からなり,フィルタは,上
部漏斗とフィルタ保持台付き下部漏斗との間に挟んで金属製クランプで止め,固定する。
図11 ろ過装置(一例)
(3) 試薬 JIS K 8680に規定するトルエン試薬特級又はそれに準じるもの。
備考 トルエンは,その蒸気を長時間吸収すると人体に有害(許容濃度100ppm)なので,蒸気の発散
場所は,十分に換気を行う。
また,誤って皮膚に付着した場合は速やかに水で洗い落とす。
6.6.3 試料及びフィルタの準備 トルエン可溶分試験の試料及びフィルタの準備は,次による。
(1) 試料は,部分的な過熱を避け,予想される軟化点より90℃以上高くしないように,なるべく低温で試
料中に泡が入らないようにゆっくりかき混ぜながら溶融する。試料は,30分以上加熱しないこと。
(2) 清浄なペトリ皿にフィルタを入れ,ふたを少しずらして,105110℃の乾燥器中で30分間乾燥する。
――――― [JIS K 2207 pdf 15] ―――――
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JIS K 2207:1996の国際規格 ICS 分類一覧
- 75 : 石油及び関連技術 > 75.140 : ワックス,瀝青物質及びその他の石油製品
JIS K 2207:1996の関連規格と引用規格一覧
- 規格番号
- 規格名称
- JISB0651:2001
- 製品の幾何特性仕様(GPS)―表面性状:輪郭曲線方式―触針式表面粗さ測定機の特性
- JISB1501:2009
- 転がり軸受―鋼球
- JISB7410:1997
- 石油類試験用ガラス製温度計
- JISG4303:2012
- ステンレス鋼棒
- JISG4303:2021
- ステンレス鋼棒
- JISG4305:2012
- 冷間圧延ステンレス鋼板及び鋼帯
- JISG4305:2021
- 冷間圧延ステンレス鋼板及び鋼帯
- JISK2249:1995
- 原油及び石油製品―密度試験方法及び密度・質量・容量換算表
- JISK2251:2003
- 原油及び石油製品―試料採取方法
- JISK2265:1996
- 原油及び石油製品 ― 引火点試験方法
- JISK2283:2000
- 原油及び石油製品―動粘度試験方法及び粘度指数算出方法
- JISK2839:1990
- 石油類試験用ガラス器具
- JISK8034:2006
- アセトン(試薬)
- JISK8124:2018
- 塩化カルシウム(乾燥用)(試薬)
- JISK8680:2006
- トルエン(試薬)
- JISR3503:1994
- 化学分析用ガラス器具
- JISR6252:2006
- 研磨紙
- JISZ8401:2019
- 数値の丸め方
- JISZ8402-6:1999
- 測定方法及び測定結果の精確さ(真度及び精度)―第6部:精確さに関する値の実用的な使い方
- JISZ8705:1992
- ガラス製温度計による温度測定方法
- JISZ8801-1:2019
- 試験用ふるい―第1部:金属製網ふるい
- JISZ8809:2011
- 粘度計校正用標準液