JIS K 2211:2009 冷凍機油 | ページ 6

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附属書C
(規定)
冷媒との化学的安定性試験方法(オートクレーブテスト)

序文

  この附属書は,冷媒との化学的安定性試験方法(オートクレーブテスト)について規定する。
なお,この附属書は,代表的な冷媒としてHFC-134aを用いたときの方法について規定しているが,規
定以外の冷媒の適用を妨げるものではない。ただし,規定以外の冷媒を用いるときは,冷媒の特性を確認
し,安全上十分な配慮をしなければならない。
C.1 試験の概要
ステンレス鋼製耐圧容器に触媒として,鉄,銅及びアルミニウムを入れ,規定量の試料(代表例 : 70 g)
及び冷媒(代表例 : 70 g)とともに密閉する。次に,密閉した耐圧容器を125200 ℃(代表例 : 175 ℃)
で一定時間(代表例 : 14日間)加熱後,試料の色によって,試料の化学的安定性を評価する。
C.2 試験器及び器具
冷媒との化学的安定性試験の試験器及び器具は,次による。
a) ステンレス鋼製耐圧容器 ステンレス鋼製耐圧容器は,内容量が300 mLのステンレス鋼製のもので,
冷媒を導入するためのニードル弁がふたに設置されたものを用いる。ニードル弁部分を含めて,容器
全体の耐圧保証値が10 MPa以上のものを用いる。その一例を,図C.1に示す。

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単位 mm
図C.1−ステンレス鋼製耐圧容器(一例)
図C.2−冷媒導入器(一例)
b) 冷媒導入器 冷媒導入器は,耐圧容器で,真空ポンプ及び冷媒容器に接続し,流量を調節できるもの
を用いる。その一例を,図C.2に示す。
c) 真空ポンプ 真空ポンプは,1.3 Paの真空度が得られるものを用いる。
d) 恒温浴 恒温浴は,恒温空気浴又は恒温油浴で,125200 ℃の範囲において,浴内温度を±1 ℃に保
つことができるかくはん機を備えたものを用いる。
e) 天びん 天びんは,0.1 gのけたまでひょう量できるものを用いる。

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C.3 冷媒
冷媒は,JIS K 1560に規定するものを用いる。
なお,JISに規定されていない冷媒(R404A,R407C,R410Aなど)の場合は,市販のものを用いる。
C.4 触媒
触媒は,次のものを用いる。
a) 鉄 鉄は,JIS C 2504に規定する材質で,直径1.60 mm,長さ300 mmのものを用いる。
b) 銅 銅は,JIS C 3102に規定する材質で,直径1.60 mm,長さ300 mmのものを用いる。
c) アルミニウム アルミニウムは,JIS H 4040に規定するA1070Wの直径1.60 mm,長さ300 mmのも
のを用いる。
C.5 試験の手順
試験の手順は,次による。
a) 触媒の準備 触媒は,適切な溶剤(ヘプタン,ヘキサンなど)で湿した脱脂綿でふきとり,次に,JIS
R 6251に規定するP100番の研磨布で,新しいはだが出るまで磨き,更に乾いた脱脂綿で金属粉及び
研磨材粉を完全に取り除く。研磨した触媒の取扱いには,常に清浄,乾燥した脱脂綿又は木綿手袋を
用い,直接手で触れないようにする。研磨した後,コイル状に加工するなどし,耐圧容器内で触媒全
体が試料に完全に浸るようにしておく。
b) 耐圧容器の洗浄 耐圧容器は,中性洗剤などで内部の汚れを落とした後,水道水,蒸留水,市販の精
製水の順で十分洗浄し,乾燥器で乾燥する。
c) 試料の注入 耐圧容器に触媒を入れた後,試料70.0 g±0.5 gをはかりとる。
d) 耐圧容器の脱気 試料を入れた後,耐圧容器にニードル弁付きのふたをして,万力などを用いて強く
ふたをしめる。次に,ふたのニードル弁にホースを接続するための金具を取り付け,それを介して,
真空用の耐圧ホースを取り付ける。耐圧ホースの他端は,冷媒導入器に接続する。冷媒導入器の真空
ポンプを作動した後,徐々にニードル弁を開放し,耐圧容器及び冷媒導入器内を脱気する。このとき,
ニードル弁を一気に開放すると試料が発泡して漏れ出すため,注意してゆっくりと開放する。脱気は,
真空度が6.7 Pa以下になるまで行う。脱気が完了した後,耐圧容器を冷媒導入器から外して−30 ℃以
下に設定した低温恒温槽内に静置するか,砕いたドライアイスで容器を囲うなどして,十分に冷却す
る。
e) 冷媒の導入 脱気及び冷却が完了した後,冷媒導入器を外していた場合は,再度接続し,冷媒容器へ
の弁を開く。耐圧容器内に冷媒が導入されるので,70 gを少し超える量の冷媒が導入されたら,耐圧
容器のニードル弁を閉め,冷媒容器への弁を閉じる。耐圧容器から耐圧ホース及び接続用金具を外し,
室温で放置する。耐圧容器の温度が室温になったら,容器周囲の水滴を乾いた布でふきとって取り除
き,天びんに載せ,ニードル弁の開度を調節しながら冷媒量を調節し,冷媒70.0 g±1.0 gをはかりと
る。
f) 試料の加熱劣化 触媒,試料及び冷媒を充てんした耐圧容器を,規定温度(代表例 : 175 ℃)の恒温
浴で,規定時間(代表例 : 14日間)加熱する。
g) 加熱劣化後の試料の採取 規定温度で規定時間加熱した後,恒温浴から耐圧容器を取り出し,室温ま
で冷却する。冷却後,ニードル弁を開き,冷媒を容器から取り出す。このとき,試料に溶け込んだ冷
媒が発泡し,泡状の試料が漏れ出てくることがないように,ニードル弁は注意してゆっくり開く。容

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器から冷媒が出なくなったら,ふたを開き,試料及び触媒を取り出す。
C.6 結果の表し方
JIS K 2580に規定するASTM色試験方法によって,採取した試料の色を判定し,化学的安定性の結果と
する。
C.7 精度
この試験方法によって得られた試験結果の許容差(確率0.95)は,次による。試験結果が許容差を外れ
た場合は,JIS Z 8402-6の規定によって処理する。
a) 室内併行精度 同一試験室において,同一人が同一試験器で,引き続き短時間に同一試料を2回試験
したとき,試験結果の差の許容差は,表C.1による。
b) 室間再現精度 異なる試験室において,別人が別の試験器で,同一試料をそれぞれ1回ずつ試験して
求めた2個の試験結果の差の許容差は,表C.1による。
表C.1−精度
試験の種類 室内併行許容差 室間再現許容差
冷媒との化学的安定性(オートクレーブテスト)a)
0.5 2.5
色(ASTM色)
注a) 精度は,試料70 g及び冷媒HFC-134a 70 gを用いて,175 ℃,14日間で試験を行った場合に適
用する。
C.8 安全に対する注意事項
加熱劣化中の耐圧容器内は,高温,高圧の状態であり,ふた,ニードル弁接続部などに緩みがあると,
高温の冷媒が漏れ出す可能性がある。したがって,その取扱いには十分注意する必要があり,特に実験担
当者は,次の安全対策に従うとともに,操作の各段階で予知できる危険性に対して十分配慮すべきである。
a) 実験担当者は,加圧された耐圧容器を扱うときは,頭,顔及び体を守るため,顔には保護面,腕には
厚手の布製覆い,手には皮製手袋を着用する。
b) 液冷媒を小形のシリンダーに小分けして用いるときは,気相部を20 %以上残して充てんする。
c) 耐圧容器のふた又はニードル弁接続部に緩みがあると,密封後に室温まで加温される段階,又は加熱
劣化を行っている最中に冷媒が漏れ出してしまう。したがって,実験担当者は,特にこの点に注意し,
冷媒充てん後の各試験手順において,接続部に緩みがないことを確認する。
d) 加熱劣化後の耐圧容器内の試料を採取するときは,試料に溶け込んでいる冷媒が突沸し,冷媒ととも
に試料が噴き出る場合があるため,耐圧容器が室温まで冷却されていることを確認するまでは,ニー
ドル弁を開けてはならない。また,ニードル弁を通して冷媒を取り出した後も,試料に冷媒が溶け残
っている場合があるので,ふたを開けるときは十分に注意する。

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附属書D
(規定)
冷媒との相溶性試験方法

序文

  この附属書は,冷媒との相溶性試験方法について規定する。
なお,この附属書は,代表的な冷媒としてHFC-134aを用い,代表的な試験器として容量100 mL耐圧ガ
ラス製試験管を用いたときの方法について規定しているが,規定以外の冷媒又は規定以外の容量の試験器
の適用を妨げるものではない。ただし,規定以外の冷媒を用いるときは,冷媒の特性を確認し,安全上十
分な配慮をしなければならない。また,規定以外の容量の試験器を用いるときは,試料及び冷媒の規定量
を試験器の容量に合わせて調節し,更に,その試験器の使用可能圧力を確認し,安全上十分な配慮をしな
ければならない。
D.1 試験の概要
規定量の試料(代表例 : 7.50 g)及び冷媒(代表例 : 42.50 g)を試験管にはかりとり,室温又は湯浴中で
昇温し,試料と冷媒とを均一透明な溶液にする。次に,試験管を冷却し,溶液が二層に分離するか,又は
溶液全体が乳濁するときの温度を求め,この温度を二層分離温度とし,試料と冷媒との相溶性を評価する。
D.2 試験器及び器具
冷媒との相溶性試験器は,次による。試験器の一例を,図D.1に示す。

――――― [JIS K 2211 pdf 30] ―――――

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