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X : 保持時間(分)
Y : 沸点(℃)
図27−沸点変換線の例
d) 試料の留出範囲が,沸点変換線の沸点範囲に含まれていることを確認する。
注記1 沸点変換線は直線であることが望ましいが,曲線を完全に取り除くようにガスクロマトグ
ラフの条件を設定することは困難である。
注記2 沸点変換線の直線から外れる可能性が最も高いのは,カラムからの溶出が相対的に早く,
かつ,沸点差が大きい低沸点のn-パラフィンである。試料の初留点が低いほど昇温開始温
度を低くするとよい。
7.6.4 標準物質の測定
この試験方法によるガスクロマトグラフの条件設定と計算過程とに間違いのないことを確認する場合,
標準物質を測定する。
a) 7.6.1の試験条件に従って標準物質の測定を行い,クロマトグラムの面積を沸点範囲ごとに分割した値
から7.8及び7.9 a)に従って沸点分布を求める。
b) 標準物質の測定結果は,その認証値から7.10.3に示す室間再現許容差を超えないことを確認する。
7.7 試験の手順
7.7.1 試料の準備
試料の準備は,次による。
a) 注入量は,カラム固定相に過負荷にならずに,検出器の直線範囲を超えてはならない。沸点範囲の狭
い試料では,沸点範囲の広い試料よりも注入量を少なくする。
b) カラム固定相の許容量を見積もる場合は,沸点変換線作成用混合物のクロマトグラムから見積もる。
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異なる量の沸点変換線作成用混合物を注入し,固定相が許容できる各成分の最大量を7.5.5に従って見
つける。この最大量のときの試料のピーク高さを記録し,試料の最大信号強度が,このピーク高さを
超えないことを確認する。
c) 粘度が十分に低く,常温でシリンジを用いて採取できる試料の場合は,希釈しないで注入する。粘度
が高いかワックス状の試料の場合は,シリンジで採取できるようにするために,二硫化炭素で希釈し
てもよい。
d) 充カラムへの注入量の例を表16に,キャピラリーカラムへの注入量の例を表17に示す。
表16−充カラムへの注入量の例
液相濃度 質量分率 % 試料原液の注入量 μL
10 1.0
5 0.5
表17−キャピラリーカラムへの注入量の例
膜厚 μm 試料原液の注入量 μL
0.81.5 0.10.2
1.53.0 0.10.5
3.05.0 0.21.0
7.7.2 試料の測定
7.6.1のa)及びc)で設定した試験条件に従って,試料をガスクロマトグラフに注入し,測定を開始する。
7.8 計算方法
試料の蒸留性状は,次の方法(図28参照)によって算出する。
a) ブランク補正を実施する場合は,試料の各分割時間における面積から,同じ分割時間のブランク測定
の面積を減じ,ブランクの影響を補正する。補正した分割面積を加算して,時間ごとの累積補正面積
を求める。
b) 測定が終了した後,クロマトグラムが最初にベースラインに戻って一定となった時点までのクロマト
グラムの全累積面積を求める。また,全累積面積値に対して99.5 %となる保持時間から終点を求める。
注記 終了点の位置決めが,この試験方法で最も困難な作業となることがある。試料によっては,
重質成分が徐々に減少することでピークのテーリングが極端に長くなるものがある。さらに,
セプタム及びカラム液相のブリード,前試料の測定でカラムに残留した重質成分の溶出が原
因で,クロマトグラムの終了点でベースラインが上昇する傾向があり,初留点前のベースラ
インにクロマトグラムが正確に戻らないことがある。
その場合は,測定の終了付近のクロマトグラム及び分割面積を調べ,分割面積の変化率が
1秒当たり,全累積面積の0.001 %以下の一定の値になった点にするとよい。
c) 測定開始からの累積面積が全累積面積の0.5 %となる保持時間から試料の初留点を求める。試料を二
硫化炭素で希釈した場合は,二硫化炭素の面積値は除外して求める。
d) 初留点と終点との間の分割された各累積面積を,全累積面積で除して,その値に100を乗じて,各分
割時間における試料の留出量(%)を求める。
e) 各分割時間における累積留出量(%)及び対応する分割終了時の保持時間を記録する。これを用いて,
累積留出量199 %の1 %ごとに対応する保持時間を求める。必要に応じて,累積留出量と保持時間
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との関係を直線に近似して求める。
f) 累積留出量1 %ごとの保持時間から,7.6.3の沸点変換線を用いて,対応する沸点を求める。保持時間
が,対応表の保持時間の間にある場合には,直線に近似して沸点を求める。
図28−クロマトグラムのモデル
7.9 結果の表し方
結果の表し方は,次による。
なお,ガスクロマトグラフ法の試験結果を常圧法蒸留性状に換算する場合は,附属書Aによる。
a) 7.8で求めた初留点,終点及び留出量1 %から99 %までの1 %ごとの温度(℃)を,JIS Z 8401の規定
によって丸めの幅0.5に丸める。
b) 蒸留曲線が必要な場合は,方眼紙上に留出量と留出温度との関係をプロットする。初留点は,0 %に,
終点は,100 %にプロットし,全ての点を結ぶ滑らかな曲線を描く。
7.10 精度
7.10.1 一般事項
この試験方法によって得られた試験結果の許容差(確率0.95)は,7.10.2及び7.10.3による。試験結果
が許容差を外れた場合は,JIS Z 8402-6によって処理する。
7.10.2 室内併行精度
同一試験室において,同一人が同一試験器で引き続き短時間に同一試料を2回試験したとき,試験結果
の差の許容差は,表18による。
7.10.3 室間再現精度
異なる試験室において,別人が別の試験器で同一試料をそれぞれ1回ずつ試験して求めた2個の試験結
果の差の許容差は,表18による。
表18−精度
留出量 % 室内併行許容差 ℃ 室間再現許容差 ℃
初留点 4 8
5 2 3
10,20,30,40 2 4
50,60,70,80,90 2 4.5
95 3 5.5
終点 7 13.5
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7.11 試験結果の報告
試験結果には,次の事項を記載する。
a) 試料名,採取場所及び採取年月日
b) この規格の番号(JIS K 2254)及びガスクロマトグラフ法
c) 結果(7.9の表し方による。)
d) 試験年月日
e) 特記事項
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附属書A
(規定)
灯油及び軽油−常圧法蒸留性状−GC換算法
A.1 一般事項
この附属書は,灯油及び軽油の常圧法蒸留性状を,ガスクロマトグラフ法の試験結果から,GC換算法
によって求める方法について規定する。ただし,この附属書によって得られた試験結果に疑義が生じた場
合は,常圧法で求めた結果による。
この附属書は,初留点の留出温度と体積分率5 %留出温度との差が65 ℃以下の灯油及び軽油で,かつ,
FAME(脂肪酸メチルエステル)分が質量分率10 %以下の軽油に適用する。
A.2 換算式及び係数
換算式は,次による。式中の係数は,表A.1による。表A.1によって求めた初留点と体積分率5 %留出
温度との差が37.5 ℃を超えたときは,表A.2を用いて初留点を求め直す。
tn a0 a1 Tn 1 a2 Tn a3 Tn 1
ここに, tn : 体積分率n %における常圧法蒸留相当の留出温度(℃)
ai : 表A.1からのi番目の係数
Tn : ガスクロマトグラフ法の試験結果(体積分率n %)における
留出温度(℃)
表A.1−換算式に用いる係数
体積分率n % 係数 体積分率n %の留出温度(℃)a)
tn a0 a1 a2 a3 Tn-1 Tn Tn+1
初留点 36.413 0.401 40 0.630 64 −0.100 22 TIBP T5 T10
5 24.305 0.085 80 0.444 42 0.466 46 TIBP T5 T10
10 15.793 0.397 11 0.299 64 0.320 42 T5 T10 T20
20 12.491 0.285 76 0.334 90 0.367 20 T10 T20 T30
30 10.244 0.263 62 0.308 01 0.393 63 T20 T30 T40
40 8.418 8 0.023 01 0.790 32 0.141 48 T30 T40 T50
50 1.785 8 0.076 93 0.597 74 0.287 38 T40 T50 T60
60 −2.771 2 0.227 46 0.228 80 0.505 81 T50 T60 T70
70 −4.290 6 0.130 48 0.389 64 0.433 86 T60 T70 T80
80 −1.574 7 0.061 79 0.605 66 0.269 24 T70 T80 T90
90 0.316 08 −0.068 35 0.671 54 0.312 73 T80 T90 T95
95 −1.424 6 −0.137 52 0.965 84 0.093 76 T90 T95 TFBP
終点 11.998 −0.464 14 1.040 71 0.303 49 T90 T95 TFBP
注記 表中の係数は,国内で流通する灯油及び軽油試料を用いて,常圧法蒸留性状とガスクロマトグラフ法試験
結果とから多重回帰によって求めたものである。[2]
注a) 表中のTnはガスクロマトグラフ法による試験結果であって,TIBPは初留点温度,TFBPは終点温度である。
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JIS K 2254:2018の引用国際規格 ISO 一覧
- ISO 3405:2011(MOD)
- ISO 3924:2016(MOD)
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- ガスクロマトグラフィー通則
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- 原油及び石油製品―密度の求め方―第1部:振動法
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- 測定方法及び測定結果の精確さ(真度及び精度)―第6部:精確さに関する値の実用的な使い方