5
K 5600-1-1 : 1999
なるようにする。また,霧の断面は,だ円パターンが出るようにして,だ円パターンの長径は,ス
プレーガンを動かす方向に直角になるようにしながら,試験板の周辺から外へ,それぞれ幅10cm
以上の部分までが均等に塗られるように,また各行の重ね合せが互いにパターン開きの1/3になる
ようにスプレーガンを動かす。
吹付け塗りで何回か重ねて塗り付ける場合は,毎回のスプレーガンを動かす方向は前回の方向に
対して,それぞれ常に直角になるようにする。ただし,短辺に平行に塗るときは,塗料の霧の垂直
断面が横長のだ円形に均等に出るように,空気キャップを調節する。
2) 試験板の面積が0.1m2未満の場合は,スプレーガンの選び方,試験板の立て方,スプレーの方法,
スプレーガンを動かす方向などは,1)の規定に従わなくてもよい。例えば,試験板の長辺を垂直に
固定する場合もある。
g) 試験片の養生 塗り終わった試験片は,標準状態に保った場所に移し,0.1m2以上の試験片は長辺を
水平に短辺を水平面に対し約85度になるように立て掛け,0.1m2未満の試験片は塗面を上向きにして
水平に置く。ただし,液に浸す試験片は,浸すときの上端を下にして立てておく。
3.3.8 乾燥方法 乾燥方法は,次のとおりとする。
a) 自然乾燥の場合 JIS K 5600-1-6による標準状態で乾燥する。乾燥時間及び養生時間は,試料の製品
規格の規定による。
b) 焼付乾燥の場合 3.2.2のb)に規定する恒温器で乾燥する。焼付温度及び焼付時間は試料の製品規格の
規定による。
3.3.9 試験片の周辺塗り包み及び保持 試験片の周辺塗り包みと保持は,次のとおりとする。
a) 周辺塗り包み 液に浸して試験する試験板に試料を塗るには,試験板がガラス板のときは片面に,ガ
ラス板以外のときは両面に試料を塗るか,又は表面に試料を塗り,裏面は試験液の影響を受けず,試
験に影響を与えない外の塗料又は材料で周辺を塗り包む。塗り包みのときの塗り重ねの幅は約5mm
とする。
b) 試験片の保持 試験片を立て掛けて保持するには,図2の例に示すような試験片立てに立て掛けるか,
又は器具で締め付けて立てる。両面を塗った試験片を水平に固定するには,塗り残しの辺を器具で締
め付けておく。
図2 試験片立ての例
4. 一般試験方法
4.1 容器の中の状態
4.1.1 要旨 容器の中の塗料が使用に適する状態になるかを,へら又は棒など(2)でかき混ぜたときの触感
によって調べる。
――――― [JIS K 5600-1-1 pdf 6] ―――――
6
K 5600-1-1 : 1999
注(2) 混合する試料の特性によって適宜選択してもよい。
4.1.2 操作及び評価 操作及び評価は,次のとおり行う。
a) 液状塗料の場合 容器の口を開き,表面に皮が張っている場合は,これを取り除いた後,へら又は棒
などで中身をかき混ぜて調べる。
容器の底に成分の一部が沈んでいても,特に堅い塊がなく,底の部分を少しずつこすって沈殿を溶
きほぐしてからかき混ぜ,中身全体が容易に一様になるときは“かき混ぜたとき,堅い塊がなくて一
様になる”とする。ただし,分散媒中にゲル相・固体相を分散した形の合成樹脂エマルション模様塗
料などの場合には,分散されているゲル粒子・固体粒子などの大きさと分散密度も含めて一様になる
かどうかを調べるものとする。
b) ペースト状塗料の場合 容器の口を開き,表面に皮が張っている場合は,これを取り除いた後,へら
又は棒などを差し込んで,動かして中身の状態を探ってみる。中身が軟らかくて塊が感じられず,お
よそ一様であれば,“塊がなくて一様である”とする。液状成分が上層に分離していても,中身全体を
かき混ぜて一様になるときは,同様に“塊がなくて一様である”とする。
c) 固形分が分離しやすい塗料の場合 容器の口を開き,表面に皮が張っている場合は,これを取り除く。
次に底に沈んだ成分をへら又は棒などで練り混ぜて一様になるかどうかを調べる。この操作で,底に
沈んだ成分が一様になるときは,“練り混ぜれば一様になる”とする。
4.2 塗装作業性
4.2.1 要旨 試料を製品規格に規定する方法で塗装して,塗装作業に支障がないかどうかを調べる。
4.2.2 器具及び材料 器具及び材料は,次のとおりとする。
a) 塗装器具 試料の製品規格に規定するものを用いる。
b) 試験板 製品規格に規定していない場合は,鋼板 (500×200×1mm) を用いる。
4.2.3 操作 操作は,次のとおりとする。
a) 1回塗りの場合 製品規格に規定する条件及び3.3によって試験板の片面に,規定の塗り付け量になる
ように塗って,塗装作業性に支障がないかどうかを調べる。この試験片は,試料の製品規格に規定す
る条件で乾燥・保持した後,“塗膜の外観”の試験又は2回塗りの“塗装作業性”の試験に用いる。
b) 2回塗りの場合 1回塗りした試験板を用い,1回塗りの場合と同様に試料を塗って,塗装作業に支障
がないかどうかを調べる。この試験片は,試料の製品規格に規定する条件で乾燥・保持した後,2回
塗りの“塗膜の外観”の試験に用いる。
4.2.4 評価 製品規格に規定する条件で試料を塗って,塗装作業に特に困難を感じないときは,塗り方に
応じて“塗装作業に支障がない”又“は2回塗りで塗装作業に支障がない”とする。
4.2.5 製品規格の規定条件 製品規格の規定条件は,次のとおりとする。
a) 試験板の材質及び寸法
b) 試料の塗装及び乾燥方法
4.3 乾燥時間
4.3.1 要旨 塗料が塗り付けられた後,粘着性を失い,塗膜を形成するまでの乾燥時間を求めて,乾燥の
速さの程度を調べる。
4.3.2 装置及び器具 装置及び器具は,次のとおりとする。
a) 恒温恒湿室 標準状態の温度23±2℃及び湿度 (50±5) %に保持できるもの。
b) 恒温器 製品規格に規定する温度範囲内に保持できるもの。
c) 低温恒温器 5±1℃に保持できるもの。
――――― [JIS K 5600-1-1 pdf 7] ―――――
7
K 5600-1-1 : 1999
d) 試験板 試験板の寸法は,200×100mmで,製品規格に規定する材質のもの。
4.3.3 試験片の作製 試料を試験板の片面に3.3に規定する方法及び試料の製品規格に規定する方法で塗
装したものを試験片とする。
4.3.4 操作 操作は,製品規格に規定する次のいずれかによって行う。
a) 常温乾燥 試験片の塗面を上向きに,板を水平に,ほこりが付かないようにして標準状態で規定の時
間乾かし,乾燥の程度を調べる。
b) 低温乾燥 試験片の塗面を上向きにして,直ちに温度5±1℃の低温恒温器に水平に入れて製品規格に
規定する時間乾燥し,低温恒温器から取り出して,標準状態に20分放置してから乾燥の程度を調べる。
c) 加熱乾燥 試験片の塗面を上向きに板を水平に,ほこりが付かないようにして室内に製品規格に規定
する時間置き,あらかじめ規定する温度に調節した恒温器の中に,水平に入れ(3)て,規定の時間焼き
付けし,恒温器から取り出して,室内で1時間放冷してから乾燥の程度を調べる。
注(3) 恒温器の中で試験片を同時に2枚以上加熱乾燥するときは,試験片の相互の間で加熱又は冷却が
起こらないように注意し,均一に換気する。
4.3.5 評価 製品規格に規定する乾燥時間を過ぎたとき,次のいずれかの方法によって乾燥の程度を調べ
る。
a) 指触乾燥 塗面の中央に指先で軽く触れて,指先が汚れない状態。
b) 半硬化乾燥 塗面の中央を指先で静かに軽くこすって塗面にすり跡が付かない状態。
c) 硬化乾燥 塗面の中央を親指と人差指とで強く挟んで,塗面に指紋によるへこみが付かず,塗膜の動
きが感じられず,また,塗面の中央を指先で急速に繰り返しこすって,塗面にすり跡が付かない状態。
4.3.6 製品規格の規定条件 製品規格の規定条件は,次のとおりとする。
a) 試験板の材質
b) 試料の塗装方法及び膜厚
c) 乾燥条件
d) 評価方法
4.4 塗膜の外観
4.4.1 要旨 塗膜の外観が,正常であるかどうかを目視によって調べる。
4.4.2 見本品 見本品は,製品規格に規定する塗料見本又は塗膜見本とする。
4.4.3 試験片の作製 試料の製品規格に規定する塗装作業性の試験を行い,製品規格に時間が規定されて
いないときは,試料を塗り終わったときから,乾燥時間を半硬化乾燥で調べる塗料で48時間,硬化乾燥を
調べる塗料で24時間,加熱乾燥の塗料では加熱し終わってから30分間放置したものを試験片とする。見
本品が塗料見本のときは,同様に試験片を作製する。
4.4.4 操作 拡散昼光のもとで,見本品の塗面と試験片の塗面とを比べ,試料の製品規格で規定する観察
項目について調べる。
4.4.5 評価 塗膜の外観が試料の製品規格の規定に適合したときは,“塗膜の外観が正常である”とする。
4.4.6 製品規格の規定条件 製品規格の規定条件は,次のとおりとする。
a) 塗装作業性の規定条件
b) 見本品
c) 乾燥条件
d) 観察項目 つや,むら,しわ,へこみ,はじき,つぶなど。
――――― [JIS K 5600-1-1 pdf 8] ―――――
8
K 5600-1-1 : 1999
塗料分野の国際整合化調査研究委員会 構成表
氏名 所属
(委員長) 増 子 昇 千葉工業大学
(委員) 西 出 徹 雄 通商産業省基礎産業局
大 嶋 清 治 工業技術院標準部
鴨志田 直 史 工業技術院標準部
橋 本 繁 晴 財団法人日本規格協会
本 橋 健 司 建設省建築研究所
坪 田 実 職業能力開発大学校
武 井 昇 職業能力開発大学校
鈴 木 雅 洋 東京都立産業技術研究所
吉 田 豊 彦 社団法人色材協会
高 橋 孝 治 社団法人日本塗装工業会
青 木 茂 サンコウ電子研究所
福 島 稔 社団法人日本鋼橋塗装専門会
近 藤 照 夫 清水建設株式会社
(主査) 岩 井 弘 財団法人日本検査協会
堀 江 建 治 関西ペイント株式会社
山 田 俊 幸 神東塗料株式会社
中 東 昭 憲 神東塗料株式会社
住 田 光 正 大日本塗料株式会社
上 寺 孝 明 中国塗料株式会社
松 井 繁 武 株式会社トウペ
更 谷 浩 日本特殊塗料株式会社
曽 我 元 昭 日本ペイント株式会社
大 澤 晃 日本油脂株式会社
高 橋 真 ロックペイント株式会社
長 尾 進 専門技術者
鈴 木 幹 夫 専門技術者
松 平 忠 志 松平技術士事務所
伊 藤 義 人 専門技術者
小 島 務 財団法人日本検査協会
常 田 和 義 大日本塗料株式会社
筒 井 晃 一 日本ペイント株式会社
(事務局) 内 田 幹 雄 社団法人日本塗料工業会
山 崎 不二雄 社団法人日本塗料工業会
文責 内田 幹雄
JIS K 5600-1-1:1999の国際規格 ICS 分類一覧
JIS K 5600-1-1:1999の関連規格と引用規格一覧
- 規格番号
- 規格名称
- JISB7410:1997
- 石油類試験用ガラス製温度計
- JISB7502:2016
- マイクロメータ
- JISB7525:1997
- 密度浮ひょう
- JISB7601:1983
- 上皿天びん
- JISB7751:2007
- 紫外線カーボンアーク灯式の耐光性試験機及び耐候性試験機
- JISB7754:1991
- キセノンアークランプ式耐光性及び耐候性試験機
- JISB9809:1991
- スプレーガン
- JISK5600-1-4:2004
- 塗料一般試験方法―第1部:通則―第4節:試験用標準試験板
- JISK5600-1-6:1999
- 塗料一般試験方法―第1部:通則―第6節:養生並びに試験の温度及び湿度
- JISK5600-1-7:2014
- 塗料一般試験方法―第1部:通則―第7節:膜厚
- JISR3503:1994
- 化学分析用ガラス器具
- JISR3505:1994
- ガラス製体積計
- JISR6251:2006
- 研磨布
- JISR6252:2006
- 研磨紙
- JISR6253:2006
- 耐水研磨紙
- JISZ1522:2009
- セロハン粘着テープ
- JISZ2371:2015
- 塩水噴霧試験方法
- JISZ8722:2009
- 色の測定方法―反射及び透過物体色
- JISZ8741:1997
- 鏡面光沢度―測定方法
- JISZ8801:1994
- 試験用ふるい
- JISZ9041:1968
- 測定値の処理方法